概要
世界会議(レヴェリー)とは、聖地マリージョアにて4年に一度開催される大規模な会議である。
会議の参加権を持つのは世界政府の170にも及ぶ加盟国の国王たちであり、毎回代表の50か国が出席している。王たちは巨大な円卓を囲み、世界中の種々の案件について討論する。
会議が始まる前には50か国の王族が1か所に集まるためちょっとしたお祭り騒ぎになる。しかし「世界会議はいつも大事件を呼ぶ」とも言われており、会議の終了後には世間を驚愕させるニュースが飛び交うことが多い。
- 会議の流れ
各国の王たちは2つある赤い港(レッドポート)のポンドラを利用してマリージョアまで移動し、会議が行われるパンゲア城の内部にある「虚の玉座」の前で「独裁をしない」という誓いを立ててから、会議に臨む。
会議の進行を務める議長は持ち回り制であり、新世界編で開催された会議ではバリウッド王国のハン・バーガー王が担当した。
また、会議は1週間という長い時間をかけて行われる。
- 王族の護衛
世界中の国の王族がマリージョアに集うため、各国の屈強な護衛に加えて三大勢力の一角を担う海軍本部が最高戦力の大将まで動員して護衛を担当する。
原作での関わり
作中で会議の様子などが描かれたのは2回。
- 新世界編の8年前
イルシア王国のタラッサ・ルーカス国王から、革命軍総司令官にして「世界最悪の犯罪者」とされるモンキー・D・ドラゴンに関する議題が持ち上がった。
またドラム王国の国王ワポル(当時)がアラバスタ王国の王女ネフェルタリ・ビビにちょっかいをかける、という事件もあったが、ビビの対応により事なきを得ている(詳しくは後述)。
- 新世界編
主人公モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味がビッグ・マム海賊団との抗争の末にサンジを奪還し、次の目的地であるワノ国へ向かう頃、世界会議が行われる聖地マリージョアに世界政府加盟国の王族が集まり始める。パンゲア城の社交の広場ではかつてルフィたち麦わらの一味と交流を深めたビビやサクラ王国の国王ドルトンや医者のDr.くれは、リュウグウ王国の人魚姫しらほし、ドレスローザの侍女レベッカが親交を深める。
一方この機会に「天竜人への宣戦布告」を企む革命軍は各地に散らばっていた軍隊長を集結させ、参謀総長サボは宣戦布告とある人物の解放のためにモーリー、リンドバーグ、カラスとともにマリージョアへの潜入を敢行する。また、海軍大将である藤虎がネフェルタリ・コブラとリク・ドルド3世の王2人に接触し、王下七武海の撤廃話を持ちかける。新世界では四皇の一角であるビッグ・マムが同じ四皇の百獣のカイドウと電伝虫で会話し、2人の接触の可能性に海軍本部は冷や汗をかく。
主にビビとしらほし、サボの視点で物語は進み、世界会議の開幕と同時に本編はワノ国編に移行する。過去に登場した人物たちが一斉に登場し、交流を深めるのがこの話の最大の特徴であり、「ONEPIECE」は各長編の間に挟まる世界情勢の面白さに定評があるため世界会議編は短いながら非常にボリュームのある話になっている。また懐かしさだけでなく新たな謎も多く登場する話であり、40年程前の伝説やマリージョアの国宝、五老星のもっと上の存在について少しだけ触れられた。
登場人物については麦わらの一味はほとんど登場せず、今までに冒険した島で登場したキャラクターが多く登場する。広場には上述のメンバーの他にも悪ブラックドラム王国の国王ワポル、麦わら大船団の一員であり各国の護衛のために訪れたサイやレオ、そして天竜人のチャルロス聖や彼の護衛を務めるCP‐0のロブ・ルッチ、カク、ステューシーが顔を出している。またマリージョアには革命軍だけでなく別の人物も潜入しており、更に「権力の間」にいる五老星のもとにはあの男が来訪している。
主要人物
世界会議参加国
ゴア王国
- ステリー(国王)
- サリー・ナントカネット(王妃)
イルシア王国
- タラッサ・ルーカス(国王)
花ノ国
悪ブラックドラム王国
- ワポル(国王)
- キンデレラ(王妃)
サクラ王国(旧ドラム王国)
アラバスタ王国
リュウグウ王国
ドレスローザ
プロデンス王国
- エリザベロー2世(国王)
ルルシア王国
- コマネ(王女)
ロシュワン王国
- ビール6世(国王)
- マトリョー(王女)
バリウッド王国
- ハン・バーガー(国王)
タジン王国
- モロロン(女王)
シシャノ王国
- タコス(国王)
