概要
『Pokémon LEGENDS アルセウス』の登場人物。
ゲーム開始時に主人公を女の子にした場合、先輩として登場する。
同じ容姿をした男の子主人公の公式名称でもあるが、先輩と主人公では立ち位置が全く異なるため、厳密には別人であることには留意が必要。
名前の由来はおそらく「照(てる)」(訓読み)。先輩ポジションとしても登場するので、(お手本を)示す、命令するという意味を持つ「Tell」と掛けているのかもしれない。
また、英熟語の"Show and tell"(ショウアンドテル)はそのまま「手本、プレゼン」の意味である。
先輩として
ギンガ団に所属する調査隊の一員で、先輩として主人公をサポートしてくれる。
相棒のポケモンはピカチュウ。
クラフトが得意で「クラフト名人」と呼ばれている。
本編での出番は比較的少ないものの、クラフトのレシピを作成して主人公にくれたり、荒ぶる伝説ポケモンを捕獲する為のボールの製作を任されたり、クラフト名人の名に違わぬ活躍を見せてくれる。(何故製造隊ではなく調査隊に在籍しているのだろうか?)
一人称は「おれ」で、二人称は「おまえ」。
言葉遣いも歴代と比べて現代っ子らしく砕けており、当初は主人公を警戒していたが、世話焼きな努力家で、どこかジュン(『DPt』『BDSP』のライバル)にも近しい印象。またジュンと違って、目上や年上の者には敬語を使うので礼儀正しいのもわかる。
歴代主人公(同じ容姿のNPCを含む)としては、何気に一人称がひらがなの「おれ」であるのは初めて(ユウキとカルムはカタカナの「オレ」、マサルは「ボク」、他は全員「ぼく」)。
ストーリークリア後は訓練所のバトルに加え、DLC「ヒスイの夜明け」のアップデートにより写真屋で一緒に写真を撮ることができる。
主人公として
CV:上遠野竜也
ポケモンシリーズでは珍しく「15歳前後」と年齢がある程度わかっている。
ただし、これは女主人公にも言えることだがあくまでもLA当時(実世界で言えば明治~大正期)の人間であるシマボシによる類推であり、かつ成長は栄養状態に大きく左右されるため一般に現代人の方が発育がよく最終的な身長も高いことを考え合わせるともう少し年齢層が低い可能性はある。
一方で、
・歴代でもトップクラスに主人公の表情や仕草が作り込まれている本作において、シマボシに「15歳」と言われた際に異論があるような反応を全く示していない(記憶喪失等の理由で自身の歳がわからなかった恐れも当然ある)
・NPCの大人キャラの殆どは名有りモブ問わず主人公より長身であり、(例外はユウガオくらい)この時代における身長は現代のそれと大差が無いかもしれない
・時折漏れ出る声が変声期を終えた低い声である
といったところから、本当に15歳程度である可能性も十分考えられる。
要するに、公式のよりフラットな視点から明言されていない以上具体的に何歳とするかはその人の自由である。
ゲーム開始時に謎の声に導かれ、テンガン山上空に発生した時空の裂け目から昔のシンオウ地方であるヒスイ地方の浜辺に落ちてきた模様。
なお、この演出は異世界転移ともタイムスリップとも解釈することができ、発売に至るまで徹底的に隠されていた。
余りに場違いな服装と出自の為、来訪時は排他的だったヒスイの人々から不審がられ、身の潔白と安全のためにギンガ団の一員として働かされる事になる。
一方、現地の人々が殆ど持ち合わせない「ポケモンを恐れぬ価値観」や「ポケモンやボールを扱う腕前」という唯一無二の強みを有しており、それまで停滞していた調査・問題解決を一気に進めてもいく。
転移者である事が、プラスにもマイナスにも働いていると言えよう。
モーションは従来の主人公に比べ勇ましく、ボールを投げる前に胸の前で腕を交差させるなど、武道経験者を彷彿とさせるような動きもする。
容姿
