外房線
そとぼうせん
概要
路線距離 | 93.3㎞ |
---|---|
軌間 | 1,067 mm |
電化区間 | 全線(直流1,500V) |
最高速度 | 120km/h |
複線区間 | 千葉〜上総一ノ宮/東浪見〜長者町/御宿〜勝浦 |
単線区間 | 上総一ノ宮〜東浪見/長者町〜御宿/勝浦〜安房鴨川 |
第一種鉄道事業者 | JR東日本(全線) |
第二種鉄道事業者 | JR貨物(千葉〜蘇我) |
千葉駅(千葉県千葉市)から安房鴨川駅(鴨川市)までを、房総半島の東側を経由して結ぶ延長93.3kmの鉄道路線である。
路線名の由来は外房地域から取られた。
1929年(昭和4年)に「房総線」として全線開通し、1933年(昭和8年)に「房総東線」に改称。
1972年(昭和47年)には全線電化されて同時に外房線に改称された。
蘇我駅と安房鴨川駅で接続している内房線とは一時期「房総線」として同一路線だった為両者の関係は深く、長きに渡り直通運転が行われている。
運行形態
ここでは外房線系統の列車のみ記載する。内房線系統は当該項目を参照。
特急
定期列車では「わかしお」が東京駅〜上総一ノ宮駅・勝浦駅・安房鴨川駅間で運行されている。
下りの17号・21号のみ勝浦から普通列車に変更し安房鴨川まで運行されるが、かつては上りも含めて末端区間が普通になる列車が現在以上に設定されていた。
この他に臨時列車扱いで毎週土休日に新宿駅〜安房鴨川駅間に「新宿わかしお」が設定されている。
快速(総武快速線直通)
朝と夕方以降に上総一ノ宮発着で総武快速線との直通列車が設定され、一部はその先の横須賀線にも直通する。
過去には日中も運転され国鉄民営化直後は勝浦まで、その後短縮され大原まで運行されていたが、2004年(平成16年)10月16日ダイヤ改正以降は現在の運行区間となった。2010年(平成22年)12月4日ダイヤ改正で後述の京葉線直通快速が設定された為日中の運転が取り止められた。
通勤快速・快速(京葉線直通)
当初は京葉線との直通は朝と夜のみだったが、前述の総武快速線直通快速の日中の運転が取り止められた為、代わりに設定された。朝夜の快速は総武快速線直通と同じ停車駅だが、日中の快速は外房線内は各駅に停車し、上総一ノ宮で安房鴨川方面発着の列車と接続する。また土休日は後述の通勤快速の代わりに勝浦駅・東金線成東駅発着の列車が設定され誉田駅で増解結を行う。この列車は上総一ノ宮〜勝浦間は普通列車として運行される。
通勤快速は平日に設定され、朝は上り、夜は下りが運行される。外房線内の停車駅は途中駅を通過する快速と同じ。2022年(令和4年)3月12日ダイヤ改正で上総一ノ宮発着の列車は全て快速に格下げされ、現在は勝浦・成東発着の1往復のみ設定されている。なお勝浦発着の編成は快速同様上総一ノ宮〜勝浦間を普通列車として運行する。
普通
2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正以降は上総一ノ宮で運行系統が分割され、千葉〜上総一ノ宮間と上総一ノ宮〜安房鴨川〜内房線木更津間の運行に大別される。これにより全線通しで運行される列車は一部時間帯で存在するものの、大幅に削減された。
駅一覧
●の駅は通勤快速と快速が停車、○の駅は昼間の京葉線直通快速のみ停車。
駅名 | 読み | 総武快速 | 京葉快速 | 乗り換え路線 | 備考 |
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千葉 | ちば | ● | 快速及び一部特急は総武快速線へ直通 | ||
本千葉 | ほんちば | ● | |||
蘇我 | そが | ● | ● | 京葉線/内房線 | |
鎌取 | かまとり | ● | ● | ||
誉田 | ほんだ | ● | ● | 当駅発着あり | |
土気 | とけ | ● | ● | ||
大網 | おおあみ | ● | ● | 東金線 | 一部直通 |
