ギャンブル依存症

ぎゃんぶるいぞんしょう

ギャンブル依存症とは、依存症の一種で、ギャンブル（賭博）の行為や過程に心を奪われ、「やめたくても、やめられない」状態になる精神疾患のこと。

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目次 [非表示]

1 概要

1.1 症状

1.2 治療

2 ギャンブル依存症と思われる架空のキャラクター

3 ギャンブル依存症、またそれに近い状況にあることを公言している実在の人物

4 ギャンブル依存症のキャラクターが多く出る作品

5 関連タグ

概要

過剰なギャンブル（賭博）行動により、生活、家庭、仕事、金銭等その他の事柄に明らかな重大な問題が生じてもなお、賭博が日々の生活において最優先である状態のこと。

具体例としては「ギャンブルのために借金を重ね、返すために金を稼ごうとギャンブルをしてしまう」、「ギャンブルをして勝っているときはストレスがなくなり、負けた時や日常でのストレスを晴らそうとまたギャンブルに走る」といったことが挙げられる。

ギャンブルにも競馬、競艇、オートレース、カジノ、賭け麻雀等色々とあるが、日本では（法律上『遊戯』とされている）パチンコ、パチスロがかなり大きな存在感を示しており、ある調査では日本のギャンブル依存症患者の約70万人中57万人の原因が「パチンコ、もしくはパチスロ」とまで言われている。

また、投資（特に株式取引や先物取引、FXなど、短期間で結果が出やすいもの）やオンラインゲーム、ソーシャルゲームにおける「ガチャ」なども一種のギャンブルと捉え、取引やゲームプレイが原因で日常生活に深刻な影響を及ぼす危険性が指摘されている（ゲームの場合ゲーム依存症、ネット依存症とも関連する）。

症状

勝ち負けや各ギャンブルの演出効果によって脳内で分泌されたドーパミンが報酬系に作用し、快感を覚えることで依存傾向が高まると考えられている。

ギャンブルは、本人が労せずに報酬を得たいという気持ち、「射幸心」を煽ることと密接に関係している。ギャンブルで稼ぐことに集中している人は、苦労して体や頭を動かして仕事をして報酬を得ることよりも、座って見ているだけで勝手に報酬が入ってくることを期待してしまうという状態であると言える。

日本における賭博行為の規制について、根拠として「国民の射幸心をあおるのは勤労によって財産を得ようとするという健全な経済的風俗を害する」という理由が挙げられている。

本来なら「真っ当な職場で働いて、その働きに見合った収入を得て、堅実に財産を築いていく」という健全で安定した生活パターンが、過度なギャンブルへの傾倒によって崩されてしまう危険がある。

また、心身の健康被害も少なからずある。ギャンブル依存者はしばしば「ギャンブルをしている間は空腹や疲労を感じず、半日以上食べなくても平気である」と証言しており、これは覚醒剤がもたらす効果に似ていると指摘されている。

アルコール依存症やニコチン依存症等、直接内臓や身体に障害が起きる場合は分かりやすいが、ギャンブル依存症は内臓に症状が出る事はほぼ無いのでなお分かりにくい。しかし、脳波の動きや興奮、快感に作用する神経伝達物質の分泌が健康な人とは異なるという調査結果があり、それらが及ぼす悪影響についても研究されている。

ギャンブル依存は遺伝しやすいという調査結果もある。これは環境要因も大きいと思われるが、元より神経伝達物質の分泌が特殊な人がギャンブル依存に陥りやすいという見方もある。

ギャンブル依存症となってしまった人が、金銭の工面のために多額の借金を背負うことになったり、詐欺や窃盗などの犯罪に手を染めてしまったりすることも少なくない。アメリカのあるギャンブル依存者の自助グループでは、2割以上の参加者に逮捕歴があったことが報告されている。

また、借金により破産せざるを得ない状況になったり、辞められないストレス、借金や周囲からのプレッシャーなどの理由で自殺を考えたり、といった、ギャンブル自体が直接の原因ではないにしろ重大なリスクも存在する。