こんにちは、カルデアのマスターさん。女神パールヴァティーと申します。
此度は清らかな少女の体を借りて顕現させていただきました。
私も不慣れな状況ですので、一緒に成長させてくださいますか?
プロフィール
真名 | パールヴァティー |
---|---|
クラス | ランサー |
性別 | 女性 |
身長 | 156cm |
体重 | 46kg |
出典 | インド神話 |
地域 | インド |
属性 | 秩序・善・天 |
好きなもの | 料理 |
嫌いなもの | ワカメ(本人曰く、「嫌悪感を抱く」) |
設定担当 | 奈須きのこ |
ILLUST | 蒼月タカオ |
CV | 下屋則子 |
概説
「Fate/Grand Order」に登場するランサークラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
『Heaven's Feel』劇場版第1章公開直前の2017年10月8日に体験クエストと共に実装された。
ゲーム内イベントでは『徳川廻天迷宮 大奥』にて重要キャラとして登場する。
インド神話における最高神シヴァの伴侶……ではあるが、戦闘には縁の無い心優しい女神。
神霊ではあるが、今回は波長の合う依代の少女の体を借りて現界した疑似サーヴァント。
貞淑、穏やか、家事全般なんでもござれのまさに理想的な幼妻系ヒロイン。いわば光の後輩。
公式・ファンからの通称は、体験クエストでの本人の申告から「パールさん」。
ライダーとしても現界可能で、その場合はシヴァから聖牛ナンディンを借り受けることになる。
しかし、ナンディンは本来は豊穣などを司る牛のためか神獣にあるまじき攻撃力の低さを誇る(しかし、ナンディンにはアイラーヴァタ(ギリメカラとも呼ばれる)の首を切り落としている等の逸話があることからあくまでインド神話の中だけという可能性もある)。
ちなみに奇しくもクラス適性は彼女の依り代がサーヴァントとしていた人物と同じものである。
真名
インド神話における最高神シヴァの伴侶、「パールヴァティー」。
パールヴァティーはインド神話における破壊と創造の神シヴァの妻である。
彼女には神としての権威が存在せず、あくまでシヴァの妻である女神として扱われる事が多い。
しかし、シヴァの妻には「戦神」として語られるものもいる。ドゥルガーやカーリーである。
これらの女神とパールヴァティーは別の霊基だが神核は同じものとされる。
この手の女神としては(ドゥルガーやカーリーを同一神と考慮しなければ)珍しくこれといった荒事の神話がなく、旦那さん大好きな天然ドジっ子奥さん系女神である。また旦那であるシヴァ神も彼女を愛するバカップルだとか(というかインド神話の神様はバカップルが多い)。
ちなみにとある神話では2人が愛し合いすぎて、物理的に合体しちゃったなんてものまである(実際には夫婦喧嘩における仲直りのハグが強烈過ぎた為に起きたらしい)。
ちなみに夫のシヴァは、変な意味で破天荒であり、彼女の入浴を覗きに来た彼が、彼女の垢から生まれ、風呂の見張りを命じられた息子の首を刎ね、嘆き悲しむ彼女の為に首を探すも見つからず、仕方なくそこら辺の象の首を刎ねて繋いだという話があったりする(自分の息子なのにぞんざいな扱いである)。とはいえ彼女も、修行ばかりの彼に構ってほしくて、彼の両目を塞いだら世界から光が失われ、魔物が湧き出す異常事態を起こしてしまう話もある(その時は、シヴァが第3の目からビームを放ち、燃え上がるヒマラヤ山脈を代わりの明かりにして事を収めたとか)。
元々はサティという名の女神だったのだが、サティの父親ダクシャはシヴァの破天荒な性格を嫌っておりシヴァとサティの結婚を決して認めようとしなかった。幾度もシヴァの名誉を傷つけるダクシャに怒ったサティは焼身自殺を決行。愛するサティを失ったシヴァが何かも捨てて引きこもってしまった。その後、ターラカという怪物が世界を滅ぼしかけるという危機に陥ってしまう。
しかし、サティはパールヴァティーとして転生しており困難を乗り越えてシヴァの心を開き夫婦として世界に平和をもたらす事になる。ちなみに、シヴァにはパールヴァティーのみならず何百人もの妃がいるのだが、このすべてがサティの躯から誕生したサティの分身である(メタい事を言うならば習合を繰り返した為に妃が増えすぎた事に対する整合性取なのだが)。
人物
一人称は「私(わたし)」。