永田 | ながた | レ | ○ | ||
本納 | ほんのう | レ | ○ | ||
新茂原 | しんもばら | レ | ○ | ||
茂原 | もばら | ● | ● | 当駅発着あり | |
八積 | やつみ | レ | ○ | ||
上総一ノ宮 | かずさいちのみや | ● | ● | 当駅発着あり | |
東浪見 | とらみ | ● | |||
太東 | たいとう | ● | |||
長者町 | ちょうじゃまち | ● | |||
三門 | みかど | ● | |||
大原 | おおはら | ● | いすみ鉄道 | 当駅発着あり | |
浪花 | なみはな | ● | |||
御宿 | おんじゅく | ● | |||
勝浦 | かつうら | ● | 当駅発着あり | ||
鵜原 | うばら | ||||
上総興津 | かずさおきつ | ||||
行川アイランド | なめがわあいらんど | ||||
安房小湊 | あわこみなと | 当駅始発あり | |||
安房天津 | あわあまつ | ||||
安房鴨川 | あわかもがわ | 内房線 | 直通あり |
現在の使用車両
自社車両
記載の無いものは全線で運用。
E257系500番台・5000番台
500番台は幕張車両センター所属。5両編成。
特急「わかしお」で使用される他「新宿わかしお」の運用に就く事もある。
5000番台は大宮総合車両センター東大宮センター所属。9両編成。「新宿わかしお」で使用。
209系2000番台・2100番台・2200番台(B.B.BASE)
幕張車両センター所属。2000番台及び2100番台はワンマン運転列車以外の普通列車と東金線直通で使用。
なお2100番台C612編成は後述の脱線事故の当該車両。
2200番台は臨時列車で使用。
E131系0番台・80番台
幕張車両センター所属。上総一ノ宮〜安房鴨川〜木更津間のワンマン運転列車で使用。
E217系・E235系1000番台
鎌倉車両センター所属。基本編成は10両で4・5号車はグリーン車、付属編成は5両。横須賀・総武快速線直通快速として千葉〜上総一ノ宮間で使用。
E217系の基本編成は過去に大原まで乗り入れていた。
209系500番台・E233系5000番台
京葉車両センター所属。10両編成。
京葉線直通列車として蘇我〜勝浦間で運用される他、内房線普通運用で千葉〜蘇我間にも入線する。
なお上総一ノ宮〜勝浦間はE233系6両編成、東金線には4両編成のみ乗り入れる。
過去の使用車両
国鉄民営化後の車両のみ記載
自社車両
183系
幕張車両センター所属。特急「わかしお」及び末端区間の普通列車、「おはようわかしお・ホームタウンわかしお」で使用された。
JR貨物所属
EF64形1000番台
愛知機関区所属。京葉臨海鉄道直通貨物列車の牽引機として使用された。
置き石による脱線
2020年(令和2年)5月8日、安房鴨川発千葉行普通第280M列車6両編成(209系2100番台C612編成)の1号車(クハ208-2112)が、安房鴨川〜安房天津間の「第一新田踏切」通過中に脱線し、乗客1名が負傷した。
事故発生前の4月21日の午後に同踏切内で列車が異音を感知して緊急停止する事象が2件続けて発生しており、この時も現場付近に粉砕された石の跡が複数残っていた事から千葉県警は往来危険の疑い、即ち置き石による事件の可能性を考慮して捜査を開始。
5月19日に置き石を行ったとして往来危険の非行事実で当時10歳の男子小学生が児童相談所に書類送検された。犯人が小学生だった事、少年が当時「実験でやった」と供述していた事から、ニュースでも度々取り上げられていた。
しかし少年が書類送検された理由は「置き石」による件のみであり、その後の事故調査において脱線との因果関係はあくまで「可能性がある」として断定はされなかった。
なお当該車両であるC612編成は同年6月19日に運用復帰したものの、翌2021年(令和3年)4月28日に廃車回送された。