曖昧さ回避
- 金属。(かね/かな~)
- 原子番号79(Au)で構成される金属。(きん)
- 色彩の一種。金属的な光沢を持つ黄色。(きん)
- よく言葉にする「金銭」の呼称。(かね)→お金
- 将棋における駒の1つ。金将。(きんしょう)→成金
- 中国系の姓の一つ。(ちん) 山東省の漢族か、もしくは満洲族に由来するものが大半を占める。
- 中国の王朝の一つ、金朝(ちんちゃお) 完顔阿骨打が開祖。1119年~1234年まで21代119年続いた。
- 朝鮮半島の姓の一つ。(きむ/くむ) こちらはかなりメジャーな(というか彼の地では一番多い)姓。
- 日本の名字の一つ。(こん/きん) 「こん」は岩手県発祥の名字、「きん」は上述の外国系の姓に由来する名字。
- 曜日の一つ。金曜日。(きんようび)
- 五行の一つ。金属全般を意味する。(ごん)
金属としての金
貴金属の一種。原子番号79(Au)。
一般的な薬品では錆びたり腐食しない金属のひとつ(他に白金など)。
金属としては柔らかく、非常に薄く伸びる(金箔)のが特徴。この特性は金属ならば必ず持っているが、金は全金属中ぶっち切りのトップである。
単体の金は硬貨として使うには柔らかすぎるので、白金や銀などが混ぜられていることが多い。
単体なら毒ではないので、食べても全身に塗りたくっても害は無い。
そのため金箔作りで有名な石川県金沢市では、金箔を巻いたソフトクリームまで売られている。
ただし胃酸・腸液に溶けないので“そのまま出てくる”ことになるだけなのだが。
また、第六周期の遷移元素よろしく鉛よりも遥かに重い。何せ鉄の二倍以上というとんでもない密度を誇るのである。アルキメデスが金の王冠の真贋を見極めたの逸話はこれに基づいている。
金の電気伝導率
よく「金は電気伝導率が高いので電子機器やAV機器に使われる」といわれるが、これは部分的に誤りである。全金属中最高の電気伝導率を誇る銀は勿論、電線の素材として使われる銅よりも電気伝導率は劣っており、しかも金はこの二つより遥かに高価である。但し、電気伝導率そのものは金属の中でも上位に入る程高い。
何故わざわざ高価な上に銀や銅よりも電気伝導率に劣る金を用いるのかというと、これにはちゃんとした理由がある。
銅や銀は酸化しにくい部類の金属ではあるが、空気中の酸素と徐々に反応して酸化してしまい、電気回路として役に立たなくなってしまう。それに比べ、金は空気中の酸素と一切反応しない為、電気回路としての劣化が少ない。
その為、空気に晒される事の多い端子や回路の導線などにメッキという形で使われる。
フィクションにおける金
金は非常に安定した物質であり、なおかつ見た目が豪奢で派手なためか、RPGをはじめ様々なゲームや漫画、アニメといったフィクション作品において金製の武器防具が登場するのは半ばお約束と化しており(加えて、派手な外見に違わぬ価格の高さと高性能を誇っていることが多い)、ゲームのタイトルにもなったことがある。
…しかし、金は前述の通り柔らかい上に比重が大きく「重い」ため、現実的に考えると武器や防具には全く適していない金属なのである。
仮に「金(黄金)の剣」を作ったとして、柔らかいので敵の剣と打ち合おうものならすぐに曲がってしまうし、おまけに研いでも鋼のように切れ味が向上したりはしないので鈍(なまくら)刀のままである。同時に「金(黄金)の鎧」は重量がハンパなく、全身鎧なぞ誂えようものなら動きづらいことこの上なく、おまけに柔らかいので多少の衝撃ですぐに変形してしまうなど、戦働きには全くと言って良いほど適していない。強度は銀やパラジウムを混ぜて多少改善できる(いわゆる「金歯」の素材はこれ)が鉄ほどではないし、「重い」ことには変わりない。
かように、実用的な武器防具の材料に金を用いるのは、現実的には無意味に近い話なのである。
どちらかと言えば、財力・権力を見せるための美術品やレガリアか「銀の弾丸」のように呪術的な意味合いを持たせた扱いで真価を発揮する物といえよう。(下記の通り銃弾なら一応使いようはある)
