概要
現在の2D異種格闘ゲームにおける2大源流の1つ『餓狼伝説』シリーズに登場する柔道家。
名前の誤りが非常に多く、表記は「十兵衛」ではなく「十平衛」、読みは「じゅうべえ」ではなく「じゅうべい」である。
プロフィール
「どうだっ!オニの山田はまだまだ健在じゃ!」
名前 | 山田十平衛 |
---|---|
生年月日 | 1922年7月7日 |
年齢 | 70歳 |
国籍 | 日本 |
身長 | 156cm |
体重 | 50kg |
血液型 | A |
格闘スタイル | 柔道 |
キャッチフレーズ | 泣く子も黙る柔道の鬼 |
好きな食べ物 | 温泉卵 |
嫌いなもの | 汗臭い男 |
大切なもの | ちゃんちゃんこ |
好きな音楽 | ユーロビート |
趣味 | 指圧 |
得意スポーツ | ゲートボール |
関連人物 | 不知火舞、アンディ・ボガード |
CV | 竹田団吾(ゲームシリーズ)→八奈見乗児(OVAシリーズ)→藤城裕士(ラジオドラマ『NEO・GEO DJ Station』) |
人物像
「オニの山田」の異名で近代柔道界を震撼させた日本武道の大人物。
タン・フー・ルーよりも1歳年上というシリーズ最年長者であり、紛れも無い達人でありながら早々に悠々自適の楽隠居を営みつつ、旧知の間柄にある不知火半蔵の弟子に当たる舞とアンディの後見役を務めているものの、70歳の老境にあってなお衰えぬ目立ちたがりの上、ナイスバディのピチピチギャルをこよなく愛する筋金入りのスケベじじい。
かつて東京オリンピックで男子柔道の日本代表選手(体格からして68kg以下級)として参加した輝かしい経歴を持っているが、スケベ心が災いして応援とは名ばかりの女子バレーボール観戦に入れ揚げてしまい、戦績は「欠場による初戦不戦敗」という何とも情けない結果に終わっており、餓狼伝説シリーズの時間軸における異種格闘技世界大会『キング・オブ・ファイターズ』への参戦理由も「日本の柔道を改めて世界に知らしめる」という建前の裏にある「女の子にモテたい」とする不純な本心に起因している。
事実、優勝を掴み取って一躍時の人となり、2では自宅に詰め掛けた妙齢の成人女性に囲まれて少し困り気味に、スペシャルでは噂を聞きつけた女子高生(このうちの1人は麻宮アテナ)に囲まれて鼻の下を伸ばしながらそれぞれ「モテすぎるのも考えものじゃのう」とボヤく始末である。
スペシャルを最後にプレイアブルキャラクターの座を去って以降も派生作品や背景キャラクターとして細々と活躍しているが、特に1992年から1年毎に制作されたTVSPアニメ『バトルファイターズ 餓狼伝説』シリーズ2作目では十平衛を演じた八奈見の怪演が光り、原作以上のスケベ振りと威厳に満ちた格闘家の二面性を併せ持つ味わい深い人間像に仕上げられた。
また、アニメではジェフの殺害後、タンの紹介状を持って来日したアンディを引き取り、少年時代に柔道を、後に自身の友人に紹介し、骨法を習わせたという設定がある。
性能
軽量級の老人という性質から単発攻撃力や気絶値、ジャンプ軌道に弱点を抱え、リーチや対空迎撃力も乏しい反面、小柄な体格を活かした素早い立ち回りを駆使して通常技、必殺技双方に設定された多彩な投げ技を狙うトリックファイター。
プレイアブルキャラクターとして使用する場合は「いかに相手の出足を挫いて投げるか」を念頭に置いたプレイスタイルに加え、数多くの弱点の関係から相手に反撃の機会を与えない短期決戦を求められる玄人好みである一方、強大な一撃の代わりに複雑なレバー操作が要求された当時の投げキャラとは一線を画す「投げ技の大半が溜め技扱い」という特異な存在であり、業界初の移動投げ『ダッシュ二本背負い』は弱点を補って余りある十平衛の主戦力に位置付けられた。
