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やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだなの編集履歴

2020-05-02 11:34:03 バージョン

やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだな

やっぱりまぐろくってるようなのはだめだな

2004年公開の映画『ゴジラ ファイナルウォーズ』で実現した日本版VSハリウッド版ゴジラ対決の結果に対するX星人統制官の感想。

概要

東宝ゴジラシリーズ第28作『ゴジラ ファイナルウォーズ』(以下『ファイナルウォーズ』)の台詞の中で最も知名度の高いもの。


地球侵略の野望を露わにしたX星人に対抗するべく、地球防衛軍は南極の下で眠らされていたゴジラを目覚めさせる。新・轟天号に誘導されて日本へ向けて進撃を続けるゴジラに対し、その力を測るべくX星人はシドニーにてジラを投下し、ゴジラを迎え撃った。


しかしジラは、ゴジラの最初の放射火炎ジャンプしてかわしたまでは良かったが、着地前に尻尾の一撃でオペラハウスへ叩きつけられ、すかさず二発目の火炎で呆気無く焼却されて敗北。

DVDBDのチャプタータイトル通り、ゴジラによる「秒殺!」であった。


そして……そのあまりにあっけない負けっぷりを目の当たりにしたX星人統制官は激しく地団駄を踏んだ後、ふと“素”に戻って、こう呟いた。


「やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだな……次!」指パチン


解説

僅か1分にも満たないこのシーンだが、日本、そして海外のゴジラファンからは喝采を浴びた。

ゴジラの対戦相手となったジラは、いわゆる1998年公開のハリウッド版GODZILLA』の姿であったからだ(一応公式の設定上、同一の種かは不明である。ここまで似ていたら関係ないが…)


モンスターパニック映画としての出来は悪くない1998年版『GODZILLA』ではあったが、やはり外見が全く異なる上に、ミサイルで死ぬような輩はゴジラではない」と言うファンは国内外を問わず多く、東宝の1998年版以降に制作したゴジラシリーズでも、明らかに「あれと一緒にするな」的な演出が取り入れられていたりした。


そんな中、『ファイナルウォーズ』の監督を務めた北村龍平は、1998版のゴジラのデザインの権利を東宝が所有している事を確認した為、“GOD”を抜いた「ZILLA」として登場させゴジラと戦わせる事で、1998年版の監督:ローランド・エメリッヒに対するメッセージを送る事にした。

それが、前述の秒殺からの


「やっぱりマグロ食ってるようなのはダメだな」


である。


このシーンは、X星人統制官役の北村一輝の好演(怪演?)もあって、上映時に特に海外で大喝采を浴びたとの事。

以降、1998年版『GODZILLA』は、「マグロ食ってるダメな奴」と認識されるようになった。


とは言え…

これだけ聞くとジラが極端に弱いように感じるが、他の怪獣達も

  • ジラ戦より前、南極へ向かう轟天号に差し向けられたガイガンは、ゴジラの首に鎖をかけて優勢になったかと思った瞬間にいきなり頭部を吹っ飛ばされKO
  • ジラに続いて現れたクモンガは、蜘蛛の巣状ので動きを封じるも直線状に放った糸を掴まれジャイアントスイングあっけなく地平線の彼方へと投げ飛ばされKO
  • カマキラスは、碌な抵抗もできず電柱に突き刺さりトドメさえ刺されず放置
  • アンギラスラドンキングシーサーの三体掛りでさえ良いようにあしらわれる(ただし、過去に味方をしたことがあったためかトドメは刺されず)。
  • ヘドラエビラに至っては、戦闘シーンすら映されず、(熱線で上空に吹き飛ばされ、墜落する形で)画面に登場したと思ったらすぐに抱き合わせで爆砕されKO

などと、結局似たり寄ったりの瞬殺っぷりである。怪獣達が弱かったと言うより、『ファイナルウォーズ』のゴジラ(FWゴジラ)が強すぎたのだろう。


尤も、統制官は最終決戦で「ゴジラとやらの相手はコイツだ!」とモンスターX(=ギドラ族の帝王)を差し向けているため、彼にとってモンスターX以外の怪獣は捨て駒に過ぎなかったのかもしれない。


