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軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。

ぐんじんしょうじょこうりつまほうがくえんにせんにゅうすることになりました

冬瀬による小説作品。「小説家になろう」連載。一迅社より書籍化および漫画化されている。
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小説家になろうに連載された冬瀬による小説(ライトノベル)作品。


フルタイトルはサブタイトル込みで『軍人少女、皇立魔法学園に潜入することになりました。~乙女ゲーム? そんなの聞いてませんけど?~』となる。公式略称は『軍人少女』。


概要

2020年3月より「小説家になろう」にて連載が開始された作品。

2021年7月本編(現在の第1部)が完結。以降は不定期に番外編がアップされていた。

しかし2023年6月2日第2部軍人少女、聖女一行を護衛することになりました。〜勇者に魔王? 聖女は親友!? そんなの聞いてませんけど?〜』の開始が発表され、連載が再開された。


端的にぶっちゃけると「悪役令嬢幼女戦記」に毒成分(≒皮肉や風刺や殺伐さ、など)を抜きまくった状態をコンセプトとしているファンタジー学園青春ラブコメの転生チート添え。なお『幼女戦記』のフォロワー(リスペクト)作品であることは作者自身が公開の初手から明言している。(が、悪役令嬢ものとしてのラブコメ要素や、学園ものとしての青春要素が強化された上で、毒抜きが功を奏した結果として、リスペクト元とはきちんと差別化されている)


2021年3月に一迅社ノベルズより書籍化。挿絵はタムラヨウ。現在4巻まで刊行。

なお第2部の設定は、この書籍版の設定に依る事が公言されている。


のち一迅社発刊の漫画雑誌まんが4コマぱれっと』にて2021年10月号よりコミカライズ版が連載開始。のち2022年4月の『まんが4コマぱれっと』休刊(事実上の廃刊)に伴い『ComicREX』に移籍して同誌2022年5月号より2023年7月号まで連載、単行本は全2巻。内容は原作1巻の学園パートのみを描写したもの。作画者はsyuri22。キャラクターデザインは書籍版のものを踏襲している。

2023年1月より『マガジンポケット』および『Palcy』でも配信されている。


pixivタグとして

フルタイトルではpixivタグの規定文字数(30文字)を著しくオーバーする(およそ46文字前後)上、公式略称では他の関係無い「軍人の少女」や「軍服の少女」をモチーフにした作品もヒットしてしまうため、タグ付けにおいてはメインタイトルのみの使用が望ましい。

あと「こと」の誤変換(こと→事)に注意。


あらすじ

シアン皇国軍・魔物討伐部・五三七特攻大隊・隊長、ラゼ・シェス・オーファン中佐。子どもの頃に戦乱に巻き込まれ孤児になった彼女は、幼くして軍に志願し、持って生まれた転生チート(前世の記憶)を使って軍学校(士官学校)をもさっさと飛び級卒業して異例の大出世を遂げた16歳の軍人少女


そんな軍学校すらもトップで卒業したラゼに、新たに与えられた任務は「平民を装ってセントリオール皇立魔法学園の生徒となり、入学する生徒たちの円満な人間関係の構築をサポートせよ」という某転生幼女が聞けば血の涙を流して羨みかねないレベルのステキな任務だった。

軍務で潜入任務もこなしていたラゼはどこぞの戦争バカよりもその方面ではよっぽどに優秀であるため一般市民を装うことなど何も問題なく、むしろ「任務に名を借りて憧れの学生生活!」と(上司にそう吹き込まれた事もあり)思わず浮かれていた。


が、入学したセントリオール皇立魔法学園は、いわば貴族の学校。つまりは将来、国のトップとなる官吏(キャリア)候補生たちが集う学校であった。同級生たちは皇太子やその許嫁(将来の皇帝と皇后さま)や、宰相の息子などラゼにとっての(現在の上司の息子たちや孫たちでもある)将来の上司たちが勢ぞろい。つまりラゼの任務の本質は国の将来を担うVIPたちの秘密裏による護衛であった。その事実に気付いたラゼは「ここで人間関係(≒任務)を下手にしくったら、将来ヤバい事になる!」と蒼くなり「とにかく目立たないようにしよう」と誓う。


ラゼは平民を装う都合上、ラゼ・グラノーリと名乗り学園生活に臨むが、入学式で自らと同じ平民(かつ孤児)出身の少女であるフォリア・クレシアスと仲良くなり学生寮のルームメイトとなる。

さらには入学後のオリエンテーションで外務大臣の娘にして皇太子の許嫁でもあるカーナ・フット・モーテンスとも親しくなる事に。

とりあえずはフォリアやカーナという友人を得て学園生活を楽しむラゼだったが、カーナの素振りから、カーナと皇太子の間に微妙な空気を感じ取る。カーナと皇太子の間が破局して婚約破棄にでもなれば、国の上層部のパワーバランスが大きく揺れ動く地獄絵図となり、隣国の介入や戦争も起こりかねない……というか、そのまえに任務失敗でラゼの首が飛ぶ(物理的に)。


そうなっては困るラゼは密かにフォリアとカーナを観察していたものの、ある事をきっかけに実は同じ転生者であったカーナからとんでもない事実を聞かされる。


「この世界は乙女ゲーム『ブルー・オーキッド』の世界。ゲームのヒロインはフォリアで、カーナは悪役令嬢。やがてカーナはフォリアへの嫉妬と憎しみに染まり、魔物となってメインヒーローの皇太子とヒロインの聖女フォリアによって討伐され死に至る。その結果としてシアン皇国は貴族たちのパワーバランスを争う内乱と隣国の覇権争いに巻き込まれ、のちには大きく弱体化する」


この予言に行き当たったラゼは内心で思わず嘆く。


オイオイオイオイオーイ! 乙女ゲームなんて聞いてないよ――――っ!!!