その他国名不明の王達
- セキ(国王)
- レモンチーズ(女王)
- ポトフ(国王)
- サモサ(国王)
- バン・ドデシネ(女王)
参加国以外の勢力
革命軍
- モンキー・D・ドラゴン(革命軍総司令官であり、ルフィの父)
- サボ(革命軍参謀総長であり、ルフィの義兄)
- エンポリオ・イワンコフ(革命軍"グランドライン軍"軍隊長)
- モーリー(革命軍"西軍"軍隊長)
- ベロ・ベティ(革命軍"東軍"軍隊長)
- リンドバーグ(革命軍"南軍"軍隊長)
- カラス(革命軍"北軍"軍隊長)
- コアラ(革命軍幹部)
海軍本部
- サカズキ(海軍元帥として海軍全体を指揮)
- ボルサリーノ(海軍大将"黄猿")
- イッショウ(海軍大将"藤虎")
- 緑牛(海軍大将)
- モンキー・D・ガープ(海軍中将)
- ギオン(海軍中将"桃兎")
- トキカケ(海軍中将"茶豚")
- ヒナ(海軍少将)
- コビー(海軍大佐)
- ヘルメッポ(海軍少佐)
- フルボディ(海軍少佐)
- ジャンゴ(海軍少佐)
世界貴族
- 五老星(世界政府の最高権力者)
- ロズワード聖(チャルロス聖の父)
- チャルロス聖(人魚に目がない天竜人)
- ドンキホーテ・ミョスガルド聖(かつて魚人島を訪れた天竜人)
CP‐0
四皇
- シャーロット・リンリン(ビッグ・マム海賊団の船長)
- カイドウ(百獣海賊団の総督)
王下七武海
- バーソロミュー・くま(王下七武海の一人だが、現在は天竜人の無敵奴隷)
最悪の世代
- ジュエリー・ボニー(ボニー海賊団の船長だが、ソルベ王国の王太后として聖地に潜入)
その他の人物
- モルガンズ(「世界経済新聞社」社長)
- ドンキホーテ・ドフラミンゴ(元王下七武海であり、現在はインペルダウンに投獄)
- イム(「虚の玉座」に座り、五老星が頭を下げる存在)
会議期間中の問題点
- 各地の警備
上述の通り会議期間は1週間であり、王族がマリージョアに到着するまでの移動時間も含めれば非常に長い。その間海軍はマリージョア及びその付近の防衛に戦力を回すため、各国やその周辺の海は警備が手薄になる。そのため海賊や国の無法者たちが国を襲撃する可能性が高くなり、実際ルルシア王国が天竜人に献上する多額の天上金を狙った海賊に襲撃されている。また海上で襲撃されれば王族の誘拐事件が発生する危険性もあり、これもルルシア王国が実際に被害を受けている。
- 王族同士の接触
マリージョアに集った王族同士はほんの少しでも相手の機嫌を損ねれば国同士の戦争を勃発させる可能性と常に隣り合わせで過ごさなければならず、一瞬たりとも油断できない。実際8年前の世界会議ではアラバスタの国王ネフェルタリ・コブラが責任感のないドラム王国国王ワポルを叱責する場面が見られ、ワポルはその後コブラの娘であるネフェルタリ・ビビに対して大人気ない嫌がらせを行った。
また強国は自国の資源や技術を脅しの道具に使って子分の国を都合よく操るうえ、貧富や宗教は各国で異なるため実際には国王の横並びを許してはくれない。そのため会議では結論が穏便に出ないものも珍しくない。
モンキー・D・ガープはこれらの状況を踏まえて「円卓が泣いている」と評している。ただし、それでも血が流れなければ平和と言える。
- 天竜人の介入
マリージョアには天竜人が住んでいるため、彼らが介入してくることもある。王族たちもあくまで「下界の王」であるため天竜人には逆らえず、種族や容姿によっては最悪の場合奴隷やペットなどとして天竜人の所有物にされてしまう危険もはらんでいる。会議期間中に天竜人の護衛を行っている世界最強の諜報機関CP‐0が(あくまで天竜人の命令を優先しながら)動くことで天竜人に反抗する王族をある程度抑制することもできるが、一度天竜人の機嫌を損ねれば王族であろうと制裁は逃れられない。
それどころか、CP-0に所属しているカクが「確かに今止めたことでいくつかの国が救われた」と発言しており、その制裁は王個人、もしくは王家のみならず国そのものに影響を及ぼすものであることが示唆されている。
関連タグ
本編の流れ
ホールケーキアイランド編→世界会議編→ワノ国編
新世界編の会議の結末
※以下の内容は単行本未収録の重大なネタバレを含みます。
上述の通り新世界編の世界会議は開幕と同時に話の舞台がワノ国に切り替わったため、会議の議題と内容、マリージョアに潜入したサボたちの動向はしばらく不明であった。だが、ワノ国に上陸したルフィたちの動向に一区切りがついたタイミングで挿まれた幕間で少しずつ明かされていった。
