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概要

アメリカで生まれた料理、アメリカ国外で発生したもののアメリカ合衆国内で独自の発展をとげた料理、ならびにアメリカ合衆国で普遍的に常食とされている料理である。

解説

まず前提として、アメリカは移民と先住民からなる多民族多宗教国家であり、広大な北米大陸の中では地方ごとによって食文化もそのルーツも手に入る食材もかなり異なっているため、画一的な『アメリカ料理』というものは規定しにくい

そこで一応、アメリカの家政学では、独立前に北米の植民地の基礎を作ったイギリスの伝統料理に一番近いニューイングランドの料理を『典型的なアメリカ料理』としている。

そのため、典型とされるアメリカ料理は、もともと高緯度地帯で食材に乏しいイギリスの料理が基礎になったうえに、近現代のヨーロッパにおける「量より質」(例:フランス料理)の変化をあまり受けていないことから、イギリス料理と並びあまり評判がよくない。

初期の移民が肉体労働者(自作農など)中心で、中世ヨーロッパの「質より量」主義を受け継いでいるためか、全体に味が濃く脂っこいジャンクフードが多めである。例えばハンバーガーも、元はイギリス上流階級が食べていた上品なサンドイッチを改良して、安価なくず肉を活用したハンバーグを始め諸々の食材をたっぷりと挟んで労働者階級を狙った食べ物であった。このような「質より量」主義のため、激しい肉体労働をしていた時代ならともかく、機械化が進んだ現代人にとって、栄養的にも低評価であることが多い。

しかし冒頭で述べた通り、『典型的なアメリカ料理』という枠組みの外に目を向けると、各地方や人種のコミュニティ間で独自に進化した料理が多数存在し、そのバリエーションは途端に豊富になる。この辺りもアメリカ料理の独自色と言える。

メイン料理はステーキバーベキュー等の肉料理が中心であり、この傾向は南部の内陸の方へ行くとより顕著になる。またトマトを使用したものが多く、トマトケチャップトマトジュースもアメリカが発祥となっている。早くからレトルト食品や缶詰、冷凍食品が普及しており、特に冷凍野菜が頻繁に使われる。

特徴的な素材は、原住民の文化を強く受け継ぐラテンアメリカの大半ほど多くはないが、シチメンチョウや各種のベリー類などがあり、類の扱いが総じて上手い。

一方、魚介類生食する文化は牡蠣ハマグリなどを除いてほぼ絶無であり、殆どの場合は加熱調理されたものが出される。

魚介類に対する考え方や流通の関係上、市内の一般的なレストランで食べれるものは日本に比べるとさすがに鮮度もかなり落ちる(というか日本が特別なのである)。ただし、海に面した土地では新鮮な魚介類が豊富に手に入ることもあって、ロブスター料理やカニ料理をはじめバリエーション豊かな魚介料理を食べることができる。

脱皮したてで甲羅が柔らかい状態のアオガニ(ソフトシェルクラブ)を食べる文化があり、近年、これに習って日本でもカニに新たな商品価値を与える試みがなされている。

また、日本のラーメン(いわゆる「日式拉麺」)のように、元々は外国の料理だったものがアメリカ国内に流入して独自の進化を遂げた料理も多い。

合衆国南部ルイジアナはかつてフランス領だったため、フランス料理、さらにはスペインや西アフリカの影響も受けており、ジャンバラヤガンボなどのケイジャン料理・クレーオール料理と呼ばれる独自性の強い料理がある。

さらに南部のメキシコと近接するテキサスではテクス・メクス料理と呼ばれるスペイン料理とメキシコ料理、およびアメリカの食肉文化が融合した独自のアメリカ料理が発達している。

アメリカ料理のチェーン店は世界中に進出しており、世界の食文化に多大な影響を与えている。また、世界中からの移民やその子孫が多く、行く所へ行けば美味な物が食べられるという点にも注目できる。味にこだわる民族も多いため、合衆国で受ける味は外国へも進出しやすいという。

アメリカ料理の一覧

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