概要
総統閣下シリーズとはニコニコ動画にアップされている、映画『 ヒトラー ~最期の12日間~ 』の登場人物(主にヒトラー)の台詞に嘘字幕をつけたMADシリーズである。
登場人物
主要メンバー
ヒトラー
言わずと知れたドイツ第三帝国総統。総統閣下シリーズの主人公で、通称「総統閣下」または「閣下」。いわばMAD製作者の分身。
重度のプリオタであり、プリキュア以外にも様々なアニメや漫画等のサブカルに詳しい。最近は艦これにもハマっている模様。
作中で激昂している場面がよく抜き出されており、動画内ではそれが作品、キャラクター、イベント等々に関する愛着の高ぶり、絶望や嘆き、嫉妬やストレートな欲求と、様々に変換されている。時にはシリアスな話もしている。
居残り組
いつも総統閣下に説教をくらっている4人。ちなみに全員将軍クラス。
ある意味、彼らがいないと総統閣下シリーズは始まらない。
当然、総統閣下の部下なので敬語で話すことが多いが、ネタによってはタメ口どころか、総統を煽ったり憐れんだり呆れ返ったり罵ったりする作品も存在する。なぜかヨードルだけタメ口で話す作品が多い。
「この中で○○と思う(思わない)奴はここに残れ」と言われて残ることが多いために「居残り組」なる呼び名が付いたが、「いつもの奴らはここに残れ」と雑な居残り命令が下ることもある。
- クレープス : 最初に地図を指しながら状況報告してる人、通称:カルピス。ネタふり役。オドオドしてたりすることが多いがこう見えてキムナジウムを飛び級した秀才。ドイツ陸軍の参謀総長で大将。ソ連のチュイコフ将軍とは互いに手のかかる上司の愚痴を聞き合う仲良し。
- ヨードル : いわゆるハゲ。カルピスの後に追加の説明を添えるが、大抵は総統の火に油を注ぐ煽り役。国防軍最高司令部の作戦部長で上級大将。クレープスが比較的穏やかに喋るのに対し、容赦なく閣下を「チョビ髭」、「貴様」呼ばわりする事も。ちなみに史実の彼は頭髪こそ薄いがスキンヘッドではない。
- ブルクドルフ : 通称アンポンタン。爆発中の総統閣下にツッコミを入れる命知らずなバカ。ただし史実の彼は映画でのようにヒトラーにも堂々と言い返す根性のある人物だった模様。陸軍の人事局長で中将。喜怒哀楽が激しく、酒を飲み出すとだらしない笑い上戸になり、抜け駆けする輩には銃を向けたりする短気なところも。
- カイテル : ヒゲが立派なジジイ。史実では、国防軍へのナチ党普及などでヒトラーに協力していた。件のシーンでは無口だが、四人組の中では階級が最も高い元帥。国防軍最高司令部の総長。代表的なセリフは「見ます!」
この2名は原作では「残れ」と名指しされていないにもかかわらずさも当然のように残っている。
彼らも軍人ではないがやはりトップクラスの幹部。
- ゲッベルス : 痩せこけていて目つきがヤバイ。宣伝大臣。大抵は変態趣味がある設定で、他の面々の論戦に加わって別の場面から自身の嗜好をぶちまけていることも多い。自分の好きなものに対してはまさしく「プロパガンダの天才」と言った所で舌が回りまくる大演説をする事も。他人(特に総統)をスケベ呼ばわりすることもあるが意外とメンタルは弱く、他者(特にユンゲさん)にツッコミを受けると、黙り込むか泣き出す。
- ボルマン : 空気デブ。ナチス党の官房長。親衛隊では大将。超大物だが映画で目立たないこともあり、ローフス・ミッシュからの報告を受けてガタッと立ち上がり総統に報告書を持って来る場面が目立つくらい。
その他の顔ぶれ
ナチス関係者
総統閣下をブチギレさせた張本人だが、総統閣下シリーズでは台詞の中でのみ登場する。
そもそも劇中で総統が怒っているのは、ベルリン守護を任せていたはずのシュタイナー軍集団が兵力不足を理由に実はてんで任務を行ってなかったため。そりゃあ、総統閣下も「騙され続けてきた」とお怒りになる。
嘘字幕シリーズではその場に居合わせず、総統のお使いや遠征などで不在と言及されることが多い。親衛隊の大将。
クリスティアン(ゲルダ)
