→胞子
データ
概要
この特性のポケモンに触れると、毒、麻痺、眠りのいずれかにすることがある。
要するに粉系の技による状態異常にランダムで陥れる特性であり、きのこをモチーフとしたポケモンのほとんどが通常特性で持つ他、ワタシラガ系列とラフレシアが隠れ特性として持っている。
従って、現在のところ所有者がすべて草ポケモンであり、元からこれら粉系の技をある程度習得することが後述の評価に直結している。
当初は発動率が10%と現在より低かったが、第四世代より発動率が30%に上方修正されたほか、元は等分だった各状態異常の発動率の内訳が第五世代からそれぞれ「毒:9%、麻痺:10%、眠り:11%」に改められるなど、徐々にではあるが調整されている。
相手がタイプや特性で特定の状態異常を予防できる場合は該当の物のみ無効化される。例えば、電気タイプや特性「じゅうなん」を持つポケモンに発動した場合はマヒを引いた場合のみ無効化されるため、ねむり、毒の計20%が有効に発動する確率となる。
また、しっかり粉判定であるため第六世代以降は草タイプや「ぼうじんゴーグル」、特性「ぼうじん」に無効化される
「せいでんき」と「どくのトゲ」が複合した上に、他の特性にはない催眠効果まであると考えればお得感はあるが、直接攻撃を受けなければならない性質は変わらず個々の発動率はそれらよりずっと低い。
そして同じく「まもる」、「みきり」で防いだ時は当然のこと、「みがわり」で受けた場合も発動しない。当然殴られてダメージが入る上、そこまでリスクを負ってもどの状態異常を与えるかはランダムであるという点が地味に足を引っ張る。
例えば後で「でんじは」でも入れて麻痺させたい相手や「おにび」で機能停止させたい相手が毒状態になってしまうなどの事故も普通に起きるのだ。
そもそも「ほうし」を持つポケモンは全て草タイプであり、もともと状態異常を与える技を豊富に持っているためいわゆる「異常撒き」を目的として育成していることも多い。どうせ殴られるならただでさえ確率の低いこの特性に頼るよりも、より高い確率で狙った状態異常を入れる方がよほど有効である。
そして最強の催眠技である「キノコのほうし」を使えるポケモンは特性完全固定と唯一のキノコ以外の使い手を除いて全員通常特性にこの特性を持つ。
これらのポケモンは当然「キノコのほうし」を軸に戦術を組み立てることが多く、万が一起床際などにマヒや毒を入れてしまうと本来取りたかったロック戦法が成立しなくなるなど致命的なデメリットを背負うことにもなりかねず、かえって使いにくい。
これらのポケモンは捕獲要因として運用することも多く、ほうしによって毒状態となった相手が倒れてしまって捕獲失敗という最悪の事故を引き起こす恐れすらある。
結果的にデメリットの方が大きくなることが多いこの特性の採用率は非常に低くなってしまっている。一応前述の通り「相手を眠らせる」可能性のある特性はマジックミラーに催眠技でも撃たない限りこれだけであり、シンクロにもマネできない芸当なのだが所持者は全員「ねむりごな」か「キノコのほうし」を覚えるため、眠らせたければそちらを使えばよいとなってしまうのも痛いところ。
メリットとしては、「直接攻撃を入れてくる相手ならこちらの攻撃や回復際でも勝手に状態異常が入る可能性がある」という点がある。
「キノコのほうし」以外の粉技は命中率に不安を抱えているため、下手にこれらを撃って外すリスクを負うよりは別の事をしつつ状態異常が入る可能性に賭ける方が良い場合もあり、実際「どくどく」以外命中不安の粉技しか持てない物理耐久型のラフレシアにはそれなりの頻度で採用されている。