従来の疑似サーヴァント同様に神霊の人格と依り代の人格を混ぜ合わせた第三の人格を形成している。だが依り代の人格の我が予想より強く、結果としてかなり調和のとれた完璧な混ざり方をしたらしい。曰く、お互いのマイナス面を排除し、プラス面だけで構成されているとのこと。
人格や記憶はパールヴァティーのものだが、趣味趣向や判断基準は依り代のものが優先されている。また依り代の記憶は基本的に封印されているものの、判断基準の参考にされているところがあり、咄嗟の判断などではその根拠として顔を出す時がある。
ちなみにパールヴァティーの申告によると、依代の肉体年齢は「成人付近」。
プレイヤーがよく見知った年齢(高校生)よりも、僅かに成長した姿で登場している可能性がある。
人柄は正義感が強い一方で和やかで包容力のあり、大人しそうに見えて意外とグイグイ行く。お淑やかで、マスターを横から支える才女……と、理想的なヒロイン力かつスペックは高いのだが、派手好きではなく堅実・地味な道を選ぶため、どことなく鈍くさい。可愛いドジっ子ポンコツ女神様。
若干思い込みが激しく世間知らずでもあり、バレンタインデーのチョコはまさかの聖牛ナンディーチョコ(1/1)で中身もぎっしり。これには流石の主人公も見かけた瞬間隠れてしまったほど。ナンディー本人は「せめてもっと小型にしなさい」と再三止めていたがパールヴァティーは聞く耳持たず、主人公の胃袋のことは全く頭になくカルデアのサーヴァント一の出来栄えだと自負し、完食してほしいと重い言葉を残していった(ちなみにそのチョコはメデューサやパールさんを煽ったジャガーマンを筆頭とした『SN』組と力を合わせて完食した)。
また温和な性格ではあるが、だからといって気弱ではなく、芯がとても強い。どんな責め苦を受けても心の折れない、ある意味、意地と根性の塊でもある。雰囲気としてはBBを光落ちさせたような感じ。依り代の所為か、「後輩」というワードに何か思うところがある様子。
またパールヴァティーが戦神である「カーリー」や「ドゥルガー」を側面として持っているという逸話から、怒るとすさまじい怒気を放つ。本人曰く滅多に本気で怒ることはないとのことだが、マジギレした時はかなり危険らしい。そのため、本気で怒らせるととても怖い。このパールヴァティー、受けた恨みは自分の気が済むまでは決して忘れないのである。
ちなみに、ワカメが嫌いらしいが、海藻としてというよりこちらのワカメの方が主と思われる。
能力
戦神としての逸話を持たないため、神霊系疑似サーヴァントとしては弱い部類。
それでも旦那の三叉戟「トリシューラ」を借り受けていることや、一瞬だけ自らの側面とされている「破壊の女神カーリー」を表に出すことによって戦闘力を保持し、ランサーとしてのクラス資格を得ている。無論、シヴァほどにトリシューラの真価を発揮することはできないが、かえってそれがサーヴァントとしての枠組みを守る助けになっている。
トリシューラは彼女用にアレンジが加えられており、矛先が音叉のような形になっている。それに合わせて攻撃方法も刺突や雷撃だけでなく、音波攻撃も可能としている。
攻撃時の彼女の台詞に出てくる「アナーハタ」とは、「宇宙を翔ける霊的超音波」の事であり、人体の主幹を一直線に貫いて並ぶ、7つの気の密集点「チャクラ」のうち、胸の谷間に位置する4番目にも同じ名前が付けられ、無償の愛を司るとされている。つまり「恋する乙女の高鳴る心音」のメタファーとでも言うべき単語……この女神、恋愛脳全開である。
モーション中では、雷撃を纏った槍術を主とする他、空中から投擲したり、敵の頭上から落雷を食らわせたり、上述の通り穂先から電撃や音波を放ったりという攻撃を披露する。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | D | C | D | B | B | EX |
保有スキル
対魔力(A) | ランサーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。Aランクならば、魔法陣・儀式呪法を用いた大魔術もキャンセルする。事実上、現在の魔術師ではパールヴァティーに傷を付ける事は不可能。 |
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女神の神核(B) | 生まれながらに完成した女神である事を現す固有スキル。同時に「神性」スキルを含む複合スキルでもある。精神と肉体の絶対性を維持する効果を有する。更に精神系の干渉を殆ど緩和し、肉体の成長もなく、どれだけカロリーを摂取しても体型が変化しない。依り代に憑依した擬似サーヴァントである為に、Bランク止まりとなる。でもそんな事どうでもいい。体型が! 変化! しない! |
