ハロー!新のび太。
作品の概要
作品の正式なタイトルは「映画ドラえもん のび太の新恐竜」。
連載開始50周年記念作で、令和初の映画ドラえもん作品である。また、大山版から数えて40作目(水田版のみだと15作目)という節目の作品でもある。
ゲスト声優に元SMAPの木村拓哉、女優の渡辺直美が起用されている。
当初は2020年3月6日に公開予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、映画ドラえもんでは初となる公開延期を決定した。
新たなる公開日は8月7日に決定した(本来は『STAND BY ME ドラえもん2』が公開予定だった日。この決定で『STAND BY ME2』は公開延期になった)。意図したものか不明だが、8月7日はのび太の誕生日でもある。
この決定に対しネット上では長すぎという声が上がっていた。しかし新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、4・5月に公開予定だった映画のほぼ全てが延期になっている上、その殆どが夏以降の公開に延期となっていることから春での公開は不可能だったと言わざるを得ない(こちらを参照)。
本家の2Dアニメとしては1980年に公開された『ぼく、桃太郎のなんなのさ』以来実に40年ぶりの夏休み映画となる(スピンオフ含めれば2014年の『STAND BY ME ドラえもん』以来)。当然ながら、長編本体の夏公開は初。
なお、次回作『のび太の宇宙小戦争2021』も同じ理由で公開が延期されている。
興行収入も直近『のび太の月面探査記』『のび太の宝島』に比べ激減し、33.5億円と水田版の初期映画と同程度となっている。ちなみに『のび太の恐竜2006』より興行収入は高い。
漫画版はコロコロコミックに加え、ちゃおにて『~ふたごのキューとミュー~』が連載されている。ちゃおでの連載は今回が初となる。
特徴
登場する恐竜の多く(のび太たちと関わるものを除くと)が迫力のあるCGで描かれている。
序盤の大筋は『のび太の恐竜』をあえて踏襲する形を取り、そこに最新の学説や羽毛恐竜と言った要素を盛り込むことで、『のび太の恐竜』とはまた違った物語となっている。なお、『のび太の恐竜』との関係性はメディアミックス作品ごとに異なっており、映画や小説等では一種のパラレルワールドや繋がっているか曖昧な描写となっているのに対して、漫画『映画ストーリー「映画ドラえもん のび太の新恐竜」』では明確に『のび太の恐竜』の続編となっている。
余談だが「白亜紀後期の大量絶滅がなかったら、当時の動物から進化した」という考察による架空の生物を新恐竜と呼ばれているが本作とは無関係。
ストーリー
のび太が恐竜博の化石発掘体験で見つけた1つの化石。絶対に恐竜のたまごだ! と信じたのび太が、ドラえもんのひみつ道具“タイムふろしき”で化石を元の状態に戻すと…生まれたのは双子の恐竜! しかも、未発見の新種だった。
のび太に似てちょっと頼りないキューと、おてんばなミュー。個性の違いに苦労しながら、親のように愛情たっぷりに育てるのび太だったが、やがて2匹が現代で生きていくには限界がきてしまう。
キューとミューを元の時代に返すことを決心したのび太は、ドラえもんや仲間たちと共に6600万年前へと出発、キューとミューの仲間の恐竜たちを探す旅がはじまった。
ゲストキャラクター
- キュー(CV:遠藤綾)
のび太が見つけた卵から生まれた双子の新恐竜のオス。
体色は緑色で、間抜けで気弱な性格。ミューと違って尾は短く、腕に翼があるが空を飛べない。
- ミュー(CV:釘宮理恵)
のび太が見つけた卵から生まれた双子の新恐竜のメス。
体色はピンクで、活発で人懐っこい性格。腕の翼で飛ぶことができる。
- ゴル(CV:間宮康弘)
ジャイアンがひみつ道具"友チョコ"で友達になったティラノサウルス…ではなく近縁のタルボサウルス。
(これは今作の冒険の舞台が白亜紀の日本であるため)
- トップ(CV:下和田ヒロキ)
スネ夫がひみつ道具"友チョコ"で友達になったシノケラトプス。
