鎮守府
ちんじゅふ
日本海軍
日本海軍が艦隊の本拠地として、更に所轄海軍区の警備・管理を統括する為に設けた軍事機関である。
1876年東海鎮守府が横浜に開設(のち横須賀に移転、横須賀鎮守府に改名)、次いで呉市・佐世保・舞鶴の地に設置された。
鎮守府の司令長官は大将や中将で、海軍大臣から軍政の、軍令部長(軍令部総長)から作戦計画の指示を受けた。
鎮守府では主に海軍区の防備や艦艇の統率・補給・出動準備、兵員の徴募・訓練、施政運営・監督に当たった。
第二次世界大戦後は廃止されたが、各鎮守府は後に海上自衛隊の地方総監部として継承された。
(この際、鎮守府と重要度は同程度だが母港とする艦のない“警備府”だった大湊が“格上げ”され、5地方隊となっていたが、2024年度の組織改編により横須賀地方隊に統合、「大湊地区隊」に格下げされる)
『艦隊これくしょん』の鎮守府
DMM.com配信のブラウザゲーム『艦隊これくしょん』でもプレイヤーの拠点として鎮守府は登場する。
『艦隊これくしょん』では艦艇の擬人化キャラクターである艦娘達の母港本拠地にして、対深海棲艦の最前線。
鎮守府内には艦隊の執務室、艦娘達の居住空間のほか、艦娘その物と彼女らの装備を建造開発・解体する工廠や、艦娘達を修理する療養施設が存在する。その規模を考えるとかなりの大型施設だと言える。
周辺には、コンビニや港の外の洋食屋、軽空母の経営する食事処などがある。
執務室
提督と秘書艦が艦隊運用など公務を一緒に行う空間。
壁から床まで改装自由で、畳敷きの和室や、カーペットの洋室や、コンクリート打ちっぱなしの部屋にも改装できる。麻雀セットや診察台、カウンターバーに夫婦用の布団、更には風呂だって置けてしまう。そして改装は一瞬で完了。
…執務室って何だったっけ?
ケッコンカッコカリでは、普通の執務室の描き下ろしグラフィックを見る事が出来、普段とは違う角度から執務室を観察することもできる。(ただし内装は規定のもので固定)
執務室には秘書役の艦娘「秘書艦」(第一艦隊の旗艦)が1人留まり、常に艦隊執務の手伝いや提督の身の回りの世話をしたり、1時間ごとに時刻を知らせる任務(時報)をしたり、遊んだり、昼寝したり、セクハ……つつかれたりしながら自由に過ごす。
そのあまりの自由っぷりから提督と秘書艦のプライベート空間と見る向きもある。麻雀セットやカウンターバーの存在を考えると、艦娘達のレクリエーションに使われている可能性もある。
艦娘寮(公式4コマ版などメディアミックス作品)
ゲーム中では登場しないが、ファミ通コミッククリア連載の4コマ「吹雪、がんばります!」(通称:公式4コマ)など多くのメディアミックスで設定として登場。ゲーム内の「保有艦娘」設定や、各艦娘同士の交流を自然な物とする為に、艦娘達が一まとめで居住している施設として描かれている。
メディアミックス毎に部屋割りや生活スタイルはバラけているため、共有居住施設という設定以外の共通事項は存在しない。名称も作品によって異なり「宿舎」とされている場合もある。
公式4コマでは主に艦級ごとに寮分けされており、更に一部屋2人ずつの相部屋か1人部屋となっている。同居人は基本的に姉妹艦を上から順番に2人組にしたものとなる(姉妹艦の居ない者は赤城&加賀のように立場の似た艦同士の組み合わせとなる)ただし、艦娘側で希望すれば部屋替えや違う艦級の寮への引っ越しも可能(初風は度々部屋替えをしており、まるゆは軽巡寮で木曾と相部屋になっている)。特殊な艦級の場合、関わりが深い艦級がいる寮に行くか、部屋数に余裕がある潜水艦寮に入る事になる。最近は、特務艦や海外艦の人数も増えた為、それぞれの寮が新築された。ただし、明石と間宮、伊良湖はそれぞれの店に自室があるため寮には入っていない。部屋の家具や部屋を構成する建材は、艦娘の好みや特性を考慮した自由なものに出来ている一方で予算不足が目立つ部分もある(明石が御用聞きで補修等の見積もりを立てる事がある)。公式4コマ内では暁型が4人揃って寝ているシーンもあるが、これは暁と響の部屋に雷達が遊びに行っているだけである。
食事(自炊)などの生活サイクルは各部屋ごとに完結しており(空母寮のように一堂に会して食事する場合も有り)、基本的に他の艦級寮の艦娘とは任務以外で交流する機会は少ない。ただし、各寮は出入り自由なため、遊びに行くなどして交流を持つ場合もある。
