路線データ
路線名 | 宮崎空港線 |
---|---|
路線区間 |
|
路線愛称 | 空港線 |
ラインカラー | 緑 |
路線距離 | 1.4km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 |
|
電化区間 | 全線(交流20,000V) |
単線区間 | 全線 |
閉塞方式 | 特殊自動閉塞式(軌道回路検知式) |
保安装置 | ATS-DK・ATS-SK |
ICカード乗車券エリア | SUGOCA宮崎エリア(全線) |
第一種鉄道事業者 | 九州旅客鉄道(JR九州) |
概要
田吉駅と宮崎空港駅を結ぶ九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線で、幹線。全列車が日南線田吉駅〜南宮崎駅間に、一部の普通列車を除く大半の列車が日豊本線南宮崎駅〜宮崎駅間に直通する為、運行系統上は宮崎駅〜宮崎空港駅間の路線として扱われ、空港線の愛称が付けられている。2022年(令和4年)4月1日にJR九州宮崎支社が発足して以降は同支社の管轄となっている。
全線が宮崎県宮崎市のみで完結し、営業キロ1.4kmは現存するJRの路線では最も短い。またJR九州の在来線では最も新しい路線である。
全線交通系ICカード乗車券「SUGOCA」の宮崎エリア内に設定されている。
日豊本線からの直通列車が運行される為交流電化されており、田吉駅で接続する日南線は地方交通線だが宮崎空港線は幹線に指定されている。但し加算運賃が含まれる為他の幹線に比べると値段は高くなる。
その名の通り宮崎空港へのアクセス路線として開業したが、宮崎県内のみならず最遠で博多駅(福岡県福岡市博多区)から列車がやって来る。
なお宮崎駅〜宮崎空港駅間は特急列車の特急料金が不要となる特例が存在する。この為普通車自由席は乗車券のみで、普通車指定席及びグリーン車指定席でも普通列車用の指定席券またはグリーン車指定席券で利用できる。また乗車区間が特例区間外に跨る場合でも区間内は同様の措置が取られる。
開業に至るまで
宮崎県延岡市を創業地とし、工場群、それに本社機能の一部が置かれた延岡支社を持つ旭化成は大阪、東京、それに福岡への社員の出張が多くあった。しかし宮崎空港-延岡間は鉄道で結ばれておらず、高速道路(東九州自動車道)も2014年(平成26年)までなかった。
ならばと旭化成は自前で大瀬川河口右岸の延岡市長浜町に延岡ヘリポートを用意し、延岡工場と宮崎空港間を25分で結ぶヘリコプター路線を1989年(平成元年)3月に開設した。当初は1日3往復、後に利用者が増えたため1日4往復に増便している。
しかし路線開設の翌年である1990年(平成2年)9月27日、宮崎空港を20:31に離陸し延岡ヘリポートに向かっていた社用定期204便が、折から接近中だった台風20号の影響による視界不良により20:58頃日向市日知屋の細島商業港北側の牧島山山頂東側に墜落。機長、整備士、乗客8名の合計10名全員の命が失われる事故が発生した。これを受けて旭化成は自前のヘリ路線の運行を断念。日豊本線の高速化、日南線の空港アクセスへの活用を求める方針となった。
余談
旭化成自社所有のAS365-N1(JA9920)は当日整備中であり、阪急航空のBK117-B1(JA6605)をチャーターしての運行中の悲劇であった。
JA9920はその後売却され東邦航空に移籍。ミヤギテレビの取材ヘリとなっていたが2011年(平成23年)3月11日、東日本大震災で仙台空港を襲った津波に飲み込まれ全損、抹消された。
旭化成が用意した延岡ヘリポートはその後も数年は使われたが廃止され放置状態となり、現在は設備も撤去されて延岡市クリーンセンターの敷地の一部となっている。
沿革
- 1996年(平成8年)7月18日:開業。田吉駅、宮崎空港駅開業。
- 2003年(平成15年)10月1日:一部列車でワンマン運転開始。
- 2015年(平成27年)11月14日:交通系ICカード乗車券「SUGOCA」の宮崎エリアに指定。
- 2022年(令和4年)4月1日:宮崎支社発足に伴い管轄を鹿児島支社から移管。
運行形態
開業以来宮崎空港線内で折り返し運転を行う列車は設定されていない。前述の通り全列車が日南線南宮崎駅方面に直通し、一部の普通列車を除いて日豊本線宮崎駅まで直通する。
特急と普通が運行されている。なお都城駅・日南駅方面にはスイッチバックが必要になる為直通しない。
前述の経緯から旭化成のある延岡市への輸送が重視されており、全ての特急列車と大半の普通列車が延岡駅方面へ運行される。
特急
日豊本線の特急「にちりん」「にちりんシーガイア」「ひゅうが」と観光特急「36ぷらす3」が乗り入れている。
概ね毎時1本の運行で、「ひゅうが」は延岡駅、「にちりん」は大分駅・小倉駅、「36ぷらす3」は別府駅、「にちりんシーガイア」は博多駅まで運行される。
前述の通り空港線内は特急料金が不要となる。
詳細は各列車の項を参照。
普通
概ね毎時1〜2往復運行される。特急と合わせると空港線内は毎時2〜3本は確保されている。
南宮崎駅発着の1往復を除き全列車が宮崎駅に直通し、大半は延岡駅発着で運行される。1往復は高鍋駅発着、上り1本は日向新富駅行。
駅一覧
●:停車 レ:通過
現在の使用車両
- 787系BM・Bo編成・36ぷらす3
特急型電車。6両編成のBM編成と「36ぷらす3」は南福岡電車区所属、4両編成のBo編成は大分車両センター所属。
BM編成は特急「にちりん」「にちりんシーガイア」「ひゅうが」、Bo編成は「にちりん」「ひゅうが」と空港線内の一部普通列車で、「36ぷらす3」は同名の観光特急で運用する。
- 783系「ハイパーサルーン」
南福岡電車区所属の特急型電車。
特急「にちりん」「にちりんシーガイア」「ドリームにちりん」「ひゅうが」及び間合いの普通列車で使用されていた。
2021年(令和3年)3月13日ダイヤ改正で定期運用は消滅したが、787系の代走で時折入線する事がある。
- 713系「サンシャイン宮崎」
鹿児島車両センター所属の一般型電車だが、現在は日豊本線南宮崎駅以西での定期運用がない為、検査時以外は宮崎車両センターに滞留する。現在は2編成で運用中。
- 817系0・500・1000・1500番台
鹿児島車両センター所属の一般型電車。現在の宮崎地区の主力車両。
過去の使用車両
- 485系「RED EXPRESS」
鹿児島総合車両所(現・鹿児島車両センター)所属の特急型車両。
2011年(平成23年)3月11日まで特急「にちりん」「ひゅうが」及び間合いの普通列車で運用された。
南福岡電車区所属の特急「ソニック」用車両。普段は日豊本線佐伯駅以南を走行することは無いが、団体列車や「にちりんシーガイア」の特別運用で入線実績がある。