その容姿は某恐竜映画に出たソレそのもの(後にUSJにて実際にコラボイベントが開催されていたことが判明)。
- たまご探検隊
ドラえもんのひみつ道具であるたまご型のロボットたち。キューやミューの仲間の恐竜探しに協力する。
- 恐竜博士(CV:小野大輔)
恐竜博で働いている恐竜博士。のび太に恐竜についてアドバイスをしてくれる。
- ジル(CV:木村拓哉)
白亜紀に存在するはずのない白い「猿」に変身している謎の男。
「謎の島」の秘密を握っているようであり、のび太たちや新恐竜(キューとミュー)の行動を監視している。裏設定ではなんと先述の恐竜博士の子孫であることが判明している。
- ナタリー(CV:渡辺直美)
ジルと通信している謎の褐色の女性。
ジル同様、のび太たちを監視しており、彼らに「謎の島」の秘密を知られないようジルに何かあったら確保するよう命じている。
本作のドラえもんヴィランズ。白亜紀にてのび太たちを襲撃した超巨大な翼竜。
あるシーンで登場。
登場恐竜及び古生物
- タルボサウルス(漫画版、小説版等ではティラノサウルス)
- シノケラトプス(小説版ではトリケラトプス)
- オヴィラプトル
- ティタノサウルス(劇中ではアラモサウルスと呼称)
- シュヴウイア
- タペジャラ
- シャントゥンゴサウルス
- スピノサウルス
- デイノスクス
- モササウルス
- プテラノドン
- シノルニトミムス
- ヤンチュアノサウルス(漫画版ではアロサウルス)
- トゥオジャンゴサウルス(漫画版ではステゴサウルス)
- オロロティタン(漫画版ではパラサウロロフス)
- プロトケラトプス
- ヴェロキラプトル
- アンキロサウルスの仲間(おそらくタルキア)
- テリジノサウルス
- パキケファロサウルスの仲間(おそらくプレノケファレ)
- 哺乳類(おそらくディデルフォドン)
- 首長竜(???)
主題歌
「Birthday」/「君と重ねたモノローグ」(W主題歌)
歌 - Mr.Children
作詞・作曲 - 桜井和寿
映画シリーズで初めてW主題歌になっている(前例として『のび太の宝島』の主題歌として星野源が『ドラえもん』(主題歌)と『ここにいないあなたへ』(挿入歌)の二曲が起用されたことはある)。また、Mr.Childrenが1つの作品に主題歌を2曲書き下ろすのも初となる。
エンディングに使われたのは「Birthday」のみだが、挿入歌としては両曲とも使用された。
実現、のび太の「新恐竜」
2020年7月、中国・四川省で白亜紀前期に生息していたと思われる新種の肉食恐竜の足跡が発見され、翌年7月にこの足跡がエウブロンテス類の新種であるという論文が公開された。
化石を発見した中国地質大学のシン准教授は幼いころからドラえもんの大ファンであり、「のび太くんの願いをかなえてあげたい」という思いからこの新種の恐竜をのび太に因んだ「ノビタイ(学名:エウブロンテス・ノビタイ)」と命名。日本でも大きな話題となった。
これを受けて公式のドラえもんチャンネルでも特集記事が組まれている。
ただし、ノビタイは今のところ足跡の化石そのものに付けられた名称であり、これから調査で恐竜の全体像がわかるような痕跡が見つかった場合、新たな学名に変わる可能性を補足しておく。
関連タグ
のび太の恐竜 のび太と竜の騎士…同じく恐竜が作品のテーマになっている映画ドラえもん。
ニュージェネクライマックス…当初の公開予定日及び公開延期後に改めて発表された公開日が同じ映画。また、同作では恐竜博士の声を演じた小野大輔氏が主題歌を担当している。
さよなら、ティラノ…『のび太の新恐竜』と同じ、2020年公開予定の恐竜を題材にしたアニメ映画。本来は2020年春公開予定だったが新型コロナウイルスによる影響で公開延期され、こちらは2021年冬までおよそ1年半に及ぶ延期となる。
USJ(ジュラシック・ワールド)…期間限定でコラボイベントが実施。本来は春の予定だったがパーク休止と映画の延期が重なり夏の実施となった(6月8日~7月22日)。
Fate/GrandOrder…本作に登場するケツァルコアトルスの由来であるケツァル・コアトルを同作でキュー役の遠藤綾氏が演じている。→のび太の聖杯戦争