特にパーティ単位で状態異常技をほぼ完全に切った構成にするなど「そもそも積極的に状態異常にするつもりがあまりない」、裏のたたりめに繋ぐなど「なんでもよいから状態異常を起こさせること自体が目的」という場合は、相手の特性が「こんじょう」や「ポイズンヒール」であるとか、トリックルーム中にマヒが入るなどの特殊な状況を除けば基本的にメリットしかなくなるので採用する余地はある。こちらが瀕死になっても発動するときはするため、退場際の最後っ屁を期待することもできるだろう。
加えて、「相手のみがわりを貫通する」「一つの状態異常に耐性があっても他の状態異常は通る」「連続攻撃の途中で眠りを引いた場合は強制的に中断させる」「連続攻撃ではラムの実やカゴの実を発動させた上でもう一度状態異常を入れる余地がある」などピンポイント気味ではあるが面白い特性をいくつか持ち合わせている。
『受動的である』という点に目をつぶればトライアタックやフェイタルクロー、キョダイコワクと似た特性と考えることもできるだろう。
不遇扱いされやすい受動特性の中でも総じて有効に働かないかむしろデメリットになる状況が多いため「なまけ」や「スロースタート」、「よわき」などの完全にデメリットしかない特性を除けば『ポケモン史上最も使えない特性の1つ』とさえ評価されることもある。しかし、その一方で性質をよく理解すれば意外と面白い特性であるともいえる。
実際、ネタポケまとめWikiの不遇特性議論においては上記物理受けラフレシアやマシェードに採用されやすいこともあって不遇特性から削除されている。
また、ダブルバトルでは「シングルと異なり元々交代が少ないため『さいせいりょく』の発動機会が少ない」「高火力ポケモンの攻撃は1回耐えられれば御の字のため『さいせいりょく』の恩恵が実質ない」「『ゴツゴツメット』と合わせて相手が接触した時にアドバンテージを稼げる」という発想で稀にモロバレルの特性として「さいせいりょく」ではなく「ほうし」を選ぶ場合もある。
「ひとでなし」のように所持者とイマイチかみ合っていない特性の一つとも言え、草タイプだから許される優秀な補助技を多く所持する草ポケモン、特に眠りのエキスパートであるキノコポケモンに所持者が偏っているからデメリットばかりが目立って使いにくいという面は否めない。
「ほうし」のイメージから基本的には粉を飛ばしてくる草ポケモンに採用されるであろうという点もあるのだが、何らかの理由で草や毒を複合しない水タイプや鋼タイプといった状態異常とはあまり縁がなく、耐久型も行けるポケモンが持てはそれなりに化ける性能と言えるだろう。
英語表記は直訳の「Spore」がキノコのほうしの英名として既に用いられているため「効果の胞子」という訳となっている。コメットパンチと同じ事情である。
所有ポケモン
通常特性
隠れ特性
通常特性に持つ4系統はキノコのほうしも使える。隠れ特性の2系統もねむりごなは習得可能。
関連タグ
キョダイコワク:キョダイマックスバタフリー専用のキョダイマックス技。追加効果でほうしと同じくどく・まひ・ねむりのいずれかの状態異常にすることができる。
フシギバナ:直接この特性は持たないが、ポケットモンスターSPECIALに登場するレッドのフッシーが「リザードンの『ほのおのパンチ』を受けた際にその衝撃を利用して『どくのこな』を飛ばす」というこの特性とほぼ同じ行動をとったことがある。
直接攻撃を受けた際に発動する特性
30%で相手に発生
100%(確実に)発生
- さめはだ・てつのトゲ・ゆうばく(相手にダメージ)
- わるいてぐせ(相手のもちものを奪う)
- ぬめぬめ・カーリーヘアー(相手のすばやさ1段階ダウン)
- もふもふ(自身が受けるダメージを半減)
- ミイラ・とれないにおい(相手を同じ特性にする。名前以外の効果は同じ)
- さまようたましい(相手と特性を交換)
- ほろびのボディ(ほろびのうた。自身と相手両方に発生)