曖昧さ回避
- 一神教(唯一神教)における最大級の悪魔。本項目で解説。
- タイ王国の通貨「バーツ」の補助単位。「スタング」とも。1バーツ=100サタン。
- サターン(Saturn)の表記揺れ(誤用)。しばしば混同されるが全くの別物。
- サタンオオカブト。カブトムシの一種。
各国語での表記
サタン
英語表記:Satan (カタカナ発音で正確に再現すると「セイタン」や「セィトゥン」となる)
ヘブライ語:שטן
概要
名前は「敵対者」「反対する事」を意味するヘブライ語のsatan(またはアラム語のsatana)に由来する。
聖書においては神に仕える一天使でしかなかったが次第に「敵対者」の名が強調されるようになり、悪魔としての役割を務めるようになった。例を挙げれば、ダビデを唆して人口調査を行わせることで神の怒りを買わせて結果的に七万に及ぶイスラエルの人民を死なせる(歴代誌)、ヨブに災いをもたらし続けて信仰心を揺らがせようとした(ヨブ記)。
被造物である以上サタンには限定的な力しか与えられていないこと、また、神よりも登場場面が圧倒的に少ないこと、神がよく人を殺すことから、聖書で人を殺した人数は実はYHVHより遥かに少ない。神は天地万物の支配者で、裁きを下す善悪を司る存在なので当然である。
姿についての描写は旧約聖書にはないが、『創世記』でアダムとイブを誘惑した蛇と同一視はされている。新約聖書の『ヨハネの黙示録』で「赤い竜」と呼ばれている。
12章3節以下によると冠をかぶった七つの頭と十本の角を持ち、「年経た蛇」と呼ばれる。
しかし西洋絵画などでサタンが描かれる時は常に七頭十角の赤竜や蛇として描かれるわけではなく、
人型で描かれることも多い。蝙蝠の羽を持つ禍々しい姿や、堕天前の輝かしさの名残を残す威厳や美を備えた姿でも描かれる。
キリスト教の大部分では、堕天使ルシファーと同一視されている。また、ユダヤ教ではサマエル、イスラム教ではイブリースと同一視され、シャイターンに定冠詞アルをつけてアル=シャイターンとすると彼を指す。他にもサタナエル、メタトロン、ベルゼブブなど様々な天使・堕天使・悪魔と同一視される。外典『バルトロマイの福音書』やボゴミル派に関連する文献『聖ヨハネの書(秘密の書)』にはサタナエルがエルの称号を失ってサタンになった、という説がある。これが「ルシフェルがエルの称号を失ってルシファーになった」という俗説の発生・流布に影響を与えたのかもしれない。
地獄(魔界)の支配者であり全悪魔を統べる王とされる事が多い(コラン・ド・プランシーの「地獄の辞典」では地獄に措ける2大政党の内野党の最高責任者で、与党の最高責任者たるベルゼブブと対になる存在)。
ユダヤ教、キリスト教では神の敵対者、イスラム教では人間の敵対者とされる。また、ヘブライの伝承では唯一神による「試練」の具現化でもあった。
七つの大罪の内「憤怒」を司るともされる。
日本でサタンという語が、悪魔の中でも上位の存在を指す総称として用いられることがあり(例えばオウガバトルのサタンはデビルの上位クラスである)、しばしばサタンの語に著名な悪魔(ベルゼブブ、メフィストフェレス、アバドンなど)を含む。
また、最大の悪魔ということから悪魔的強さを持つキャラクターや、物語のラスボス的ポジションにあるキャラクターに「サタン」の名が用いられることも多い。
魔界の王の称号として「サタン」を名乗るキャラクターも存在する。
「サタン」の名で呼ばれるキャラクター
- 『ドラゴンボール』の登場キャラクター。→ミスター・サタン
- 『SANDLAND』の登場キャラクター。→サタン(SANDLAND)
- 『魔導物語』、『ぷよぷよ』のキャラクター。→サタン様
- 『キン肉マン』のキャラクター。→サタン(キン肉マン)
- 『デビルマン』『バイオレンスジャック』などの永井豪作品に登場する魔王。→大魔神サタン
- 『女神転生』シリーズのキャラクター。→サタン(女神転生)
- 『はたらく魔王さま!』の主人公・真奥貞夫の本名。→サタン・ジャコブ
- 『モンスターストライク』のキャラクター。→サタン(モンスト)
- 『七つの大罪』のキャラクター。→サタン(HJ)
- 『スーパー戦隊シリーズ』の登場キャラクター。→サタンエゴス、サタンメガス、大サタン、究極大サタン、サタンマイナソー
- 『地獄のどこが悪い?』のキャラクター。→サタン(WHB)
- 『ウソツキ!ゴクオーくん』のキャラクター。→サタン(ウソツキ!ゴクオーくん)