データ
概要
『ウルトラマンA』第7話「怪獣対超獣対宇宙人」、第8話「太陽の命・エースの命」に登場する超獣。
ヤプールによって製造された、蛾(『ウルトラマンギンガS』では毒蛾)と宇宙怪獣の合成超獣。
主な武器は口から吐く火炎や両腕から放つミサイル「バーニングウイング」。平成版では口や目から怪光線も放てる。これだけの高火力装備を扱うために身体中のイボには冷却液が循環している。(出典:「ウルトラマンオフィシャルデータファイル」より)
体内に毒素を生成する器官を持っており、口から生える鋭い牙で相手に噛みつくと同時に相手の体内に毒を流し込む(一度毒を流し込まれると、全身へ一気に毒が回り、あっという間に対象者の命を奪い去ってしまうという。おまけに牙は1500度の高温であり、生物によっては噛まれれば毒が回る前にお陀仏である。)
また羽根が生えているが、超獣の状態では飛行ができない代わりに、毒の鱗粉を撒き散らすことができる。
ムルチ(二代目)を素手で引き裂くほどの超怪力。
活躍
TAC基地の近くに現れレーダー施設を破壊した後に、基地に向かう途中でAと初対決。メトロン星人Jr.と共にAを苦戦させたが、その後にエースバリアで一度封印されたがヤプールにエースバリアを解いてもらい、メトロン星人Jr.と組んで再びAと激突(『ウルトラマンメビウス』では星人に操られていると紹介されていた)。
そこへ乱入してきたムルチ二代目が自分に衝突してきたことに対して激怒。ムルチ二代目の体を引き裂いて倒してしまう。しかしエースバリアでメトロン星人Jr.と共にまたしても封印された。やがて封印が解け、メトロン星人Jr.と組んで三度激突。メトロン星人Jr.が倒された後も単身Aに挑みエネルギー切れに追い込むが、太陽エネルギーを得て復活したAにパンチで腹を突き破られ怯んだ所をエースブレードで首を斬り飛ばされたあげく、メタリウム光線で体を爆破された。
この第7話~8話はイベント編であり、『A』前半の物語の基本的な構図(ヤプールが超獣の個性的な能力を用いて侵略作戦を進め、エースとTACがそれを阻止する)から外れた内容となっている。そのため、ドラゴリーの個性に関する演出は少なく(ムルチ惨殺の際に見せた怪力程度)、「ただ暴れて倒されるだけ」の不遇な存在になってしまった。
ヤプールとしては、ドラゴリーの個性を活かした作戦を用意していたものの、妖星ゴラン接近の事態を受けそちらは中止。別の超獣を準備する必要(あるいは余裕)はないと判断され、急遽ドラゴリーをミサイル基地破壊の作戦に投入したのかも知れない。
ウルトラマンメビウス
第25話「毒蛾のプログラム」に登場。
復活したヤプールの暗躍によりバキシムを始めとする過去に登場した超獣の別個体が登場する中、エースにオーバーキルされた初代と同一個体のドラゴリーが復活登場する。2024年現在において「ヤプール死すとも超獣死なず」を体現した唯一の超獣である。
以前にプログラミングされた「マリアミサイル破壊」の任を果たさんと、既に存在しないミサイルを求めて発射基地跡地に現れた。
その後は防衛組織GUYSの基地フェニックスネストにミサイルがあると思い込み、異次元物理学のスペシャリスト・フジサワ教授に憑依(その際に巨大蛾へと変身する能力を披露した)し侵入。基地内で暗躍するもフジサワ博士の作戦にかかって失敗し、実体化してメビウスと戦うことになる。持ち前の怪力などでメビウスを苦しめたものの、最後はメビウスブレイブのメビュームナイトブレード・ブレードオーバーロードで倒された。
当初はホタルンガを登場させて平家の落ち武者=怪談話にする予定だったが、シリアスな話が続くためドラゴリーを登場させ、コメディ調の話に変更された。
大怪獣バトルシリーズ
ウルトラギャラクシー大怪獣バトル
第11話「ウルトラマン」に登場。
ヴィンセント島に上陸し、ゴモラと戦っていたベロクロンに加勢するために出現。そしてレイがゴモラの援軍として召喚したエレキングとタッグマッチを行うが、ベロクロンが倒され、自身もエレキングの放電で倒された。
だがこの闘いが原因で家族を殺されたという過去の一件から怪獣を嫌っているZAP上層部のアトウから、ZAPクルーが怪獣を出現させた原因だと疑われてしまうことになる。OPではサドラと戦っている。
ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY
第4話「困惑の再会」に登場。
メトロン星人の手持ちの超獣として登場。レイのゴモラと戦うが、暴走しレイニックバースト状態となったゴモラに圧倒され、身の危険を感じたメトロン星人によって回収された。OPではアントラーと戦っている。
大怪獣バトルウルトラ銀河伝説THE MOVIE
ベリアル軍団の一体として、同じ超獣のベロクロン、バキシム、ルナチクスと共に登場。ウルトラセブンと戦うが、ベリアルが放ったギガバトルナイザーの攻撃の巻き添えを喰らい倒された。
その後、ベリュドラの胴体を構成する怪獣の一体となった。
ウルトラマンギンガ
第5話「夢を憎むもの」に登場。
自分が仲間外れにされていると思い、ダークな心に支配されてしまった渡会健太がダークダミースパークと共にドラゴリーのスパークドールズを渡されている。
しかし礼堂ヒカルの説得と鉄拳により健太が正気に戻ったためダークライブすることはなく、出現したジャンキラーと戦うためにヒカルがギンガスパークでウルトライブした。怪力でジャンキラーのパンチを受け止め、その場に押し倒すなどして善戦したが、その後はヒカルがウルトラマンギンガへライブしたためスパークドールズへと戻った。
