概要
「てれびくん」、「テレビマガジン」等の学年誌に付録として付属するDVDで展開されたOVA・玩具シリーズ。「GO!」ではなく、Oが小文字の「Go!」が正式なタイトル名である。
『トランスフォーマープライム』の続編として米国ハズブロ社の専門放送局HUBで放映された『ビーストハンターズ』に代わる日本独自のシリーズとして制作された。これは過去に放送したシリーズと同様の流れだが、雑誌の付録DVDに収録されている点が異なる。そのため現在視聴するハードルが少し高い。
小学館刊「てれびくん」では侍チーム、講談社刊「テレビマガジン」では忍チームを主軸にストーリーが進んでいく。
『ビーストハンターズ』に登場したキャラクターの玩具は一部仕様を変えて発売されているが、オプティマスプライムやプレダコン以外は劇中には一切登場しておらず、同シリーズのストーリーとの関連性も無い。また、これまでのアニメシリーズの中で唯一、登場するトランスフォーマーは全員喋る時に口を一切開閉せず表情も変化しないのも特徴である(CGで表情を動かすのに手間がかかるという大人の事情の表れともいえるが…)。
一方で、新規商品となるオートボットの新メンバーのソードボットは侍・忍チーム各々3体の組み合わせによる参乗合体(ゲッターロボやアクエリオンのような三段変形合体システム)が大きな特徴で、各チームのリーダー(ケンザン・ゲキソウマル)とオプティマスエクスプライムには音声+発光ギミックが備わっており、合体パターンの変更と共に台詞も変化する。更にボタンを押してから参乗合体する際に音が鳴り終わるまでに合体・カブトの装着を完了させられたか否かで発光パターンやサウンドが変化するようになっている。ただし、合体可能な位置はあらかじめ決まっており、ゴウケンザンの胸部(ジンブ)と脚部(ガンオウ)を入れ替える(『光速電神アルベガス』のような合体パターン)、といった事は出来ない。
登場キャラクター
オートボット
前作での戦いの後に対峙した新たな敵・プレダコンを激戦の末に封印。その後は地球をソードボットに託して旅立っていった。オプティマス以外の前作のメンバーは未登場であり、彼らのハンターモードも『ビーストハンターズ』では登場していない為、事実上玩具オリジナルの形態という事になっている。
ハンターオプティマスプライム
CV:森川智之
前作『トランスフォーマープライム』からの唯一の続投。前作の最終回からどういった経緯で地球外にいるのかは不明。前作のビークルから再スキャンを行った様で、より攻撃的なデザインとなったトレーラーに変形する。ソードボットらとは別行動を取っており、地球から離れた基地内でプレダコンの動向を窺っていた。
終盤でオプティマスエクスプライムにパワーアップし、新幹線と東洋の龍への三段変形能力を獲得して劣勢に立たされたソードボットらに加勢する。更にケンザンやゲキソウマルとの合体も可能で、侍連結参乗合体ダイケンザン・忍連結参乗合体ダイゲキソウに参乗合体する。
ソードボット
オートボットの対プレダコン特殊チームで、侍チームと忍チームの二派に分かれている。ただし、従来のTFにあった役職名(総司令官、航空参謀etc…)は特に設定されていない。
侍チーム
勇の感情に呼応したレジェンディスクから呼び出された3体のTF。その際に周辺に居合わせた乗り物をスキャニングしたが、何故かスキャン元とは似ても似つかない形状となった。普段は勇の自宅の地下を改造した秘密基地を拠点としている。各メンバーの参乗合体は各々の能力値に由来する。
ケンザン
CV:興津和幸
パトカーに変形する生真面目な性格の侍チームのリーダー。緊急二刀流の使い手で、「侍十文字」という二振の刀を用いて戦う。頭部には丁髷を結った武士のような意匠がある。腹部にジンブ、脚部にガンオウが合体すると、能力のトータルバランスに優れた技の参乗合体ゴウケンザンとなり、光の斬撃を十文字に繰り出す必殺技の「斬光十字」には相手の魂を浄化する作用がある。
因みにこのゴウケンザンのカブトのデザインは某勇者ロボにそっくりな点が発売前から注目を集めていた。
ジンブ
CV: 鳥海浩輔
戦闘機に変形する沈着冷静で礼儀正しい侍チームのメンバー。超空長刀流の使い手で、「マッハ刀」という長刀を用いて戦う。頭部は烏帽子を被った武者のような意匠を持つ。腹部にガンオウ、脚部にケンザンが合体するとスピードに特化した速さの参乗合体ゴウジンブとなる。電荷を纏った渾身の切り返し・「迅雷返し」が必殺技。
