「嘘は とびきりの愛なんだよ?」
「私は嘘つき」
プロフィール
概要
アイドルグループ「B小町」のセンター。初登場時16歳。メディア露出も増え順調に売り出し中だったが、突如「体調不良」を理由に活動を休止してしまう。…が、実際は双子を妊娠し、人目を避けて地方の産婦人科を受診する。施設で育った彼女は家族への憧れから、双子の出産を決意し家庭を築きながら、アイドル業との両立を考え、産婦人科の主治医ゴローの協力もあって無事に双子を出産する。
出産の直前に亡くなったゴローが自分の息子に転生しているとは知らずに……
人物
身長151cmと小柄な体格で、紫がかった黒髪のロングヘアーと両目に入った星状のハイライトが特徴的な美少女。アイドル活動をしている時は髪をサイドテールのようにして左側に束ねている。
アイドルとしては間違いなく天才。顔が整っているのはもちろんのこと、観客の目を引きつける天性の才能を持つB小町の不動のセンター。パフォーマンス向上のための努力も欠かさず、日々ミリ単位の調律を行っている。アイドル活動は「アイ」という芸名で行っており、星野アイという彼女の本名を知っているのはごくわずか。
一方で母親としてはアクアに「駄目な部類」と言われてしまう始末。双子の見分けがつかず呼び間違えるのはざらで、生放送の番組でうっかり子どものことを口にしそうになるなどかなり抜けている面が目立つ。しかし、子どもたちの秘密は本気で守ろうとしており、携帯を使い分けるのはもちろん、かなり厳重なロックを施しているようだ。
本人は「あんまり良いお母さんじゃない」とは思っているが自分の給料(今月の給料2●万(原作では伏字だったが、アニメでは20万8000円))から「世の中結局お金」と言いながらも「色んな選択肢をあげるには自分がもっと稼がないと」「今のままじゃこの子達を幸せに出来ない」と子供達の将来を案ずる、ルビーとのダンス練習の際には転倒を恐れる娘の背中を後押しするなど次第に「母」としての顔も持つようになっていった。ただ人としては結構アレで長い付き合いのある筈の斎藤社長の名前を間違えたりとある人物との言葉選びやコミュニケーションを致命的に間違え彼が暴走する原因を作った。
母子家庭で育ち、母親が窃盗で逮捕されてからは施設に預けられた。しかし、釈放された母はアイを迎えに来ることはなく、その経験から「人を愛した記憶も愛された記憶もない」と考えるようになった。そのため、自分がアイドルになって「皆愛してる」と言えば嘘になってしまうと思い、スカウトを最初は断っていた。
しかしスカウトの斉藤社長に「そういう経歴も個性」「嘘でいい」と肯定された上、「やり方がその対象がわからないだけで、本当は君も人を愛したいと思っている」と本心を言い当てられ、そして「愛してると言ってるうちに嘘が本当になるかもしれん」と言われたことで、アイドルの世界に足を踏み入れる。
そういった経歴があるからか、今でもアイは考えるより先にその場に沿ったことを言う癖がついており、自分でも何が本心で何が嘘なのかわからないという。
また、発達障害の疑いもある。(黒川あかねのプロファイリングおよび小説「45510」での描写より)
壱護社長にスカウトされた時の彼女の姿はまるで「愛に飢えた少女」のそれと言える。
アイにとってはアイドル活動も双子の子育ても矛盾するものではない。ただ、「愛してる」という嘘を真にするためのものである。
人間関係
自身の息子で出産した双子の兄。本名は愛久愛海(アクアマリン)……というなかなかな名前を付けたが、アイ自身も面倒だったのか次第に「アクア」と呼ぶように。後に五反田監督の映画で子役として抜擢されたアクアと共演し、役者としての将来を楽しみにしている。
自身の娘で出産した双子の妹。こちらには瑠美衣(ルビー)と名付け、キラキラネームではあるが兄よりはまだダメージの少ない名前。 幼稚園のお遊戯会でダンスをすることになったルビーにダンスを教え、ルビーの体を動かすことへの苦手意識を払拭し、彼女がアイドルを目指すきっかけを作った。アイ自身もルビーがアイドルとして大成することに期待し、ルビーとの親子共演を密かに夢見ている。