また、『新ウルトラマン列伝』のスパークドールズ劇場にも登場。「軍曹」と呼びたくなるような軍人口調が特徴のキャラクターになっていた。
劇場スペシャル第二弾
ライブパッドを使用した「ウルトライブシミュレーション」にて健太が改めてウルトライブする。ヒカルがライブしたゾアムルチに奇襲を仕掛けるも、一条寺友也がライブしたゼットンの火球で倒された。
ウルトラマンギンガS
第10話「未来への聖剣」に登場。
ガッツ星人ボルストがモンスライブし、自身の分身体がライブしたベロクロンと共に出現。ウルトラマンビクトリーを2対1での戦法で追い詰め、毒の牙で噛みつくことでビクトリーを一度敗北へと追い込む。
ウルトラマンギンガストリウムとの戦いでもベロクロン共々優位に立ったが、ビクトリーのシェパードンセイバーによる攻撃で逆転。ギンガスパークランスでベロクロンと共に串刺しになった所にシェパードンセイバーフラッシュを受け倒された。前作でヒカルがウルトライブしたドラゴリーのスパークドールズについては言及されていない。
ウルトラファイトビクトリー
ダークルギエルの死によって肉体を取り戻したドラゴリーが、再び造物主であるヤプールの配下となったもの。惑星グアにてベロクロン、バキシムと共にレオ兄弟に襲い掛かる。これまでには見せなかった黒い光線を吐きレオ兄弟を攻撃したが、最期はレオとアストラのダブルキックでバキシムと共に倒された。
この作品を最後にドラゴリーの着ぐるみはアトラクション用に転用された。
漫画作品
ウルトラマン超闘士激伝
ヤプール軍団の超獣兵士として登場。剛力を誇る闘士ゴモラを怪力でねじ伏せた(とカードダスに書いてある)。後に、助っ人超獣バラバからモーニングスターを与えられ、正義怪獣軍団を襲撃するも、闘士ゼットンによりカメレキングやガマス共々一蹴される。
ウルトラ怪獣擬人化計画 feat. POP Comic code
怪獣墓場学園の生徒の1人として登場。
設定上は、人間の少女のような姿になっているはずだが、なぜか黒い怪獣のシルエットのような姿になっていた(後に、何かしら重大な校則違反を犯したことで一時的にこの姿にされてしまったらしいことが判明する)。メタな話をすると、ドラゴリーの擬人化デザインが存在しないための苦肉の策である。また、脇腹にエースによってつけられたと思われる大きな穴が開いているという小ネタがある。遠足の行き先を投票によって決定するということを聞いたメフィラスとテンペラーから、地球に行かないかと勧誘を受けるが、「地球はこりごりだよ ここで穏やかに暮らしたいね」と断った。
酩酊!怪獣酒場2nd
第57話で登場。第57話に登場。
「クビが怖い」と言うサラリーマンの愚痴に共感していた。尤も、彼の場合は腹に風穴を開けられ、首を切断された所に光線技を撃ち込まれたという他の怪獣たちよりもえげつない末路を迎えたのだが。
ゲーム作品
ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ
様々なゲーム作品に敵キャラクターとして出演していたドラゴリーだが、この度スマートフォン用ゲームアプリウルトラ怪獣バトルブリーダーズにプレイヤーキャラクターとして参戦することが決定した。ウルバトに登場する怪獣は基本的に既存のゲーム用CGを手直ししている中、このドラゴリーはウルバトの為に新規で製作された初のキャラクターという事になる。これまでも大怪獣バトルシリーズなどで何度か参戦候補に挙がっていただけに、晴れて参戦決定となり多くのファンがSNSでドラゴリーを祝福する姿が見られた。
そして、2019年5月22日より本格的に参戦することが発表された。
ムルチに対して怒ったのを再現したのか、相手から攻撃を受けた時に必ず反撃する。
余談
ドラゴリーによるムルチ二代目の惨殺はウルトラシリーズ屈指の残虐シーンとして有名だが、同時に「超獣」のドラゴリーがいとも簡単に「怪獣」のムルチを倒すことで、「超獣」が「怪獣を超える怪獣」であることを証明しているという見方もできる。そのインパクトがあまりに強いせいか、BS熱中夜話で『ウルトラ怪獣最強決定戦』を行った際には『怪力怪獣部門』で1位を獲得した。理由は「今さら(メジャーな)ゴモラやレッドキングを選んだって面白くもなんともない」「マイナーな強豪に日の目を当てさせたい」とのこと。…ちなみにいうとドラゴリーよりオニデビルの方が腕力が強いらしい。
新ウルトラマン列伝』(実質『ギンガ』の総集編)でドラゴリーを紹介した際、現在ではさすがに放送できなかったのか、例の惨殺シーンは進行役のバルキー星人が余りの凄惨さゆえに両目を手で覆う映像に差し替えていた。
※ただし直後の足をもぎ取って放り投げるシーンは普通に放送
バルキー星人のコメント
「オイオイ、仲間割れはよくないぜェ? 短気な奴らだなァ……ん?何する気だァ!?」→「アァァァァ!!!?」→「ハァ~…… これはちょっとヤバイな……!! しかし、これだけ強力な超獣だ…こちら側で使えていれば、きっとギンガにも勝てたかもしれん……」
ドラゴリーの残虐ファイトにドン引きしながらも、直後にはその強さから「自分が使えてたらギンガにも勝てたかも…」と評しており、どこか悔しさ混じりに羨望するようなリアクションが印象的。
初登場時の『A』第7話・8話の時のスーツアクターは河井徹が担当し、オープニングのクレジットは「超獣」。ちなみにムルチとメトロン星人Jr.のスーツアクターについては明示はない。