ちなみに

  • 1998年版『GODZILLA』の続編的作品であるアニメ版『ゴジラ・ザ・シリーズ』に登場するゴジラは、外見はジラだが熱線を吐く能力を持っているなど本家ゴジラに近い存在であり、「マグロ食ってるダメな奴」ではないため、使い所に注意されたし。
  • この台詞から「ハリウッド版ゴジラの好物はである」というイメージが生まれてしまったが、98年版『GODZILLA』でゴジラがマグロを求めて現れたのは、地下に産み付けた卵から孵化した幼体の餌を確保するためであり、成体の方もどの程度マグロを好んでいたかは不明である。
    • ただし、卵を産む前にも日本のマグロ漁船を襲撃しているため、(本当にマグロばかり食べていたかどうかはともかく)少なくとも餌としていたことは間違いないだろう。
  • 1954年の『ゴジラ』制作のキッカケとなったキャッスル作戦で被爆した第五福竜丸マグロ漁船だったこともあり、「初代ゴジラや福竜丸の関係者への侮辱」と非難する声もあった。
  • アメリカや日本では「98年のが最初のゴジラ」になり思い入れがある世代も存在し、(それを差し引いても)98年版が好きな日本のゴジラファンも少なくない(そもそも極端な話、同作は「ゴジラとして見なければ」好意的な評価も多く、むしろ酷評の大半は皮肉にもゴジラのネームバリューが逆に足を引っ張った形になっている)ため、「本家がやることではない」と苦言を呈されてもいる。
    • ちなみにエメリッヒもエメリッヒで、他でもないエメゴジでかつて自分の映画を酷評した映画評論家2人によく似た人物を微妙な市長とその秘書で登場させるという、このセリフの意味合いに似たようなことをしていたりもする。しかもこの二名はゴジラの脅威を目の当たりにする場面もほとんどなく物語には一切関係ない只々嫌らしいキャラというおまけつきである(モデルとなったロジャー・イーバートジーン・シスケルは映画を酷評しながら「あそこで僕らを出すならいっそゴジラに僕らを食わせるくらいやってほしかったね」と語っている)。
    • ただし、ゴジラが人間を食べるアイデアはエメリッヒがやりたかったアイデアだが東宝に蹴られたとされている。
  • 最近は往年のゴジラファンからも、ゴジラとして見るかは別になる物の一本の怪獣映画としてはしっかり再評価されている
    • シネマサカーことAVGN自身も、2016年に「改めて見直すと、やっぱりあれはゴジラではないが映画としてはギャレゴジより面白い」と述べている(余談になるがそのギャレゴジに対して、ゴジラの見せ方や怪獣バトル、ゴジラ復活の先駆けになったことは高く評価していることも加えておく)。
    • そんなにエメゴジを悪く言うくらいならマトリックスっぽい人間のアクション削って怪獣描写増やせよ」という声は、『ファイナルウォーズ』好きなファンからも多く聞かれる(実際怪獣同士の戦闘より主演の松岡昌宏ケイン・コスギや北村と殴り合っている時間の方が圧倒的に長いし、上記の通りゴジラとの戦闘シーンすら映されなかったエビラも、やたらと気合の入った人間のアクションの相手をしている)。この映画の特撮はかなり良いだけに非常に残念である。
  • 12年ぶりの日本での新作となる『シン・ゴジラ』の公開を記念して2016年に東京・神保町シアターで開催されたゴジラシリーズ一挙上映の映画祭「シン・ゴジラ映画総進撃」では、国産28作品に加えてハリウッド製の2014年版も上映プログラムに組み込まれていたのに対し、98年版だけはそのプログラムから外されているというこれまたアレな扱いを受けていた。
  • アメコミの『ゴジラ:ルーラーズ・オブ・アース』ではゴジラと再戦しており、ミサイルを耐えたり地中に潜って熱線を回避したりと、タフになっている。
  • アニメ版『GODZILLA』の前日譚である小説版『怪獣黙示録』では、作中の怪獣としては比較的脆い上に「ゴジラと誤認される」という展開はあったものの、数の暴力と頭脳プレイで人類の機甲部隊(メーサー戦車含む)を大苦戦させる活躍を見せている。
  • ローランド・エメリッヒがこのメッセージに対してどのような反応を示したのかは不明だが、このシーンに対するエメリッヒからのコメントは一切発表されていない。そもそもエメリッヒは予算を理由に降板された前任のヤン・デ・ボンや、後任候補に挙がっていたティム・バートンジョン・カーペンタージェームズ・キャメロンスティーブン・スピルバーグ(後者2名は「自身のゴジラ愛が強すぎるので無理」と辞退した)等とは違いゴジラに思い入れがなく、また同時期すでに隕石パニック映画を撮影中だったため監督依頼を複数回断った挙句、押しに負けて無理矢理引き受けさせられている。このため『ファイナルウォーズ』自体を視聴しなかった可能性もある。
    • なお、『GODZILLA』の脚本やデザインにはしっかり東宝のチェックが入っており、その際に出た指示にもエメリッヒは従っている(むしろエメリッヒは上記の撮影中だった隕石映画を優先すべくわざとゴジラらしくないデザインや能力を提出して破綻させようとさえしていた東宝がOKしたので目論見が外れ、結果逆に肝心の隕石映画がお流れとなりアルマゲドンに先を越されてしまった。挙句、自身の要望をことごとく蹴られ様々なアイディアに制約をかけられたせいで、モチベーションの維持に難航したという)。その上で出来上がったのが98年版『GODZILLA』である、ということには留意せねばならない。
  • 総じて、この映画が公開され酷評されたから本音を話したところで、その言葉で映画の内容と監督の評価は変わらない。監督自身総スカンするには確かにかわいそうなのかもしれないが、だからと言って映画に対しての監督の姿勢もやはり褒められたものでもない。
  • このシーンのBGMはカナダのロックバンドSum41の『We're All To Blame』。わずかな時間しか流れないが、かなりアツい雰囲気を醸してくれるので耳に残っている人も多いだろう。ついでに曲そのものも割とゴジラという作品にマッチしているので、興味がある人は是非視聴してみてほしい。

関連イラスト

ゴジラ漫画だ、行ってみよう!!1998 ・ 2014


関連タグ

ゴジラ GODZILLA ZILLA ファイナルウォーズ X星人

北村一輝

北村龍平 ローランド・エメリッヒ

マグロ/


マンモス怪人:ある意味先輩。

やっぱりマグロ食ってる奴は違うな:対義語。とあるサイトで有名(?)なタグ。

やっぱり霞を食ってるようなのはヤバいな:上位版。まぁ、アイツなら仕方無い。

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