アクアとルビーが前世の記憶を持っていることには全く気が付いておらず、「ヤバい位の天才」と受け止めているようだ。
事務所の社長で、自身をスカウトした張本人。アイにとって恩人にあたるはずだが、名前はしょっちゅう間違えるし、若い子贔屓をなじったりと結構ぞんざいに扱っている。
小説「45510」によればライブのセンターはアイに固定して他のメンバーはアイを引き立てるバックダンサーのような扱いにするなど露骨にアイを贔屓していた模様。
テレビドラマのプロデューサーをしている男性。ファッション雑誌のモデルの仲介で一緒に仕事をして以来、仕事を振ってもらったり、営業先を紹介してもらったりと過去に色々と世話になったらしい。
彼女が所属するアイドルユニット。
アイあってこそのグループ人気であったため、アイの才能格差による軋轢がメンバー内であったことを当時を知る斉藤ミヤコも遠回しに認めている(しかし、当初はアイと他メンバーは仲が良かった)。とある事情によってアイがいなくなると急速に人気が減少、最終的に解散して他のメンバーは全員アイドルも辞めてバラバラになってしまった。
小説「45510」によればアイがいなければ地下アイドル止まりの人気であったため、ライブのセンターはアイに固定して他のメンバーはアイを引き立てるバックダンサーのような扱いにするなどアイを中心に全ての企画が動いており、運営や壱護は露骨にアイを贔屓していたこともあってか、メンバーの全員がアイに嫉妬しており、表面上は仲良くしようとしていてもきっと妬みの気持ちは滲んでいるなど明らかに壁があった(アイもそれを理解していた)。アイが本当の事や本心を話さなかったせいか何年も一緒にやっていたメンバーも彼女の本心を知らなかった。
なかにはアイの化粧品を盗むなどメンバー間でアイの話である事ない事噂を立てるなどアイに嫌がらせをするメンバーもおり(そのメンバーは壱護によってすぐクビになった)、それが原因で他のメンバーは覚悟を決め、アイのバックダンサーとしてB小町の活動をしていく決意をした。
当初はアイと他メンバーは仲が良かったこともあってか、アイ自身はメンバーと仲良くしたがっていた。そのうえ、皆の事を嫌っておらず、仲が良かった時代のような遠慮無しで言いたいこと言いあえるような関係を望んでおり、メンバー間がギスギスしてることにも責任を感じていたというアイの本心をメンバーが仲良くしてた時代に作ったメンバー間の共同アカウントのブログに書き残していた。
彼女の極秘出産に当たって選定された地方病院の産科医。かつて担当した患者の影響でアイのファンだったことで正体に気づく。出産予定日が近づいたある日に行方不明となる。
窃盗で捕まったアイの母。なんだかんで一人娘に愛情を抱いていたらしいが、アイの魔性ともいえる才能に当時結婚を視野に入れていた男性を奪われそうになるなど、娘の持って生まれた才能に振り回されていた模様。後に孫である星野アクアと対面する。
ゲスト出演
『モンスターストライク』
2024年7月にDREAMDAZE Ⅱで発表された【推しの子】コラボのコラボスターターパックに付属するモンスターとして実装。火属性、反射&ゲージタイプ、亜人族の砲撃型。名称は「アイドルグループ B小町 アイ」。
このモンスターには3つのポイントがある。
一つ目はアビリティ。アイは7つのアビリティを持っており、コラボスターターパックのモンスターとしては破格である。その内容も「全属性キラーM」や「ノーダメヒール」など、強力なモノが含まれている。反面、ギミック対応は「魔法陣」「ワープ」「ブロック」の3つのみで重要度の低いモノばかり。
二つ目はストライクショット。アイのSS「やっぱ、あふれ出るオーラは隠せないね」の効果は5つもあり、「自強化」「一定期間無敵化」「ふれた味方の回復」「ふれた味方にバフ」「全体遅延」を持っている。こいつホントにパックキャラか?
