本記事ではアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』に於けるスイレンについて解説する。
原作ゲームに於けるスイレンについてはスイレン(トレーナー)を参照。
CV:菊地瞳
「ミズZ!メガギャラドス釣ってゲットしたの!」
「……ウソでーす♪」
概要
アニメ『ポケットモンスター』シリーズの6代目ヒロインの一人。
『サン&ムーン』編(以下SM編)では主人公・サトシと同じポケモンスクールに通うクラスメートで、リーリエやマオと共に同シリーズのヒロインとしてまとめられる。
ゲーム版とは異なりキャプテンという立場ではなく、ポケモンスクールの生徒である一般トレーナー。
サトシがアローラ地方で最初に出会ったメインキャラクターでもある。
人物
容姿
外見・服装共にゲーム版準拠のデザイン。パッと見ではわかりにくいが、顔がアップになるとそばかすがあることが確認できる。
身長はサトシよりやや低いが、年齢は明言されていない。年齢に関する考察は「アローラスクール組」の記事を参照のこと。
ロケット団の3人組からは「青ジャリガール」と呼ばれている。
SM編12話の水着回ではスクール水着姿を披露。原作通りお魚マークが刻印されている。
しかも同話では、冒頭の体操からの脱衣シーン(上着を脱ぐ→紐を解いてズボンを脱ぐ)がノーカットで描かれたため、少なくともアニメでは「紺色のインナー=スクール水着」であることが確定した。
いつでもすぐに水着姿になれるため、その後もポケモンたちと戯れる場面(29話)や、ホエルコを助ける場面(31話)などでちょくちょく披露している。
性格
一人称はゲーム同様「わたし」だが、口調はよりおっとりとしている。
語尾のない言い切りの形での話し方が特徴で、「会ったの。ここで」「助けてもらった。大きなポケモンに」などのように倒置法を使うこともある。
あがり症な面もあるようで、人前で目立つのは少々苦手。
ゲーム版同様釣りが得意で、マオらクラスメートから「達人」と認められるほどの腕前。そのため実はアウトドア派で、レギュラーメンバーの中でも屈指の運動神経の持ち主でもある。
特にポケベース回(28話)では華麗なグラブ捌きでマオの打球を処理し、打撃では「一本釣り打法」でカキから場外ホームランを放つなど、攻守両面において目立った活躍を見せた。
一方で文通も趣味とし、カントーで出会ったカスミや「師匠」と慕うイア(後述)とやり取りをしている。
会話にネタを仕込みたがるのもゲーム版と同じ。初の主役回となった5話の予告では「カイオーガが釣れちゃいます!」発言で男子たちを本気にさせた。
本編では同じ展開の後にマオからツッコミが入るも、てへぺろでごまかすというあざとい一面を見せている。
口癖はそういったデタラメ豆知識を言った後の「ウソでーす♪」。これは母親からの影響が強い。
29話では唐突に怪談を始めたり、懐中電灯の光を顔に当てて怖い顔を演出したりしていた。
素で毒を吐くこともあり、モンスターボールを大量に用意したサトシに「もしかして(投げるの)下手なの?」とのたまったことや(4話予告)、「その気になればポケモンに触れる」と主張するリーリエに「ここ(=ポケモンスクール)に来てから一度も触れたことない」と指摘したこともある(8話)。
一方で恋愛面では妙に初心で、妹たちやライチにサトシとの関係を冷やかされた時には激しく狼狽していた。
マッシブーンやロイヤルマスクを見て目を輝かせるなど、筋肉や力強さに惹かれるシーンがしばしば見られる。
家庭環境
自宅
ゲーム版ではアーカラ島のコニコシティにあるが、アニメ版ではメレメレ島にある。ポケモンスクールから程近いようで、下校時は方向が同じサトシと一緒になることも多い。
建物は外観も含め、和風または琉球・台湾・大陸風とも言うべき漁師の家らしさに溢れている。
家業はやはり漁師。
卵はよくてもゲーム以上に食用肉や食用魚を(ある程度)避けてきたアニメシリーズとしては、地味に大事件である(無印初期に「コイキングの活け造りを想像して涎を垂らすサトシ一向」が描かれたことはあるが)。
