「ようこそ キタカミへ」
「まずは 土の味 噛み締めなさい」
概要
『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』に登場するキャラクター。追加コンテンツ『ゼロの秘宝』で初登場。
キタカミの里出身で、ブルーベリー学園に通う女の子。学年は3年2組。
スグリと並ぶDLCにおけるライバルポジションであり、彼の姉でもある。
人物像
気が強く身勝手で好戦的な一面もあるが、弟のスグリを不器用ながら気にかけており、良くも悪くも姉という存在を体現しているキャラクター。
自分とスグリの理解者である公民館の管理人には面倒を見てもらっているが、彼に何度も説教をされている模様。しかし本人はあまり懲りている様子がなく、キタカミの里でも有名な悪童らしく祖父も頭を悩ませている。
他の地方から来た人間には「よそ者」と言っては冷たい態度を取るものの、一度打ち解ければ面倒見の良い所も見せ、悪人というわけではない。
主人公とも最初のうちこそよそ者扱いしたことがきっかけでバトルに発展してしまうなど、ぎくしゃくした雰囲気だったが、弟とペアを組むよう頼んだことがきっかけで次第に気にかけるようになっていき、さらに後半以降は行動を共にしたことで完全に打ち解けた。
バトルでは急所直撃時に「急所ってどこよ! 絶対当たってないから!!」とメタな発言をするなど、プレイヤーからは「残念な美人」と評されている。
彼女の残した台詞についてはゼイユ語録を参照。
また、感情が昂った時に拳をわなわな振るわせる動作が印象的。
ただ、嫌がらせをしたという自覚はあるらしく、最後のバトルで「いいえ」を選択すると悲しそうな顔で「根に持っている?」と聞いてくる。
自分の容姿に自信があるのか、後述の事件の際には「ヤバくなったら自分の美貌で何とかする」と宣ったり、キチキギスを見た際に自分に似て綺麗な顔をしていると感想を漏らす他、主人公とスグリの三人で写真を撮る際もセンターを取る等、ナルシストな一面もある。
何かとコミカルな発言をするが故にネタキャラとして見られがちであるが、もちろんそれだけではなく、ストーリー中では、とある一件から自身の遠い祖先から続く真相と現実を突きつけられることになる。
好物は焼きそば。後にリリースされた番外編では、様子がおかしくなってしまったゼイユのために祖父母が焼きそばを買いに行くシーンが描かれた。
またカナヅチである。
DLC後編「藍の円盤」では、ブライアと共に調査で各地方を回っていることが明らかになった。
姉弟揃ってリーグ部に入ってはいるものの、彼女は各地方を回っている関係で殆ど部室に顔を出せていなかったという。
幽霊部員状態だが、本人曰く実力はブルべリーグ四天王を超えているとの事。実際に戦ってみたときの強さはレベルは高いが四天王ほどの手ごたえはない感じで、彼女のビッグマウスと見られることもあるが、同じリーグ部所属で四天王の一角であるカキツバタから「四天王を超えている」発言をやんわりと肯定されたり、戦闘狂であるネモに目を付けられ何度もバトルに付き合わされたりと設定的には間違いなく強者側である。
カキツバタが主人公に言ったデート発言に戸惑ったり、特別講師同士で発生する会話で恋愛関係の話題に興味津々だったりと意外と乙女な一面もある。
放課後のブレスでは弟のスグリ共々、カメオ出演した。
スマホロトムでアカデミーの動画を視聴していた模様。
キタカミには祖父母しかおらず、姉弟の両親との関係は不明だが、自室にはおそらく(違うかもしれないが)母親と思わしき茶髪の女性と一緒に撮られた写真が飾られている。
容姿
睫毛と唇が特徴的、自他ともに認める美人。左目の下には泣き黒子がある。
一見するとクールビューティーを地で行くようなルックスだが、上記のように言動がコミカルなうえ感情の発露が激しいため、劇中ではそういった雰囲気は全くと言っていい程感じられない。
感情が昂ると瞳孔が極端に細くなり、所謂「蛇眼」になる。ちなみに、これは弟のスグリも同様で、終盤に主人公と本気のバトルをした際に、姉と同様瞳孔が細くなる描写がある。
なお、今作の登場人物の中でもかなり背が高い。
同じブルーベリー学園のカキツバタや、ゼロの秘宝番外編にて対面したネモ、ペパーよりも背が高い。
ネモの方も、フィギュアのスケールから推定された身長が172cmとされている為、ゼイユはそれ以上である。
オーバーラップ社より発売された、ゼロの秘宝公式ガイドブックに収録されている設定資料集にも『背が高く、