イマジナリ・アラウンド(EX) | 依り代の少女の魔術特性を更に発展させたもの。 |
カーマの灰(EX) | パールヴァティーは穏やかな、戦いにおいては弱い女神である。しかし、だからと言ってその心まで弱い訳ではない。愛する者を想う心はどの神より強く、また、底が深い。彼女は愛する者の為ならば例え自らの体が壊れようとその『神性』を燃やし、戦いの力とする。僅か一瞬の炎ではあるが、それはシヴァの妻の一柱、破壊の女神カーリーに匹敵するほどのものだ。特筆すべきはシヴァからの気持ちは関係ない、という事。パールヴァティーは愛する者に無視されようが、その者の為に愛情を育める特性を持っている。その愛は一途ではあるが、ちょっと……いや、神話級に重い。 |
女神の恩恵(A+) | 女神(善)からの贈り物。従者が餓えに耐えかねた時、自らの首を刎ねて血を与えたエピソードより。カーマも同名スキルを持つ。 |
宝具
恋見てせざるは愛無きなり(トリシューラ・シャクティ)
- ランク:EX
- 種別:対軍宝具
- レンジ:5~10
- 最大補足:30人
「私だって、怒る時は怒りますから。」
「感じてください……これが私の、天まで届く恋の波動!『恋見てせざるは愛無きなり(トリシューラ・シャクティ)』!!」
パールヴァティーがシヴァより借り受けた三叉戟「トリシューラ」の限定解放により、本来の力を一時的に引き出す宝具。使用時は3人に分身して対象を包囲し、トリシューラから発せられる音波によって拘束。しかる後にトリシューラの本来の力である極太の落雷で対象群を打ち据える。
詳細は該当記事を参照。
ゲーム上での性能
最大HP | 11761 |
---|---|
最大ATK | 9968 |
コマンドカード | Arts:1 / Quick:2 / Buster:2 |
宝具カード | Quick |
スキル1 | イマジナリ・アラウンド(EX) / 自身のQuickカード性能をアップ&NP獲得量をアップ(各3T) |
スキル2 | カーマの灰(EX) / 自身の攻撃力をアップ&防御力をアップ&スター発生率をアップ&弱体耐性をアップ(各1T) |
スキル3 | 女神の恩恵(A+) / 味方単体のNP増加&HP回復+自身のNPを10%減少 |
宝具 | 敵全体に強力な攻撃&敵全体に中確率で魅了状態を付与(1ターン)+味方全体のNPを増やす<オーバーチャージで効果アップ> |
カード性能がランサー全体で見ても上位に入るほどに優秀で、NPもスター獲得もそつなくこなせるのが特徴。ATK自体は低いが宝具回転率が非常に良く、それに伴って味方へNPをばら撒ける。
Quick宝具というのもあって、スカディの登場による恩恵を強く受けた1騎で、その援護で加速を受けた宝具回転率は驚異的であり、周回要員としてマスターたちからご贔屓にされている。スキル強化での素材は要求数こそ少ないものの、「蛮神の心臓」「奇奇神酒」「智慧のスカラベ」金素材が多いのが気にかかるか。毎回イベントできっちりと回収しておけば、そこまで困らないだろう。
関連人物
神話
インド神話の主神にして、最愛の夫。
破天荒な性格ながらも心から愛しており、その思いは絆礼装のテキストでも描かれている。
息子。後述のカーマの事件を知ったガネーシャが「カルデアを手伝いたい」とBBにオーダーしたことで、電子世界の勇者を依り代とした疑似サーヴァントが召喚された。
2019年9月4日に配信されたパールヴァティーの幕間の物語にて本格的に絡むことに。
一説によれば「旦那に不評だったため修行とブラフマーの協力で切り離した色黒な自分」。
即ちパールヴァティー・オルタとでも言うべき存在。
カーリー共々、同じ神核の神霊。
カルデアでは自身と同じ依代かつカーリーの霊基を内包した状態で現界している。
依代を同じくするサーヴァント。
同じ依代ながら露出の多い姿をしていることを恥ずかしがっており、「たとえ出会っても見て見ぬふりをするかもしれない」と言っている(『FGO Material』本では実際に見て見ぬふりをした)。
その一方でかつてカーマに対してシヴァが行った仕打ちの件については、夫のした事とはいえ自身にも原因があるため非常に申し訳なく思っているらしい。なお彼女の話によれば、この件にはインドラ神達も関わっているとか(余談だがパールヴァティーのスキルである「カーマの灰」はスキルの名前やテキストから察するにカーマの有名な逸話と大きく関係していると思われる)。