ちなみに5話にて、スイレンは釣り上げたポケモンにフードを与えて仲良くなっているが、その一方で自宅の玄関にはハギギシリの魚拓が飾ってある。ポニ島での自由研究では色違いのジーランスを釣り上げて魚拓にしたらしい。
家族
家訓は「転ばぬ先の釣り竿」で、日頃から常備し手入れも怠らない。スイレンも伸縮性がある携帯用の釣り竿を持っており、場合によってリールを装着させる。
- ホウ&スイ(妹)
5話で初登場。ゲーム版と同じ名前だが、専用グラフィックが描き下ろされているなど変更点がある。
その顔はスイレンに瓜二つで、タケシやジョーイさん、ジュンサーにも劣らない強い遺伝子と言われるほど。
24話の授業参観で初登場。ゲーム版ではグラフィックがモブキャラの流用だったが、娘たちは皆彼女によく似ている。
前髪部分に貝殻を複数繋げたアクセサリーを付け、髪型は一本結びで、先端は船の錨よろしく二股に別れている。
- 父親
40話でスイレンの口から存在は仄めかされていたが、姿が描かれたのはそれから更に間を空けた87話。
マオたちがある原因でだらける大人たちへの愚痴を漏らす中で、「だるいから漁に行きたくない」と言っていたことがスイレンによって明かされた。この時は布団を被っていたため顔は見えなかったが、髪色は暗めの青であると確認できた。またすね毛も濃い模様。
96話のミニコーナー「イーブイどこいくの?」でマンタインの背に乗った目隠れイーブイを目撃しており、97話終盤で帰宅した場面が描かれた。痩せ型の髭面で、いかにも「海の男」といった服装が特徴。
漁師ではあるが、依頼で水ポケモンの調査で長期間漁に出る。
対人関係
- マオ
幼い頃からの親友。最初は「アイナ食堂さん」と呼んでいたが、マオの希望で仲良くなってからは「マオちゃん」と呼んでいる。
ちなみに、レギュラーメンバーが仲間を呼び捨て以外で呼ぶのはスイレンが初。
- カスミ
カントーで出会って以来文通友達となった。「みずタイプ好き」「ポケモンをよく抱き上げている」「サトシとの初対面が釣りの真っ最中だった」「水着のインナーを着ている」など共通点も多い。
102話ではクラスメートに内緒でカスミとタケシをアローラに呼び、2人の休暇旅行の案内を担当。また、カスミからもらったお手製のルアー「カスミスペシャル(水着Ver.)」は、120話でカイオーガを救う際に役立っている。
ポケモントレーナーとして
ポケモンには強い愛情を持っており、いじめたり侮辱したりする相手には容赦しない。
アシマリをいじめていたスカル団にはラプラスの「れいとうビーム」をお見舞いし、ロケット団がポケモンたちを雑魚呼ばわりした時には一瞬で顔に影がかかり、「……許さない、あんたたち」とドスの効いた声でキレた(視聴者からは闇スイレンと命名された)。
幼い頃からスイレンをよく知るマオは、「(スイレンは)アシマリのことになるとスイッチが入る」と語っている。彼女を本気で怒らせてはいけない。
ポケモンを世話することも好きで、71話では自分の住処を探す野生のシズクモのためにアドバイスや応援をした。この時は、アシマリのバルーンで顔を覆ったスイレンを同族と思い込んだシズクモから一目惚れされている。
みずタイプのポケモンに特に詳しく、ククイ博士からも「海と言えばスイレン」と頼りにされている。
ポケモンバトルに対する姿勢はアローラガールズの中ではガチンコに近く、アローラリーグで親友・マオと対決することになった際は互いに全力でぶつかり合うことを望んだ。その後のグズマ戦では、アシレーヌを一方的に痛めつけられる結果となり敗北を喫したが、リーリエやマオがグズマの戦法に憤慨する傍で「ルール違反はしていない」正当な勝敗であると受け止めていた。
スクールの長期休暇では父と遠洋に出てマナフィの調査に出た。その後、新無印37話で再登場。アローラへと戻っており、釣りを楽しんでいたところをアゴヂムシをゲットする筈が崖に転落したゴウを釣り上げ、ポケモンスクールに連れていった。対面時は「びしょ濡れくん」と呼んだが、名前を聞いてサトシの友達と(事前に聞かされており)認識する。サトシと再会後はリーリエからの近況報告の手紙をスクール組の面々に読み上げた。