手足・首が長い』という記載があり、背が高いことは公式設定である。
服装
普段は制服姿だが、『碧の仮面』のオモテ祭りでは藍色の甚平を着用し、頭にマシマシラのお面をつけた姿をする。
弟とお揃いの黄色いヘアバンド(カチューシャ?)とウエストポーチは常に身につけている。
ブルーベリー学園のキャラとしては珍しく制服をアレンジしておらず、指定の冬制服をきちんと着ている。靴も標準のスニーカーである。
活躍
- 碧の仮面
上記にある通り色々と残念な人物像で口も悪いが、心根は弟想いの優しい人物。
スグリが家で主人公の事を話しているのを見て弟とポケモンバトルをしてほしいと頼んだり、一緒のペアになってほしいとお願いした。
オモテ祭りに行く際に主人公の分のお面を一生懸命探したり、自分が大事にしていた鬼のお面を主人公に渡そうとしたスグリを「お面は祭りでも買えるから」と止めている。
スグリがみどりのめんを持ち去った時も主人公にキチンと謝るように促したりもしていた。
主人公と共にオーガポンに出会った際も「考えすぎかもしれないが自分たちだけが会ったとスグリが知ったらヤな気持ちになるかもしれない。今から鬼を追いかけて危ない夜の山に入られても困る」と考えて秘密にしていた。
このように弟想いでありスグリも姉を嫌ってはいないのだが、今回に限ってはゼイユの普段の態度やスグリのオーガポンへの執着心によりマイナスの方向に向かってしまう。
みどりのめんを祖父に見せた際、オーガポンとともっこ達の真実を知った時に「出るとこ出てやる!」と憤慨。その後、ともっこ達が復活してキタカミセンターに保管されていたお面を持ち去った(正確にはともっこ達を英雄だと勘違いしている職員達がお面を差し出した)ことで、オーガポンを守りつつともっこを成敗するために『お面とり戻し隊』を結成して主人公とオーガポンと共にお面を取り戻していくことになる。
スグリが村人のオーガポンへの誤解を解いた際には、口下手な彼が勇気を出したことを褒めている。
その後スグリは主人公へオーガポンの所有権を賭けてバトルを申し込む。ゼイユは「気持ちはわかるがオーガポンの気持ちも考えるべき」とスグリを説得するも彼は聞く耳を持たずにバトルが始まってしまう。最終的にオーガポンは主人公のポケモンになるがスグリはふさぎこんでしまった。
その際には自分がオーガポンの事を秘密にしようと言い出したのが原因だと責任を感じていた。
最後に主人公とバトルを行い、ブルーベリー学園の生徒は一足先に帰ることになったのだが、最後に言いたいことがあると主人公たちに挨拶を行う。彼女が主人公たちに冷たく当たっていた理由はキタカミの里によそ者が来るのが嫌だったからだった。
大切な場所に土足で踏み入られる気がしていたらしいがアカデミーの生徒達と過ごしてみると全くそんなことはなく、みんなと話していると面白いので食わず嫌いは良くなかったこと、そしてみんなが来てくれたことに対してありがとうとお礼を述べている。
「来てくれたのが あんたでよかった」
主人公を大切な『友達』として認めており、ブルーベリー学園には強いトレーナーが多いから遊びに来るようにと誘い、別れの言葉は言わずに去っていった。
ゼイユはよそ者に対する認識と態度を改めることができたが、スグリはまだ立ち直っておらず、姉弟の問題は残されたまま後編へと持ち越されることとなる。
ちなみに主人公やオーガポンと共に過ごしていたためかオリエンテーリングの看板めぐりは遅れていたようであり、彼女のパートナーの学生曰く帰る日の朝に「マッハパンチで看板めぐりを終えた」らしい。
帰る日に早起きをした理由は主人公とバトルをする時間を作るために急いで看板めぐりを終わらせる必要があったからのようだ。
- 藍の円盤
母校のブルーベリー学園で再登場。今回はゼイユの自室も登場する。
キタカミの里を出発してからはブライアと共に各地を回っていたが、交換留学実施時にはブルーベリー学園に戻っており、自ら連絡を取って主人公と再会。
彼女なりの歓待の直後、偶然変貌したスグリとニアミスし主人公にその経緯を伝えた。また直後に現れたカキツバタについても紹介している。
リーグ部に所属しているが、林間学校参加以降は課外活動が続いているためブルベリーグはランク外。
それでも面通しは十分されており、特に四天王ネリネとは「おもしろい女」と評して良好な関係を築いている。一方カキツバタについては不真面目な態度に加え「裏で何を考えてるか分からない男」として信用を置いておらず、「頭フワ男」と呼ぶ等辛辣に接し主人公にも警戒を促すほどに嫌っている。
