データ
別名 | コスモイーター |
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身長 | 72m(怪獣形態時) |
体重 | 5万9千t(怪獣形態時) |
出身地 | 宇宙 |
概要
第23話「滅びのクリスタル」、第24話「私はハッピー」、最終話「朝日のあたる家」に登場。
実際はガス状の形態が回想シーンやレーダー上に第20話から登場しており、第22話終盤にてガス状の形態が映像内に初登場している。
本来は宇宙に害を及ぼす存在を排除する役割を担っていたが、現在では暴走状態に陥っており、生命を探知しては宇宙各地の星を手当たり次第に喰らい続ける生きた災厄と化してしまっている。
これについて、第22話で湊ミオがこのルーゴサイトを「宇宙の白血球」に例えており、地球とルーゴサイトの関係を細胞に置き換え、人体における花粉症といったアレルギーのようなものと説明している。
普段は紫色のエネルギーを纏った雲かガスのような気体状の生命体だが、実体化すると全身が赤、青、金で彩られた龍人のような姿をとる。長い鎌首と経口捕食の為の顎が存在しない尖った口先、ムカデの胴体のような尻尾を備え、下半身が袴かスカートのような衣類を身に着けているように見えるなど、神々しさの中に禍々しさも入り混じったかのようなそのデザインはウルトラ怪獣の中でも異彩を放っている。翼は地上での活動時に体内に収納されるが、必殺技を放つ際などに幻影のような形で浮かび上がる。
実体化時は脚部から反重力を発生させて常にホバー移動をしており、脚を一切動かさず地響き一つ立てない。
ガス状体時は捕獲も攻撃もできず、惑星を包み込みあらゆる物質を原子崩壊させて消し去る規格外の力を持つ。この状態でも後述のゲネシスレクイエムと思わしき光線を放っており、先代ルーブ兄弟と末妹の変身したグルジオボーンを大気圏外から地球地表(のちに現在の綾香市となる場所)に吹き飛ばし、ウルトラマン2人を死に追いやっている。
尻尾のトゲをミサイルのように飛ばす「ゲネシスレイン」と鼻先から放つ赤く細い光線「ゲネシスダージ」を主な飛び道具として用いるが、最大の戦力は胸部の発光体にエネルギーを収束して発射する超強力な怪光線「ゲネシスレクイエム」で、あらゆる物質を原子崩壊させ、消し去ってしまう。格闘戦では両腕から鞭のような触手「ルーゴテンタクル」を伸ばして相手を打ちのめす。防御の際は波動エネルギーで空間を捻じ曲げ「ゲネシスシール」なるバリアを張る。
ちなみにソフビ人形と同時に先行販売されているルーブクリスタルでも鳴き声を先行して聞くことが出来るが、機械の駆動音や甲高い叫び声とも違う異様な鳴き声をしており、この怪獣が只者ではないことをお茶の間に降臨する以前から匂わせていた。また、クリスタルの属性が「龍」であることもそれに拍車をかけている。
本編の第23話において、ミオが異次元空間で見た未来の時間軸では、変身した湊兄弟をいともたやすく葬り去っており、その計り知れない実力を垣間見せている。
劇中の活躍
「コスモイーター」という別名通り、宇宙の星々を喰らうがの如く滅ぼし続けている存在だと言われており、第17話にて美剣サキが地球爆破計画を宣言した際に触れた1300年ぶりに地球に到達するであろう怪獣とは、このルーゴサイトのことであった。
第19話のサキの証言によれば、約1300年前にとある惑星を食べてしまおうとしていたところを、惑星O-50で力を授かった3人の戦士が阻止しようと試みたが、ルーゴサイトはあまりにも強大で、1300年周期の楕円軌道に乗せるのがやっとだったという(第20話では先代ロッソとブルの光線の同時攻撃をルーゴサイトの光線と相殺させた際に大爆発が起こっている)。