パールヴァティーの幕間の物語でも絡むことに。容姿に関してはノーコメントだが、責任感からカーマの保護者、または監督者として管理・監視している。傍からは姉妹のような関係。
Fate/Grand Order
インド神話と刀鍛冶なので関連はないが、依り代同士が互いに恋人の間柄。
特に桜にとって士郎の存在は救いそのものであるが故に彼女を依り代としているパールヴァティーもその影響を強く受けている為、『material Ⅴ』によると村正に対しては「見ているだけでとても落ち着く」とのこと。
なお、この依り代の士郎に対する思慕はカーマとドゥルガーにも存在している為、桜の士郎に対する恋愛感情はもはや彼女自身の「本質」である事が窺える。
インド系サーヴァント達。パールヴァティーにとっては自分の子供同然の存在。
アルジュナは宝具「破壊神の手翳(パーシュパタ)」をシヴァから授かっており、アシュヴァッターマンはシヴァを半身として生まれたため、夫側とも関わりが深い。
上記のAIを由来とする、カルデアでのサーヴァント。
そして、リップを構成する女神の大半を占めている。『Fate』シリーズ独自設定としてドゥルガーは十振りの神授の剣を持ち(原典では様々な神々から渡された持物・武器の1つがヤマ神の剣)、パッションリップの鍵爪はその十の神剣を具現化したものとなっている。
BBとは正反対の立ち位置にあたるが、彼女からは尊敬されている。
契約したマスター。上記の通り、体験クエストの自称に倣って「パールさん」と呼んでいる。
心優しい彼/彼女のサーヴァントであることを喜んでいる。
神話自体に関連はないが、依り代同士が姉妹の間柄。
そのためか、霊基的には面識がなくとも、なんとなく意識し合う関係。
同じく依り代同士が関わり深い間柄にある存在。カルデアでは彼から料理(主に和食系)を習っており、以降のイベントでも度々厨房を手伝う姿も見られる。ちなみに体験クエストでジャガーマンから「カルデアにはエミヤが何人も居る」と聞かされた際は飛び上がるほど喜んでいた。
依代が契約していたサーヴァント。
依代の深層意識が働いているのか、「ライダー」と呼びたくなる。
仏教説話においては、彼の至高性、そして彼が開いた仏教を認めず、夫共々我らこそが世界の支配者だと主張した結果、大日如来(ゾロアスター教におけるアフラ・マズダ。要はアンリマユの宿敵という事になる)が呼び寄せた不動明王や大黒天(いずれも夫の別側面と言われている)。に屈服されるという優しい性根からは考えられない説話が語られている。それにしても夫の別側面にのめされる夫婦とは一体……不動明王や大黒天はアルターエゴか何かなのだろうか。
恒常の☆4ランサー、CVが同じと共通点が多いサーヴァント。
奥様系という点も共通しているが、あちらは未亡人である。
絵師が同じランサーの疑似サーヴァントで依り代同士が家族同然の恩師と生徒の関係。
体験クエストでは出会った際に「先生」と思わず呼んでしまった。
バレンタインではパールヴァティーを煽った結果、ある意味大惨事に……
余談
- 保有スキルにある「イマジナリ・アラウンド」は同名の概念礼装がある。カードイラストは彼女が依り代としている間桐桜である。
- 依り代同士が関係してかパールヴァティー体験クエストにてジャガーマンを先生と呼んだ。ちなみに、彼女とのバトルは1人でなくイリヤとともにバトルする。
- 宝具を放つ際、(プレイヤーから見て)左側にいる分身の向きが一人だけ違うのだが、霊衣「少女の探し物」状態で宝具を撃つとリボン位置まで反転するというミス(?)が存在している(プレイヤーから見て)。右側頭部にリボンをしているため、この向きだと本来リボンは見えない、もしくは大部分が隠れているはずである。現在は修正済み。
- 召喚時に「清らかな少女の身体を借りて顕現させていただきました。」というのだが依代である間桐桜は『SN』本編にてあんなことやこんなことをされているため、それを知るマスターからは「きよ……らか……?」「清らかとは」と突っ込まれている。
- 母性溢れるキャラクターに仕上がっている彼女であるが、桜はタイころのドラマCDにて精神だけ子供になった正義の味方のお母さんになってしまった事がある。ただひたすら甘やかすというやり方に関してはこっちに近い。その様を凛は「鬼子母神」のようだと評している。