そして三つ目にして最大の特徴は友情コンボ。アイの友情コンボは「ハイエナジーサークル」であり、コラボキャラとしては木属性の伏黒恵と同じくパックキャラの勇者 ヒンメルに続く3体目。そして砲撃型ではルシファーに続く2体目。パックキャラとして破格…というかコラボキャラとして破格の待遇である。尤も、友情威力はルシファーが弱点キラーと超絶防御ダウンブラストを持っているおり、属性的にも汎用性が高いのでそちらの下位互換ではあるのだが…ギミック対応は異なっているため一概には言えない。
小ネタ
- ハイエナジーサークルを所持しているモンスターのうちアイ以外の3体(ルシファー、伏黒、ヒンメル)は全員人気投票一位のキャラクターである。B小町でぶっちぎりの人気ナンバー1であることを意識したものか。
- また、ルシファーとはつまり明けの明星であり、明けの明星とは宵の明星、つまり一番星である。
- 左目に星を宿すルビーがレフトポジションキラー(M)、右目に星を宿すアクアがライトポジションキラー(M)で、両目に星を宿すアイが全属性キラー(M)となっている。
- コラボ超究極の「夕暮れのお忍びデート 黒川あかね」のSS効果はアイのものとほぼ同じ(確定で全体遅延が稀に全体遅延になっている)。
- SSの無敵化はテレビアニメ第一期のオープニングであったアイドルの歌詞「まさに最強で無敵のアイドル」を意識したものと思われる。ノーダメヒールととても噛み合っている。
- 属性、撃種含めたギミック対応がルナマリア&フォースインパルスガンダムSpecⅡが完全に一致している…流石にこじつけか?。
- 他の星野家同様名称に「星野」が付いていないのは、芸名だからだと思われる。
『アイドルマスターシャイニーカラーズ』
2024年開催の【推しの子】コラボ第2弾で実装されたSSRサポートアイドル「【Starlight】ルビー」にて、娘である幼少期のルビーの背後に描かれている。
コミュでは直接の登場こそないものの、彼女からアイについて放課後クライマックスガールズの面々に言及されるほか回想シーンにもボイス付きで登場する。
余談
アニメ版でアイのCVを務める高橋は元々原作の大ファンで黒川あかね役を希望しオーディションを受けようと思っていたが、練習していくうちに「(私の声は)あかねじゃないな。」と思うようになり、アイ役のオーディションに応募したという。
実写版でアイを演じる齋藤は、二度製作陣からオファーを受けており、一度目はよりにもよって乃木坂46としての卒業コンサートを控えていた時期で当時は卒業後の進路として芸能界引退も考えていたこともあり、オファーを断っていた。
舞台挨拶でも「最初は正直やりたくなかった」「私である必要性がよく分からなかった」とハッキリ語っている。
しかし、製作陣が諦めず「彼女ならやれる」と卒業後に粘り強く二度目のオファーを行い交渉したところ、了承してくれたとのこと。齋藤曰く「本作が描きたいテーマを知り、スタッフさんの熱意に根負けした」らしい。
また、この作品の他作品とのコラボ作品に度々登場しているのも特徴的。
関連イラスト
関連タグ
星野千鶴…「私に天使が舞い降りた!」に登場する、監督、制作会社、苗字、二人の子の母、(千鶴は確定ではないが)シングルマザーなど、何かと共通項の多い別世界の星野母。ただし性格は全く異なる。
舞園さやか: 別作品のアイドルキャラクターで容姿と雰囲気が酷似しているため、一緒に描かれたイラストも多い。ダンガンロンパシリーズとの親和性も強い。
ネタバレ
※ここから先は第1章(アニメ第1期第1話)終盤のネタバレとなっております。
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「ごめんね…多分これ、無理だぁ…」
アイを襲った悲劇
アイが20歳になり、ドーム公演を迎えた当日。星野宅にある人物が訪問する。
それは花束を手にしてフードを被った男性…
彼はアイに「ドーム公演おめでとう。双子の子供は元気?」と一言告げると…
ナイフを取り出しアイの腹部を刺した。
フードの男=リョースケはアイに向かって子供がいる事を「ファンを裏切った嘘吐き」と罵倒するが、逆にアイは「私にとって嘘は愛」「今だって君のこと愛したいと思ってる」という言葉と共に彼が握手会に来てくれていたのを覚えていること、お土産にくれた星の砂を今もリビングに飾っていることを伝える(子供達に危害が及ばないようにする時間稼ぎの意味もあったが)。それを聞いて錯乱した彼はその場から逃亡。
