中国の漢民族本来の料理である料理が描かれている絵に付くタグ。
全体的な概要
「中国本来の」と言っても、長い歴史の間に色々な要素が流入しているし、変化したものも多い。
現在は箸を縦に置くが、元々は日本と同じく横置きだったし、ご飯は韓国料理のように匙(スプーン)で食べていた(古代では指でつまんでいたという)。味付けも、油脂を多用するのは比較的新しい時代で、宋の頃は味付けも淡白で、むしろ日本料理に近かったらしい。またその頃までは肉や魚の生食の習慣もあった。犬を食べる習慣のように、長年にわたり衰え続けたのが現代になってリバイバルしたものもある。
ともかく、日本料理との分かりやすい違いは以下の通り。
・油脂の使用が多い。
特にラードが多く、お菓子にまで使用している(例:月餅)。炒め物も日本の感覚からするとたっぷり油を使う。
・炒め物が多い。
石炭と鉄の生産(特に鋳鉄)において先進国だったため、コークスを使った強火と厚手の鉄鍋が早くから普及した。
・生食はしない。冷たい料理が少ない。
冷たいものは身体に悪いと考える思想から。中国は日本に比べ衛生状態が悪かったこともあり、熱々の食事をとることが重視された。
・保存食品を使った料理が多い。
シイタケ、昆布、アワビ、フカヒレなど。古くから北海道産の海産物が中国に盛んに輸出されてきたため、日本の産物とも縁が深い。
・魚料理は川魚が多い。
海から遠い地方が多いため。鯉やソウギョなどが人気があり、海の魚も白身の方が人気がある。ただし、広東料理など、海鮮で知られる地方料理もある。
・直火調理は原則的にやらない。
焼き魚や焼き肉は家庭では作らない。
もちろん、上記の特徴は現在はその限りではない。
実は一つじゃない中国料理
中国料理と一言に言っても、唐辛子や花椒をたっぷり使った辛い物や、塩味がメインの物とその味付けや調理方法には非常に幅がある。これは漢民族自体が多様な民族文化を基盤とした混成民族だからであり、地方の気候等によって、好まれる味付けや特産品が変わってくるためである。
北方系「北京料理」
主に「北京料理」と呼ばれるタイプ。
パオ(包)系の料理が多く、餃子や肉まん(饅頭:マントウ)はこの地方発祥。
宮廷料理も大部分がこの北方系に含まれる。
味付けの特徴としては塩辛く、濃い目。
西方系「四川料理」
麻婆豆腐やエビチリを始めとした、唐辛子などをふんだんに使った辛目の味付けが特徴の「四川料理」がコレ。
冬は非常に寒く、夏は非常に暑いと両極端な気候のため、その気候に負けない味付けとして唐辛子や山椒(花椒)を多く使うようになった背景がある。
麻婆豆腐のほか、担々麺もこの地方発祥。日本でメジャーな汁あり坦々麺は、陳建民が日本向けにアレンジした物なので、「汁なし担々麺」と言う呼び方は実はあまり正しくない。
南方系「広東料理」
大人気フカヒレや海老餃子はこの南方系に属し、主に「広東料理」と呼ばれる。
海鮮が非常に豊かかつ新鮮なため、食材その物の味を活かすための薄めの味付けが特徴。
また、米を使った料理も得意とする地域。
そして、中華料理屋では外せない叉焼(焼豚)はこの地方発祥。
東方系「上海料理」
「上海料理」が東方系に属する。
実は最もポピュラーな料理が多く、代表的な物だけでも、八宝菜に小龍包にワンタンと定番とも言えるメニューを数多くそろえている。
味付けの特徴としては、豚や魚介を甘めの味付けで仕上げる事にある。
それ以外の料理
日本で比較的よく見るのは「台湾料理」だろう。
福建料理や客家料理から枝分かれした料理だが、日本料理(海産物の多用)や大陸各地の料理(牛肉や小麦の多用)から影響を受け、近頃では台湾原住民の料理も取り込んでいる。
他に「山西料理」「雲南料理」とかもあり、東京でも食べる事ができる。
実は判りやすい中国料理
フランス料理やイタリア料理に比べ、中国料理のメニューはポイントさえ抑えておけば、例え中国語で書かれていても、どんな料理か一発で読み取れる物が非常に多い。
最も判りやすい処では炒飯。これを読み解くと、「炒」とは文字通り炒めると言う意味で、「飯」とはご飯を指す物なので、炒めた米料理と言うことになる。
基本的にメニューの成り立ちは、食材・切り方・調理方をそれぞれ1文字ないし2文字で表しているので、食材と調理方法の読み取り方さえ抑えれば、とんでもない料理にブチ当たる事は殆どない。
ただ、特に香港などで、縁起担ぎのために傍目には訳の分からない大袈裟な料理名を付けている事があるので、その時だけは要注意。
もちろん、日本語と意味が違う漢字や、日本では使わない漢字も多いため、その辺だけは注意。「焼(煮る)」「湯(澄まし汁)」などが代表例。
中華料理に関するタグ
料理
調味料
豆板醤 甜麺醤 オイスターソース 芝麻醤 鶏油 甜醤油 豆鼓 海鮮醤 魚露 XO醤 ラー油