総統の怒声が響きわたる会議室外の廊下ですすり泣いている女性。作品によっては腐女子にされていることもある。
一応ユンゲさんの先輩なのだが威厳はなく呆れられることも。
作品によっては泣いているのではなく笑いをこらえている場合も。
すすり泣いているクリスティアンを諫めている女性。二人とも総統閣下の個人秘書である。
総統閣下シリーズでは影が薄いが、映画の中ではもう一人の主人公ともいえる重要なポジション。なおかつこの映画の原作者である。
多くの作品では地下壕の男性陣ほぼ全員が頭が上がらず、彼女が一言釘を刺せばどんなに騒いでいても「ハイッ!」と従う。作品によってはユンゲさんと敬称付きで呼ばれることも。
ゲルダが泣いているカットの後、廊下の群衆の中で心配そうに見ている女性。総統閣下の愛人。
シリーズでは総統閣下との会話シーンでの総統閣下の凄まじい笑顔がネタにされることが多い。
マクダ・ゲッベルス
ゲッベルスの妻。
例のシーンでは出番がないが、閣下に縋り付いて号泣する場面がネタにされることが多い。
親衛隊長官で、史実ではホロコーストの中心人物の一人であり、ユダヤ人迫害の元凶と言っても過言ではない人物。
出番は少ないが閣下にナイショで連合国に降伏を申し出たりして食事中の閣下をキレさせた。
シリーズ全体でのあだ名は「日村」。念のため追記するとバナナマンは関係ない。
ヘルマン・フェーゲライン
(史実では逃亡罪で)銃殺される人。親衛隊および武装親衛隊でともに中将。エヴァの妹の夫。ヒムラーと並ぶホロコーストの中心人物。
総統閣下シリーズの例のシーンでは、冒頭に彼が会議室に入ってくる場面から始まるが、いわゆる居残り組ではないため、すぐに退室していて台詞もなく、例のシーンだけを用いるMADでは印象は薄め。閣下に余計な一言を挟んだ結果、場面転換して処刑される事が多い。
基本的に死亡芸人だが、同時に不死身で、15分間射殺され続けた事も。
彼の最期の台詞の空耳「はい死んだー!」とは、かの有名なナチス式敬礼「ハイル・ヒトラー!」。
ヴィルヘルム・モーンケ
親衛隊少将。つまりフェーゲラインの部下に当たる人物。官庁街の防衛を任されていた。
総統閣下は捕らえたフェーゲラインを彼の指揮下に更迭しようとしていたという説もある。
史実ではやはり虐殺に関わった疑惑があるものの、本作では作中きっての真面目かつ有能な、絵に書いたような軍人の鑑で、ギャグ補正かかりまくりの地下壕の人々相手にも一切ぶれることがない。ただし空耳の台詞は結構な下ネタ。
暴走した総統閣下を冷静に説得できる数少ない人物でもある。
敬礼したときの靴音が綺麗なので音MADにもよく使われる。「カッ!」
フリッツ・トルノウ
閣下の愛犬ブロンディの飼育係・・・なのだがシリーズでは総統閣下の悪口担当。
クレープスたちのヤケ酒に付き合って泥酔しクレープスの制止も聞かず余計なことを言うのが主な出番。
ハンス・フリッチェ
抜け駆けをしようとしてブルクドルフに銃を向けられる大男。宣伝省の局長でゲッベルスの側近。
作中の目立つ出番がそこくらいしかないのでそれ以外はほぼ空気。
ペーター・ヘーグル
RSD刑事部長。親衛隊中佐。逃亡罪の嫌疑がかけられたフェーゲラインを捜索、愛人の家で酔っ払っていたフェーゲラインを捕らえて射殺する。
シリーズでの出番はフェーゲラインの処刑人。フェーゲラインがなかなか死なないおかげで装弾数が異常に多いサブマシンガンを持っていることも。
フェーゲラインが撃たれるカットだけ使用されて出てこないこともある。
カール・コラー
空軍参謀総長。大将。ベルリンが包囲されたときに総統閣下から抗議の電話が寄せられた。
もちろんシリーズでも総統閣下が抗議電話をした際に応対する人として登場する。妙に砕けた口調で応対し閣下を挑発する作品も。
名前が名前なのでおいコラと言われることも。
ヘルムート・ヴァイトリング
首都防衛司令官。大将。
総統閣下に撤退の嫌疑をかけられるが、戦況の悪化を閣下に伝えたところ首都防衛司令官に任命され、モーンケと共にベルリン防衛の指揮を執った。