アクアは愕然とアイの名を叫び、前世の記憶で刺された所が腹部大動脈と致命傷であることに気づく。何とか救おうと彼が必死に救急車を呼ぶ一方、アイがもたれたドアの外では母の異常に気づいたルビーが事態を飲み込めず涙ぐんでいた。
己の最期を悟ったアイは、子供達と未来を歩めないことを嘆きながらも、二人にいつか言おうと思っていた愛の言葉を残し、息を引き取った。
この事件の事の発端はアイが双子の父親に連絡を取った事。しかもその動機は「なんとなく」と言いながらも「子供達を父親に会わせてあげたい」の親心から。
それがまさかストーカーを差し向けられてこんな事件になるとは彼女も思いもよらなかったであろう。
「あ……これは言わなきゃ」
「ルビー」
「アクア」
「“愛してる”」
「ああ やっと言えた」
「ごめんね 言うのこんなに遅くなって。あー良かったぁ」
「この言葉は絶対 嘘じゃない—————。」
世間に衝撃を齎したこの事件は当事者のアクアやルビーを始めとした多くの人々の心に深い傷を残すことになってしまった……。
余談
2022年10月にTVアニメ版【推しの子】の放送時期と星野アイ役の声優が決定したと報道されたが、
- 第1話が90分拡大版と発表される。
- 担当声優からの作品に込める熱い思いも発信される。
- 初報では誤って「星野アイが主人公」と紹介される。(※現在は修正済み)
といった事態が重なったことから、上記の顛末をよく知る読者の間に「アイって主人公だったっけ?」「これでは『第1話で主人公が死亡退場するアニメ』になる」(※)「製作サイドは視聴者を騙す気満々」と戦慄(及び失笑)が広がった。※本来であれば彼女の死は3~4話辺りになるはずだが、尺を90分に拡大することで第1章の内容を1話で消化できてしまう計算となり、実際に描き切ってしまった。
高橋女史と言えば演じる役を研究して落とし込むタイプで知られているが、今回アイの最期のシーンを収録当日までに医療関係者に出血時の意識の過程を確認した上で演じていたと先行上映の舞台挨拶で語っていたほどで、漫画原作もあって己の宿命が定められていたとはいえ、ここまで丁寧に練り込まれる演技姿勢には頭が下がるばかりである。
雑誌掲載時も読者に衝撃を与えた展開だが、アニメ化の際に上記の迫真の演技を含む映像面・音声面での演出が加わったことも相まって、作画担当の横槍メンゴ先生も感極まってしまうほどの衝撃を視聴者に与えた。
また、原作漫画の頃は物語の中核を担う展開のためか、あまりアイの生存ifを扱う2次創作小説が少なかった(それまでは主人公のルビーとアクアに関する2次創作小説の方が多かった)が、アニメ第1話以降は上述の通り原作漫画の時以上の衝撃によってアイロスが激しくなり、アイが生存するifやアイがアクアやルビーのように同じ世界、もしくは全くの別世界に転生する作品など、原作では止まってしまったアイの物語を広げる2次創作が増えた。
また、イラストでも成長したルビーとアクアがアイと並んだものも見られ、少しでもアイロスを埋めようとする動きがたくさん見られた。
更にカミキヒカルがアイに振られることなく結ばれて闇落ちせずにアイとアクアとルビーと四人家族になる展開やゴローと夫婦になる展開を始め(この展開の場合、星野アクアに相当する男児が死産か、別な人物がアクアに転生する展開が多い)、原作とは別人の男性が夫となり夫婦として暮らす展開や、原作の双子に対し、兄弟を三つ子、更に四つ子に増やしたり、歳の離れた弟や妹を追加する等、様々な展開を見せている。
アイ生存ifに共通する展開として、高確率でアイドル卒業→タレント転向が多く、後身を育てる展開が見られる。
なお、『【推しの子】』の原作者である赤坂アカは、アイの早期での退場は連載中に思いついた変更点であったことや、アイを退場させた理由については「アイの漫画としてのキャラクターが強すぎた」とコメントしている。作中における初のドラマ出演で、主演女優を喰う程の魅力故に登場シーンを削られてしまったアイだが、正にこれと同じ理由で推しの子という“物語”からカットされる形となってしまった。
またこの動きもありpixiv全体で見ても急激なファンアート増加だったため、pixivisionにまとめられている。
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