概要
『ウルトラマンレオ』第38話「決闘!レオ兄弟対ウルトラ兄弟」にて
ウルトラ戦士達の故郷であるM78星雲ウルトラの星の軌道を司る制御キーの役割を果たしていたアイテム、ウルトラキーが何者かによって盗まれてしまう。ウルトラキーはビーム砲として使用すれば惑星をも一撃で粉砕するほどの恐ろしい武器となる。敵に悪用されでもすれば当然とてつもない脅威となる。
ウルトラキーを盗んだ犯人を捕らえるため、ゾフィーを初めとするウルトラ兄弟達が(何故か地底から)出動する。ウルトラ兄弟達は暗黒宇宙の支配者ババルウ星人の仕業と考えたが、なんとウルトラキーを盗んだのはウルトラマンレオの弟であるアストラだった。
その後キーを盗んだアストラは地球へと逃亡し、コントロールを失ったウルトラの星は軌道を外れ、地球と衝突の危機にさらされてしまう。
アストラを追って地球へとやって来たウルトラ兄弟達はアストラから力ずくでキーを奪い返そうとするも、そこへ弟の傷つく姿を見てられなかった兄のレオが乱入。もちろんレオもレオで盲目なわけではなくウルトラ兄弟達に時間をくれるよう頼み、何故キーを盗んだのかアストラを問いただす。しかしアストラは兄のレオの問いに一向に答えようとしない。そんな中、痺れを切らした我らが初代ウルトラマンが以下のような暴言を言い放った。
「レオ、俺達はアストラを殺す!」
まさかの「殺す」である。大事なことなので2回言いました。いくら地球とウルトラの星の両方が危機に陥っている状況とはいえ、あまりにもウルトラマンとして(というより正義のヒーローとして)ありえないセリフである。当時の円谷は何を考えていたのだろうか。
ウルトラマンが「殺す」などと言い放ったのは長いウルトラの歴史を見ても恐らくこれが唯一の例だろう。初代そっくりの顔をした慈愛の勇者が聞いたら落胆するだろう。
ちなみに「殺す」の方のインパクトが強すぎてあまり触れられないが、初代マンの一人称は「私」なのでここも間違っている。マンが自身を「俺」と称したのも(番外編などを除けば)おそらくこれが唯一(最近のウルトラ戦士(及び人間の主人公を含め)の一人称がレオを始めとして「俺」が多いだけに)……と思われがちだが、実際には前作のウルトラマンタロウ客演時に「俺はこの地球ではハヤタ」と言っており、本来の姿以外では前例が存在する。
実はこのアストラはババルウ星人が化けた偽物であり、本物のアストラはババルウ星人によって宇宙の彼方で氷塊に閉じ込められていたことが発覚。後にレオによって救出されたアストラとレオの活躍でババルウ星人は倒され、ウルトラキーも無事ウルトラの星に戻された。
この事件の後でウルトラマンとアストラがどんな関係になったのか甚だ気になるところである。
ちなみにこの時初代側にいたエースはウルトラファイトビクトリーにてレオ兄弟と会話しており、その時にエースは「無事だったか!」と心配している事から仲は良い方だと思われる(ちなみにエースとレオ兄弟は設定上、両親を亡くしており、地球を防衛していた頃は何かと辛い目にあっているうえに何かとセブン兄さんの世話になっている。やはり似た者同士気は合うのだろうか)。
フォローしておくとレオ本編のウルトラキー強奪事件で真っ先にババルウ星人の仕業を疑ったのはエース兄さんである。
しかし、そんな兄さんでさえ先述のようにあっさりマン兄さん側に付いてレオに得意の光線技をお見舞いしている。原作最終話で優しさを失わないでくれと言ってた本人が故郷守りたさに優しさを失ってしまったのである。まあエース兄さんもレオキックの直撃を浴びそうになったのでどっこいどっこいだが。
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ゾフィーお頭・・・『ウルトラ忍法帖超』「ネオ朧党編」にて「裏切り者のマンなど殺せーっ!!」と本記事に似たセリフを言い放っている