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五行の編集履歴2021/06/19 19:43:20 版
編集者:十宮恵士郎
編集内容:後で語られている「五行と惑星、曜日の概念はある程度無理やり結びつけられたもの」という説明と、冒頭の「曜日名や惑星名でお馴染み」という記述が結構矛盾しているので、冒頭の方を削除

概要

の五つの元素のこと。

古代中国で生まれた概念であり、これらによって万物が成るという思想の中で語られた。

この思想は五行説五行思想と呼ばれ、西洋の四大元素とよく比較される。

それぞれ、木行火行土行金行水行とも呼ばれる。

同じく東洋の五元素としてインド五大五輪)があるが、別々に成立したとされる。

ここでの「金」は黄金に限ったものではなく、金属全般を指し、金属の中では特ににあたる。

曜日名・惑星名の上では「キン」と読まれているが、五行の上では「ゴン」と読まれる。

イメージカラー的なものはであり、金色は土(黄色)の範疇となる。

成り立ち

五元素である事について、当時知られてた惑星が五つだったからという説がある。惑星が五つという事は、五行説の登場より先に知られており、五行と無関係な名前で呼ばれていた(木星なら歳星金星なら太白)。各々の惑星に各々の元素が当てられた由来は、色・明るさ・動きによるものと言われる事もあるが、いまいちはっきりはしない。

なお、中国語では惑星は行星と呼ばれており、これは語源由来辞典によれば、五行に因んで古代から用いられている名称との事。

五行間の関係、相生・相克

五行の間の有名な関係として、相生相剋という、じゃんけんの発展型のようなものがある。相生は、木は火を生み、火は土を生み、土は金を生み、金は水を生み、水は木を生むという関係(木 → 火 → 土 → 金 → 水 → 木)。相剋(相克)は、木は土の力を吸い上げ、土は水の勢いを防ぎ、水は熱い火を消し、火は固い金を溶かし、金は木を切り裂くという関係(木 → 土 → 水 → 火 → 金 → 木)。

ただし例外があり、その事を相侮、相乗と呼ぶ。

相侮

1:木侮金

木が強すぎると、金の克制を受け付けず、逆に木が金を侮る

2:水虚火侮

水自身が弱いため、火を克制することができず、逆に火が水を侮る

相乗

1:木乗土

木が強すぎて、土を克し過ぎ、土の形成が不足する。

2:水虚土乗

水自身が弱いため、土剋水の力が相対的に強まって、水がさらに弱められること。

ただ、これらは後から別々に考えられたものらしい。

金が水を生む事については、金属表面水滴が付く事によるものという話が一般的な様子(融解して液体となる性質で説明される事もある)。金が木を倒す事については、金属のが木を切り倒すという解釈が一般的(金属の毒性が植物を枯らすと説明している例もあったが、現在行方不明)。

五行で馴染み深い「木火土金水(もっかどごんすい)」という並びは、相生の関係によるものになっている。五行で特に重視される「土」でなく「木」が筆頭となっているのは、季節が木行のから始まるイメージがあるからであろうか(なんか後述する方角との対応関係と天子が南面した場合をデフォにしてるとか太陽の運行が関連するらしい上、「左を貴ぶ」という東アジア特有のナニがあるらしい)。

陰陽との融合、陰陽五行

陰陽と組み合わさったものは陰陽五行と呼ばれる。

陰陽五行においては、五行の各要素についても、とに分類したりされる。

まず、木と火は陽、金と水は陰、土はどちらにも偏らない中性的なものとされる。

更に、火については陽の中でも陽、木については陽の中で陰寄りという扱いとなっており、陽→陰という順番で並べると以下のようになる。

←陽 火・木・土・金・水 陰→

これとは別に、五行のそれぞれを「陽の木」「陰の木」という具合に陰と陽に分ける考えもあり、これは元々別に存在してた十干に当てはめられ、以下のようにされた。

これはちょうど、陰陽×五行の形となっている。

ただ七曜については、ちょうど陰陽+五行になってはいるが、そういう意図で作られたのではなく、外国(諸説あり)から伝来して来た七曜に、そのまま対応する天体の名前を入れた結果となっており、古典の範囲では陰陽五行との関連が語られる例は見られない。

例えば、火曜日というのは「火の日」というよりは「火星の日」である。

七曜の並び方も当然、陰陽五行とは無関係に成立している(「七曜」を参照)…はずなのだが、偶然なのか、、火と水、木と金という陰陽のペアとなるものが全て、陽・陰という順番で隣接している。

五行の生成

陰陽五行においては、五行の生成の物語も考えられた。

水・火・木・金・土という順番で生成されたとされ、陰の中の特に冷たい部分が水を生み、その残りが金を生み、陽の中の特に熱い部分が火を生み、その残りが(となって)木を生み、余った四気が合わさって土を生んだとされる。

似たような生成が八卦でも語られているが、八卦の場合は陽→陽+陰、陰→陽+陰の形になっているのに対し、五行の場合は陽→陽+陽、陰→陰+陰の形になっている点は要注意。

季節等との関係

五行と五つの要素の対応としては、有名な所では以下のようなものがある。

五行
含む)
方角中央西
季節土用
動物
四神青龍朱雀黄龍/麒麟/黄麟白虎玄武
惑星歳星木星熒惑(営惑/火星鎮星(填星/土星太白金星辰星水星
金属あるいは黄金

このうち、色と方角の対応は後にモンゴル帝国の手により遠く東欧ルーシ人にもたらされている。

色で方角を表現するという風習は、現在でもベラルーシ(白ルーシ)の国名にその名残が見られる。

動物の箇所で、「鱗」は「鱗を持つもの」、「羽」は「飛ぶもの」、「裸」は「裸のもので、主にヒト」、「毛」は「もふもふしたもの」、「介」は「甲羅をしょってるもの」を意味する。

これは総称して五虫と呼ばれ、土以外は対応する四神四霊の特徴になぞらえられており、四霊がそれぞれの長とされる。

四神もまた、五行との対応のために五神に拡張される事があるが、五虫に対応するものとはなっていない。

他にも様々な要素との対応が考案されているが、後は関連外部リンクを参照。

サブカルにおいて

わかりやすい「四大元素」に比べると相克関係が直感的に理解しづらいのもあり、設定として登場することは四大元素に比べると少なめ。

しかし、「仙人」や「陰陽師」系のキャラにとっては縁が深いので、それらのキャラを主体とした作品では重視されることも多い。

また、「複数の魔法体系がある」とする作品では、西洋の四大元素に対抗する東洋のモチーフとして扱われることも。

サブカルでお馴染みの風やは、イメージカラーを青にして木に当てられる事が多めであるが、実はこれはかなり古典と整合している。

風と雷は八卦においては存在しており、が雷を、が風を表すが、共に五行は木とされている。

そして木と風の関係は、陰陽五行の生成の物語において暗示されており、方角的にも四大元素の風と一致している(四大元素の影響であるとする説も)。

なお奈良時代までの日本ではローリングサンダーが出るような空を「あをぞら」と言った。

五行をモチーフとしているキャラクター

五行を内包しているもの

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