コンボシステムの実装に際してキャラクター性能が見直されたスペシャルでは投げ技の性能を調整され、代わりに判定の強い通常攻撃が連続技に組み込めるようになった事で戦略の幅が若干広がったものの、依然として防御力とリーチに致命的な欠点を抱える基本性能が足枷となり、対戦ダイヤグラムは芳しくなかった。
ところが、後にフリークの間で「アルゴリズムはスペシャルが最恐」とまで言わしめたCPU戦で対峙するや一転して怒涛の攻めと的確な投げを瞬時に使い分ける凶悪性を露呈し、その根源であるCPU特有の「せわしなく移動しているのにレバー溜めが成立」「人間の反応速度では実現不可能な超反応」による酷い暴れ振りで幾多のプレイヤーを戦慄せしめ、当時のゲーム攻略誌では『(CPU戦の相手選択で)一人目には十平衛を選択すること=CPU難度が低いうちに倒せ』を不動の定説とするほどであった。
ちなみに、タカラによってスーパーファミコンに移植された餓狼伝説スペシャルではビッグ・ベアの強攻撃ボタンを8秒溜め押しして出る必殺技が各キャラにも設定されており、十平衛は大いずな落としが出る。
…ただし、この大いずな落としは何をとち狂ったのか間合い無視・相手の状態無視・別ラインにいようがお構い無しという超・壊れ技に変貌している。
技一覧
通常技
名称 | 読み | コマンド |
---|---|---|
一本背負い | いっぽんせおい | (近接)4or6+C |
熊殺し | くまごろし | (近接)9+C |
俵投げ | たわらなげ | (近接)3+C |
巴投げ | ともえなげ | (近接)4+D |
弁慶泣かし | べんけいなかし | (近接)6+D |
いずな落とし | いずなおとし | (空中近接)1or2or3+D |
必殺技
名称 | 読み | コマンド |
---|---|---|
センベイ手裏剣 | せんべいしゅりけん | 4タメ6+AorC |
ダッシュ二本背負い | だっしゅにほんせおい | 4タメ6+BorD |
大いずな落とし | だいいずなおとし | (近接)2タメ8+AorC |
猫じゃらし | ねこじゃらし | (近接)63214+C |
超必殺技
名称 | 読み | コマンド |
---|---|---|
ダイナマイトいずな落とし | だいなまいといずなおとし | (近接)1タメ23+BC |
余談
- 十平衛が携帯する煎餅には飛び道具用と挑発用の2系統があり、前者は激辛堅焼き煎餅だが1P側で唐辛子味、2P側でカレー味と細かく区別されている。後者はうるち米100%の台に上等な醤油と海苔を惜しげも無く使った高級品で、担当声優の竹田が実際に煎餅を噛み砕いた生音を収録してSEに用いるというこだわり振りである。
- 十平衛の黒帯には空手道に見られる段位証明に似た横線刺繍が施されており、この刺繍が単なる装飾ではなく確たる段位証明と仮定した場合、両側に3本ずつ、合計6本ある事から柔道六段(=紅白帯所有者)である推測と共に達人たる理由を示す論拠が成り立つ。なお、柔道の最高段位は十段である。彼ほどの手練ならば六段よりも強いのは間違いないはず。恐らくは『異種格闘技世界大会(KOF)に目を向けており、柔道の昇格に重きを置いてない』か、『スケベ心が災いした』かのどちらかが理由だと思われる。
- バトルステージは「熊本県にある大きな和風家屋」とされているが、屋内の柱や欄間には手の込んだ装飾が施され、画面奥両端に二体一対の風神・雷神像が配置されており、それを隔てる大きな5枚の衝立にはそれぞれ異なる日本画(2:猛虎図、スペシャル:美人画)が描かれている他、屋外もラウンド毎に四季の移ろいを見せる日本庭園が広がるなど、その佇まいは和風家屋よりも「大寺院の講堂」と呼ぶに相応しい。なお、スペシャルのラウンド4(エクストララウンド)に限り、衝立の図面が豪快な筆運びで記された「山」「田」「十」「平」「衛」の5文字に変わる。