シリーズでは陣地が砲撃を受けながらも電話応対する場面が多用される。応対の最中に近くで砲弾が炸裂し吹っ飛ばされる。「けどね、生きてたぁ!」
カイテルより活躍が多く、クレープスやブルクドルフと一緒にいる場面も多いこともあってたまにカイテルと混同される。
空軍総司令官。国家元帥。例のシーンより前の会議で無言で腕時計をチラ見していた。
作中で台詞らしい台詞は全くないのでネタにされる機会は少ないが、総統閣下に無言の圧力をかけたり、逆にしゃべらないことをネタにされることも。
ちなみにボルマン唯一の活躍は彼が総統閣下宛に送った電文を「ゲーリングは裏切る気です!」と突き付けた場面。
軍需大臣であり建築家。閣下から後のベルリンを世界的中心都市にする「ゲルマニア計画」にも携わっていた。
モーンケと同様に地下壕内では数少ない常識人で、ユンゲさんも彼だけは信頼している。
某有名MADシリーズでは卑猥な発言をしようとする人物に対し「ケーニヒグレッツ行進曲」をBGMに爆撃で阻止するなど、過激だが効果的な活躍を見せている。
…etc.
連合国その他
クレープスが停戦交渉に臨んだソ連の将軍。ソ連第8親衛軍司令官で上級大将。
原作本編で登場する唯一の連合国側の人物であり、主に後述のスターリンとの交渉役や情報交換担当に起用される。後述の『ベルリン陥落』にも登場しているのでスターリンと直接会話する場面もある。
当人も後ろめたい秘密を抱えていてスターリンに粛清されることもある。
以下は原作では登場せず、他の映画が素材である。
(ソ連映画『ベルリン陥落』が出典である事が多い)
激昂した総統閣下から引き合いに出される人。
史実では敵国ソ連のトップだが、ネタによってはヒトラーと友達だったりする事もある。というかそもそも戦争している場合も嫁論争や解釈違いと言った好物の主張をする為の争いばかりで基本的には同じ穴の狢である。
こちらもオタクとして「重症」…しかもヒトラーより重度である場合が多く、大抵は様々な方法で彼を出し抜き原作同様「私もやるべきだった!〇〇を!スターリンのように!」とキレさせる。
大国ソ連のトップらしく金満プレイや人海戦術といったリソースの差でナチスを圧倒する描写も多々。一方で異常に当人のフットワークが軽く、行動力でもヒトラーの先を行く。
「うー」という空耳のおかげでやよいPになっている作品も。
スターリンの次に出番があるアメリカ大統領。
使用される映像の関係で「グフゥ笑」と笑う姿が印象的。大抵ヒトラーの失敗を皮肉で茶化す。
一方で味方になる場合はアメリカが後ろ盾につくという胸熱シーンと化す。
艦これではいろんな意味で大きいは正義という理想を掲げている。
同じシーンでチャーチルも登場するがシリーズでの出番は控えめ。
ドイツと同盟関係にあるイタリア代表。
語学堪能でスポーツ万能、女の子にモテモテというかなりのハイスペックでありながら、作中ではシリアスなシーンにもかかわらず空気を読めずピザやパスタを作ろうとしたり、祝砲のはずが間違って実弾をベルリンにぶっこむ大ポカをやらかす残念な人になってしまっている。
「え、ちょっと(・ω・`)」の空耳は有名。
直接登場する映画があまり多くないためか、使われている素材は映画ではなく、ベニート・ムッソリーニ本人による演説である。
使用される空耳の一部
元の映画が日本ではなじみの薄いドイツ語であるため個性的な空耳が起きている。
総統
例のシーン
- カルピス
- アンポンタン
- 鯛が食べたい!
- ボルシチッ!
- あいたたたはんふ!
- 西鉄?
- 大っ嫌いだ!
- バーカ!
- 畜生め!(原義はジー・イスト・オーネ・エーレ→Sie ist ohne Ehre!=恥晒しだ!)
- うおっ!?
- ガンバレイ!
- it’s判断力足らんかった
- じゅるり
- ノーパン&おぱんちゅ
- 目に刺さるニャン
- おっぱいぷるんぷるん
- 柴田さん
それ以外
- コラ(コラー)
- FUCK!
- アホかいね!
