魔術とは失敬な、れっきとした科学ですよ科学
ま、サーヴァントの私が言うコトでもないですが
プロフィール
※ プロフィールの出典地域は本百科の推測なので注意。
概要
『Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚』に登場するキャスタークラスのサーヴァント。
外見はサングラスをかけてスーツを纏った、一見普通の金髪の青年。
帝都でのマスターは第三帝国の総統閣下(の影武者)。数十体の英霊兵を倒された「総統」に呼び出される形で姿を現すが、アーチャーの一撃を喰らって即座に退場してしまった。
……したかに思えたが、ライダーとアーチャーが激戦を繰り広げている裏側で、唐突に再登場を果たす。アサシンと共にランサー陣営を追い詰めた後に再び消滅。しかし、桜セイバーと魔人アーチャーの最終決戦直後に突如3度目の登場を果たし、遂に自身の正体を明かした。
そして自身の宝具と聖杯を融合させることで、聖遺物『栄光の右手(ハンズ・オブ・グローリー)』を触媒に「総統」を材料に『人造の神(ネオ・フューラー)』を復活させた。
真名
その真名は、『マックスウェル』。より正確に言うのなら、『マックスウェルの悪魔』。
とある根源に挑んだ数学者による思考実験で生み出された架空の存在にして、熱力学第二法則を否定するもの。「熱力学第二法則」は、第二種永久機関が実現不可能であることが証明される理論だが、悪魔として生み出された彼はこの理論の穴を突き、否定された永久機関理論を蘇らせることを存在意義とする。即ち、無限のエネルギーを象徴する概念そのものとも呼べる。この概念上の存在に「無限のエネルギー」を求める人間の欲望が集まり、サーヴァントとしての霊基を得た。
また、これが実現するということは、『魔法少女まどか☆マギカ』や『機動戦士ガンダムUC』などで言及された、エントロピーが極大になった宇宙の終焉「熱的死」が回避できるということになるが、この悪魔が宇宙全体の救済者になりえることについて、どう考えているかは不明である。
人物
一人称は「私(わたし)」。
自身を「悪魔」と名乗り、若干胡散臭いことを除けば、普通の気さくな人間にしか見えない。
その一方で自身の障害となりうる存在が退場するまで死んだふりをしてやり過ごし、失敗することが確実な計画をあえて黙っているなど、悪魔らしい狡猾な面も持ち合わせている。
上述の通りサングラスとスーツがトレードマークで、『帝都聖杯奇譚』ではカーキのダブルスーツ姿で『Fate/Grand Order』では前を開けたモスグリーンのスーツを身に纏っている。
また、後ろ髪も『帝都』版は伸ばし気味で『FGO』版は刈り上げ気味と微妙に異なっている。
目的達成のためなら如何なる手段をも講じ、マスターさえ出し抜く表裏者。
ラスボスを務めたように悪役じみたムーブも多いが、彼は本来人間のあくなき願いから生まれたサーヴァントであるため、その最終到達点は真の永久機関による「人類の幸福」である。
例え目的の実現に到達したとしても、外法による贋物には憤りを顕わにする高潔さはある。
なお、当人の目的はあくまで「自身の論証を完全にする」こと。つまり「永遠を実現する悪魔は世界に“確実に”存在すると“立証する”こと」であり、万一にもその論理が破綻し、尚且つそれに「人類の幸福」と天秤にかけて負債が大きい場合、自死さえ厭わない潔癖さを見せる。『FGO』のぐだぐだイベントでは黒幕のような動きを見せていたが、本懐は「自身のマスターが暴走して作り出した、人命を燃料に動く自身の贋物の破壊」であり、実際にはプレイヤー側の味方であった。
このような在り方から、よく属性を「混沌・善」と誤解されがちだが、冒頭プロフィールに示された通り「中立・中庸」である。それは自身をあくまで「幸福をもたらす存在」と定義するが故の矜持によるもの。幸福をもたらすものが、人類に破綻と堕落をもたらすものであってはならないという「科学の悪魔」としての誇りが、この数式の悪魔の行動原理なのかもしれない。
能力
非常に偏った能力であり、自分に「ある」と定められた能力以外は何一つ持たず、戦闘能力は皆無。敵マスターを人質にしている時も(おそらく召喚後に入手した)普通の銃を使っていた。
その能力は魔力生成に特化しており、宝具の行使によって無限に魔力を生み出すことができる。
生み出された魔力はマスターに提供され、数十体の英霊兵の作成・維持に使用されていた。