第20話ではガス状体で宇宙空間を航行する姿が確認され、第22話では、本来の姿は「実態を持たない捕獲も攻撃もできないガス状生命体」であることが明言された。
第23話では地球上に飛来したものの、ミオの発明によって怪獣クリスタルに変えられる形で封印される。そのままの状態で異次元空間へと放逐されるはずだったが、根本的な解決にはならないとしてサキに奪取されると、今度こそ完全に葬り去る為にグルジオレギーナへと変身したサキによってレイラインエネルギーの収束するポイントであるアイゼンテック本社ビルへと運ばれる。
しかし、クリスタルの状態でも自我を保ち続けており、サキのジャイロを奪って自分自身を召喚するという荒業を披露し、ついに復活を果たす。
続く第24話にて、実体化直後にいきなりゲネシスレクイエムをぶっ放して町を焼き払う。更にサキが再変身したグルジオレギーナとの戦闘でも、触手のようなトゲで拘束するなどして圧倒し、ルーブを変身解除にまで追いやったエルガトリオキャノンをもバリアでたやすく凌ぎ、格の違いをこれでもかと見せつける。
そしてAT本社ビルの怪獣拘束システムを破壊し、レイラインエネルギーをその身に集め、惑星破壊爆弾になろうとするサキにゲネシスレクイエムで引導を渡そうとするも、現れたロッソフレイムとブルアクアの全力の光線で相殺される。
直後にもう一度ゲネシスレクイエムを放つが、今度はレギーナがロッソとブルを庇い、ゲネシスレクイエムに胴の真芯を貫かれて致命傷を負い、変身を解除されてしまう。
怒りに燃える湊兄弟はルーゴサイトに殴りかかるが、当のルーゴサイトは二人の攻撃を平然と受け流してしまう。
第25話(最終話)ではウルトラマンルーブの攻撃にもビクともせず、ルーブがロッソとブルに戻るまで追い詰める。ここで一度はアイゼンタワーから放たれたビームで拘束されるも、これを破り活動を再開。再び現れたロッソやブルと戦闘となり、形態を次々と変えて戦う二人の猛攻にも耐え、更にルーブとの空中戦でもルービウム光線をゲネシスレクイエムで相殺し、ゲネシスレインでルーブを撃ち墜として追い詰め、再びゲネシスレクイエムを放ち今度こそ仕留めようとする。
しかし、湊兄弟は咄嗟の出来事で手元に出現したマコトクリスタルの力により光線の直撃を免れる。
最期はマコトクリスタルの力で放たれた真ボルテックバスターでゲネシスレクイエムを押し返され、胸を貫かれて大爆発。今度こそ完全に滅ぼされ、1300年にわたるO-50の三兄妹戦士との因縁に幕を下ろした。
映像作品以外での活躍
蒼い瞳の少女は灰色と名乗った
超全集に掲載された前日譚。
同作において、元々は『ウルトラマンR/B』本編で描かれた宇宙ではなく、惑星O-50が存在する宇宙に属する怪獣であり、ガス状の姿が本来の姿というわけではなく、固体・液体・気体の三相に自在に変化できるとされている。
「住人ごと惑星を囮にして、その間にジャイロを使い強制的に固体化させる」という光の輪が提示した作戦を、犠牲を出すことを良しとせずブルが無視したことで三兄妹と直接戦うこととなり、ワームホールによってR/Bの宇宙に飛ばされ、地球に狙いを変更したようである。
また本作では暴走の原因が何者かが意図的に遺伝子を操作したためであることも判明。
その犯人とは、人々に選択を持ちかけ破滅させ星々を破壊して回っていた青い仮面のウルトラマンだという…。
ウルトラ怪獣擬人化計画ギャラクシー☆デイズ
最終話のクライマックスにおいて、シェパードンと共に怪獣娘の姿で登場。
物語の舞台となった円谷学園への転入生。
