とびらの向こう繋がる想い
とびらのむこうつながるおもい
最上静香たちが出演したチャリティーコンサートも無事に終了し、いよいよ765プロライブ劇場のこけら落とし公演「RAISE THE DREAM!!!」の開催が迫る。開催まであと1ヶ月となり、メンバーは徐々に増える各種メディアでの仕事とこけら落とし公演へのレッスンを並行して行う状況になり、各チームが合わせてレッスンなどをすることは難しかった。
そこで春日未来が取り出したのは、手作りライブで使ったてづくりのぶどーかんの各々のサインが入った布。これを見ると当時の感覚を思い出し、頑張って催事を成功させることができた記憶を呼び覚ますことができると語る。
そしてプロデューサー(P)の提案で、残り1ヶ月の間、公演に向けてMILLIONSTARSは断続的な合宿を行うことが決定。各チームは入れ替わり立ち替わりレッスンを行い技術を教え合いながら成長したほか、入浴・就寝・起床・洗濯などのルーティンも共同で行った。
1週間前、食事にカレーを作り皆で食べる一同。まるでキャンプのような光景に、ジュリアはギターを持ち出し自分達のデビュー曲「トワラー」を弾き語り始める。Team7thの他の面々(舞浜歩・矢吹可奈・北上麗花)もダンスに混ざり、歌い踊る彼女たちのもとには自然と全員が集まっていた。
こけら落とし公演前日。合宿期間中は各チームの代表者がじゃんけんで寝る場所を決めていたのだが、未来は4連敗してしまいなかなか希望の場所を選ぶことができず、その度に泣いて悔しがっていた。しかしこの日はようやく勝利し、ステージでの就寝を勝ち取ったTeam8th。布団に入りながら、伊吹翼・白石紬・桜守歌織、それに未来と静香は、翌日の公演への希望、そして未来と静香の最初の邂逅から始まった、人から人への想いの繋がり、そしてホームとなった劇場への特別な感情を語り合っていた。
12月25日、こけら落とし公演「RAISE THE DREAM!!!」当日。大舞台には善澤記者や「765PRO ALLSTARS」の天海春香・如月千早・星井美希・チーフプロデューサー、そしてある意外な人物も足を運んでいた。
本番直前、アイドル達以上に緊張するPを前に、39人は円陣を組む。周囲からの後押しで未来が掛け声を担当し、大舞台への決意を確かにした。
いよいよ開演の時間。開演の挨拶を担当した田中琴葉は、この劇場は「仲間とのおうち」のような特別な場所だと語り、観客の皆にとっても特別な場所になるよう今日の公演を観てほしいと語った。最初の楽曲は、Team6th(徳川まつり・島原エレナ・エミリー スチュアート・永吉昴・木下ひなた)による「Dreaming!」。
そしてソロ曲のトップバッターは、伊吹翼の「ロケットスター☆」だった。実は1ヶ月前に翼は、静香や未来の姿を見て自分もこのままでいたくはないからとソロ曲の先頭を自分にやらせてほしいとPに頼み込んでおり、バックダンサーを務めた昴・歩・福田のり子と共に見事に役目を果たした。
ライブはまだまだ始まったばかりだが、一方でトラブルの前兆にはこの時点でまだ誰も気づいてはいなかった――。
(随時追加)
- 前回で明確な進展を見せたと思われる静香と静香父の間の問題だが、「しばらく続けていい」という許可を貰ったことが今回で分かる。この「しばらく」が中学卒業以後も含まれるのであれば他作品に類を見ないレベルでの進歩であるのだが、そこまでは流石に明示されることはないのだろうか。
- こけら落とし公演のタイトルが「RAISE THE DREAM!!!」と判明するが、実際にも2023年11月に10thライブAct-3として「R@ISE THE DREAM!!!」という副題のアニメコンセプトのライブが福岡県で開催された。
- 出演者全員が円陣を組み、その横でPが腕を組んで見守るというシーンも本ライブで実際に再現されたらしい。
- 第3話に続き今回でも、BGMとして「Legend Girls!!」が流れる。
- 合宿が開催されるが、全員が1ヶ月間ずっと劇場で寝泊まりをしたわけではなく、学校のない土日を中心に生活を共にしていたことがカレンダーなどから見て取れる。