- 番外編
藍の円盤での出来事の後、休学した弟に付き添う形で再度キタカミに帰省していたところ、事件の黒幕の襲撃を受け、最初の被害者となってしまう。→キビキビパニック
その後主人公とスグリの活躍により事態は収束したものの、彼女自身の出番は最初と終盤しか無い。
が、それでもプレイヤーにはしっかりとインパクトを残していく事となった。
ちなみに弟と共にネモに10回以上もバトルに付き合わされたそうな。
その後は、それまで幽霊部員状態だったリーグ部にもちょくちょく顔を出すようになる。
スグリが無事復学し、主人公とも仲良くやっている様子を見て、「あたしも過保護すぎたかもしれない」「ちょっとさみしいけど、これからはスグのことを適度に見守ることにする」と述べ、事件を経て大きく成長した弟のことを喜んでいるようであった。
手持ちポケモン
最終的な手持ち(碧の仮面)
ちなみにグラエナはスグリの手持ちポケモンでもあるオオタチの天敵である。
また終盤で大きく手持ちの構成が変わるスグリに対し、彼女は最後まで同じ個体を育成し続けていたのも対照的。なつき進化のハハコモリも手持ちにいることなどからポケモンを大事にする優しさが垣間見える。
最大の特長はモルペコがきあいのタスキを所持している事、例外(BDSP)を除いてもバトル施設やラスボス(ゲーチス、メガストーン、オーリム博士、フトゥー博士)以外でネームドトレーナーがガチ対戦のアイテムを持ち出してくるのはかなり珍しい。
(他は剣盾の勝ったらバトル用アイテムをくれるトレーナーやアクロマぐらい)
これはスグリも同様。
きあいのタスキで耐えてからのオーラぐるまのコンボが凶悪で、キタカミの里で捕まえたレベルの低いポケモンなら蹴散らされてしまう、現地のポケモンならヌオーやサンドパンなどの地面タイプのポケモンがおすすめ。
また、空気を読んで初手オーガポンで挑む場合グラエナのいかくをまけんきで逆利用できる。
藍の円盤
ブルーベリー学園で主流のダブルバトルへの対応に加え、主人公との再会までに新たに加入したポケモンにより枠が上限を超えたようで、一部手持ちが変更された。それでもグラエナとヤバソチャを入れているあたり、ポケモンを大事にする心根は変わっていないようだ。
最大の変更点はテラスタルオーブがブルーベリー学園でも支給されたことで、ゼイユも初となるテラスタル発動モーションを見せてくれる。
なお、指定こそないが今回もオーガポンを出すと反応してくれる。ただし隣にノーマル・飛行タイプで草に強いドデカバシがいるので注意。
ブルーベリー学園(番外編クリア後・リーグ部)
- グラエナ♀Lv.82
- ドデカバシ♀Lv.82
- モルペコ♀Lv.82(きあいのタスキ)
- キュウコン♀Lv.82
- ズルズキン♀Lv.82
- ヤバソチャ(オッカのみ・テラスタルくさ)
番外編ではバトルの機会がないが、クリア後からリーグ部に顔を出すためここで再戦可能に。
碧の仮面・藍の円盤本編での手持ちを可能な限り集結させたオールスターで挑んでくる。
モルペコのきあいのタスキも相変わらずだが、ダブルバトルなので比較的潰しやすいか。
なお、再戦で勝った上で交流を深めるとチャデスを交換に出してくれる。
名前について
名前の由来は、
- 「オゼイユ(和名では「スイバ」)」と呼ばれるタデ科の多年草
- 花言葉は「愛情」「博愛」「親愛の情」「忍耐」
- スグリ科の落葉低木「フサスグリ」の別名「グロゼイユ」
- 花言葉は「私はあなたを喜ばせる」「目新しい」「新しい経験」「珍しさ」「予想を裏切る」「幸せの訪れ」「真の幸福」「感謝の気持ち」
あたりが考えられる。弟の名前が“スグリ”であることを踏まえると、後者の説が有力だろうか。
関連タグ
ゼイユ(トレーナー):表記揺れ。
グラジオ、ネズ:過去作のうちポケモンSMとポケモン剣盾それぞれに登場する重要キャラクターのリーリエとマリィの兄達。柄が悪いように見えて根は悪くなく家族思いな一面が共通しており、特にネズは田舎の出身かつ下のきょうだいと違って流暢な標準語を話す点も同じ。ただし両者とも、ゼイユと違って性格は基本的に冷静で落ち着いている。
クララ、セイボリー:前作におけるDLCのライバルキャラ。クララとは性別が女性であること、セイボリーとは会話の際にユニークな言い回しを用いていたことが共通している。また、裏表の激しい面があるが本質的には仲間思いで真面目な人物であることも共通点として挙げられる。