諸元
ベースモデル:ホンダVTR1000F・FIRESTORM(※)
全長:2,250mm
全幅:760mm
全高:1,210mm
ホイールベース:1,430mm
エンジン:SC36E型 4ストローク水冷DOHC4バルブV型2気筒
最高速度:430km/h
最高出力:520ps/8,500rpm
総排気量:998cc
(※ 1997年から10年間、輸出用を中心に生産されたモデル。変身前の津上翔一が乗用するオートバイも、やはりシルバーカラーのFIRESTORMである)
概要
『仮面ライダーアギト』に登場する仮面ライダーのうち、主役ライダーの仮面ライダーアギトが使用するスーパーバイク。
所謂オンロードタイプのマシンであり、乗り手であるアギトの移動の足として、走行のみならず変形によるホバリングまでもこなす高性能ぶりを発揮する。
機能・概観
マシントルネイダーは、津上翔一がアギトへと変身する際に発せられる「オルタフォース」を受け、彼が常用しているオートバイがその姿を変えたものである(※1)。
変化はただ外見上のみに留まらず、車体を覆うカウルも分子レベルで硬化し、赤と金に彩られた超硬化カウル「ドラゴンズメイル」へと変質。さらに通常のバイクのようなエンジン駆動ではなく、オルタフォースが力場を生成することでタイヤそのものが駆動するため、変化前のエンジンに相当する「ドラゴンハート」はこのオルタフォースを車体に循環させる役割を担う(※2)。
乗り手であるアギトの意思に応じて、タイヤの回転数やブレーキも細やかにコントロールされ、400km超えの速度を出したかと思えば、その状態からもわずか20mで停止できるほどの制動力を発揮できる。
作中ではグランドフォームの状態で搭乗することが殆どであったが、一部の話数ではストームフォーム、最終回ではシャイニングフォームの状態でも搭乗しており、さらに後年発売されたゲーム『バトライド・ウォー』シリーズでは、それら以外のフォームでも使用可能とされている。
(※1 基本的に、翔一がアギトに変身するのと同時に外見が変化するが、翔一がマシンから降りた状態で変身した際には、外見が変化していない場合もある)
(※2 変化前に燃料として使用していたガソリンも、マシントルネイダーへの変化に伴い「フュールタンク」へとそのまま備蓄され、元のバイクの姿へ戻った際にも走行に支障が出ないようになっている)
スライダーモード
全長:3,900mm
全幅:1,100mm
全高:310mm
最高速度:720km/h
マシントルネイダーのもう一つの姿である、超高速飛行形態。
車体各部がスライドしつつ前後に伸長し、両輪も地面に対して平行になるよう変形するなど、単純な変形ながらも通常のバイク形態とは大きく印象の異なるフォルムが特徴である。
この形態ではハンドル操作が不可能になるため、アギトは変形後にサーフィンのように車体の上に立ち、重心移動で方向転換させる必要がある。ホバー装置として機能する両輪は単にホバリングを可能とするだけでなく、静止状態から400mもの距離を5秒で移動できるほどの爆発的な加速力を生み出し、最高時速はバイク形態の約1.5倍にまで上昇。
これにより、動きの素早い相手に対しても十分に有効手として機能する他、技を繰り出す際に勢いを付けることでその威力を増大させることもできる。
スライダーモードは、当初からアギトが使用可能な形態だったというわけではなく、第14話にて闇の力がもたらした力によって初めて使用可能となった形態である。即ちアギトの行使する力としては唯一、自己進化によって得たものではないとも言える。
この能力の付与と発動は、アギト自身も預かり知らぬところで行われたため、スコーピオンロード レイウルス・アクティアとの戦闘で初めて変形した際には、自らの意思とは無関係に変形するトルネイダーにアギトが一瞬戸惑う一幕もあったものの、すぐにこれに順応して操縦し必殺技まで決めている。またその後の使用時には、一貫してアギトの意思により変形を行っている。
物語終盤では、飛び道具を持たないアギトが動きの素早いジャッカルロード スケロス・グラウクスに対抗するため、仮面ライダーG3-Xを同乗させた状態でこれを追跡し、GX-05の連射を見舞って止めを刺させるという連携プレーも見せている。
必殺技
急加速状態のスライダーモードから、予備動作を決めたグランドフォームが跳躍し、加速の勢いを加える形で放つライダーキック。
破壊力は実に50tと、通常のライダーキックの1.5倍以上にまで上り、頑強な盾の持ち主であるスコーピオンロードでさえも、直撃によって遥か後方へと吹き飛び地面にめり込んだだけに留まらず、受け止めた盾に大穴を開けられるほどの大ダメージを与え、そのまま撃破せしめたほどである。