ギンガ団調査隊制服を着こみ赤いマフラーを羽織った忍者のように身軽そうな出で立ち。ハンチング帽(ゲーム上ではホック帽となっている)を被った近代時代の少年のようにも見える。
なお、物語開始当初は髪型が『DPt』『BDSP』主人公に酷似している一方で、どこかで見たような図案化されたモンスターボールがプリントされたTシャツにハーフパンツ、素足にサンダル履きと、開放的な出で立ちをしている。
所持ポケモン
1戦目
2戦目
- マネネ
- ピカチュウ
3戦目
- バリヤード
- ピカチュウ
3戦目
訓練場
- バリヤード
- ピカチュウ
- ムクホーク
ヒスイの夜明け
他媒体
アニメ「ポケットモンスター」
声も名前も出てこないが、Amazon Prime配信の新無印特別編「神とよばれし アルセウス」第4話(最終話)のエピローグに登場。
ポケモンマスターズEX
「ギンガ団の調査隊だ。今はな」
CV:寺島惇太
2023年9月27日にショウと同時に登場する事が発表され、9月29日に二人がパシオにやってくるエピソードイベント「見知らぬ土地で 共に」が開始、10月1日からのポケマスフェスで実装された。バディーズとなるのはヒスイジュナイパー。格闘タイプでロールは「スピード」となっている。
ちなみにボールはヒスイのボールではなく、パシオに来てから現代のボールに入れ直した事になっている。
ヒスイに来る際に記憶を失った主人公ということになっており、ショウはギンガ団の先輩ポジションである。パシオの景色に懐かしさを感じたものの「ちょっと違う気がする」としており、巡り巡って元の世界に戻ってきたというわけではないようだ。
時空の裂け目を通った先で自分達にそっくりなコウキとヒカリに出会い、二人に案内され先にパシオに来ていたセキとカイに再会、さらにある人物とそっくりなシロナと邂逅を果たした。
その後シロナと遺跡を探索した際に「謎の石」を発見。さらに謎の気配を感じ、話はメインストーリー「謎の石編」に続いていく。
そのストーリーの中でも謎の気配をたびたび感じたり、夢の中でヒスイに転移する直前に聞いた謎の声と同じ声を聞くなど、確実に今後のポケマスの重要キャラになるような描き方をされている。
(なお、石という事でヒスイと同時期に新規実装され、新しい戦闘システムに「石」が関わってくるパルデア組との絡みも期待されていたが、ネモ達の会話から謎の石はテラスタルのものとは多分違うという趣旨の発言がされているので、関係性は今のところ不明である。)
ヒスイ関係のイベント以外でも、キョウヘイのネオチャンピオンイベントでの決勝戦の相手として登場。本編での死角からのボール当ての技術をポケモンバトルに生かしていた。
一般トレーナー
「テル」という名前の一般トレーナーは以下の3人。
このうち「インタビュアーの ミチと テル」は冒険中に2回戦う。
正体についての考察
「主人公が何者か」という問いは作中で幾度もされるものの、何者なのかについては結局明らかになっていない。(なお、デンボクに「お前は何者か」と問われた際には「わかりません」「調査隊員」という、本当に分からないようにも敢えてはぐらかしているようにも見える選択肢となっている)
全てのポケモンに出逢いアルセウスと戦えば元の世界や主人公の正体について言及があると思っていたプレイヤーは、さぞかし面食らったことであろう。
このことからファンの間では様々な説が飛び交っており、主に以下のような説が存在する。
1.DPt・BDSP主人公(以下DPt主人公)説
外見がDPt主人公と酷似していること、没データにDPt主人公の部屋があること、またデータ内にDPt女主人公名がある(男主人公名は一番上であったことからエラー回避用として入れ替えられたと思われる)ことから、チャンピオンとなった後のDPt主人公がヒスイ地方に転生してしまったのではないか、という説である。
15歳と推定されていることからチャンピオンになった数年後に転生した説と、概要にもあるように時代背景的な違いで15歳に見えているだけでチャンピオンになった直後に転生した説がある。