一応、兵器として運用するならその重量を活かし、鉛のように銃弾として使うか、軟性を活かした心材として使うという使い方はある。まぁコスパは最悪なのだが。
金の毒性
金は全ての金属の中で最も安定しており、その為、上述の通り単体では毒性は皆無に等しい。
但し、それは金属の状態である時のみ。化合物などイオンの形態になると一転、単体のフッ素に匹敵する腐食性の猛毒と化す。
これは何故かというと、金イオンは非常に不安定であるから。
どの原子にも言えることだが、原子は常に保有するエネルギーを最小にしようとする特性があり、それは金も例外ではない。金が最も安定した状態は金属の状態であり、尚且つ金属の状態ならば、王水を除くあらゆる酸に溶けず、フッ素に次ぐ酸化力を持つ酸素とも一切反応しない。
これはつまり、金属状態の金は保有するエネルギーが極めて低く、極めて安定した状態にあるということである。
裏を返せば、金イオンはこの安定状態から無理矢理逸脱させたようなものなので、上述の原子の特性が発動し、保有するエネルギーを無理矢理他の原子に譲渡しようとするので、反応性が極めて高く、それ故に毒性が非常に強いという事である。
価値としての金
歴史的に紙幣が「金との引換券」であったことを鑑みても分かるとおり、金は世界的に見ても伝統的な価値を図る物差しの一つである。
第二次世界大戦後、世界経済が金本位制度から管理通貨制度に移行してからもそれは変わらず、金の価値は資本主義経済の成長(インフレ)とともに緩やかに伸び続けている。
また自国通貨不安がある国が金を買い集めて価値が急騰する場合もある。
かつては現物の金のみだったが、金融システムの発展で金を扱う投資信託も誕生し、購入のハードルは従来よりかなり下がっており、コモディティ投資の鉄板として人気を集めている。
金は随一の耐食性があり光沢がある美しい金属かつ産出量が限られる。このため株式や債券と違って突然価値がゼロになることはなく、一般的には安全資産として知られる。
ただし買えば絶対に儲かるとか、絶対にマイナスにはならないとかいうことはなく、そのイメージとは裏腹に値動きが激しい資産でもある。特に「デフレに弱い」という弱点があり、実は金融ショック時に株式と一緒に暴落することもしばしある。またドル建て・円建てなどによっても値動きはかなり違うため、「金ならなんでも同じだろう」と思ってうっかり買うと痛い目を見る。
加えて株や債券にはあるインカムゲイン(配当金や利子の定期収入)も発生しないため、時期を誤って大量に購入してしまうと、長い間含み損の塊を抱え続けることになる。
そうそう、うまい話はないのである。
なお同じ貴金属にプラチナがあるが、金の用途が装飾品など需要が安定しているのに対しプラチナの主な要素は工業製品である。金よりプラチナが価値があるというイメージが強いが、工業の変遷により金がプラチナの価値を上回っている。
金の関連キャラ
名前や異名に「(金属としての)金」「(貨幣としての)金」「金色(黄金、ゴールド)」を含むものに限る。
その他金をイメージカラーとするキャラについてはゴールドヒーロー/ゴールドヒロイン、黄金化、金髪などの項目を参照のこと。
- 黄金聖闘士
- ゴールド・エクスペリエンス
- 百式-金色のMS
- ゴールドスモー-同上。
- ユニコーンガンダム3号機フェネクス-同上。
- アカツキ-同上。
- ゴールドフレーム-同上。
- アルヴァアロン-同上。
- ゴールドドラゴン
- ゴールドマン
- ゴールドル
- 金色の闇
- 戦隊金銀(スーパー戦隊シリーズ)
- ギルガメッシュ(Fate/Staynight) ※頻繁に「黄金のサーヴァント」「金ピカ」などと称される
- ギルド・テゾーロ(ONEPIECE)…ゴルゴルの実の能力者。
金の関連作品
タイトルに「(金属としての)金」「(貨幣としての)金」「金色(黄金、ゴールド)」を含むものに限る。
これら以外にも、金がクラフトの素材として登場するMinecraftなど、作品内で金(黄金)が重要な意味を持つ作品は多い。
関連イラスト
関連タグ
ゴールドフィンガー 福本伸行 霊夢 スキン・ボリック パイビリカ 金の絨毯 首狩り将軍