また、公式4コマにおける「鎮守府」は「艦隊育成学校」の形式を取っており、新造艦の駆逐艦達(おそらく登場する駆逐艦全員)が進水するまでの1年間座学と実践学習の授業を受ける施設となっている。授業は鎮守府待機の軽巡以上の艦娘が持ち回りで教官を行い、演習は上級生である戦艦、空母、重巡、軽巡、潜水艦らが時に兵器を駆使しながら補助をする。43話で初実戦を経て53話で進水式カッコカリを行い、現在は艦隊所属の駆逐艦扱いとなっている。
入渠施設
戦闘で傷ついたり疲労した艦娘を癒やす施設。
ゲーム中では入渠=入浴という台詞を発する艦娘が多く居る事から入浴施設だと思われる。
だが、艦娘によっては入院・食事・エステなどと表現のバラ付きがある為、ただの入浴施設というよりスーパー銭湯や健康ランドのような総合療養施設だと思われる。少なくとも綾波の時報によれば入浴施設ではあるのは確定らしい。
工廠
資材を投入する事によって新しく艦娘を建造したり、艦娘の装備を製造する施設である。艦娘と装備を解体して資材に変える事も可能だが、ゲーム内の解体に関しては、矢矧の時報でのみ唯一言及されている。
主に働いているのは例の妖精さん達であり、彼女たちがハンマーで叩いたり、バーナーで焼いたりして艦娘を作っている。作っている最中に見える普通の船のようなシルエットが、どうやって艦娘になるのかは謎。
2013年12月からは上位クラスの強力な艦種が建造可能な「大型艦建造」が実装。「他のドックをなるべく多い数空っぽにしておくとそこの妖精さん達が応援に行くので良い建造結果になる可能性が上がる」とゲーム開発担当がTwitterで明かしている。
装備開発は秘書艦が施工しているのか、製造される装備は秘書艦の艦種と投入資材のレシピの組み合わせによって左右される。ちなみに装備開発を失敗すると、ダンボール詰めされた謎のペンギンと綿状キャラのセットが登場する。
2014年10月24日には、工作艦明石を秘書艦にしている時にのみ利用できる「改修工廠」なる施設も登場した。ここでは明石主導の下、改修資材などを消費して既存装備の強化などを行える場所であり、第一艦隊二隻目の艦娘や曜日によって改修できる装備は変わってくる。
なお、2015年秋のミニイベント「秋の秋刀魚祭り」で入手できる装備「秋刀魚の缶詰」のイラストにて、製造者が「間宮 明石工廠」となっていた事から、間宮で調理した秋刀魚の蒲焼は工廠で缶詰にされている模様。また、「明石工廠」となっている事から、明石が工廠の責任者のようである。
間宮
給糧艦間宮と、彼女が提供する料理を指す。
ゲーム中での間宮はただの疲労回復アイテム扱いだが、艦娘達の台詞の中では、母港でアイスや和定食、カレーなどの食事を振舞ってくれる立場である。詳細は不明だが、プレイヤーの間では食堂や菓子店、酒保(基地内の売店)を経営していると解釈されている。また、上記の通り、工廠との連携で缶詰の製造も行っている模様。
実際に公式4コマでは、ハロウィンの際に購買施設のような形で登場した。第45話は甘味処間宮が舞台であり、お茶菓子から伊勢海老まで様々な食料品が揃っていることが判明。更には自炊できなかったり、しない艦娘のために食事の販売提供も行っている様子。
給糧艦は他にも伊良湖という艦娘がおり、公式4コマなどでは間宮の助っ人として一緒に働いている姿を見る事が出来る。
他、判明している設定
以下、艦娘の台詞より(カッコ内は証言者)。
・全員起床(総員起こし)時刻は6時。(翔鶴、天城、吹雪、綾波、叢雲、朝雲、山雲、野分、早霜、秋月、まるゆ、大淀、香取)
・20~23時は軽巡の川内が騒いでいてうるさいと苦情が殺到している。(翔鶴、瑞鶴、天城、秋津洲、大井、鬼怒、夕張、朝雲、初風、高波)
・艦娘と提督皆それぞれが好きなように自分用の料理を自炊できる環境がある。
・自炊した料理を他の艦娘に分けてあげる交流も良く見られる。
・朝昼晩夜すべての時間帯で食堂、間宮、外食などを利用可能(それぞれの営業時間は不明。内容も和洋中から高級料理店まである様子)。
・秘書艦が持ち回りでカレーを作る習慣がある。(大鳳)夜食のカレーも当番制である。(最上)
