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概要編集

2000年から『アワーズライト』⇒『アワーズ増刊』⇒『ヤングキングアワーズ』にて連載、2006年完結。


高校のクラスメイト達から腫れ物扱いされ忌み嫌われている、「変態」「キモオタ」という言葉も生温い「妄想戦士」こと山本一番星を中心に、一見普通だが危険な裏の顔を持つ友人・松下、生身の女に興味無しなフィギュア萌え族・渡辺、秘密結社を率い眼鏡っ娘を愛でる真性眼鏡フェチ・南雲といったダメ人間達と、立ちはだかる強力なライバルや凶悪な敵達が織り成す、萌え燃えがぶつかり合う熱血妄想物語。

当初『アワーズライト』で連載していたが、掲載誌休刊により『アワーズ増刊』に掲載後『ヤングキングアワーズ』に移籍し完結。単行本全5巻。


オタクネタが多いが、パロディ要素は少ないのでそこまでマニアックでは無い。しかしフェチネタや下ネタが多いので、初心者には勧めづらい。

あと、萌えがテーマだが萌えキャラよりも萌え萌え言って号泣している男キャラが画面の大半を占める。

熱き妄想戦士達の熱意を「キモい」と思うようじゃまだまだ修行が足りないであろう。

しかし理解できてしまった場合、それはそれで手遅れかもしれない。


2015年2月28日に全5巻分の内容をまとめて、更に新規エピソードを幾つか追加した新装版「妄想戦士ヤマモト HDリマスターエディション」上下巻が発売された。



登場人物編集

【主要人物】編集

山本一番星

【トレス】妄想戦士が幻想入り?

「萌えとはどす黒くねじまがった心の闇の中で、その中で美しく輝き続ける魂の光だぁ!!」


主人公。萌えに生き妄想を愛する妄想戦士。萌えさえあれば飲まず食わずでも数ヶ月生き続けられるが、逆に萌えが無いと禁断症状が起こり、数日で老い衰弱する。

その発想力や行動力は「捨て猫を助けたら猫耳少女になって恩返しに来るかもしれないので捨て猫を探す」「コンタクトレンズ製造工場を眼鏡っ娘を減らす原因であるとして襲撃・破壊する」「バイトではなく生粋、かつ純真無垢な巫女さんを見るために命を賭けて魔の森に入る」など、常軌を逸する。ちなみに、小学生の頃から「萌え萌え」言っており、ブルマ泥棒も働いていた。その常軌を逸した行動力からクラスメイト達に狂人扱いされており、敵対したら本気で命が無いと恐れられている。

その人並み外れた熱意により「第36回妄想選手権」で優勝し、「妄想騎士」の称号を得る。

ただ、毬藻という実妹がいるためか妹萌えだけは理解できない。それ故かロリ萌えに対しても一部否定的。またキャラを作っているぶりっ子にも萌えない。

ただし、妹萌えは理解できないが「松下に自分の妹を取られる」ことへの強い嫉妬心は持っている。松下はもちろんのこと、南雲や桜子さえも「山本が妹のことで松下に嫉妬している」と一目で看破したが、山本自身はその感情に気付いていない。

戦闘能力も高いが、最強というわけではない。相手の心の奥底に潜む萌え心に訴える攻撃を得意とするため、改心前の堕美泥(萌えを全否定)、ベンジャミン(自分自身にしか萌えない)、クララ(逆にヤマモトを萌えさせる言動をする)には直接対決で一度敗れている。


松下吾朗

小野寺作品漢の名言集『あ』

「それでも俺は……甘くせつない恋がしたいんだ――!!」


山本のクラスメイトで、数少ない友人かつ常識人(?)。山本によって騒動に巻き込まれ酷い目に遭うツッコミキャラだが、山本の異常な言動や行動にはほぼ毎回心打たれている。

一方で、普通で真面目な眼鏡男子である自分自身にコンプレックスを抱いており、他人にそれを指摘されると心の中の扉が開かれ「裏松下」という欲望や狂気をさらけ出した別人格が現れる。その潜在能力と熱意により「第36回妄想選手権」にも参加資格を得た。

選手権以降、妄想戦士仲間の間では「裏松下」の戦闘能力は山本をも凌ぐと絶大の信頼を得るようになり、松下本人も「裏松下さえ出せれば皆を救える」などと最終兵器っぷりを自覚している。

山本とは違い妹属性に理解を示しており、毬藻と恋愛フラグが幾度となく立つ。また当初メインヒロイン扱いだった楓ともよくフラグが立っていた。

他にも同級生の美少女に突然告白されたり(前世を語る電波女だったが)、メガネくん同人衆には(性的な意味で)大人気だったり、後に同級生の幼馴染がいることも発覚したり、作中最も女子キャラとフラグが立っている。リア充爆発しろ。一度実際に一級フラグ建築士になり調子に乗っていたが、すぐ折られた。

白鳥に対しても、恋愛感情こそないがお姉さん属性を見出しており、「もっと叱ってほしい」という屈折した憧れを抱いている。

毬藻については、「恋愛感情を持たれていることには気付いていない」が「慕われているという自覚はあり」、失いたくない大切な存在と認識すると同時に山本(次いで渡辺・南雲)によって関係を台無しにされることをひどく恐れている。


渡辺流星

おまえら生身の女に彼女たちの素晴らしさがわかってたまるかっ!!!