- 開発スタッフ曰く「ダイナマイトいずな落としは相手を最高57mまで投げ上げられるが、そんなに飛んでしまうとタイムアップしてしまうので4〜5mに抑えている」。なお、この『57m』という跳躍距離の元ネタは、恐らくコン・バトラーVだろう。『タイムアップギリギリまで跳躍してから叩きつければ、どんな相手にもタイムアップ勝ちを狙えるのでは?』というのは禁句である。
アニメ版設定
上述の通り、1993年に放送されたTVSPアニメ『バトルファイターズ 餓狼伝説2』に登場。劇中で舞の胸を鷲掴みにして揉むシーンがあった。しっかりと堪能するように揉んでおり、このあと十平衛は強烈なビンタを喰らうことになる。
また、ジョーからクラウザーにテリーが完敗した事を聞いたアンディが、仇討ちをせんと向かおうとした際、「お前ではクラウザーに敵わん」と言い放ち、止めようとしている。
かなりの事情通らしい一面を見せており、テリーを倒したクラウザーが、ヨーロッパ裏社会を牛耳る伯爵家の生まれであり、とてつもない実力を有している事などを、アンディに教えてとどめようとしていた。
しかし、アンディは聞く耳を持たないため、直後に対戦する。アンディと互角以上の勝負を繰り広げ、アンディを畳の床に叩き付け追い詰める。が、一瞬の隙を突かれ、アンディの空破弾を受けて敗北。その戦いを見ていた舞に、「アンディに付いて行き、無茶をさせるな」と頼んで同行させている。
劇場版「motion picture 餓狼伝説」にも登場。サウスタウンのパオパオカフェ新装開店パーティにて、女の子たちに囲まれていた。再会したアンディに対し、彼がその時に追っていた重要アイテムのありかのヒントを教えている。
また、アニメ版の脚本家によるアニメ一作目のノベライズには、若き日にタンと知り合った頃の事が描かれている。当時は実戦的な柔道を教え、講道館からは十回以上破門されたという型破りな柔道家だった。しかし武道家としての実力は髙く、そこに注目した当時の日本陸軍から要請を受け、身重の妻とともに大陸に渡り兵士たちに柔道を教えていた。
しかし、妻は流産してしまい、それが原因で自暴自棄になってしまう。現地の酒場で老酒をラッパ飲みして荒れていた時に、若き日のタンと出会い、一方的に叩きのめされてしまった。
それが縁でタン、そして八極正拳を知り、武道家として己の襟を正す。そして「タンに負けない武道家になる」と誓い、大いずな落としなどの技を編み出すように。妻も第二子を身ごもり、出産する。
しかし太平洋戦争が終戦した後、その際に所属していた部隊は見捨てられてしまった。過酷な状況の中で兵士たちのみならず、妻と幼い子供までも失ってしまう。再び自暴自棄になった十平衛だが、タンが目前で見せた波動旋風拳が大木を一撃でなぎ倒したのを見て、なんとか生きる活力を取り戻し、帰国。
帰国の際には、中国軍兵士に疑われたが、タンにより助けられて事なきを得ている(その時の恩を返すため、タンが日本に来た際には、中国人狩りをする現地の人間たちに追われていたタンを、自分の道場に匿って助けていた)。
この縁から、ジェフがギースに殺された直後に、タンは紹介状をアンディに持たせて十平衛の元へと来日させている。十平衛はアンディに己の柔道を学ばせ、優れた才能を彼から見出すが、アンディ自身が攻撃力不足を感じたために別の武道の紹介を希望。十平衛は舞の祖父、不知火半蔵を紹介し、アンディはそこで骨法を学ぶ事になった。彼が舞と知り合ったのもこの時期である。
なお、アンディが有していたタンからの紹介状を目にした際、
「講堂館の加納治五郎先生とならば、今対戦すれば勝てる自信はあるが、タン・フー・ルーが相手では、この山田十平衛でも勝てんな」
などと言って、呵々大笑している。
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