概要
2022年の宝塚記念は、前年の年度代表馬エフフォーリア、長距離で実績を重ね続けるタイトルホルダーの4歳2強がそろって参戦、さらには故障から復帰した5歳の三冠牝馬デアリングタクトがグランプリ初参戦、現役屈指の逃走者パンサラッサ、大阪杯勝ち馬ポタジェとG1馬5頭が参戦。そのほか天皇賞春2着馬ディープボンド、香港カップ2着馬ヒシイグアス、大阪杯3着馬アリーヴォなどが参戦して豪華な陣容となった。
このレースには事実上の最終世代が7歳であるステイゴールド産駒が3頭も出走、オルフェーヴル産駒もオーソリティ含め3頭出走しており、そちらも注目を集めていた。
また、タイトルホルダー、ディープボンド、パンサラッサ、ステイフーリッシュの4頭は凱旋門賞にも登録しており、凱旋門賞の出走を占うのに重要なレースでもあった(宝塚記念から凱旋門賞のローテは珍しくなく、昨年もクロノジェネシスがこのレースから凱旋門賞に挑戦している)。
豪華メンバーのレースにはよくあることだが、今回は有力馬たちにもそれぞれ不安要素があり、予想の難しいレースとなった。
エフフォーリアは連対率100%で前年を終えたが、古馬初戦だった前走の大阪杯ではまさかの大敗。
タイトルホルダーも距離が短いのではないか、また同じ逃げ馬のパンサラッサなどがいる中で思い通りに走れるのかという懸念があった。
パンサラッサにとっても、ハイペースに持ち込んでもなかなか潰れないタイトルホルダーは厄介である。
また、パンサラッサ自身も大敗した神戸新聞杯以来の2200m,ポタジェも前走がフロックではないかという懸念、実績は随一のデアリングタクトも長期休養明け2戦目と、混戦の模様を呈していた。
ファン投票結果
太字は出走馬。
順位 | 馬名 | 票数 | 性齢 |
---|---|---|---|
1 | タイトルホルダー | 191,394 | 牡4 |
2 | エフフォーリア | 188,525 | 牡4 |
3 | ソダシ | 129,212 | 牝4 |
4 | ポタジェ | 119,427 | 牡5 |
5 | レイパパレ | 113,501 | 牝5 |
6 | アカイイト | 103,502 | 牝5 |
7 | デアリングタクト | 102,317 | 牝5 |
8 | ディープボンド | 89,112 | 牡5 |
9 | シャフリヤール | 84,665 | 牡4 |
10 | ドウデュース | 80,092 | 牡3 |
11 | ユーバーレーベン | 65,175 | 牝4 |
12 | ジオグリフ | 51,733 | 牡3 |
13 | ジャックドール | 50,659 | 牡4 |
14 | スターズオンアース | 48,443 | 牝3 |
15 | パンサラッサ | 47,993 | 牡5 |
16 | サークルオブライフ | 40,103 | 牝3 |
17 | メロディーレーン | 37,988 | 牝6 |
18 | ダノンスコーピオン | 36,834 | 牡3 |
19 | キラーアビリティ | 31,388 | 牡3 |
20 | マカヒキ | 25,213 | 牡9 |
なお、タイトルホルダーとエフフォーリアの2頭は歴代の総得票数を32年ぶりに更新した(32年も記録を保持していたオグリキャップも凄いが)。
出馬表
番号 | 馬名 | 性齢 | 騎手 |
---|---|---|---|
1 | オーソリティ | 牡5 | C.ルメール |
2 | アフリカンゴールド | セ7 | 国分恭介 |
3 | メロディーレーン | 牝6 | 団野大成 |
4 | エフフォーリア | 牡4 | 横山武史 |
5 | アイアンバローズ | 牡5 | 石橋脩 |
6 | タイトルホルダー | 牡4 | 横山和生 |
7 | デアリングタクト | 牝5 | 松山弘平 |
8 | ステイフーリッシュ | 牡7 | 坂井瑠星 |
9 | マイネルファンロン | 牡7 | M.デムーロ |
10 | ヒシイグアス | 牡6 | D.レーン |
11 | パンサラッサ | 牡5 | 吉田豊 |
12 | ウインマリリン | 牝5 | 松岡正海 |
13 | アリーヴォ | 牡4 | 武豊 |
14 | キングオブコージ | 牡6 | 横山典弘 |
15 | ディープボンド | 牡5 | 和田竜二 |
16 | グロリアムンディ | 牡4 | 福永祐一 |
17 | ギベオン | 牡7 | 西村淳也 |
18 | ポタジェ | 牡5 | 吉田隼人 |
なお、オーソリティは本馬場入り後に故障、競走除外となった。
展開
タイトルホルダーが好スタートからハナを取ったが、パンサラッサとの競り合いの後、スタコラサッサとパンサラッサがハナを奪い、タイトルホルダーは番手についた。その後はアフリカンゴールドと続いた。
1000m57.6秒という毎日王冠のサイレンススズカよりも速いペースでレースが進んでいった結果、直線入り口でパンサラッサがいっぱいになりタイトルホルダーが抜け出す。その後、ヒシイグアスが猛追するも、タイトルホルダーの脚色は衰えず、2馬身差をつけ勝利。3着争いはデアリングタクトがゴール前でディープボンドを差していた。勝ち時計は2分9秒7のコースレコード。
終わってみれば人気上位馬がそのまま上位を占めたが、1番人気のエフフォーリアはハイペースに付いていけず、直線で脚伸ばすも、14番人気のマイネルファンロンに先着され6着となった。
結果
着順 | 馬 | 着差 |
---|---|---|
1 | タイトルホルダー | 2:09:7 |
2 | ヒシイグアス | 2 |
3 | デアリングタクト | 2 |
4 | ディープボンド | ハナ |
5 | マイネルファンロン | 1+3/4 |
この勝利でタイトルホルダーは、日経賞、天皇賞・春、宝塚記念と、重賞3連勝でグランプリホースの称号を得たとともに、現役最強、主役交代を証明した。天皇賞・春から宝塚記念の連勝はディープインパクト以来16年ぶり。また、タイトルホルダーが勝利した菊花賞、天皇賞・春が阪神開催だったことから、この快挙は実況で阪神三冠と言われた(同様でいうなら、宝塚記念が京都で行われたディープインパクトは京都三冠とも言える)。