概要
「ありえない生物」の一種である海棲怪獣。サメとエビが合体したような頭部と甲殻で覆われた長大な身体が特徴の、巨大な海蛇や東洋龍を思わせる姿をしている。名前の由来は「マンモス級の蛇」の略称(ちなみに閣議決定)。
全長210mと確認されている怪獣では最長クラス。
頭部には4本の角と2本のヒゲが生え、首もとには二~三重の赤いエラが出ている。後肢は鰭状でとても小さいが、前肢は獣脚類の腕とエビの捕脚が合わさったような独特な形状になっている。
また、長大な尾の先には楓の葉やゴジラの背鰭のような形状の尾鰭がついており、尾を武器として扱うこともある。
紅塵(怪獣たちの発生させる赤い霧状の分子)を放ちながらクジラのように数匹の群れを成して泳ぎ、海から河川へと遡上する様子が確認されるが、それが習性なのかどこかを目指している行動なのかは不明。
デザイン
今までの作品と比べても、非常にリアルで神性の欠片もないグロテスクなデザインになっており、シルエットこそマンダそっくりだが、細部はエビやシャコなどの甲殻類のような外見になっている。
その外見故に名前が出る以前はエビラとも考えられ、「今作の怪獣のデザインには歴代東宝怪獣をオマージュして取り入れられている」とあったため両者が合体したデザインだと考えられていたが、その後『CGWORLD』6月号でのインタビューにて実際にモチーフになったのは(細くネロネロしているという共通点から)「ムカデ」であることが判明した(体節のある甲殻はムカデモチーフの名残)。
当初は昆虫の要素が強かったようだが、監督との相談で龍に近づけていったという。体側面のヒレはムカデの足がヒレに変化したイメージやリュウグウノツカイを参考にしているほか、前足はカマキリ、頭部はラブカ、目はシャコをモチーフとしており、デザインを担当した山村氏いわく「既存の生物と異なる造形だが、実際に存在していそう」という点でお気に入りなのだとか。
活動記録
第4話冒頭にて紅塵で紅く染まった浦田水道沖にて目測3体以上のマンダの群れが出現。
第5話では転覆させた漁船の漁師2名(第2話ラストでラドンの大群と遭遇したのと同じ)を救助しに来たヘリコプターを、長大な尾を水上に持ち上げて叩き落とそうと攻撃を仕掛けた。なお、ラドンを誘導できた電波(オオタキシグナル)には全く反応しなかったことが語られている。
第6話にて12体以上の群れが東京湾を目指して現れ、いくつかの個体は松原の指揮する海自によって撃沈されたが、内4体はそのまま東京湾に侵入。さらにその後を追うかのように超巨大生命体も現れる(つまりこのマンダ達はそれから逃げていただけだった)。
続く第7話では隅田川を遡上(逃走)しながらも超巨大怪獣に襲われ、その内の1体は追い込まれて陸に打ち上げられて捕まり、そのまま食い千切られてしまった。(残りの個体は上陸しなかった模様。小説版では他の個体もまた打ち上げられてもなお陸上に適応進化したゴジラに襲いかかるも返り討ちにされ、生き残った個体は川を下って太平洋へ逃走した)
また、マンダが海底ケーブルを切断して電波障害を引き起こしたとの報告もある。
その後第8話ではヨーロッパにも別の群れが出現し、フェリーに2頭が食らいつくように衝突していたほか何体もロンドンのテムズ河を遡上し、それを追うようにしてラドンの大群も現れた。
また、日本の房総半島の海岸にもゴジラが食い殺したと思われる死骸が漂着していたが、それにはフナムシのような別の怪獣が漁っていたような痕跡があった。
第11話にて遂に1頭が東京に上陸し、ゴジラウルティマと交戦。長大な身体で巻きついてゴジラの首元に食らいついた。
……が、直後にゴジラの放った原子ビームで前肢から下を焼き切られ瞬殺された。
なお、まだ他の個体も残っており、紅塵で真っ赤に染まった河川を泳いでいた。
余談
意外にも、マンダが誕生して53年、今作で初めてゴジラと対決することになった。
……が、その結果は上記のように片や食い千切られ、片や焼き切られ完膚なきまでの玉砕に終わっている。流石怪獣王…いや最強怪獣はケタが違った…。
円城塔氏執筆の小説版での怪獣視点の描写によると、マンダは紅塵や怪獣の発生源である「特異点(ゴジラ)」の周囲で発生した生物がラドンと違いそのまま水中で進化した存在らしく、ゴジラの周囲を群れで泳ぎつつも怪獣としての本能のままゴジラの持つ「特異点」の力を奪取せんと度々攻撃をしかけては返り討ちにされ、群れが追いやられたりなどしたらしい。
また、8話にて房総半島の海岸に漂着したマンダの死骸は、東京SOSにて登場したカメーバの死骸のオマージュとも取れる。
放送前のPVではなかなか全体図が確認できていない怪獣なのだが、上記のイラストの作者は放送前に断片的な情報からその姿をほぼ正確に当てていた。(下記のイラストがそれ)