ガンオウ
CV:安元洋貴
消防車に変形する侍チームの年長者で、消防突撃流の使い手。「ドリルラダー」という長槍を武器に戦う。頭部のデザインは頭巾を被った僧兵をイメージしている。腹部にケンザン、脚部にジンブが合体するとパワーに特化した力の参乗合体ゴウガンオウとなり、各メンバーの武器を合体させた長槍の穂先に炎を纏わせて力強く振り下ろす必殺技の「巌炎爆破」を放って敵を粉砕する。豪胆な性格の持ち主で、一人称は「ワシ」。
忍チーム
兎飛雄の感情に呼応したレジェンディスクによって目覚め、名古屋城の外壁から出現。各々3体のTFが動物にトランスフォームするが、侍チームとは違いスキャニングのシーンはなくそのままの姿で現れている。こちらの参乗合体は各々のメンバーが適応した地形に由来する。
ゲキソウマル
CV:関俊彦
ライオンに変形する「地の獅子忍」で、土遁系の忍術を得意とする忍チームのリーダー。中の人繋がりからか熱血漢な性格で、 感情の高まりを自らの強さに変える事が出来る。武器はライオンの尻尾をムチに変化させたビビッドビュートとクナイと言うよりもはや蛮刀と言っても良い百獣シノビクナイ。腹部にヒショウマル、脚部にセンスイマルが合体すると陸戦に特化した陸の参乗合体ゴウゲキソウとなる。
必殺技は各メンバーの武器を合体させた武器からビームの刃を生成し、一気に距離を詰めてみじん切りに斬り刻む「撃土獣牙」。因みにこのゴウゲキソウは、カブトのデザインがどことなく某勇者特急に酷似している。
ヒショウマル
CV:阪口大助
鷹に変形する「風の鷹忍」で、忍チームのメンバー。尾羽が変化した飛翔扇を武器とする。お調子者な性格で、語尾に「~っち」を付けて喋る。兎飛雄に対して兄貴風を吹かしているが、当の兎飛雄からは逆に弟分だと思われているのに気づいていない。腹部にセンスイマル、脚部にゲキソウマルが合体すると空戦に特化した空の参乗合体ゴウヒショウとなり、高速回転で起こした竜巻をドリル状に繰り出して敵を穿ち貫く必殺技の「翔風乱舞」を放って攻撃する。
センスイマル
CV:間島淳司
鮫に変形する「水の鮫忍」で、忍チームのメンバーかつソードボットの中でも唯一の水中戦力。クールな性格の持ち主で、鮫の尾鰭が変化した大鰭十字手裏剣が武器。腹部にゲキソウマル、脚部にヒショウマルが合体すると海陸両方で戦える海の参乗合体ゴウセンスイとなる。必殺技は両の掌の間で高圧に圧縮した水の弾丸を撃ち出す「潜水烈掌」。
プレダコン
ハンターショックウェーブ(劇中未登場)によって生み出されたTF達。レジェンディスクの力で富士山に封印されていたが、登山に来ていた子供の投石が原因で復活。リーダー格のドラゴトロンを中心に「四鬼衆」という配下を持ち、各々のメンバーがドラゴンに変形する。
ドラゴトロン
CV:上田燿司
プレダコンの悪鬼大帝で、外見は『ビーストハンターズ』のプレダキングとほぼ同一だが、設定上は全くの別人である。「四鬼衆」という配下を持ち、自身の復活の為にレジェンディスクを彼らに強奪させる。終盤ではソードボットらの奮闘も虚しく覚醒してしまい、赤く変色した「究極悪鬼大帝グレンドラゴトロン」となってパワーアップを果たす。
勇と兎飛雄をレジェンディスクごと取り込み、地球を機械の星へと変えるべく手始めに富士山を機械化させる。最終的には「邪龍合体」と称して部下のプレダコンすらも取り込んで巨大化し、ソードボットらを窮地に追い込んだ。
ブドーラ
CV:稲田徹
武闘鬼を名乗る四鬼衆のリーダー。玩具のパッケージの解説では「正々堂々とした戦いを好む」というリデコ元の『ビーストハンターズ』のグリムウイングのような性格を窺わせるが、劇中ではそれを匂わせるようなシーンは殆ど無く、(冗談とはいえ)ドラゴトロンへの下克上を目論んでいるかのような発言をしたり、子供達を人質に取るなどの狡猾な一面を見せている。四鬼衆のメンバーはそれぞれが鬼をあしらった意匠の頭部を持っており、彼の頭部には1本の角が生えている。
ジュドーラ
CV:伊丸岡篤
四鬼衆の二番手で、オカマ口調の呪縛鬼。相手を精神的に追い込む「呪縛の波動」を使う。大きな翼は「呪縛の波動」を発動する際のアンテナやビーム発振器としての役割も持っている。頭部の角は2本。
ガイドーラ
CV:岩崎征実
四鬼衆の三番手で、彼のみ翼の無いドラゴンに変形。メンバーの中では一番の怪力で、怪力鬼とも呼ばれている。肉弾戦だけでなく後頭部に備えたオーガランチャーを使った射撃も行う。頭部の角は3本。
