概要
『ゾイドワイルド』に登場する国家にして世界征服を企む所謂悪の組織的存在。名は体を表すが如く、上から下まで某世紀末救世主伝説からそのまま抜け出したかのような(特に雑兵)デスメタル調のいで立ちだが、他の周辺勢力の追従を許さない高い国力を誇る。
見た目に反して科学技術も高い水準にあり、各地に建設されたゾイドの研究施設を利用して自分達で復元したゾイドを兵器として悪用している。
正確には国家というより超巨大なテロ集団やギャングと行った集団(しかも軍をやめて盗賊に成り下がった輩までいる)で、劇中の様子はギャグ面が強い一方、ゾイドはもちろんの事、加虐目的で多数の人間を平気で傷つけ、自然や集落を襲っては破壊と略奪を繰り返している暴徒のような連中である。
公式からの情報によれば主人公と敵対する悪役ではなく彼らなりに正義があるとのことだが、劇中でそれを匂わせる描写は全くなかった(タカラトミー繋がりであの武力による惑星支配を掲げる超ロボット生命体の様に『圧政による平和』、『力こそ正義』を掲げている可能性もあるかもしれない)。その他、猛獣としての側面もあるゾイドを彼らなりに管理し軍事利用するのが彼らなりの正義ではないかともファンの間では推測されている。
彼らの独裁による風評被害で一般市民のゾイド乗りが偏見や差別を受ける様子や、傷ついた野生のゾイドの存在、ある夫妻を拷問死させその息子に服従を強要するなど、ゾイド以外での殺害が行われるなど、ギャグとシリアスの差が激しいワイルドの作風を象徴した組織である。イメージカラーはガイロス帝国やゼネバス帝国と同じく赤だがシリーズ全体でみると『ジェネシス』のディガルド武国のように生々しく暗い描写が多い。
加えて、地位を問わず、帝王ギャラガーの個人的な趣味や娯楽(人命軽視な悪質な物含む)に問答無用で付き合わされる等、一種のブラック企業的な部分も持つ。
一方再雇用制度があるなどアニメのゾイドシリーズで珍しく組織の制度なども描かれており、作中世界は他に"組織"というものがない事もあってか運営自体は割としっかり構成されていた模様。
その悪質ぶりから、対抗組織としてレジスタンスも結成されているが、終始組織的な抑止力にはなり得なかった。また、それらレジスタンスを賞金首にかけたり、それらを捕まえる為のデスメタル所属の賞金稼ぎもいた。
ただ、本作のゾイドは人工的な量産が不可能で捕獲か発掘に限られるにもかかわらず、トップが無軌道な思想から戦力を無駄かつ大量に使い潰す事も少なくなく、終盤では幹部クラスもデスレックスの能力で操ったシュプリーム団のゾイドを代わりとして利用する等、台所事情に厳しい面が見られた。
最終決戦にてギャラガーが自殺に近い形で死亡したことでデスメタル帝国は事実上崩壊し、生き残った四天王や構成員の殆どは全員刑務所へと送られた。
所属人物
帝王
デスメタル帝国の頂点に立つ組織の支配者。
デスメタル四天王
一人で都市の一つや二つを簡単に壊滅できる実力を持つ、ギャラガーに次ぐ最強の四人。デスメタルキーと呼ばれるブレード状のアイテムを用いて強引にゾイドの本能開放を促す“強制開放(デスブラスト)”を行使する。
ドレイク以外は都市や町の支配者としての側面を持ち、彼が加入するまでは『三銃士』と呼ばれていたらしい。また、キャビアのみ12話での敗退によって四天王の地位そのままに、専用工場の責任者として左遷されている。
側近
その他の人員
一部の隊長格や隊員を除いた一般兵は簡素な顔面に仮面を装備し、「Zボーイズ」と呼称されている(参照)。3クール目以降には女性の隊員(Zガールズ?)も登場する事になる。
歩兵部隊が運用するゾイドは部隊長を含めてほぼラプトールやディロフォスで占められており、小隊長は任務を失敗すると良くて仮面は被らないが一般兵クラスに降格させられ、失敗続きだとデスメタル帝国を追い出され、最悪の場合は処刑される。
小隊長
失態を重ね続けたせいで後に解雇され、盗賊に転職(?)する。
ゾイド開発研究施設
デスメタルキーの複製品を作るべく、捕獲したゾイドに過酷な実験を強いている施設。奴隷都市カンゴクの出張施設であり各地に複数存在し、キャビアがそれらを管理している。アラシとオニギリが出会ったのもこの施設のひとつ。マカロニ達がいた「ロウヤ」はアラシ達によって破壊され、その責任としてマカロニ、チクワはキャビアに処刑される。
- マカロニ所長(CV:加藤将之)
- 搭乗ゾイド:ラプトール
- チクワ開発研究主任(CV:奈良徹)
- 搭乗ゾイド:クワーガ
はぐれ遊撃部隊 R.A.P
通称RAP(ラップ)隊と呼ばれる3人組(所謂三悪)で、全員がラップ調の陽気なノリで会話する。現時点ではドレイクの部下の傭兵部隊のような立ち位置となっている。四天王直属の部下故か、Zボーイズと異なり、胸元に赤で「DM」と書かれた黒い衣装を着用している。
悪逆非道なデスメタル帝国側に身を置いているが、その目的は故郷に仕送りをするためであり、お腹を空かせたアラシに食事を分け与えたり、ドレイクが本気を出した時はアラシを心配するなどお人好しな面がある。一方でデスブラストの研究の為、とある野生のラプトールを捕獲するなどビジネスの為ならデスメタルらしい悪事も働く。ただし、ライダーとしての実力はあまり高くない模様。
- ハッピー(CV:北田理道)
- 搭乗ゾイド:ラプトール
- ラッキー(CV:ブリドカットセーラ恵美)
- 搭乗ゾイド:ラプトール
- ウッキー(CV:浜添伸也)
- 搭乗ゾイド:ラプトール
デスメタル帝国所属の賞金稼ぎ
ペンネ(後に離反しフリーダム団に加入)
主な保有ゾイド
第37話以降
主な支配地
奴隷都市カンゴク
キャビアが支配している。内部ではゾイド開発研究施設と同じくゾイドを使った非道な実験が行われている。アラシ達の活躍によって奴隷と捕獲したゾイドが解放された。
キラキラタウン
フォアグラが支配している。表向きは夜景がきれいな文字通りキラキラした街だが、実態は火薬の大量生産地である。フリーダム団とフォアグラの戦闘により火薬が引火して大爆発が起こり半壊した。
キンコ
トリュフが支配している。世界でも5本の指に入るほどの豊かな都市で『キンコ咳』が流行っている。トリュフの策により、デスメタルの資金源となっている都市でもある。
余談
デスメタルキーは、上山道郎原作の『機獣新世紀ZOIDS』に登場したシャドーキーを思わせる部分がある。
尚、ゾイドを復活させる際は完全に復元した状態でゾイドAEDという電気マッサージ機のような形状をした特殊な電気を発生させる機械で特殊な電気を送り込んでは刺激を与えて復活させるが、科学技術面では上と思われる次回作においては「ゾイドの復元は難しく、特にコアに関しては慎重にしなければ全てが台無しになる」と言われている為、ある意味で大雑把なやり方で復活させる事ができるデスメタルの技術力は正に「才能の無駄遣い」と言える。
関連タグ
ガイロス帝国、ディガルド武国:ゾイドシリーズに登場した世界征服を目論む悪の帝国。後者には四天王が存在するという共通点がある
帝国軍(ゾイドワイルドZERO):次作『ゾイドワイルドZERO』に登場する帝国。