「人じゃないからいいんだ。彼女たちは……うんこもおしっこもしないんだよ」


山本の中学生時代の親友にしてライバル(後に同じ高校で隣のクラスの生徒だと判明)。中学時代はホモと疑われるほど仲が良かったが、エロ本が原因で絶交した。

生身の女子に異常な嫌悪感を持ち(初期は普通に生身の女子にも触れていたが、後に触るだけで嘔吐や蕁麻疹を患うレベルに悪化)フィギュアしか愛せない(ただし穴が空いている物は例外)。

「複数のフィギュアで延々と一人芝居」「ロボット人間になる系のエンディングは認めない」「自分ので等身大フィギュアを制作」など、数々の奇行で時に山本すらもドン引きさせる、恐らく作品中で一番のマジキチ

実妹(黒ギャル)と実姉(ガサツ)がいるが、生身の女子自体存在を認めていないので、山本と違って妹属性がある。というか、生身の女子に絶望したのは姉と妹のせい。

また、フィギュアの美を台無しにする危険性があるという理由から眼鏡属性は持たない。

本編も後半以降になると、フィギュアを自作する腕も超プロ級になるが、同時にロクに言葉を発しなくなる。この無言化は読者にも指摘されており、作者は5巻のおまけページで「悟りの境地に達した」「ダメなノッポさん」と説明している。


南雲鏡二

めがねっ娘教団 南雲鏡二

「めがねかけたままやらせてくれ!!」


日本各地に支部を置く眼鏡フェチ集団・めがねっ娘教団の教祖。眼鏡っ娘を愛するあまり「りんかくのズレがないと萌えないため伊達眼鏡は認めない」「実用的かちょい地味めのデザインじゃなきゃグッとこないためおしゃれ眼鏡は認めない」など異常なぐらいに強いこだわりを持つ。

実は裸眼の恋人がいる。彼女のことは真剣に愛しているつもりだが、心の中はいつも何か物足りなく本気になれない。

ちなみに本業は高校教師(後に布教に専念するため退職し、眼鏡職人兼眼鏡の個人商店の経営者となる)。


【ヒロイン】編集

高橋楓

山本のクラスに転入してきた三つ編み眼鏡っ娘。一度眼鏡を外してコンタクトにしたが、山本に回し蹴りを喰らって半殺しにされたため眼鏡に戻した。

序盤はメインヒロイン的な扱いでお色気要員もこなしたが、極度の天然ボケドジっ娘である以外は松下以上に普通だったためか、回を増す毎に影が薄くなり、所謂メインヒロイン(笑)状態に陥る。

それでも何だかんだ、山本にとっては松下と並んで親しい数少ない級友であり、松下や南雲からも普通に接されている。


白鳥由希

前述した南雲の彼女。南雲のメガキチぶりを知っても毛嫌いせず、むしろ更正させようと頑張っている報われない人。

南雲を更生させたいあまり、一時は堕美泥の誘いに乗り、萌え撲滅活動の片腕として加担していた。堕美泥が改心した後も世話焼き関係は続いていたが、あくまでも本命は南雲の様子。

空手三段の武闘派であり、「めがね百段」の南雲はおろか、山本をも一撃でKOする描写が度々見られる。

本人は特に自覚していないが、その言動は「厳しくも優しいちょっと年上の女性」そのものであり、特に松下を「叱られ萌え」させている。南雲もわざとヘマするなどして、彼女に叱られたがる。

ちなみに視力は両目2.0


山本毬藻

山本の実妹。幼さ残る少し甘えん坊な一般的中学生。

兄含む身内が変人だらけのためか、比較的普通な松下に惚れ、想いを寄せる。白鳥と同じく本人に全く自覚はないが、その言動は「兄を(家族として)慕う可愛い妹」そのものである。そのため山本にとって「妹萌え」は常日頃から触れている至って普通のものに過ぎず、全く特別視できないゆえ「理解できない」のである。

中学生である現在、貧乳であることを気にしているが、5年後には大きすぎない程度に豊かになる。


竜巻桜子

山本の後輩で一年生。山本が捨て猫にをかざす姿(本編の第1話)を見たせいで山本にうっかり惚れる。

オタクではないものの、山本を振り向かせるために萌えをアピールするが「売れない芸人みたいな『前へ! 前へ!』って感じのテンションが不愉快」と評される。終盤は彼女がメインヒロインっぽくなり、各種のお色気描写もしっかり担当。

