ゾイドに関するおおまかな説明はZOIDSの項が詳しい。作中に登場する金属生命体ゾイドの各機種については、ゾイドの項に一覧がまとめられている。
概要
トミー(現タカラトミー)の玩具「ゾイド」を原作とした最初のテレビアニメ。
1980年代にアニメ化の動きがあった(参照)が、実現まで十年以上の時を経てのアニメ化を果たした。
本来は4クール=50話前後の予定だったが、予想を超えた人気を博したためにGF編やアニメ化第2弾となる『ゾイド新世紀/ゼロ』につながっていく。
俗に少年編と呼ばれる第1部(34話まで)と、主人公が成人してからの第2部で構成されている。世界観の設定と第1部ストーリーは、本作の漫画版を執筆した上山道郎が担当した。
大まかな経緯については上山本人のサイトに掲載されているほか、漫画版は本作と設定の多くを共有する。
ウルトラザウルスやデスザウラーなどの大型ゾイドが実際の機体設定以上に大型化されていたり、ゾイドの生命を司る「ゾイドイヴ」という設定など、キットのパッケージ上や小学館刊「機獣新世紀ZOIDS 公式ファンブック」内で展開されるバトルストーリーとは世界観が異なる。
企画段階ではコマンドウルフが主人公機になる予定だったが変更された。最初期のポスターでのコマンドウルフの色が白だったり、漫画版でのコマンドウルフのジークの設定などはこれに由来する。
ゾイドのCG
本作に登場するゾイドの多くがトゥーンレンダリングで描写された3DCGである。
そのCGの完成度に定評があり、人気の一旦を担っている。しかし1999年から2000年という時代柄、表現力には限界があった。
ブレードライガーが商品として開発された背景には、本作の制作当時のCG技術では格闘編重の戦闘を安定して演出することが難しく、その上で外連味のある必殺技も必要とされたので、敵の横を走り抜けて切り裂く「レーザーブレード」が考案されたとされている。
つまり、次回作における「ストライクレーザークロー」こそが、本来アニメスタッフが目標としていた戦闘描写である。
この件で外せないのがゴジュラスの扱いである。制作費とCGの容量の限界でかませ役や固定砲台と化してしまい、昭和からのファンには不評だったのは知る人ぞ知るエピソード。砲撃型(あまり動かさなくていい)がアニメにおける標準装備になったことも、この影響だと有力視されている。これは『/ゼロ』でも改善されなかった。
この状況をネタ的に「ゾイドは金で動かすんだよ、金で。」と表現する視聴者もいる。
放送
1999年9月4日から2000年12月23日まで、毎日放送(MBS)制作でテレビ山口を除くTBS系列27局(うち8局がローカルニュース、青森テレビが『サザエさん』のスポンサードネットのため遅れネット)で全67話が放送された。また、フジテレビ系列局の秋田テレビでも放送された事がある。
2023年3月には初代アニメゾイドが再放送されるという事で「ゾイド再放送」が Twitter にてトレンド入りを果たした。こちらに関しては2023年4月からTOKYOMXで放送されているそうである。時間帯は月曜の午後7時台となる。
また、放送の反響を受けて同年5月1日からYouTubeでの公式配信も行われた。
あらすじ
砂漠の惑星Zi(ズィー)。そこでは金属分子を持つ人間と、巨大な機械生命体「ゾイド」が共に生きていた。
ヘリック共和国辺境の村で暮らす少年バンは、いつものように近くの砂漠に出かけたところ、ゾイドを駆る盗賊に絡まれ追い回されてしまう。
逃走の末、偶然古代遺跡の隠し部屋を発見し、カプセルの中で眠りについていた小型の恐竜型ゾイドジークと、記憶喪失の少女フィーネを発見する。
ジークの未知なる力によって、朽ち果てていたシールドライガーを蘇らせたバンは盗賊達を撃退するものの、大いなる力を秘めたジークの存在は、戦争を繰り返す共和国と帝国どちらにとっても興味深い研究対象となりえるものだった。
このまま村に留まると騒乱の火種になると考えたバンは、ジークとフィーネを連れて、あてのない冒険の旅に出るのだった。
登場人物一覧
詳細な説明は各項に詳しい。
ヘリック共和国
- ロブ・ハーマン(CV:堀川仁)
- オコーネル(CV:鈴木琢磨)
- クルーガー大佐(CV:家弓家正)
- ドクター・ディ(CV:園部啓一)
- フォード(CV:中博史)
- ルイーズ・テレサ・キャムフォード(CV:高島雅羅)
- ダン・フライハイト(CV:梁田清之)
- マリア・フライハイト(CV:岡村明美)
- レオン神父(CV:安井邦彦)
- ウィンドコロニーの長老(CV:八木光生)
ガイロス帝国
- レイヴン(CV:斎賀みつき)
- シャドー(CV:鈴木琢磨)
- カール・リヒテン・シュバルツ(CV:うえだゆうじ)
- ルドルフ・ゲアハルト・ツェッペリンIII世(CV:鶴野恭子)
- ギュンター・プロイツェン(CV:大塚芳忠)
- ホマレフ(CV:宇垣秀成)