余談だが、ゴウが初めて会ったアローラスクール組もサトシ同様スイレンであり、彼女が釣りをしている最中に海で出会ったという点も共通している。
スイレンとZワザ
ZワザとZクリスタルに関する授業(24話)の中で、ミズZワザのゼンリョクポーズが非常に気に入った様子を見せていた。その後ムーランドによる課外授業(32話)で、Zリングの原石(かがやくいし)を発見し優勝。それを元に彼女専用のZリングが製作され(デザインはリスト部分が装飾されたカキのものに近い)、続く33話ではせせらぎの丘のぬしポケモン・ヨワシと釣りバトルの末にミズZを入手した。
初めはZワザの発動に苦労していたが、海の民の女性・イアに弟子入りし特訓を重ね、見事「スーパーアクアトルネード」を成功させる。
発動時の口上は「届け 水平線の彼方まで」。
アシマリがアシレーヌまで進化して以降は、イアからもらったアシレーヌZを使い、専用Zワザ「わだつみのシンフォニア」を成功させている。
この時の口上は「母なる海に抱かれて 響け 水平線の彼方まで」。
手持ちポケモン
「ゲーム版の手持ちを(現時点では)所持していない」「ライドポケモンを持つ」という点でカキと共通している。
CV:愛河里花子(アシマリ)→清水理沙(オシャマリ・アシレーヌ)
ゲーム本編での手持ちにはいない、アニメオリジナルのパートナー。
過去にスカル団にいじめられていたところを、スイレンと彼女のラプラスに救われた。
スイレンが入れるほどの大きなバルーンを作ることが夢で、16話の段階では小さなポケモンや妹のホウ(マオ談)をバルーン内に収納できるまでに上達している。
106話にて、ポニ島で再会したイアのアシレーヌと特訓し、終盤で修行の成果のバルーンを見せようとした際にオシャマリに進化。
それからあまり間を空けず120話にて、ポケモンハンターによって猛毒状態に陥ったカイオーガの怒りを鎮めようとするスイレンを救うため、最終進化を果たした。
使用技は「バブルこうせん」「アクアジェット」「なみのり」「うたかたのアリア」「こごえるかぜ」。
CV:金魚わかな
ミニコーナー「イーブイどこいくの?」で初登場した目隠れイーブイ。アローラではなく別地方から来た個体。
アローラペルシアンに追いかけ回された挙句、スカル団の2人に取り合いにされていたところをサトシたちに救われる。スイレンのアシマリと共にスカル団を撃退し、スイレンに「ナギサ」と名づけられゲットされた。
その後スイレンの手で、前髪の一部を彼女とお揃いの形にカットされた。詳細は「ナギサ(アニポケ)」の記事を参照のこと。
海上移動用のライドポケモン。スイレンの海釣りや学校のフィールドワークなどで活躍する。
モンスターボールには入っておらず、自宅では近くの桟橋に待機している。
使用技は「れいとうビーム」。
その他関わりの深いポケモン
- ハクリュー
ウルトラガーディアンズとしての出動の際に使用するライドポケモン。
余談
- ジムリーダー枠で水御三家を持つメインキャラクターはタケシ(ミズゴロウ→ヌマクローを所持)以来。
- 「顔がそっくりな年下のきょうだいがいる」「ポケモンを蔑ろに扱う輩を許さない」という点ではタケシと共通する。前作のユリーカがナンパの意味でのタケシ枠なら、スイレンはそちらの意味でのタケシ枠と言えるだろう。
- 「白目が描かれていない」「釣りが得意」という点ではデントと共通する。
- 「服の下に水着」を披露したのはカスミやハルカと共通する。ただし、ハルカは片手の指で数えるほどしか披露していないのでスイレンやカスミと比べ知名度は低い。
- アシマリとの出会いは「浦島太郎」をモデルにしていると推測されるが、こちらの場合は「亀(ラプラス)が(物理的に)助けた」形になっている。
関連イラスト
水着
ウルトラガーディアンズ
関連タグ
アイリス(アニポケ):ゴウとの出会い方が、サトシのそれと酷似しているメインヒロインつながり。