ゴモラと同様、漢字の読みが苦手らしく、「つぶらや」を「えんたに」と読み間違えていた。
ちなみに(髪型も含めて)美剣サキとそっくりの容姿をしている。
UGF 大いなる陰謀
今作で再び登場。此処でも既に暴走している状態にある。
ゾフィーやタロウ、ユリアンのセリフから、実体化したルーゴサイトの姿は光の国でも認知されている様子。
episode1で早速登場し、惑星カノンでイザナ女王との会談を終えたばかりであったソラとユリアンを襲撃するが、万が一の時に備えて待機していたウルトラマン80に阻まれ、戦闘に突入。
初っ端から激しい殴打の応酬を繰り広げるも80には殆どの攻撃を捌かれた上で格闘戦では次第に圧倒されていき、ゲネシスレインによる遠距離攻撃も全てかわされた上にムーンサルトキックをモロに食らうなど苦戦を強いられる。最後は切り札のゲネシスレクイエムと80のバックルビームの光線対決で真っ向から押し負けて敗退するも、直撃する寸前にガス状体に変身してカノンから逃亡した。その後、光の国に帰還した80の報告を受け、ゾフィーの命により80を中心にネオス、セブン21らも参加したルーゴサイト討伐隊が編成、直ちに追跡が開始される事となる。
episode2ではガス状の姿で宇宙空間を移動中の所を討伐隊に発見され、即座に攻撃を受けて惑星フィードに降り立ち怪獣形態に移行して応戦。ガス状の形態でも3人の攻撃をまともに食らいながら特に動じる事もなく惑星フィードに着陸しているが、一応ガス形態でも攻撃自体は当てれることが判明している。
今回は3人の怒濤の攻撃を物ともしない頑強さや単純に凄まじい威力の光線を駆使して互角に渡り合う。更に途中乱入したギマイラに80が対応せざるを得なくなったことで戦力が分散し、残ったネオスと21を大いに苦しめた。21のウェルザードは両腕でダメージを最小限に押さえた上で格闘戦で吹き飛ばし、ネオスのマグニウム光線には紫色の電撃を放って真っ向から押し勝つなど、80戦での経験から更に強さに磨きがかかっている。…劇中ではまだ3日も経ってないと考えると恐ろしい成長速度である(若しくは惑星カノンでの戦いは単なる小手調べに過ぎず、討伐隊戦での活躍が本来の実力だったとも解釈できる)。
3人が危機に陥った所で強力なエネルギー反応をキャッチして救援に駆けつけたコスモスとジャスティスが撃ち込んだオーバーループ光線とビクトリューム光線の同時攻撃にも無傷で耐え抜き、フューチャーモードとクラッシャーモードにタイプチェンジした2人のコンビネーション攻撃には最初こそ苦戦するもコスモストライクやダグリューム光線には多少怯む程度の反応しか見せず、ギマイラを撃破した80も加わって5対1の状況となっても攻撃を跳ね返し続けるなど驚異的な頑強さを見せつけたが、長期に渡る連戦で疲弊したのか、最終的に5人のウルトラ戦士のクロスパーフェクション、サクシウム光線、ネオマグニウム光線、レジア・ショットの同時攻撃を浴びた事でようやく撃破された。
本作では一応因縁の相手であるグリージョも同じく参戦しているが、登場時期は『R/B』以前の時系列であると思われるため、絡みは特に描かれない模様。
戦った相手はいずれも二人組のウルトラ戦士であり(ユリアンとは直接戦っていないが)、この内コスモスは分類がコスモイーターと言う名前繋がりで選ばれ、ジャスティスはデラシオンの元で宇宙正義として活躍しており、宇宙の白血球であるルーゴサイトはある意味では同じく宇宙を守る者同士とも言える存在である。かつて地球を巡って争ったこともあるコスモスとジャスティスの境遇を考えると因果な組み合わせかもしれない。
