概要
1964年-1993年。
当初のスタッフは人形劇団のメンバーでほとんどが素人だったため、程なくして経営危機に陥ったが、東映動画(現・東映アニメーション)から独立したアニメーターに声をかけ、新たに立ち上げたAプロダクション(現・シンエイ動画)に外注することで体制を建て直した。
1970年代中ごろには海外進出を目的とした子会社テレコム、営業部門の東京ムービー新社を立ち上げる中、Aプロダクションとの提携を解消(この後、シンエイとして独立)など、体制が動いた。
1980年代は先の動きが実を結び、海外からのアニメ制作の依頼を受けるなど、世界的にも評価されていた。あのディズニーからもTVシリーズ元請として頼られていたほどで、複数作担当している。
1992年セガが株を買い上げ、翌年に東京ムービーは解散。
1995年にキョクイチ東京ムービー、2000年にトムス・エンタテインメントとなる。作品は再放送の際に「トムス・エンタテインメント」にクレジットが変えられている場合もある。
それ以後はトムスの実制作のブランド名として「東京ムービー」の名が用いられたが、2011年に『名探偵コナン』『それいけ!アンパンマン』でそれぞれクレジットの名義変更が実施されたことにより「東京ムービー」の名は完全消滅した。だが、バカボンの主題歌など作詞が「東京ムービー企画部」名義のものが多いため、カバーされるたびに名前が復活している。
作品
東京ムービー
主に企画・管理を東京ムービーが、実制作をAプロダクションが務めた。
『ビッグX』1964年
『オバケのQ太郎』1965年,1971年
『パーマン』1967年 - スタジオ・ゼロと交代で制作
『怪物くん』1968年 - スタジオ・ゼロと交代で制作
『巨人の星』1968年
『六法やぶれクン』1969年
『アタックNo.1』1969年
『ウメ星デンカ』1969年 - スタジオ・ゼロと交代で制作
『ムーミン』1969年 - 第1シリーズ第26話まで
『珍豪ムチャ兵衛』1971年
『ルパン三世』(1期)1971年
『天才バカボン』1971年
『赤胴鈴之助』1972年
『ど根性ガエル』1972年
『パンダコパンダ』1972-1973年
『エースをねらえ!』1973年
『侍ジャイアンツ』1973年
『荒野の少年イサム』1973年
『空手バカ一代』1973年
『ジャングル黒べえ』1973年
『柔道讃歌』1974年
『はじめ人間ギャートルズ』1974年
『ガンバの冒険』1975年
『元祖天才バカボン』1975年
『花の係長』1976年
『氷河戦士ガイスラッガー』1977年 - 東映からの委託 実制作はオカスタジオ
東京ムービー新社
主に東京ムービー新社が製作、東京ムービーが実制作を務めた。
東京ムービーは93年、新社は95年に解散した。
『ルパン三世』(2,3期)1977年,1984年
『新・巨人の星』1977-1979年
『新・エースをねらえ!』1978年
『宝島』1978年
『家なき子』1977年
『ベルサイユのばら』1979年
『ムーの白鯨』1980年
『あしたのジョー2』1980年
『太陽の使者鉄人28号』1980年
『六神合体ゴッドマーズ』1981年
『じゃりン子チエ』1981年,1991年
『おはよう!スパンク』1981年
『新・ど根性ガエル』1981年
『宇宙伝説ユリシーズ31』(フランスのDICとの共同制作)1981年
『忍者マン一平』1982年
『とんでモン・ペ』1982年
『スペースコブラ』1982-1983年
『ゴルゴ13』1983年
『レディジョージィ』1983年
『キャッツ・アイ』1983-1984年
『超時空世紀オーガス』1983年
『ゴッドマジンガー』1984年
『名探偵ホームズ』1984-1985年 - いわゆる「犬ホームズ」
『おねがい!サミアどん』1985年
『Bugってハニー』1986年
『ロボタン』1986年
『ダックテイルズ』1987年 - ディズニーからの元請/65話まで
『それいけ!アンパンマン』1988年-
『AKIRA』1988年
『チップとデールの大作戦』1989年 - ディズニーからの元請/シーズン1(13話)まで
『おちゃめなふたご クレア学院物語』1991年
『わたしとわたし ふたりのロッテ』1991年
『緊急発進セイバーキッズ』1991年
『超電動ロボ鉄人28号FX』1992年
『フランダースの犬 ぼくのパトラッシュ』1992年
『魔法騎士レイアース』1994年
『レッドバロン』1994年
『バーチャファイター』1995年
『怪盗セイント・テール』1995年
キョクイチ東京ムービー
現・トムスの母体となったキョクイチ(旧・アサヒ手袋製造株式会社)との合併。クレジットは「東京ムービー」のものと「キョクイチ東京ムービー」のものがある。
『ビートX』1996年
『名探偵コナン』1996年-
『デビルマンレディー』1998年
『モンスターファーム』1999-2000年- 初のデジタル彩色作品。
『週刊ストーリーランド』1999年
『人形草紙あやつり左近』1999年
『ごぞんじ!月光仮面くん』1999年 - 制作はアクタス
→以後トムス・エンタテインメントへ
製作中止作品
電人アロー
テレビアニメ製作が発表されたがスポンサーの製薬会社が降りたため中止となった。
長靴下のピッピ(「東京ムービー」名義)
1971年にAプロダクション(現・シンエイ動画)との合作でフジテレビ系で放送予定だったが、原作者との調整が難航し、お蔵入りとなる。スタッフに高畑勲、大塚康生、宮崎駿が参加する予定だった。
なお、代替番組は在京4局からスルーされた円谷プロ製作の特撮番組「ミラーマン」が導入され、本作の代替にアニメ映画「パンダ・コパンダ」が導入された。
ルパン8世(「東京ムービー新社」名義)
フランスの会社との合同企画。海外との権利調整で2話完成時点でお蔵入り。ルパン三世の子孫である8世が怪盗から探偵へとジョブチェンジして活躍する、スペオペ作品だった。先行して漫画版が双葉社の「100てんコミック」にて連載されていた。
関連タグ
アニメ制作会社 トムス・エンタテインメント 東京ムービー新社 テレコム シンエイ 出崎統