世界会議4日目の出来事
ワノ国編の第一幕と第二幕の間の幕間では新世界の海賊島「ハチノス」にて、四皇となった黒ひげが乗り込んできたゲッコー・モリアに対して世界会議4日目に起きたことを嬉々として語った。その内容は「マリージョアで革命軍の軍隊長たちが海軍大将の2人と激突した」というものであった。
一方、王下七武海のジュラキュール・ミホークは拠点でモリアの生存を知って飛び出そうとした同居人のペローナに対して、「世界会議で妙な議題が出ているから今ここを離れるのは正解だ」と話していた。
世界会議終了
ワノ国編の第二幕と第三幕の間の幕間では世界会議終了後の世界情勢が判明。会議は大荒れとなったまま解散したそうだが、なんと藤虎が目指していた「王下七武海制度の完全撤廃」がネフェルタリ・コブラとリク・ドルド3世が会議の議題に挙げたことで議論となり最終的に可決されて実現。世界の均衡を長く保ってきた三大勢力が崩壊したことが明らかになった。この結果、七武海であったミホーク、バギー、エドワード・ウィーブル、ボア・ハンコックは海軍の大艦隊に包囲されることになった。
なお他の議題及びその結論は未だ不明である。
発生した事件とそれに対する各人物のコメント
今回の会議の期間中に五老星が「今年の世界会議は呪われている」と漏らす程の不穏な事件がいくつか発生ことがワノ国編の第二幕と第三幕の間の幕間で少しだけ明らかになり、第三幕の終盤でいくつかの事件の概要が明らかになった。
- サボによるネフェルタリ・コブラ殺害事件
新聞の見出しに記載された大事件。ガープがリュウグウ王国の王族一行に帰国後に伝えたであろう、「アラバスタ王国に関する事件」とは、この事件及び後述のもうひとつの事件を指すと思われる。
革命軍にとって、世界政府を築き上げた20人の血族の末裔にして、唯一の世界会議参加者であったコブラ王の殺害は、大きな意味があったという。それを証拠に世界会議終了後、「8ヶ国革命」という参加していた王族の帰国のタイミングを狙った革命が各所で発生し、サボは炎帝、世界の英雄と呼ばれるようになった。鬼ヶ島討ち入りの中でCP‐0が発言した「世界中で起きている事件」とは、この一連の革命のことだと思われる。
ただし、この件に関しては不可解な点があり、サボが理由があれど他人を殺害するような人物ではないこと、そして記事を見た他の革命軍の構成員が驚愕の表情を浮かべており、元々の計画には含まれていなかった可能性があることが挙げられる。
- バーソロミュー・くま解放
コブラ王殺害事件の前に発生。マリージョアにある天竜人のシンボルである天駆ける竜の蹄を破壊したサボの一行は、駆けつけた海軍大将2人と交戦しつつ、天竜人の奴隷となっていた元王下七武海にして革命軍の一員であるバーソロミュー・くまの解放に成功。そして、一行は全員逃げ切ることに成功したとの事だが、現在は全員音信不通の状況になっている。
- ネフェルタリ・ビビ失踪事件
コブラ王の殺害と同時に発生。ガープがリュウグウ王国の王族一行に帰国後に伝えたであろう事件の1つであると思われる。
ただし海軍犯罪捜査局もこの事件に関しては未だに詳細を掴めていないようであり、他の事件との関連を見ると共に現在も調査中であるとのこと。
読者の中では、ビビは革命軍と共に行動しているのではという予想もある一方で、世界会議開幕直後に本来存在してはいけない人物がビビの写真を眺めていたこともあったことから、この事件はサイファーポールが世界経済新聞の本社に乗り込んでまでもみ消そうとした事件である可能性が高く、もしそうであれば海軍側が情報を入手しにくいことも頷ける。
- チャルロス聖殺人未遂事件
何者かによって天竜人のチャルロス聖が殺害されそうになるも、未然に阻止することができた事件。ただし、犯人を天竜人であるドンキホーテ・ミョスガルド聖が逃がしたという問題が残っており、サカズキ曰く「神の騎士団」が話に介入してきたことで話は複雑になってきているとのこと。
なお、現時点でこれだけの事件が発覚しているものの、ワポルのリーク情報やマリージョアに潜入したジュエリー・ボニーの目的及びその後の行動など、未だに不明な不明なことも多い。
- 余談
現在鎖国国家ワノ国の鬼ヶ島にいる麦わらの一味は世界会議に関連して起きた事件をほとんど知らない(七武海制度の撤廃はカイドウが宴のスピーチで話しているため、知ったと思われる)。