今作ではガス状の形態から普通に怪獣形態に変身して討伐隊を迎え撃っていた事も考えると、『R/B』版とは別個体のルーゴサイトが何者かによって暴走させられている可能性もあったが、episode3において明確に『R/B』版と別個体であると判明した。尤も、前述にもあるように5人ものウルトラ戦士達の数多の必殺技を耐え抜くなど『R/B』の個体と比べても耐久力が非常に高く、わざわざ無敵と言えるガス形態を解除してまでウルトラマン達との戦闘を選んだのも、そういった確固たる実力による自信から来る行動だったのかもしれない。
また、『R/B』では常に浮遊しながら移動していたが、本作では移動の際には従来通りのホバリングを使用しつつ、相手と戦闘する際には普通に歩行しながらの移動も熟しており、描写に若干の差異が観られる(これに関しては、本作がアクションに重きを置いた内容になっているという事情も関係していると考えられる)。
余談
名前の由来は白血球を意味する「Leukocyte(ルーコサイト)」から。
ルーゴサイト自身から見てその惑星の存在が宇宙にとって有害か否かの判断基準は不明だが、本来なら無害と見なされる星々さえも見境なく滅ぼして回るこの個体の現状はもはや免疫の役割を逸脱したガン細胞に近いといえるかもしれない。
また、元がチェレーザと似たようなガス状生命体であるだけに、同じく星を食べて生きているバキューモンと近縁の生命体なのではないかと考える向きもある。
デザインイメージは「龍」。直接格闘はしないという想定から、巨大な翼やスカート状の部位などが取り入れられ、体の各所から触手が伸びるという設定になった。
本編登場に先駆け、ラスボス怪獣としては例年通りの11月上旬からバンダイより「ウルトラ怪獣DX」シリーズでソフビ人形が発売されている。
DCD「ウルトラマンフュージョンファイト!」にもルーブノキズナ3弾よりプレイアブルキャラクターとして先行登場し、ここでその姿や使う能力などが初披露された(これでのゲネシスレクイエムはあまりの威力に発射の際はルーゴサイト自身も仰け反り、更に地面もろとも相手を切り裂くような描写もなされている)。
平成ウルトラマンのTVシリーズに登場した怪獣では最後の怪獣である。
関連タグ
ウルトラマンR/B ウルトラ怪獣 ラスボス(ウルトラシリーズ)
ウルトラシリーズ
ダークルギエル、ビクトルギエル、グリーザ、マガタノオロチ、ウルトラマンベリアル・アトロシアス:新世代シリーズにおけるラスボス達。マガタノオロチとは星を食らうという共通点があり、『フュージョンファイト』では組ませるとキズナボーナス「惑星の暴食者」が発生する。
ダリー:白血球を天敵とする細菌サイズの宇宙怪獣。
ギガデロス:ルーゴサイトの時と同じ者の手で破壊者にされた存在。
サンドロス:同じくガス状の姿で地球に来襲した。来襲後に起こった出来事も「有害なものを消す・排除する」という意味では共通している。
インペライザー:初戦では一人のウルトラ戦士に圧倒され敗走し、再戦時には互角以上に渡り合うシチュエーションが類似。
ゴルザ:平成ウルトラマンシリーズ最初の怪獣。
ガタノゾーア:平成ウルトラマンシリーズ最初のラスボス。
その他
邪神イリス:見た目が似ているとの声多数。
はたらく細胞:同年の話題作で、第22話の例えを分かりやすく視覚化しているといえる。とは言え、上記の通り本作のルーゴサイトはどちらかというと本体に有害な悪性細胞に当たる存在である。
宇宙怪獣:トップをねらえ!に登場する宇宙生物。こちらも宇宙の白血球と呼ばれている。
絶対防衛レヴィアタン:こちらもラスボスが白血球モチーフ。
ウルトラマンベリアルアトロシアス→ルーゴサイト→ウルトラマントレギア/ウーラー