- ハーディン准将(CV:浅野まゆみ)
- マルクス(CV:坂口候一)
- メッテルニヒ(CV:山本尚弘)
- デリス(CV:櫻井孝宏)
- ロート(CV:川島得愛)
- ラルフ(CV:三木眞一郎)
- ミューラー(CV:浜田賢二)
- シーパース(CV:内田直哉)
- ロカイ(CV:櫻井孝宏)
- グロスコフ(CV:宝亀克寿)
- ビーピー(CV:八木光生)
- ワグナー(CV:堀勝之祐)
- 三銃士
その他
ガーディアンフォース編
- トーマ・リヒャルト・シュバルツ(CV:伊藤健太郎)
- ヒルツ(CV:櫻井孝宏)
- アンビエント(CV:櫻井孝宏)
- リーゼ(CV:日髙のり子)
- スペキュラー(CV:鈴木琢磨)
- カニンガム(CV:高木渉)
- ドーセット(CV:小野健一)
- メリーアン・クラウゼヴィッツ(CV:千葉千恵巳)
- ファントム(CV:永野広一)
- キャロル(CV:玉川紗己子)
- ガース(CV:糸博)
- ハインツ・ベルトー(CV:森川智之)
- ハルフォード(CV:立木文彦)
- ニコル(CV:くまいもとこ)
スタッフ
監督:加戸誉夫
助監督:羽原信義
シリーズ構成:隅沢克之
キャラクターデザイン:坂崎忠
プロップデザイン:尾形雄二
デジタルディレク:林成輝
アニメーションディレクター:平野崇之
VFXディレクター:佐藤公一
3DCGIテクニカルディレクター:中一太志
3DCGキャラクターテクニカルディレクター:海谷陽一
3DCGモデリングディレクター:長谷川歩
美術監督:朝倉千登勢
色彩設計:伴夏代、青木弘美・金丸ゆう子(第34話まで)
撮影監督:広瀬勝利
編集:山森重之
音楽:Robert Etoll(ロバート・エトール)、杉内信介
音響監督:明田川仁
3DCGプロデューサー:藤井篤
デジタルプロデューサー:広津晋司
アニメーションプロデューサー:下地志直、佐藤徹、千野孝敏→平松巨規
プロデューサー:諸冨洋史、中沢利洋
アニメーション制作:XEBEC
製作:毎日放送、小学館プロダクション
主題歌
オープニングテーマ
作詞:酒井悠介
作曲:丸山哲央
歌:RAMAR
全話を通して使用されたOPテーマ。
作中のストーリー展開に合わせてアニメ内のシーンや登場人物が変化し、全部で4パターン存在する。
アニソンとしてかなり有名であり、本作を知らなくても本曲を知っている人も少なくない。今ではRAMARを代表する曲の一つになり、何度もリメイクされている。なお、アニメにて使用されたのは、本曲版とインストゥルメンタル版とアフタークレジット版の3つである。アフタークレジット版が本編中で使用されたのは、第1話を含めてかなり少ない。
後に、RAMARの功績を称えて「シールドライガー:RAMARスペシャル」が商品化されている。
エンディングテーマ
「Song for...」(第1話~第20話)
作詞:MAHIRO
作曲:Yasu
編曲:Dear、西脇辰弥
歌:Dear
「CHASE」(第21話~第37話)
作詞:野口純平
作曲:鳴瀬シュウヘイ
編曲:DEVELOP=FRAME&大山正篤
歌:DEVELOP=FRAME
第26話までシールドライガー、第25話からブレードライガーが砂漠を疾走する。
「INTO YOURSELF」(第38話~第55話)
作詞:TAKA
作曲:MASATO
編曲:TRANSTIC NERVE&岡野ハジメ
歌:TRANSTIC NERVE
「Your song」(第56話~第67話)
作詞・作曲・編曲:T2ya
歌:EARTH
TVサイズでは、サビの部分が最後まで歌われず「限りない 愛しさを届けたい」の部分で終わる。
最終話では、本編終盤に挿入される形で使用されたほか、サビが最後まで歌われている。
主題歌の権利問題
VHS・DVD・BD版、加えてTOKYOMX・キッズステーション等ではそのまま収録および放送されていた。だがタカラトミー公式チャンネルにおける公式配信では、権利関係の問題かEDテーマが他の劇伴に差し替えられている。ファンの間では状況証拠から以下のような推測が立てられ、楽曲の使用許可が困難になっていると推測されている。
- 「Song for...」を歌ったDearは2001年に解散し、レーベルのプラチナム・レコードは2001年以降新譜は発売されていない。
- 「CHASE」はレーベルのコロムビアミュージックエンターテイメントが今でも存続している。
関連イラスト
関連動画
関連タグ
ゾイド新世紀/ZERO(次作)
新機動戦記ガンダムW:脚本家繋がり。そのせいか不明だが作中でも同作を彷彿とさせるネタがちりばめられていた。
アーマードサウルス:2023年4月からTOKYOMXで放送開始した特撮作品。機械的な恐竜が登場することや、放送曜日が火曜日(ゾイド再放送の翌日)の為に比較されやすい。
株式会社オレンジ:本作に携わったスタッフたちが会社の設立に深く関わることになる。