- これまでのアイマスアニメの伝統として合宿を行う際は「民宿わかさ」という宿泊所にお世話になるのが恒例であったが、今回は劇場が開催地となるため出番はなかった。登場させると各事務所メンバーが残した色紙の世界線の問題が発生するという理由もあるかもしれないが。
- これまでのアイマスアニメでは天海春香・島村卯月といった普通の系譜の面々が曇る(精神的にダメージを受ける)展開が恒例であったが、本作の未来にはあまりそういったシーンは見当たらず(第4話で周防桃子に意見を間接的に否定された場面などが近いが)、今回のじゃんけんで4連敗したのが最大の曇らせなのではと半ばネタで言われている。
- 大神環が鍋を叩いてTeam8thを起こしに行くシーンがあるが、最速放送前週開催の『異次元フェス』やウンババ構文の影響がまだ色濃く残っており、ニコニコ動画では環が出てきただけで「ウンババ」を含むコメントが多数に。
- 高木順二朗社長が差し入れた最中のカットがあるが、『シアターデイズ』のオフショットでは高槻やよいと未来が最中(もなか)を「サイチュー」と読み間違える1コマがある。そこからの引用だろうか。
- 馬場このみがカレーを作っているが、GREE版には「SR 皆のお好みカレー 馬場このみ」というカードがある他、『Brand New Song』では第13話(3巻)と第21話(5巻)で2度もカレーを作っている。またそのとき側にいた琴葉は別にカレーが好きというわけではないのだが(好物はアイス)、複数回カレー関係のコラボの経験があるなど何かとカレーとの縁がある。
- 同じくカレーのシーンで望月杏奈、百瀬莉緒、矢吹可奈の3人が一緒にいるが、この3人はユニット「カプリコーン」で「NO CURRY NO LIFE」という思い切りカレーを主題とした楽曲を歌っている。また、杏奈が「ゲームしながらでも食べれそう」と言っているのは、『シアターデイズ』での同曲のイベントコミュで「ゲーミングカレー」という商品を開発しようとしていたストーリーがあったからだろう。
- こぼしたときの対策などを特に施しているわけでもないのに客席やステージでカレーを普通に食べているのは本当に大丈夫なのだろうか。
- ジュリアが「トワラー」を歌うシーンで他のアイドル達が集まってくる場面では、『Brand New Song』に登場するユニット「アトリエル・シエル」の4人が横に並んでいる。
- 12月下旬の真冬にTeam8thの5人は最終的に布団をまともに着ずに薄着で眠りに就いたわけだが、風邪を引かずに済んだのだろうか(済んだようではあるが)。
- 集大成のライブの開催日が12月25日のクリスマスなのは、ゲッサン版漫画第23話の劇場公演と同じ。また厳密に12月25日かは分からないが、『Blooming Clover』でも『Brand New Song』でもクリスマスにライブが開催されたことがわかっている。
- 本作で初めて翼が美希を「美希先輩」と呼んだ。
- Pの前を通って入場した緑髪の少女は、961プロ所属のアイドルである詩花である。なぜ訪れたのかなど詳しい経緯は作中では説明されていない。
- 開演の挨拶で琴葉が舞台の中央でなく向かって左寄りに立っているが、これは2017年の4thライブで当時のMILLIONSTARSで唯一出演できなかった種田梨沙氏の立ち位置にスポットライトが当てられていた演出が念頭にある(=その時の立ち位置が作中の位置にあたる)のではとも言われている。
- 「ロケットスター☆」で昴・のり子・歩の3人がバックダンサーを務めたのは、この3人がGREE版第2弾(実質ほぼ最初)のイベント「開演!ロケットスタートライブ!」で報酬HNとして登場したことから俗に「ロケット団」と呼ばれているためと思われる。劇場の"はじまり"の象徴としても筋が通っており、またこの3人がサビ前の「(スリー! ツー! ワン!)」の掛け声を言うのだがソロ曲に「WE ARE ONE!!」があるのり子が「ワン!」を担当しているのも芸が細かい。
- エンドカードはふーみ氏の作画。クリスマスモチーフで翼と青羽美咲が描かれている。
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