・実際艦娘の数だけカレーのバリエーションがあり(鈴谷、早霜)、昼食や夕食を外食で済まさないケースでは結構な人数がカレーを作っている。(金剛、比叡、天城、大鳳、龍鳳、秋津洲、妙高、足柄、最上(三隈が作成)、大井、能代、吹雪、叢雲(白雪が作成)、暁、天津風、早霜、伊168、まるゆ、明石、大淀、香取)
・100人前規模の大量の食材調達も秘書艦に申請すれば比較的容易に手に入る。(大淀、足柄)
・金剛主催のティーパーティーのほか、金剛型姉妹が集まってよくイベントをやっている。(巻雲、長波)
・「高速戦艦の会」と言う名の呑み会がある。提督参加可。(ローマ)
・「正規空母の会」という名の夕食会もある。装甲空母及び提督参加可。(グラーフ・ツェッペリン)
・山雲がラバウルで教えてもらった家庭菜園でジャムに加工できる野菜を作っている。(山雲)
・陸軍の船舶司令部とは雰囲気が全然違う。(あきつ丸、まるゆ)
・片隅に小料理屋(or居酒屋)が開店している。(千歳)
・鎮守府には提督(プレイヤー)の他にも男性が勤務している。ただしこれには「艦娘を見間違えた説」「同泊地(サーバー)の別提督説」など諸説ある。(山雲)
・クリスマスパーティ、節分、バレンタインのお菓子作り、水着でビーチバレー、秋祭りなど、季節のイベントは艦隊規模の盛大なものとなっている。
・「鎮守府罐詰株式会社」なる組織が秋刀魚の缶詰を納入している。
・クーラーのような空調設備はない様子。ただし龍田の季節ボイスから存在しないのではなく、設置しないだけらしい。冬は炬燵などの暖房器具で暖を取っている。
派生作品の鎮守府
- 吹雪、がんばります!
新造の艦娘が通う艦隊育成学校。艦娘寮の設定が登場したのもこの作品。この作品では執務室に作られたカウンターバーは早霜がマスターとなっており、清霜がその手伝いをしている。寮はペット可。
第91話で一部の艦娘達がほおずき市に出かけたため、場所は横須賀鎮守府である可能性が高い。
ゲームと同様の設備があるが、工廠が神社のような姿をしており、ファンタジー色が強くなっている。ペットは禁止だったが、「とある鎮守府の一日」途中で鎮守府内で特別に猫が飼われる事になった
鎮守府は小規模なものが各地に乱立しており、原作ゲームでいう艦隊司令部1つ分程度のものも多いようである。形態も様々で、温泉旅館や歌劇団の鎮守府も公式リプレイに登場している。
港町近くの廃旅館を借用しそこを鎮守府としている。
ただし、工廠などは旅館から離れた位置にある本来の鎮守府に付随している為、利便性の面では難があるようだ。
作中で横須賀・呉・佐世保の各鎮守府が舞台となり、名前だけであるが舞鶴鎮守府も登場しており、基本的にゲーム準拠。但し妖精等は一切登場せず、技術者や衛士、事務職員など提督と艦娘以外の後方勤務スタッフも多数存在するとされ、派生系作品では実在の鎮守府・地方隊基地に最も近いイメージ。
本作の舞台は、深海棲艦が出現しない海域にある鎮守府。
ゲームと同様の設備があるが、補給施設はガソリンスタンドのような外見になっている。
- お役立ち!鎮守府調査隊
辺境の海域にあるという設定。
本作においては単行本1巻につき1回は艦娘達の手で破壊されるという嫌なジンクスがある(登場人物達がほぼ同じアンソロジー時代も何回か破壊されている)。
アンソロジーの設定も反映されているようで、2巻収録の番外編によると度重なる鎮守府再建で艦娘達が建築練度がMAXになっているため数日で再建可能とされており、第14話で破壊された鎮守府を再建したついでにスペアの鎮守府の建築が始まっていた。
教室、講堂、浴場、宿舎(本作では寮ではなくこの呼称。二人一部屋と思われる)、多数の倉庫が存在しており、この中の一つから敷波が学生バンドの音楽映像を見つけ、またジャズバンドの練習場所も倉庫の一つを借りている。
別世界のはずだが『今宵もサルーテ!』における地下バーも存在する(建物の外見も窓の配置が同じなので全く同じ倉庫が存在すると思われる)。
駆逐艦娘が授業を受ける教室、艦娘寮(吹雪達は3人部屋)、浴場(入渠用の浴槽も設置)、甘味処などがある。出撃用の施設が地下にあり、艦娘はインクラインのような仕掛けで加速されながら、艤装を装着されて出撃する。
主人公である時雨が所属しているのは佐世保鎮守府(佐世保以外にも鎮守府がある事は明かされている)。
人間の技術者や守衛が存在するという『陽炎、抜錨します!』に近い描写がある一方で妖精さんも存在する。
二次創作の鎮守府