しかし山本とのフラグ(恋愛的な進展)は、最後まで全くと言えるほど立たなかった。六天灰夢クララの方が、よっぽど山本とイイ雰囲気に描かれている。


【妄想戦士】編集

純愛番長

舎弟のヤスを引き連れた番長。山本とは「第35回妄想選手権」で5時間以上の激闘を交わした実力者。彼が主人公の読み切り作品『嗚呼! 純愛番長』もある。

実は作者の別作品の主人公。その時は「ロリータ番長」と名乗っていた。

2020年6月1日から原作者Twitterアカウント※外部リンクで、彼が主人公の漫画「100日後に死ぬ番長」の連載が始まった。100日後どころか毎日死んでいて、ヤスも登場する。同年9月8日に100日目を迎え最終回となったが、衝撃のオチが…。

100日後に死ぬ番長 1日目

pixiv上でも一部閲覧可能。


御子神紅白

バイトではなく生粋、かつ純真無垢な真の巫女(幼女)を愛で護るために魔の森に住む「巫女お庭番」の首領。巫女萌え俳句殺法で戦うが、山本に下の句で返され敗れた。それ以来友人になったようで、稀に現れる。


矢追ジュン

腐女子忍者集団「メガネくん同人衆」のリーダー。眼鏡男子受け同人誌を執筆している。

松下は理想の総受け男子としてメンバーに大人気。


【フェチ撲滅特殊工作員】編集

黒崎堕美泥

ヤマモトより 黒崎堕美泥

「キサマらが私のポロンを汚した!! キサマらが私のポロンを、まみれにした!!」


秘密組織「日本国政府フェチ撲滅機関」に属し、コンタクトレンズ製造工場の運営や人形爆弾の配布、近隣住民からの苦情への対応といったオタク撲滅活動を行っていたが、その正体は大人気少女漫画家だった「愛野いずみ」である。


六天灰夢クララ

堕美泥が消えてから現れた新たなフェチ撲滅特殊工作員。お嬢様キャラで、執事のベンジャミンと共に秋葉原を襲撃し、オタクたちを「妄想刑務所」へ収容した。

その後の転落人生は作中で一番不憫。根は素直なためよくベンジャミンに騙されている。

ベンジャミンのプロデュースにより、子役タレントとして絶大的な人気を誇った過去があるが、その頃に起こった偶然のパンチラ事故とその場に居合わせた山本(当時小学生)の余計な一言がトラウマとなり、「萌え萌えうるさいオタクども」を憎むようになった。

ベンジャミンから伝授された「クララ以外は誰でもデタラメと分かるデタラメな格闘技」を得意とする。それは萌え心を刺激しまくる戦闘スタイルゆえ、山本に対しては致命的な威力を発し、あっという間に戦闘不能に陥らせてしまう、ある意味で最強の敵。


ベンジャミン

クララに仕える執事。一応忠実ではあるが、クララの純粋すぎる性格を面白がっており、デタラメを吹き込んで楽しんだり、上手く丸め込んで商売の道具にしたりする。

クララが「萌えオタクども」を憎んでいるのとは逆に、「萌えオタクは何をしてやれば喜んで散財するのか」を本能的に熟知しており、そっち方面の商才には異常なほど長けている。

萌えの心を持っているが、それは自分自身に対してのみ向けられる。つまり、ナルシスト

痩身ではあるが肉体的な戦闘力にも覚えがあり、山本の抵抗を退けたこともある。

かつて轟かせた異名は「リオデジャネイロの赤マムシ」。男性を性的に責める術も心得ている。


雨宮真綾

「コンタクト大将軍」を名乗るフェチ撲滅特殊工作員。眼鏡っ娘萌えを撲滅するため、全国各地のめがねっ娘教団支部を襲撃し「渋谷引き回しの刑」などの拷問に処したが、実は本人自体が眼鏡っ娘。一人称はボク。冷静沈着だが、性的に過激なモノを見せられると、すぐにボン!と顔が真っ赤になる。


山田銀河丸

最後のフェチ撲滅特殊工作員で、本編のラスボス。

今までに登場した三人の工作員を「頑固な全否定野郎」「高慢お姫様」「眼鏡ボクっ娘」などと分類するならば、銀河丸は「毒電波」。そのため、敵味方含めた登場人物全員から即座に「ヤバい」と断じられた。

萌えの本質に触れて改心した堕美泥や敵軍の漢気に理解を示した真綾に対し、銀河丸はそういうお約束感情を全く持っていない。また、クララがあくまでもオタクたちを真人間にするために行動していたのに対し、銀河丸はただ単にオタク殲滅のためだけに動いている。

その正体は……意外な人物である。


関連タグ編集

小野寺浩二 ヤングキングアワーズ

萌え 妄想 オタク

めがねっ娘教団

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