概要
『轟轟戦隊ボウケンジャー』が第30作目となることを記念した、ドリーム戦隊との競演作で、『百獣戦隊ガオレンジャーVSスーパー戦隊』以降の戦隊を補完するような内容。
スーパー戦隊VSシリーズでは珍しく、追加戦士の高丘映士/ボウケンシルバーを中心にストーリーが展開される。
時系列はダイボイジャー登場後のTask35以降だと思われる。
アカレッドは本作が初出。
これまでの戦隊VSシリーズの時期設定が明確になった作品_なのだが、かなりの矛盾点が散見され、評価は低い。
その上、歴代戦隊からのメンバー選抜というスタイルの致命的な欠点が浮き彫りになってしまい(後述)…。
ハイビジョン放送であるテレビシリーズに対し、本作品は通常の4:3での収録となっている。本シリーズのハイビジョンでの制作は、次作『獣拳戦隊ゲキレンジャーVSボウケンジャー』からとなる。
ストーリー
ゴードム文明と戦うボウケンジャーが、突如現れた時の魔神クロノスによって、異空間へと転送されてしまった!
一人残されたボウケンシルバー/高丘映士は連絡を受け助けに行こうとするが、そこへ謎の戦士アカレッドが現れ、「スーパー戦隊アドレスブック」を映士に託す。
映士は、それをもとに歴代のスーパー戦隊の戦士の下を訪ねていくが…。
登場キャラ
轟轟戦隊ボウケンジャー
シルバー以外のメンバーは異空間に飛ばされてしまう。
ドリーム戦隊
過去のスーパー戦隊Vシネマの設定が踏襲されている…筈なのだが、戦闘中に仲間割れを起こしてしまった(しかも、直接共闘していたメンバー同士が揉める事態となっている)。
他のメンバーや関係者がこれを見たらどう思うだろうか…。
・歌手として活躍している。そのせいかスケジュールにとてもニーズ。
・結婚生活3年目。もうじき二人目が生まれるらしい。
この中では唯一、進んで駆け付けようとしていた。
・ヤクザに転向したと思われていたが…。
・ボクサーとして活躍している。
・相棒のスモーキー共々ボウケンジャーの五人より先に異空間に閉じ込められていた。尚、スモーキーは危うくプレシャスとして回収されかけた。
今作にて初登場の戦士
アカレッド※メイン画像の人物。
・関連項目参照。
敵
ゴードム文明
カース
・『ボウケンジャー』には敵組織が複数あるが、他の敵組織は一切登場しない(ダークシャドウは次作に登場)
・復活怪人の中では唯一の男(つかオカマ)。宿敵である筈のマジシャインと対峙しているのに無反応(マジイエローに反応したのに…)だったり、どうやってデュエルポンドの間に入ったのかは突っ込んではいけない。
一の槍フラビージョ。
・今回は同僚のウェンディーヌを伴わず1人で登場。他の二人に比べて出番が少ないが、しっかりヒーロー達を窮地に陥れている。
・やはり過去のVシネマのストーリーが反映されている作品…の筈なのだが何故かアジトで復活。ちなみにガオレンジャー本人は誰も登場していない。
・本作オリジナル。ガジャと結託し、ゴードムエンジンを使って上記の三人を復活させていく。
致命的な欠点とは…
あくまでも憶測だが、それは原作でもある東映側が抱いていたと思われる過信だろう。
五代前の戦隊である百獣戦隊ガオレンジャーとその前の戦隊である未来戦隊タイムレンジャーのVSは日本では行われなかったが、パワーレンジャー・ワイルド・フォースにて実現した。その為、今回も同じようにパワーレンジャーで実現するのではと、日本のファン(と恐らく製作陣)は期待をしていたと思われる。
しかしボウケンジャーをベースとしたパワーレンジャー・オペレーション・オーバードライブでも、
の5人からなるドリーム戦隊との共演となり、「ボウケンジャーVSマジレンジャー(に相当する内容のエピソード」は日米双方で行われなかった(しかも、追加戦士からの選出がなかったせいか、本作では主役級だったボウケンシルバーがぼっちに…)。
それは、パワーレンジャーサイドもアニバーサリー作品として扱っていたが故に起こってしまった事態であり、原作サイドである東映が鷹をくくっていたが故に原因で生まれてしまった可能性も否定できない。
その後、海賊戦隊ゴーカイジャーにてようやく(ほぼガワだけだが)ボウケンジャーとマジレンジャーが勢揃いする事になった。
…のだが、