提督が1人だけいる場合が多く、原作ゲームのような提督が大勢いる様子が描かれる事はあまり多くない。とはいっても二次創作が多い分、同じ鎮守府に大勢の提督が出てくる作品もそれなりにある。
「艦隊これくしょん(二次創作)」も参照。
サーバー名としての「鎮守府」
システム上「鎮守府」にあたるのは各サーバーであり、「横須賀鎮守府」をはじめとする(警備府以下も含めた)旧海軍の根拠地名が命名されている。初期は名無しの単一サーバーだったが、増加する提督数に対応するため増設が行われた2013年7月以降は固有名が与えられるようになった。この際に改名された初期サーバーが「横須賀鎮守府」である。
日本国外にある地名を冠しているものも多いが、『艦これ』の世界内での設定とどの程度関連があるのかは不明。仮に直接的な関連があるとすれば、「ラバウル基地」所属の提督などは鎮守府海域(二期移行後のマップでは明らかに日本近海として描写されている)に出撃する度に赤道を越えて本土との間を瞬間移動していることになってしまうのだが……(これは第二期になって実装された西方海域で明確に海域舞台となっているブルネイ泊地とタウイタウイ泊地へ行く本土側にも言えるが)。
「鹿屋基地」「岩川基地」に至っては現実世界では内陸にある航空隊の基地であるにもかかわらず、執務室からは港が見えている。このため一部では「名前だけを借りて海岸に建設された新規の拠点なのでは」などと妄想が深められている。まあゲーム上の表現と言ってしまえばそれまでなのだが。
2015年冬イベの舞台モチーフとなったトラック泊地をはじめ、イベントで舞台モチーフとなる鎮守府や泊地がいくつか出ているが、当然舞台となっている鎮守府/泊地サーバーの所属かどうかはイベントには全く関わらない。
なお2chではサーバーごとの艦これスレが立てられていた時期があり、ここから各鎮守府独自のネタが生まれたりもしている。
サーバー名
以下は現在のサーバー名である。表記は稼働開始順。
- 横須賀鎮守府:上記の通り艦これ最古のサーバー。このため古参勢が多い傾向にある。古いサーバーだけに猫の襲来が多い。
- 呉鎮守府(新呉鎮守府):横須賀から溢れた提督の受け皿として最初に増設されたサーバー。2016年冬イベ中、外部からの攻撃を受けて新サーバー「新呉鎮守府」に疎開した。
- 佐世保鎮守府:横須賀・呉から溢れた提督の受け皿として急遽設立されたサーバー。
- 舞鶴鎮守府:上記三サーバーから溢れた提督の受け皿として(ry 殺到する提督のため安定動作までにかなりの時間がかかり、そのお詫びとして所属提督に家具「『舞鶴鎮守府』掛け軸」が配布された。以後、期間を開けつつも各鎮守府ごとに掛け軸が配布されている。
- 大湊警備府:負荷軽減のため予定前倒しで開設された。上記四サーバーから左遷……もとい異動してきた提督が多かったが、その一部は二期移行に伴う再編成で再び古巣に帰っていった。
- トラック泊地:初の日本国外の泊地/基地の名前が付けられたサーバー。2015年冬イベの舞台モチーフとなったため、所属提督のうち当該イベをクリアできなかった提督が冗談半分に「幽霊」と呼ばれることがある。
- リンガ泊地:前倒しで開設されたサーバーの一つ。
- ラバウル基地:運営が「決戦サーバー」として投入するも数時間で埋まったムツリムの聖地。所属人数が初めて10万人を超えたサーバー。2018年7月20日夜にデータベースに障害が発生し、同日4:00のバックアップデータで再構成するロールバック(巻き戻し)処理が行われた。
- ショートランド泊地:着任要求に対応するため急ピッチで開設された。
- ブイン基地
- タウイタウイ泊地:開設記念として大鳳が実装されている。
- パラオ泊地:まるゆに並々ならぬ愛情を注ぐ名物提督「パラオのまるゆ提督」で有名。
- ブルネイ泊地
- 単冠湾泊地:最初の難読地名サーバー。
- 幌筵泊地:難読サーバー二号。かの「山本ハーロック五十六」提督が所属しているのはここ。
- 宿毛湾泊地:難読サーバー三号。
- 鹿屋基地:2015年冬イベント初日に外部からの攻撃を受けている。初の「海無し鎮守府」。
- 岩川基地:海無し鎮守府二号。
- 佐伯湾泊地:難読サーバー四号。
- 柱島泊地:最新・最大のサーバー。人数が多いため、ランカー争いが過酷なことで悪名高い。