概要
1995年に生まれ、98年に3歳(現表記)を迎えた競走馬たちの世代。
しばしば「最強世代」「黄金世代」などと呼ばれる。
当時存在したJRAの平地GⅠを完全制覇したこと、3~4歳時における重賞勝ち数の多さ、勝率の高いトップホースの多さ、記録したレコードタイムの多さ、海外での大活躍などから、日本競馬史上の最強世代として名前が挙げられることが多い。
反面、トップホースの多くが4歳末までに引退、もしくは故障による長期療養に入り、5歳時以降は王道路線で活躍しなかったため、長期間にわたって勝ち星を積み重ねることはできなかった。
個性豊かなライバルたちが互いにしのぎを削った華やかな世代であり、血統や牧場、馬主などの背景が多様であった。さらに一つ上と一つ下の世代まで強豪馬揃いだったため、競馬が最も面白かった時代として話題になることもしばしばである。
一方、海外はこの世代に大物が少なかった。
代表的な競走馬
馬名 | 性別 | 戦績 | 主な勝利レース | 備考 |
---|---|---|---|---|
エルコンドルパサー | 牡 | 11戦8勝 | NHKマイルカップ(98), ジャパンカップ(98), サンクルー大賞(仏)(99) | 米国産馬, 凱旋門賞(仏)(99)で2着 |
グラスワンダー | 牡 | 15戦9勝 | 朝日杯3歳S(97), 有馬記念(98/99), 宝塚記念(99) | 米国産馬, 朝日杯でコースレコード |
スペシャルウィーク | 牡 | 17戦10勝 | 日本ダービー(98), 天皇賞(春)(99), 天皇賞(秋)(99), ジャパンカップ(99) | 天皇賞(秋)でコースレコード |
セイウンスカイ | 牡 | 13戦7勝 | 皐月賞(98), 菊花賞(98) | 菊花賞で3000m世界レコード |
キングヘイロー | 牡 | 27戦6勝 | 高松宮記念(00) | |
エアジハード | 牡 | 12戦7勝 | 安田記念(99), マイルCS(99) | マイルCSでレースレコード |
アグネスワールド | 牡 | 20戦8勝 | アベイ・ド・ロンシャン賞(仏)(99), ジュライカップ(英)(00) | 米国産馬, 北九州短距離S(99)で1200m日本レコード, 半兄ヒシアケボノ |
ウイングアロー | 牡 | 30戦11勝 | フェブラリーS(00), JCダート(00) | JCダートでコースレコード |
ファレノプシス | 牝 | 16戦7勝 | 桜花賞(98), 秋華賞(98), エリザベス女王杯(00) | 桜花賞でレースレコード, 半弟キズナ, 従兄ビワハヤヒデ・ナリタブライアン |
マイネルラヴ | 牡 | 23戦5勝 | スプリンターズS(98) | 引退レースのタイキシャトルに勝利 |
シーヴァ | 牝 | 10戦4勝 | タタソールズゴールドカップ(英)(99) | 日本生産馬として初の海外GⅠ勝利(英国調教馬) |
種牡馬成績
種牡馬としても後々の時代まで影響力を残している馬が多い。
- グラスワンダーは産駒のGⅠ馬スクリーンヒーローが初年度産駒で豪傑モーリスを出し、モーリスもシャトル共用で初年度産駒から日豪でGⅠ馬を出したことで、JRA史上初の父子4代GⅠ制覇を達成した。
- スペシャルウィークは女傑ブエナビスタや、自身が取れなかった菊花賞をレコードのおまけつきで制覇したトーホウジャッカルなどを輩出、母父としてもエピファネイアらシーザリオ3兄弟やディアドラなどを出している。
- エルコンドルパサーはわずか3世代の産駒にとどまったがGⅠ馬3頭を出し、母父としてもマリアライトらクリソプレーズ3きょうだいがGⅠ勝ちしている。
- キングヘイローは牝馬2冠カワカミプリンセスや短距離のローレルゲレイロを出し、母父としては先述のモーリス産駒からピクシーナイトが出た。
種牡馬 | 主な産駒 | 母父での産駒 | 父父、ひ孫 |
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スペシャルウィーク | |||
グラスワンダー | |||
エルコンドルパサー | |||
キングヘイロー |
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『ウマ娘 プリティーダービー』での活躍
黄金世代(ウマ娘)も参照。
アニメ『ウマ娘プリティーダービー』の第1期では、主人公のスペシャルウィークと、セイウンスカイ、キングヘイロー、エルコンドルパサー、グラスワンダーら98世代のライバルたちの戦いを中心とする物語が展開された。
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ゲーム版では、キングヘイローが★1、エルコンドルパサーとグラスワンダーが★2、スペシャルウィークが★3の育成ウマ娘として初期実装された。
待望されていたセイウンスカイも2021年6月10日に★3で実装され、98世代のウマ娘5人全員を揃えることができるようになった。
この5人は短距離~長距離、ダートまで適性が幅広く、チーム競技場のエースをこの5人に設定することも容易である。98世代ファンは試してみてはいかがだろうか。
さらに2021年6月29日から、衣装違いの★3で[ククルカン・モンク]エルコンドルパサーと[セイントジェード・ヒーラー]グラスワンダーが実装された。同時にサポートカードガチャでもSSRとして[明日は全国的に赤でしょう♪]セイウンスカイと[今宵、円舞曲にのせて]キングヘイローが新登場となり、98世代の同期4人がピックアップ対象に顔を揃えることになった。
アオハル杯シナリオでは、98世代メンバーで構成されたチーム「ジ・エイペックス」が対戦相手として登場。短距離にはキングヘイロー、マイルにはグラスワンダー、中距離にはスペシャルウィーク、長距離にはセイウンスカイ、ダートにはエルコンドルパサーが出てくる。
(ただし、このうち誰かが自チームにいる場合はランダムで他のキャラと置き換わっている。)
98世代のウマ娘
なお、他の世代では「史実だと同世代だけれど、ウマ娘世界では別学年(※1)」というケースが多い中、この98世代だけは全員が同学年に収まっていたりする(※2)。
(※1)例として、ライスシャワーとマチカネタンホイザは同じ1989年生まれだが、ウマ娘世界ではそれぞれ高等部と中等部といった感じで、学年違いとなっている。
(※2)少なくとも同じクラスで授業を受けている描写はある。また、上3人に至っては、「中3国語の小テスト」を受けていたこともあり、だいたいの学年も判明している。
競馬シミュレーションゲームでの活躍
史実での活躍を反映して、各種の競馬ゲームでも非常に強力な設定で登場する。
たとえば『ウイニングポスト』では、「最強世代」と称して、エルコン・グラス・スペ・スカイの4頭をフィーチャーした専用のムービーやシナリオが用意されている。
実際、このゲームにおいて競走馬の能力を表す最も基本的なステータス「スピード」の値は
・エルコンドルパサー:77(ディープインパクトなどと同じで、日本馬最高値タイ)
・グラスワンダー:76(オルフェーヴルなどと同じ)
・スペシャルウィーク:75(アーモンドアイなどと同じ)
・セイウンスカイ:74(ドゥラメンテなどと同じで、平均的な世代なら世代最強馬になる水準)
となっており、誤解を恐れずに表現するなら「ディープインパクト、オルフェーヴル、アーモンドアイ、ドゥラメンテの4頭が同期に揃ってしまった世代」(あくまでスピードだけに着目した場合)。
つまり、ゲーム内でも有数の実力馬が揃う“最強世代”となっている。