主役となる戦艦としてのヤマトについてはヤマト(宇宙戦艦ヤマト)を参照。
リメイク版については宇宙戦艦ヤマト2199を参照。
作品概要
物語は2199年。ガミラス帝国の侵略攻撃を受け放射能汚染により滅亡まで残り1年となった人類が、惑星イスカンダルの女王・スターシャよりもたらされた波動エンジン技術を用いて、太平洋戦争末期アメリカ海軍の攻撃により東シナ海へ沈没した旧・大日本帝国海軍戦艦「大和」の骸を隠れ蓑に進めていた種の保存を計る脱出船計画を急遽変更し、放射能除去装置コスモクリーナーDを受け取るためにイスカンダルへ赴く「宇宙戦艦ヤマト」を建造。
地球から148,000光年離れた大マゼラン雲イスカンダル星へガミラス帝国の妨害を排除し、宇宙の自然現象を克服し1年以内に往復するストーリー。
本放送は視聴率が振るわず打ち切り終了した(裏番組が『アルプスの少女ハイジ』と『猿の軍団』だった)が、度々再放送が行われた影響で人気に火がつき1977年にテレビシリーズを再編集した劇場版が公開され、その後のアニメ・漫画作品に多大な影響を与えた。
海外展開
アメリカ合衆国にも輸出、テレビ放映された。表記は『Star Blazers』。
特に1978年に公開された劇場作品2作目『さらば宇宙戦艦ヤマト』は興行的にも大成功し、同年公開の『スター・ウォーズ』と共に社会現象とも言えるSFブームを巻き起こした。
登場人物・所属
地球連邦・ヤマト
古代美雪 他
ガミラス / ガルマン・ガミラス帝国
イスカンダル
ガトランティス(白色彗星帝国)
その他
メッツラー総督 バルスマン総司令官 イリヤ女王 パスカル将軍 ゴルイ提督 シーガル艦長
ゼニー合衆国(宇宙戦艦ヤマト3で登場予定だった未登場勢力)
ゴーマン大統領
シリーズ展開
作品は大きく分けて『旧作』『実写版』『リメイク』版の3つのシリーズに分類され、それぞれで一部設定も異なる。また、2000年前後にはゲーム版が発売されているが、これも途中から設定やシナリオを改変してアニメ(旧作)とはまた別の世界観を構築している。
「宇宙戦艦ヤマト」(旧作)
本記事で記述。TV第一作~完結編+復活編+YAMATO2520までを指す。
テレビシリーズ3本、劇場用作品5本、テレビスペシャル番組3本が公開されたアニメ作品。
2009年12月12日に新作「宇宙戦艦ヤマト復活篇」が公開された。
テレビシリーズ
- 宇宙戦艦ヤマト 1974.10〜1975.3 全26話
- 宇宙戦艦ヤマト2 1978.10〜1979.3 全26話
- 宇宙戦艦ヤマトIII 1980.10〜1981.3 全25話
劇場用作品
- 宇宙戦艦ヤマト(テレビシリーズ初作の再編集版) 1977年公開
- さらば宇宙戦艦ヤマト(初の劇場オリジナル作品にして当初は最終作になる予定だった)1978年公開
- ヤマトよ永遠に1980年公開
- 宇宙戦艦ヤマト完結編1983年公開
- 宇宙戦艦ヤマト復活篇2009年公開
テレビスペシャル
- 宇宙戦艦ヤマト新たなる旅立ち 1979年に唯一フジテレビ他で放送された作品
OVA
- YAMATO2520 製作会社倒産により3話で未完
ゲーム版
1999年から2005年にかけてPlayStationとPlayStation2を媒体に展開されていた。
評判的には上々だったが、松本零士を担ぎ上げて作っていたシリーズだったため、後述の権利問題により『永遠に』分まで作ったところで終了した。現代の公式的には半ば黒歴史扱いのシリーズ。ただし、出来がいいのでリスペクトはよくされる。
- 宇宙戦艦ヤマト遥かなる星イスカンダル 1999年発売 PlayStation
- さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち 2000年発売 PlayStation
- 宇宙戦艦ヤマト英雄の軌跡 2000年発売 PlayStation
- 宇宙戦艦ヤマトイスカンダルへの追憶 2004年発売 PlayStation2
- 宇宙戦艦ヤマト暗黒星団帝国の逆襲 2005年発売 PlayStation2
- 宇宙戦艦ヤマト二重銀河の崩壊 2005年発売 PlayStation2
『SPACEBATTLESHIPヤマト』(実写版)
2010年12月1日に公開された木村拓哉主演の実写版。該当記事参照。
『宇宙戦艦ヤマト2199』(リメイク版)
2012年より全26話で放映された第一期のリメイク。
旧作の無理のある設定や展開の矛盾を整理・再構築している。