ある理由から『帝都聖杯奇譚』の時代(太平洋戦争末期)ではサーヴァントであっても「どうやっても殺すことができない」という特性を持っている。逆に現代で召喚された場合は、下手をすると一般人の理系大学生にすら負けかねないという。信仰度の違いにしてはとんでもなく極端である。
汎人類史においては存在することすら不可能。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
謎の男 | − | − | − | − | − | EX |
摩玖主大僧正 | ? | ? | ? | ? | ? | ? |
※ ステータスは最低値の「E」ではなく「無し」。前述の通り、自力では戦闘すらできない。
保有スキル
悪魔の証明(EX) | 詳細不明。本来は法律用語として用いられる言葉だが、この場合は「新しい根拠が無ければ新しい説は言えない」という所謂「無知論証」の1つである。 |
---|
※ クラス別スキルを保有していない。
宝具
熱力学第二法則の否定(マックスウェルの悪魔)
- ランク:EX
- 種別:概念宝具
- レンジ:−
- 最大捕捉:−
「さて、その私が唯一行使しうる能力、強欲なる人類が夢見た無限の心臓。即ち、“熱力学第二法則の否定”――『熱力学第二法則の否定(マックスウェルの悪魔)』」
強欲なる人類が夢見た無限の心臓。熱力学第二法則の否定により顕現する永久機関。科学の力で無限に近い魔力を生成すると言う矛盾しかない宝具。ただし、完全な永久機関ではなくあくまでそれに似た何か。無限に近いエネルギーを生成する能力を持つが発動にはいくつかの条件がある。
詳細は該当記事を参照。
他作品での活躍
Fate/Grand Order
2018年の期間限定イベント『ぐだぐだ帝都聖杯奇譚』ではバーサーカー共々登場しておらず(李書文も登場はしているが、老人姿でなく若い姿のままなのである意味こちらも同様)、英霊兵や『人造の神』など彼に関するいくつかの要素が設定を変えて登場するに留められた。
また、キャスター枠にはオリジナルの別のサーヴァントが当てられた。
そして翌年の『ぐだぐだファイナル本能寺』にて、冒頭から語り手役として立ち絵付きで登場。
バトルグラフィックなどは存在しないNPC専用キャラクターだが、物語の本筋にも関わってくる重要人物である。マスターは新興宗教の教祖、摩玖主大僧正。また一部ぼかされているが、彼の「産みの親」であるジェームズ・クラーク・マクスウェル本人とおぼしき人物も登場した。
ちびちゅき!
同世界の聖杯で真の計画の遂行を目論んでいたが、メイドオルタによって意図せず潰された。
余談
『帝都聖杯奇譚』において、読者が最も真名当てに難航したサーヴァント。本来の「魔術」ではなく「科学」を力の基盤とし、且つ「悪魔」というキーワードからジェームズ・マックスウェル本人か、ピエール=シモン・ラプラスまたはラプラスの悪魔、あるいは「東洋の英霊」縛りで平賀源内等が挙がっていた。
いざその意外すぎる正体が明かされると読者は驚愕しつつも、既出の他Fate作品で登場した「病」「おとぎ話」「殺人鬼の伝説」等の系譜にある存在として納得する事になったのであった。
近年中央大学と東京大学の共同研究により、「悪魔」の存在を否定する根拠のひとつであった「情報をエネルギーに変える」という一見意味不明なものが理論上実現可能と判明。また、人為的に「悪魔」と同等の操作ができることも判明しており、現代に至って再び「マックスウェルの悪魔」は部分的に蘇ったと言える。そして「悪魔」を完全には否定し難くなった以上、現代の聖杯戦争で彼が呼び出された場合に再び「どうやっても殺せない」状態になっている可能性も浮上した。
ただし現在の理論では1ジュールを生み出すために2.39×10の7乗テラバイトという膨大な情報量を扱わなければならないため燃費は極端に悪く、現代における彼の脅威度はその辺りが宝具での魔力生成に影響してくるかどうかによっても変わってくるだろう。また、2017年5月19日、NTTがマクスウェルの悪魔の原理により熱ノイズを選り分け電流を流すことに成功したという。
科学の発展に伴い、このサーヴァントのあり方がどのように変わるのか気になるところ。
関連イラスト
『帝都聖杯奇譚』版
『FGO』版
関連タグ
マクスウェルの悪魔 悪魔 デーモン 科学 青年 永久機関 熱力学 エントロピー
レリエル:その実態は「ディラックの海」。物理学上の仮説が具現化した、という点で共通する。
キュゥべえ:宇宙の熱量死の危険性を憂いており、このサーヴァントを必要とするであろう存在。⇒Fate/Puella_Magia
ビースト(Fate):人間の欲望が生み出したサーヴァントなので理論上は該当する。