バクドーラ
CV:上田燿司
四鬼衆の末席に位置する若手で、リーダー格のブドーラには絶対服従を誓っている…のだが、若さ故に融通が利かず、ブドーラの下克上を目論んでいるかのような冗談を真に受けてしまう一面もある。
爆速鬼の名が示す通り、スピードを活かした戦いにおいてプレダコン内で右に出るものは居ないとされる。ドラゴンの尻尾の先端部にはサイフォン・クロウと呼ばれるカギ爪状の武器があり、これで相手を捕縛して生体エネルギーを吸収する。頭部にある角は4本。
邪鬼軍団
CV:なし
四鬼衆が周囲の物にエネルギーを与える事で生み出される小型の鬼型TF達で、前作で言うところのビーコンのような雑兵的ポジション。しかし、典型的なぽっと出のやられ役というわけではなく、ソードボットを窮地に陥れるような場面も見られた。ドラゴトロンによって操られており、ガララ・ブララ・ジュララ・バララ・ドララの5体が合体する事で邪鬼合体ゴラードラとなる。
地球人
帯刀勇(たてわきいさみ)
CV:小松未可子
小学5年生の少年。幼い頃から剣道を学んでおり、子供でありながら大人をも打ち負かす実力を秘めているが、レジェンディスクの所持による身体能力の向上にも決して驕らない思慮深さも併せ持つ。また、兎飛雄とは親戚関係にあり、レジェンディスクを巡る争奪戦に巻き込まれ、侍チームとの出会いを果たした後は自らレジェンディスクを集める旅へと赴き、そこで過去の様々な剣豪達と出会う事になる。
風摩兎飛雄(ふうまとびお)
CV:高垣彩陽
レジェンディスクを守護する忍者である風摩一族の末裔。スポーツ万能(…と言うか、その身体能力は、ほぼ垂直の城壁を一気に駆け降りるなど『人外』の域に到達している)で、曲がった事が大嫌い。
勇と同じく小学5年生で、彼とは親戚関係。第1話にて社会科見学で訪れた名古屋城でプレダコンの襲撃に巻き込まれたのを機に、忍チームと邂逅する。「TFの人間キャラは強い」という例に漏れず、戦闘時には忍装束に身を包み、四鬼衆からレジェンディスクを掠め取ったり、火事に巻き込まれた猿の親子を救助するなど、小学生離れした胆力を見せている。
帯刀石舟祭(たてわきせきしゅうさい)
CV:上田燿司
勇の祖父で、帯刀流道場主。彼の道場には代々伝わる「聖なる鏡」としてレジェンディスクが祭られており、それを四鬼衆に目を付けられてしまう。
CV:?
言わずと知れた実在の人物で、ニ刀流の剣豪。レジェンディスクの力によって過去の日本にタイムスリップした勇ら侍チームが初めて出会う人物で、彼もレジェンディスクの1つを持っていたが、ブドーラによって奪われてしまう。
CV:高山みなみ
後に幕末の志士として知られる少年。自身が手にしたレジェンディスクの力に酔いしれているせいか自己中心的な性格をしている。
CV:野島健児
兎飛雄の先祖で、彼もレジェンディスクを守護する使命を帯びている。一度は兎飛雄に対して自身の持つレジェンディスクを渡すのを拒むが…
CV:三宅健太
五条大橋の上で勇を待ち受ける大男で、童話「牛若丸」さながらのシチュエーションで彼に戦いを挑んでくる。
CV:?
「本当の強さ」とは何かを見出す事が出来ずにいた剣豪。勇にもその事を問いかけるが、強さを追い求める事よりも人々を守る事の大切さを説いた勇に感名を受け、彼にレジェンディスクを託した。
CV:?
山伏に付け狙われていたところを兎飛雄に助けられた老人だが、その正体は忍者であり、レジェンディスクを渡すに相応しい人物を待っていた。
レジェンディスク
本作におけるキーアイテムで、かつてオートボットはこれを使ってプレダコンを封印した。また、地球人やトランスフォ-マーの能力を向上させる効果(ソードボットの『参乗合体』もこれに由来する)がある。
元来は平和利用のためのエネルギー体として造られていたが、悪用を避けるために負のエネルギーを探知すると時空を超えてその場から消滅する安全装置が組み込まれていた。これにより所有者は下記のようにたびたびと変わり、ソードボットらは幾度となく放浪の旅を強いられることになった。
赤:帯刀道場の神棚⇒勇
青:名古屋城のしゃちほこ⇒兎飛雄
黄:関ヶ原⇒風摩小太郎⇒猿飛佐助
緑:関ヶ原⇒宮本武蔵⇒坂本竜馬⇒武蔵坊弁慶⇒塚原卜伝
紫:ドラゴトロンの体内
なお、黄と緑のディスクはタイムスリップを繰り返しているため、特定の時代に留まっていない。