- ハルバードブレイク
ストームフォーム時の技で、ライダーブレイクと同様に急加速状態のスライダーモードから飛び出し、そのままの勢いをもってストームハルバードで相手を貫く。
こちらも破壊力は45tにおよび、硬い外骨格とシールドを持つクラブロード クルスタータ・パレオへの決まり手となった。
- ドラゴン・ブレス
アギトを乗せた状態で車体を横に向けつつ突撃し、そのまま側面部で敵を薙ぎ払う。
劇場版にて使用され、アントロード フォルミカ・ペデスの大群を撃破せしめた。
名前は「竜の息吹」の意。
この他、設定上のみ存在する技として、上記のライダーブレイクなどと同じ要領でフレイムセイバーによる一閃を決める「セイバーブレイク (フレイムブレイク)」が挙げられる。
他作品での登場
『仮面ライダーディケイド』
第1話
冒頭で描かれた「ライダー大戦」においてアギトが使用し、G3-Xが乗るガードチェイサーと共にディケイドへと向かっていく姿が描かれているが、他のライダー達とともに敵わず敗れ去っている。
第13話
マシントルネイダーそのものは登場しなかったものの、「アギトの世界」における仮面ライダーである仮面ライダーアギトが、これをモデルとした形態「アギトトルネイダー」に変化した。ディケイド、それに小野寺ユウスケが装着したG3-Xが搭乗し、前出のジャッカルロード戦を彷彿とさせるアクションを展開した。
アギトトルネイダーは同作以外にも、『仮面ライダーウィザード』や映画『仮面ライダー大戦』にも登場している。
『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』
物語のクライマックスで披露された「オールライダーブレイク」に参加。
スライダーモードへと変形し、ここでもアギトとG3-Xを乗せた。
『スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号』
ショッカーライダーにされてしまったアギトが、このマシンでショッカーグランプリに参加。マシンウィンガー共々、トライサイクロンに破壊されてしまうが、乗っていたアギトたちはドライブによって救出された。
『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』
物語終盤にて、平成ライダーたちがライダーマシンを駆って集結するシーンにて登場。
テーマソング
「MACHINE TORNADER」
作詞 - 藤林聖子
作曲・編曲 - 三宅一徳
歌 - 石原慎一
挿入歌として使用。
話 | シーン |
---|---|
第14話 | アギトがマシントルネイダー スライダーモードに乗り、レイウルス・アクティアを撃破するシーン |
第31話 | アギトがマシントルネイダー スライダーモードに乗り、クルスタータ・パレオにハルバードブレイクを放つシーン |
第40話 | アギトがスケロス・グラウクスを追い詰め、G3-Xがマシントルネイダー スライダーモードに乗ってスケロス・グラウクスを撃破するシーン |
備考
前年の『仮面ライダークウガ』に登場する、トライチェイサー2000ほどには物語に密接に絡む存在ではなかったものの、一方ではオープニング映像における他のライダー達との並走、さらには往年の「仮面ライダースナック」のオマージュとして、エンディングテーマ「DEEP BREATH」のパッケージにも石ノ森タッチでアギトを乗せた状態のイラストが描かれるなど、本作の顔の一つとも言えるだけの存在感をアピールしてもいる。
作中に4台登場するライダーマシンのうち、主人公用のマシンということもあってか、放送当時からしばしば商品化の機会にも恵まれている方でもあり、装着変身シリーズとも連動可能な「ポピニカ」を始め、「プラメカ」や「Hot Wheels」といった手頃な価格帯の商品、「TAIYO R/C」としてのラジコン化、果ては「乗用 マシントルネイダー」(全長68cm)といった変わり種まで様々な商品化がなされた。このうち、ポピニカとプラメカについては番組も後半に差し掛かった頃に、パッケージをシャイニングフォーム仕様に改めた上での販売も行われている。
番組終了後も、「S.I.C. 極魂」「S.H.Figuarts」「SHODO-X 仮面ライダー6」などのシリーズで度々新規に商品化されている。
関連タグ
トライチェイサー2000/ビートチェイサー2000 → マシントルネイダー → ライドシューター/ドラグランザー