- ちなみに鬼子母神の起源もパールヴァティーと同じインドであり、意外なところでインドとの接点が出来ていたのである。
- 『stay night』の主役2人は戦いを共にしたサーヴァントと同じクラスの擬似サーヴァントとして召喚されているが、このパールヴァティーも例外ではない。というのも、依り代の少女と契約していたサーヴァントは『FGO』では別のクラスで召喚されていたから。ちなみにパールヴァティー自身もライダークラスに適性がある。
実装に伴うトラブル
追加された後に以下のトラブルが起きている。
- アメリカのヒンドゥー教団体「ユニバーサル・ソサエティ・オブ・ヒンドゥーイズム」の代表ラジャン・ゼッド(『FGO』パールヴァティの抗議を行ったラジャン氏の詳細について参照)氏からの抗議
- 霊衣開放イラストが気に入らないからと蒼月タカオ氏に対する誹謗中傷
1つ目のヒンドゥー教団体からの抗議の内容(『FGO』のパールヴァティの何が問題だったのか参照)は
- 「ベリーダンサーのような服装が問題」
- 「パールヴァティーなのになんでシヴァの槍使ってんだ?」
- 「神をサーヴァント(下僕)にするってどういう事だ?」
これに対し擁護側の反応として
- インドの像や絵では上半身裸、または半衣だけの乳房もろだしやへそ出しもよく見受けられる。
- 上記のごとく原典のインド神話で借りており、槍を持った女神の絵や像は珍しくもない。
- 修行や贖罪として人間の下僕になるエピソードをもつ神々もいる。
といった反論が出た。
こうした論についても以下のように言える。
- 露出度だけを見れば、水着、ふんどし、下着は共通するが、それぞれ社会における扱いは異なる。ベリーダンスの本場の中東でも規制論が出ることがあり、その認識は一様ではない。表現の様式や媒体もまたそうであり、たとえば像としてのミロのヴィーナスは出せても同じ露出度の生身のキャラを全年齢向けでは出せないだろう。
- 槍を借りたのは厳密にはその一相であるドゥルガーであり、化身などではないパールヴァティー自身が槍を持つ描写はインド神話には登場しない。パールヴァティーに近い姿で槍を持つのはシャイラプトリーというこちらもドゥルガーのいち側面である。大乗仏教には烏摩妃(ウマー)、波羅和底(パールヴァティー)のまま槍を持つ図像があるが、大乗仏教における彼女は夫ともども仏教側の大黒天、不動明王、降三世明王に降伏させられるという、ヒンドゥー的にはありえない背景の中の存在である。
- 少なくともパールヴァティーにその伝承はない。信仰者にとっては聖典の記述や神話は「歴史」のような事実であり、例えばシヴァを惑わした罰で人間に生まれ変わったカーマ(プラデュムナ)みたいな感じのを他の神にやってもいいだろ、とはならない。聖典に無いなら、少なくともそれは事実ではない創作、ということになる。
同団体は、過去に他のゲームに対してもそういう抗議を行っていたことがあり(日本以外の国の作品に対しても抗議している)、日本のSNSで話題になった際には「抗議側は『そういう団体』である」以前にモンスタークレーマーとみなす論調が広く見られた。付言しておくと、団体及び代表はヒンドゥー教についての活動だけでなく、他宗教との対話活動にも取り組んでおり、一定の評価を受けた存在である(『FGO』パールヴァティーへの抗議とその反応に関しての私見参照)。
彼らがしたような抗議が本国インドでは全くありえないかというとそうでもない。オーストラリアのCMでガネーシャが羊肉が並ぶ食卓にガネーシャが参加する描写があった際にはインド政府からの抗議がなされた(ヒンズー教の神は羊肉食べません! 豪のCMにインドが抗議)。
2つ目に関しては、トレス疑惑と指摘されていたがほぼ単なる個人の嗜好による言いがかりでしかないレッテル貼りであり、それがSNSへの拡散などで飛び火し、風評被害に繋がってしまったという事である。しかし「プロなら新規イラストで描いて欲しかった」「桜の疑似サーヴァントじゃなければここまで言われなかった」と疑惑を肯定する声もあった。氏はこのトラブルをきっかけにpixivとTwitterのアカウントを削除する事態になってしまい、これが関係しているのかは不明だが、彼女の情報が記載された『FGO material Ⅴ』でも、デザインに関するコメントは一切触れられなかった。
それ以降情報は音沙汰なしだったが2019年の『Fate/stay night』の15周年記念でお祝いイラストが描かれ、生存が確認された。
関連イラスト
霊衣「少女の探し物」