『宇宙戦艦ヤマト2199』はTV放映の他に劇場でも先行して公開されるという方式となっており、4月7日より、同1話2話を編集した映画版が全国10館で公開され、3~6話を編集した「太陽圏の死闘」が6月30日(土)から、さらに7~10話を編集した「果てしなき航海」が10月13日(土)から2週間限定で公開された。2013年4月7日(日)よりMBS・TBS系列で放送された。
なお、pixivにおけるヤマト関連のイラストは、この『2199』のものが圧倒的に多い。
2017年からはその続編にして『さらば~』及び『2』のリメイク『宇宙戦艦ヤマト2202』各章が順次劇場公開されている。
製作中止作品
デスラーウォー
『完結編』後のデスラー総統を主人公にしたOVA企画でヤマト3年計画の一つだった。
ヤマトの子ら
ヤマト3年計画の最終作で、次世代ヤマトクルーが主役だった。ヤマト3年計画は宇宙戦艦ヤマト復活篇のみ実現(但し、構想から20数年経過した)。
新宇宙戦艦ヤマト
松本零士による連載漫画で2199年から1000年後の3199年の世界を描き、これをベースに『大YAMATO零号』がテレビアニメとして実現した(本当は新宇宙戦艦ヤマト自体のアニメ化のはずだったが、後述の騒動でこうなった)が、『宇宙戦艦ヤマト2199』程の人気は得られなかった。(その意味では製作中止作品と言うには齟齬があるが、念のため記載)
原作について
1990年代後半から2000年代初頭にかけて、同作プロデューサー西崎義展側とキャラ原案及び第一作のアドバイザーであった松本零士側がヤマトシリーズの知的財産権を巡り、法廷で激しく争ったことは有名。
これらの裁判や判例により、『宇宙戦艦ヤマト』は西崎義展の書いた「企画書」が原著作物であるとされている。
(原著作物:法的な意味での「原作」、「原案」という概念は存在せず、作品の大元のオリジナルのこと。原著作物の著者、原著作者が著作権を持つ。)
しかし内容的には慣例として「原案」とテロップされるもの(原著作物≠原作)であり、同様に慣例としては松本零士の著したストーリー稿のような、詳しい物語が示されてはじめて原作として(重ねるが原著作物と原作は違う)扱われるため、誤解やトラブルを招いている。
またこの『宇宙戦艦ヤマト』に関しては問題が大きくなったため西崎義展の企画書を「原作」として扱うことが多い。
ちなみに旧第一作の企画において松本零士はあくまで途中参加ではあるが、古代進をはじめ、自身の著作物のキャラクターなどを惜しみなく放出しており、そのことも上記の諍いが起こった原因と言える。
また、松本零士著の漫画版は現代で言うところのコミカライズであり、原作漫画ではないのだが、作者が松本単独表記であることや『銀河鉄道999』『宇宙海賊キャプテンハーロック』など松本漫画原作のアニメが存在することから、ヤマトをあまり知らない人にはヤマトも松本の漫画を原作としたアニメであると誤解されがち。本放送と同時に「冒険王」に連載されたこの漫画は、アニメに追いつかせるためかなり内容が端折られており、松本零士自身ダイジェストと認めている。
また、『ヤマトよ永遠に』と『宇宙戦艦ヤマト完結編』では松本が原作としてクレジットされているが、これはその作品単体に関しての原作者という意味であって、シリーズ通しての原作者という意味ではないので注意。
その他、DVDなどを見ていると東北新社の名が出てくるが、この会社は1990年代に西崎の会社が破産した際、既存の映像作品を用いて商売する権利を買い取ったのであり、それまでのヤマトシリーズの制作に関わっていたわけではない。翻案権等は入手できなかったので新作を勝手に作る権利もない。
なお、『宇宙戦艦ヤマト復活篇』『SPACEBATTLESHIPヤマト』では製作委員会に名を連ね、『2199』シリーズではそれに加えて音響制作も行っている。
こぼれ話
宇宙戦艦ヤマトの基になった旧日本海軍の戦艦大和だが作中において原型を留めたまま沈んでいるように描写されているが、後の海底調査で船体が真っ二つに折れ作中のような使い方が出来ないことが判明し旧作のスタッフ一同を落胆させた。そして松本零士に至ってはその事実を知って泣いて悔しがったというエピソードも。詳しくは戦艦大和のページで。
1985年には『忍者ハヤテ』に続くタイトーのアニメLDゲーム第2弾として、発売され、ストーリーは「完結編」を基準にしているが、一部の発進シーン等は「さらば」、「永遠に」の映像も使われている。映画では見られないゲーム用に描き起こされたシーンも存在しているが、残念ながら、家庭用ハードへの移植はされていない。
関連イラスト
関連動画
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