- アホくさい!
- あーもう違う!
- 破廉恥なスタイル
- マスノスケ
- コロス☆(koloss: ドイツ語で「巨人」の意)
- 愛の参観☆
- チョー!許さん!!
- ちょ待ってってば!
- My love passion!
- 日村っ!
- つらい!
- ヤーヤーヤーヤーヤー!
- だあああああああっ!
- 親切
- ミルクパフェ!
- 叩いて直す。
他の方
例のシーン
それ以外
- ハイ!(ハイル!)
- ない!/コラー
- てえへんだ!/ヴァイトリングの司令部にいたドイツ兵
- あー、やばい!/ヴァイトリングの司令部にいたドイツ兵
- けどね、生きてたあ!/ヴァイトリングの司令部にいたドイツ兵
- なにい?/ヴァイトリングの司令部にいたドイツ兵
- 現金先払ってください!/国民突撃隊
- ノーパンになれや!/モーンケ
- バイト代入ったらすぐ買え/モーンケの副官
- おーし!二個目のハムスターを私のお尻に入れる!/モーンケ
- 見ます!or煮ます!/カイテル
- 夜店でタンメン!/フェーゲライン
- すけべえ!/ゲッベルス
- あれっす/ゲッベルス
- 愛のフラッグ☆/ゲッベルス
- どうでもいいわ/シュペーア
- おんおん/クレープス
- バッキャロー!/ヴァイトリング
- ダサいし!/ブルクドルフ(原義はダス・ライヒト→Das reicht!=もうたくさんだ!)
- ハイ死んだ!/フェーゲライン(原義はハイル・ヒトラー→Heil Hitler!=ハイルヒトラー!)
…etc.
日本国外での展開
実はこのシリーズ、海外でも割とウケており、YouTubeではドイツ語の台詞にデタラメな英語字幕をつけた動画が投稿されていたりする。他にも様々な言語で嘘字幕をつけた動画が存在するので、興味のある人は探してみると面白いかもしれない。
なお、元ネタである『ヒトラー ~最期の12日間~』で監督を務めたオリバー・ヒルシュビーゲル氏も、自分の映画がパロディ化されていることを認知しており、「ファンから大量に送られてくる動画のリンクを見て大笑いしているよ」とかなり好意的なコメントを残している。
しかし、ナチスをネタにするという性質上もあって最近ではこの手のネタは権利者による削除が相次ぎ、下火になりつつある。
しかもドイツやフランスなどでは、ナチスの賛美そのものが犯罪になっているため、総統閣下シリーズも字幕の内容によっては逮捕される危険性が出てくるので注意しよう。
パロディ
2012年刊行の小説を原作としたコメディ映画「帰ってきたヒトラー」内の1シーンにおいて、件の総統閣下シーンのパロディが行われている。
登場人物自体はナチスドイツ関係者でも何でもなくあるテレビ局の関係者だが、シュタイナーが仕事してない事を知らされる→閣下震える手で眼鏡をはずして4名だけ残す→廊下まで響き渡る声でブチ切れる→廊下で泣く人とそれを慰める隣の人というシーンをそっくりそのまま再現している。
また、映画の冒頭でザッピング的に流れるヒトラーに関する映像の中に、このシーンがそのまま混ざっている。
ちなみに同作の主演ファビアン・ブッシュは本作でもヤケ酒パーティに巻き込まれた若いSS将校として出演している。
映画『アイアン・スカイ』でも例の会議室のシーンのパロディシーンがある。(アメリカ大統領の選挙キャンペーン責任者ヴィヴィアン・ワグナーが幹部会議で震える手で眼鏡を外した後部下達に怒るシーン)
また、アニメ「マケン姫っ!通」8話の終盤でもこのシーンのパロディがある。軍服を着た部下が主人公のタケルを含め4人、残って怒鳴られたのはタケルだけとかなり少ないが、そもそも絶望的な状況で地下壕に立てこもっているし、クラスメイトの健悟がキレる前に手を震わせながら茶を飲んでいることから、ほぼ間違いないだろう。
日本では
日本においては権利者であるギャガ株式会社からの著作権侵害の申し立てで削除される事が多く、削除を不服として訴訟のリスクを冒してでも再アップロードされる事もまた多い。
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元ネタ
ヒトラー~最期の12日間~ - ネタにされまくっているが、映画本編はとってもシリアス
これを元にしたイメレス
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