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概要編集

毎年春休みシーズンからGWシーズンに封切られる、東映ヒーロークロスオーバー映画。俗に「春映画」とも呼称される。

一時期仮面ライダースーパー戦隊がコラボする『スーパーヒーロー大戦シリーズ』となっていたが、2014年と2015年には戦隊があくまでゲスト的参戦に留まり、2016年はそもそも戦隊が一切登場しなかった。

2011年以前の来歴や製作スタッフも考えると、基本的に仮面ライダーの為の映画枠であると言って良いだろう(作品によってはスーパー戦隊も側もメインではある)。


2018年以降編集

2017年を最後にこの形態では製作されておらず、プロデューサー白倉伸一郎twitter上で「春映画はもうやらないつもり」と語っているが、これは同時期にウルトラマンの映画が毎年公開される様になっているので潰し合いを避ける為と思われる。


尚、2018年は代わりに『仮面ライダーアマゾンズ 最後ノ審判』が5月に上映された。

2019年以降は本来はオリジナルビデオ作品である仮面ライダーVシネマの期間限定上映が春に行われるようになっている。

2021年には『仮面ライダーセイバー』と『機界戦隊ゼンカイジャー』がクロスオーバーする『スーパーヒーロー戦記』が7月に公開。公開時期が異なるだけでコンセプト的には過去の春映画と似ている為か「夏の春映画」と評するファンもいる。


歴史編集

昭和ライダーで恒例化していた、作品の異なる仮面ライダー同士の共演は、リアルを求めた平成ライダーでは行われず、ハイパーバトルビデオやヒーローショーなど小規模な物に留まっていた。

この慣例が、本来はVシネマで企画されていた『クライマックス刑事』で破られ、平成ライダー1期の総括である『仮面ライダーディケイド』の劇場版『オールライダー対大ショッカー』でそれまでの全主役ライダーがスクリーンに集結し「平成ライダーでも全員集合できる」という前例が出来上がり、いわゆるオールライダー作品の嚆矢となった。

2010年の『超電王トリロジー』を経て2011年の『レッツゴー仮面ライダー』から下記の特徴が踏襲され始める。


一方のスーパー戦隊シリーズは、従来よりVシネマでスーパー戦隊VSシリーズを制作しており、歴代ヒーローのクロスオーバーは恒例の行事として定着していた。

2009年、東映製作の一般映画が諸事情により公開出来なくなり、その穴埋めとして発売前の『炎神戦隊ゴーオンジャーVSゲキレンジャー』を劇場公開した。穴埋めと言う臨時の措置ではあったが、一定の成績を収められた為、これがスーパー戦隊祭として恒例化した。

そして2011年のアニバーサリー作品『199ヒーロー大決戦』が6月に公開。これはあくまで『ゴーカイ』と『ゴセイ』のVSをアニバーサリー作品と言う事でグレードアップした物である(恒例の公開時期には『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』を公開した)が、「歴代ヒーローが全員集合」と言う要素はオールライダー作品と通じる。尚、スーパー戦隊の歴代戦士が、追加戦士も合わせて全員集合したのはこれが最後となる。


そして2012年にライダーと戦隊の両方が登場する『スーパーヒーロー大戦』が公開された。「大戦」の名が冠される様になったのは本作からである。


特徴・作風編集

基本的には、公開時点で放送されている最新の仮面ライダー(作品によってはスーパー戦隊側の登場人物も主人公になるケースがある)作品の主人公を主軸の一つとしつつ、その作品に応じた別の主人公格(悪役の場合もある)のライダーが登場する。


「大戦」の名の通り、現行ヒーローだけで無く、歴代のヒーローが全部ないし一部登場し、歴代の悪役も登場する。

悪役は所謂再生怪人扱いで、原典よりも弱体化し、原典で特定の方法で無いと倒せないとされていても、普通の攻撃で倒される。

中には、原典で善玉になった悪役もおり、彼らの様な正義の怪人や、原典で悲劇的な末路を迎えた悪役が、十把一絡げに倒される事も往々にして存在する。

ショッカー戦闘員はほぼレギュラー化している。


製作スタッフはほぼライダーサイドのスタッフで固められており、プロデューサーは白倉伸一郎が務めている。

後述の一覧の内半数以上が米村正二が脚本を担当している。


ライダーサイドのスタッフで固められているせいか、戦隊サイドのキャラクターに関しては原典から若干変更されている事が多い。

特に公開時期直前に放送終了となった戦隊は、テレビ最終回と矛盾する状況になっていたりする。


評価編集

正直な所、芳しいとは言えない。

主にシナリオ面が酷評されるか、トンチキ要素が一周回って愛されるかのどちらかに二極化している。


先の特徴に挙げた通り、特に『スーパーヒーロー大戦』以降は特に仮面ライダー側のレジェンドヒーローの描き方に原典と矛盾があり、まずそこで原典ファンから不評を買っている。

スーパー戦隊や、ウルトラシリーズの映画がレジェンド客演で特に不評を買っていない所からも、「大戦」シリーズの異質さが分かる。

ストーリーも、何故そのキャラクターがそうしたのか、何故こう言う状況になったのかが描写されない事が多く、先のキャラクターの改変と相まって、レジェンドとの共演が目玉のハズなのに、レジェンドのファンであればあるほど頭を抱える事になってしまう。

終盤では参戦したヒーロー全員がいつもの採石場でラスボスと激突するという東映特撮の様式美のような展開が描かれるが、如何せん人数が多すぎるため全員に見せ場を与えることは難しく、単に走り回って雑に殴り合うだけの「採石場運動会」に終始してしまうキャラもどうしても出現する。


当時の仮面ライダーとスーパー戦隊が全員で戦闘するというインパクトを打ち出しながらも、ストーリー面で特に酷評を受けた『スーパーヒーロー大戦』以降は、登場するヒーローを絞り込んで再び仮面ライダーシリーズを中心にした内容へと回帰、一応戦隊のゲスト枠も残り続けたが、ストーリーには絡まない完全な添え物扱いが定着してしまう。

最終作『超スーパーヒーロー大戦』では、現行ヒーロー以外を作中のゲームに登場するキャラと設定することで、レジェンドの参戦とストーリーの整合を取るよう図っている。


一方で興行収入的には決して悪く無く、毎年右肩上がりになっている。

特撮ファンがどうこう言おうと、子供達にとっては憧れのヒーローであり、最高に楽しい映画と言う事なのだろう。

また、作品毎にその作品での独自の要素も少なく無い為、それを楽しみにしたファンも少なく無かった。


シリーズ一覧編集

公開枠的に前身にあたる平成ライダー春映画も掲載する。



テレビシリーズにおける連動企画編集


関連タグ編集

仮面ライダー映画 スーパーヒーロー大戦シリーズ

スーパー戦隊祭 クロスオーバー


スーパーヒーロー戦記︰所謂大戦映画だが、夏の映画である。

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