草加雅人(パラダイス・リゲインド)
ぱらだいすりげいんどのくさかまさと
草加雅人は『仮面ライダー555』本編では既に物語終盤で木場勇治の手によって殺害されて灰化・死亡し、カイザギアも失われている筈だが、本作『パラダイス・リゲインド』でなぜかカイザギアと共に謎の復活を遂げている。『西洋洗濯舗菊池』に戻ってからは仮面ライダーカイザとして、あれほど憎んでいた筈のオルフェノクを新生スマートブレインから庇護すべく戦っている。
しかし、スマートブレインの尖兵として襲いかかってきた乾巧が変身する新世代のファイズに動揺、海堂直也と共に困惑している。
そして、彼の復活に呼応するかのようにスマートフォン型の新型デバイス「カイザフォンXX」をカイザドライバーにセットして変身する新世代のカイザが姿を現していた…。
本作では首元に黒いチョーカーを身に付けている。これが今回の復活と何か関係があるのだろうか…?
また本編で草加の最期を看取った者は誰もいないため、園田真理からは「死んだと思ったが、生きていた」と捉えられており、他の人物達も草加が生きていることに疑念を抱いていなかった。
真理や菊池啓太郎の甥である菊池条太郎と共に『西洋洗濯舗 菊池』を営む。クレーマーにも柔軟に対応するなど相変わらずの器用さを見せていた。
巧が帰って来る日を待つ真理に対して、上記一段目の言葉で励まし想いを寄せる。
その後『西洋洗濯舗 菊池2号店(を海堂が無断で改造したラーメン屋)』に勤めるオルフェノクのヒサオ/モスキートオルフェノクがスマートブレインに襲撃されていると連絡を受け、即座に駆けつけてカイザに変身。ライオトルーパー達を退け善戦しているところに行方不明だった巧が合流。
しかし、巧は見たことのないファイズに変身し、海堂/スネークオルフェノクを攻撃。更にデルタに変身したヒサオがオルフェノク殲滅隊の隊長である胡桃玲菜が変身するミューズに敗北し灰化してしまい、草加達は動揺しつつも撤退を余儀なくされる。
ラーメン屋に戻り、巧が裏切ったと主張する海堂と口論する中、「彼はそう簡単に自分を曲げる男じゃない」と擁護する。
…が、自分の中でも巧が裏切った事でヒサオが死んだ事実は拭いきれず、その夜に真理と二人きりでいた際に「変わってしまう人間もいる」と本音を漏らし真理の不安を煽ってしまい、何処かへと逃げられてしまう。
翌朝、戻ってきた真理達と共に海堂のラーメン屋に手伝いに向かう。厨房で(神妙な表情で)麺の湯切りをしていると、いち早く異様な雰囲気を察知。スマートブレインが襲撃して来たため、カイザに変身しミューズと交戦。
混戦の最中、コウタ/ゲッコーオルフェノクが北崎に殺害される光景を見て激昂した真理がワイルドキャットオルフェノクに変貌を遂げライオトルーパーを蹂躙。
その事実に草加達は動揺。混乱に乗じて海堂達は撤退するが、物影に隠れたカイザの目が怪しく光り…
紆余曲折を経て海堂達と共に救援の為に合流した草加は巧から「真理を頼む」と託されて了承。真理を連れて樹海の中を逃げていたが…
【CAUTION】以下、ネタバレ注意!!
真理を連れて逃げていた草加だったが、足を止めたと思いきや突然真理に平手打ちを行った。
真理「何…!?」
突然の事態に困惑する真理。しかし、草加もまた苦悶するような表情をしており…
「真理……君がオルフェノクであっても…俺は……!」
次の瞬間、草加の表情が冷徹な表情に変わり…
「…いや……待っていた。この時を何年も…ずっと!」
真理「まさか…草加くんじゃ…ない…!?」
「流星塾の者はいつか…オルフェノクになる。その時お前を倒すために俺は…スマートブレインに派遣されたのだ…!」
実は、彼は蘇った草加雅人ではなく、草加の姿をしたスマートブレイン製のアンドロイド、形式番号・SB-913A/001。首元のチョーカーは製造番号とロゴを隠すためのものだったのだ。
そのため、掌から銃口を出して銃撃することも可能。
「流星塾生がオルフェノク化した時に抹殺する」というプログラムが仕込まれていた。
正体を明かした草加型アンドロイドはオリジナルがよく浮かべていた不気味な笑みを浮かべて掌の機銃で威嚇射撃し、カイザフォンを握り潰す形で破壊(設定上は戦車に轢かれても破壊されない代物のはずだが)。新たにカイザフォンXXを取り出して仮面ライダーネクストカイザに変身し、真理/ワイルドキャットオルフェノクを執拗に攻撃する。
追い詰めた先の廃工場にて条太郎に馴染みのファイズギアを託され、旧型のファイズに変身した巧が北崎の変身したミューズと戦う姿を目撃し、標的を巧に変更してミューズと共闘。
数の有利差でファイズを追い込んでいくが、ファイズの救援に駆けつけたオートバジンの攻撃で怯んだ隙にファイズエッジを持ったファイズに圧倒されていき、最終的にはワイルドキャットオルフェノクの切り裂き攻撃とファイズのクリムゾンスマッシュを立て続けに受けて、ミューズ共々爆発四散した。
しかし、スマートブレインは草加型アンドロイドを大量生産しており、バックアップのアンドロイドが新社長に就任。彼を迎えに来たスマートレディに不敵な笑みを向けた。
ただし、劇中に登場していた草加型アンドロイドはオリジナルの草加雅人に近い自我を相当強く持っていたことが描かれており、前述の真理に襲いかかる直前にも自らの意思でアンドロイドとしてのプログラムに抗おうとしていた。
- 本作では草加が真理の為とはいえ「本編で散々嫌っていたオルフェノクを庇護するというある種の尊厳破壊の状況に陥っている」という声が相次いだ(真相は上述の通りであり、草加本人では無かったのだが)。
- なお、脚本の井上氏曰くアンドロイドか幽霊かの二択だったが、「アンドロイドの方が無難」という事でアンドロイドに決定。それとは別に「村上氏にアンドロイド役をやらせたかった」ともコメントしている。
- 同作でアンドロイドだった事に関して、ファンからは「スマホがアイテムのモチーフにされているから、Androidとのシャレなんじゃないか」と言われているが、真相は定かでない。
- 劇中ではアンドロイドであるにもかかわらず缶コーヒーを飲んでいたが、おそらくは脚本が同じ特撮のアンドロイドと同じような原理で飲食が可能だったと思われる。
- 演じる村上氏は、『555』放送終了後も度々映像作品に同役で出演していたが、カイザとしては既に変身した状態での登場だったりでなかなか変身シーンの撮影の機会が無く、今作で20年振りに変身シーンを披露した。