・同作のボウケンジャー回にて、復活・巨大化した創造王リュウオーンとの戦闘でゴーカイオーがマジレンジャーの大いなる力であるマジドラゴンを召喚する。
・ゴーカイジャーの放送から2年後に公開された特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャーでは(本人たちが使うオリジナルではないとはいえ)ダイボウケンとマジキングが連携攻撃を行う場面がある。
…など、これとの関連は不明だが、この一件をネタにしたかのような展開が描かれた。
果てには、45作品目の戦隊である機界戦隊ゼンカイジャーでも、
・上述のロボをモチーフにしたキャラが共に初期チームに加わり、その合体形態(のデフォルト形態の一つ)を構成する。
・同作第7カイにてライバル戦士がゼンカイジャーに差し向ける為に、ボウケンジャーとマジレンジャーのコピー(いづれも初期メンバーのみ)を同時に実体化させる。
・更にやはりコピーとして実体化されたダイボウケンとマジキングが同時攻撃を繰り出す。
という描写もされ、特にコピーとしての召喚の件は当時「ボウケンジャーVSマジレンジャー」を期待していた者に「最悪の形で実現してしまった」とショックを与える事態になった。
それは海外版でも同じ様で、上述のゴーカイジャー(並びに、その前年の天装戦隊ゴセイジャー)をベースにした『パワーレンジャー・スーパーメガフォース』において、ゴーカイジャーの第2話にあたるシーンにおいて、
・(設定の関係から)スーパーメガフォースグリーン(=ゴーカイグリーン/ゴセイブラック)のレジェンダリーレンジャーモード(=ゴーカイチェンジ)がゴセイレッドからボウケンレッドに変更されたことにより、スーパーメガフォースイエロー(=ゴーカイイエロー/ゴセイイエロー)の変身したマジレッドと同一シーンに並び立ち、こちらも同時攻撃を繰り出す。
という展開も出来上がっており、グローバルな範囲で、この2大戦隊の共演を望んでヤキモキしているファンの胸を焦がした事だろう。
一応企画当初は『ボウケンジャーVSマジレンジャー』の方向で進んであり、『マジレンジャー』の登場人物が4人も登場する(他は『ハリケンジャー』から2人、それ以外は各作品1人ずつ)、時の魔人クロノスが冥獣人に類似している、本作オリジナル巨大ロボの名称「バーニングレジェンドダイボイジャー」(つまり元はダイボイジャーとマジレジェンドの合体形態だった)などに名残が見られる(これには翼役の松本寛也氏も「メンバー全員が揃わなかったのは残念」とガッカリしていた)。しかし、もし仲間割れのシーンまでもこちらからの流用だとしたら、これは本来(少なくともレッド以外の)きょうだい喧嘩のシーンだったという事になるが…。
先述の件は恐らく、(日米共に)「ボウケンジャーVSマジレンジャー」が作れなかった件に思うところがあって取り入れた物と思われる。
また、後述の件を含めると(第1作である『オーレVSカクレンジャー』発表以降に限ってだが)映像作品において(現地での)オリジナルキャスト(※現行・前作共に追加戦士の参戦の有無は問わず)が揃っての共演が声のみですら行われなかったのは現時点ではボウケンジャーとマジレンジャーが唯一となる。
この様に、「過去の戦隊Vシネマとの設定の矛盾」(実際かなり不評)が生じた上、更に「元々のメインである『現役と前作の共演』の日米双方での非実現」という、VSシリーズの根幹を揺るがす致命的な大問題までも発生させてしまった反省からか、本作以降(2021年現在)映画やVシネマではドリーム戦隊とのVSは行われておらず(動物戦隊ジュウオウジャーのBlu-rayコレクションの映像特典にてドリーム戦隊に相当するチームとの共演はある)、春映画などVS以外の一件を含めて必ず現役戦隊と前戦隊の共演(最低でも前戦隊は初期メンバーに追加戦士を含めたメンツ)が行われる形となっている。特に199ヒーロー大決戦は韓国での公開時はタイトルの変更もあり、事実上「ゴーカイジャーVSゴセイジャー」としても扱われている模様(というか、どう見ても現役と前作の共演のそれである)。
しかし、本作から11年後…
その問題はまたも半ば再発する羽目になってしまう(※但し、その対象作品二つは未だパワレン化していない上、上述通り一応共演しているので、まだどうなるかは不明だが)…。
関連項目
みんなのトラウマ…上述の通りである。