2.プレイヤー説
ゲームを初めて起動した際にアルセウスから「これから降り立つ世界には人がポケモンとよぶ不思議な生き物がいる」と説明を受けることから、ポケモンのいない世界(現実世界)から来たのではないかという説である。(ただしこのような台詞は所謂初心者向けのメタ的な説明とも捉えることができ、言うのが博士という違いがあるものの初代から存在する)
3.DPt主人公の先祖説
主人公の初期の服装がTシャツ・短パン・サンダルと、シンオウのイメージからかけ離れた格好をしていることから、シンオウの人間ではない→DPt主人公本人ではなく、ヒスイで生き続けた主人公がDPt主人公の先祖になったのではないかという説である。
この他にも、ポケッチよりも未来的なデバイスを持っていることからDPt主人公の子どもであるという説や、アルセウスが分身を作れることから、主人公自身もアルセウスによって作られたコピーであり、元の世界にはオリジナルの主人公がいる為に元の世界に帰ろうとする意思が無いなどの闇深い説も存在する。
DLC「ヒスイの夜明け」について
ヒスイの夜明けにて未来のヒスイについて聞かれた時に、「ポケモンジム」か「コンテスト」と答える選択肢が存在し、主人公が未来のヒスイ(シンオウ)のことを知っている、もしくは正確に予想しているようにみえるシーンがある。
このことについて、上記1の説では「主人公は未来のヒスイ(シンオウ)を生きているので知っている」、2の説では「今までのポケモンシリーズをプレイしたことのあるプレイヤーだから知っている」、3の説では「元の世界ではジムやコンテストの存在する地方に住んでおり、主人公のこの発言がシンオウのジム・コンテストの発祥となった」と捉えられることが多い。
因みに、本編ではポケモンの知識や元の世界の記憶が無いような選択肢もあり、それらの選択をしている場合はこのDLCの選択肢は一見矛盾しているように思えるが、主人公と共に行動することで少しずつ元の世界のことを思い出していったノボリのように、ゲームを進めていく中で少しずつ元の世界の記憶を取り戻しているとも考えられる。
BDSPでアルセウスがゲットできる特典について
LAにてアルセウスをゲットしていると、BDSPでもアルセウスをゲットできるという連動特典があるが、アルセウスに会う為の道具であるてんかいのふえがなんと主人公の部屋の中にある。
このことについて、1の説では「元の世界に戻ることのできた主人公が持ち帰ったもの」、2の説では「両方プレイしたプレイヤーだから持っているもの」、3の説では「先祖代々受け継がれているもの」と捉えられている。
ポケモンマスターズについて
ポケモンマスターズにおいては、上記1~3の説のいずれとも異なる独自設定で展開されている。
本作のテルはDPt主人公であるコウキとは明確に別人である。
また、テルがパシオの風景を見て懐かしさを感じていることから、ノボリ同様に記憶を失い(ゲーム内の世界から)ヒスイ地方にたどり着いたと読み取れる。
さらに、テル自身が元々近代の人物であるためコウキの先祖にはなり得ない。(少なくとも本作においては、テルとコウキの容姿が似ているのは単なる他人の空似ということになる。)
このように様々な説が展開されているものの、未だ公式的には主人公の正体は明かされておらず、主人公の正体についてはプレイヤーの解釈に委ねる形になっているというのが現時点では一番近い認識であろう。
その為、創作内で主人公の過去の描写等を入れる際には、念の為注意書きをしておくことをお勧めする。
関連イラスト
関連タグ
ショウ(ポケモン):同作の女主人公の通称。
TERU:伝説的なヴィジュアル系バンド、GLAYのボーカル。
メンバー全員が北海道出身と言う事もあり、名前を聞いて彼を連想したプレイヤーもいたらしい。