こんな予言が的中されてしまえば、事態は自分の首どころでは済まなくなる。

ラゼは皇国軍人として、またカーナとフォリアの親友として、予言的中(ひいては皇国破滅)を阻止するため、カーナの破滅フラグを折りまくる日々を送る羽目になる。


今、皇国の未来は人知れず、たったひとりの軍人少女の小さな双肩に託されたのであった……。


登場人物

軍人少女とおともだち

ラゼ・シェス・オーファン / ラゼ・グラノーリ

本作主人公。皇立セントリオール魔法学園に潜入した軍人少女。階級は中佐

シアン皇国において最強の軍人に贈られる称号「狼牙」の名(本来は死後に追贈される名誉称号で、生還して名を受けたのは歴代ではラゼのみ)を賜っており、軍では「生ける狼牙」として生きる伝説になっている。得意魔法は「移動魔法」であり運用は達人級。瞬間移動残像だも難なくこなす。暗殺潜入任務にはもってこいの能力で、実際にそうした任務もこなしていた。が、それ故に軍において彼女の存在は存在しない事実(ブラック・ファクト)でもあり、その存在を知る者は彼女の部下や軍上層部などごく一部に限られている。

部隊では隊員みんなのお母さんかつ隊員みんなの妹母役と妹役を同時にこなすとんでもねぇロリにしておっぱいがついたてのイケメン。任務・訓練では一挙手一投足が部隊全員の生死に繋がるため部下への対応は壮絶なまでのスパルタンだが、ゆえにこそ部隊員からは「代表」と呼ばれ慕われる。軍上層部では年若いラゼを侮る(貴族出身の)キャリアも多いが、そんな奴らを前にした時には(演習に名を借りて)五三七特攻大隊の全員が狂戦士となる

中佐かつ「狼牙」の称号から、実は一代限りの名誉貴族(ミドルネームが与えられているのは、そういうこと)なのだが、孤児出身&軍出身という事もあり貴族の常識は持っていない。ある意味で今回彼女に与えられた任務は「これから上級貴族を(特に部下として)相手にする管理職を任される事もありうるから、そういう事も学べ」という事でもある。

軍人少女ではあるが、軍務や軍知識一辺倒というワケではなく、経歴上は一般市民に混ざった潜入任務もこなしている(また一般人だった前世知識もある)ため「軍社会と一般社会のギャップに苦労する」などという戦争紛争ボケ軍産複合体に喧嘩売った殺し屋教師みたいな醜態は演じてはいない。ただし、その一方でチート能力の加減を間違えて周囲を唖然とさせる「なろうのお約束」は、よくやらかす。

殺伐とした日常を癒す手段を「食」に求める食道楽。皇国軍のレーションのマズさにブチ切れ、前世知識を駆使して味の改善に全力を尽くした事もあったりする。部下・友人いわく「ものすごく美味しそうにモノを食べる」「とても美味しく食べるから、いくらでも御馳走のしがいがある、食べさせてあげたくなる」とのこと。特にお菓子(スイーツ)が大好きで、そのテの情報の収集には事欠かず才能の無駄遣いも辞さない(が、なぜか、いつも邪魔が入ってありつけない)。

国のため親友のため、親友の破滅フラグを折りまくり、そこに至らぬための別方向の恋愛フラグを立てまくる苦労人

学校では特待生となっているが、これは軍務書類に混ざって「適性検査」と称されたガチの入学試験を(本人には内緒で)受けさせられた上で純粋な実力を学園に評価されての事であり実はそれ自体はカバー(偽装経歴)ではない。ただし軍人である事や「狼牙」である事などは表にできないため「幼い頃に孤児となり、以降は冒険者として魔物討伐をして生計を立てていたが、学が無い事に難を感じて町の図書館で独学を行い、その姿勢が地元駐屯軍の偉いさんだった貴族を通して学園の目に留まり、その後見のもとに入学した」という偽装経歴を用意されている。

転生者であり転生チートの持ち主だが、あるのは自覚と能力と感覚のみであり転生前の明確な記憶は持っていない。ただし何らかの刺激(同じ転生者であるカーナとの会話など)によって必要時に必要なだけの前世の記憶を部分的に思い出す場合はある。

実は『ブルー・オーキッド』には名前すら登場しないモブキャラあるいは裏設定キャラクターであり、本作の「現実世界」と「ブルー・オーキッドの世界」の最大の差異にして特異点。原典世界を遵守する者たちからは世界を狂わすバグと呼ばれる。

第1部終盤における活躍で戦果を上げた事から、第2部では大佐に昇進。モルディール枢機卿から泣き付かれてフォリアの旅に同行する事になる。


フォリア・クレシアス

ラゼのルームメイトで、本作原典となる乙女ゲーム『ブルー・オーキッド』のプレイヤーキャラクターとなるヒロイン。ラゼいわく天使。ラゼのルームメイト。とても良い子。

治癒(回復・浄化)魔法が得意であり、のちには覚醒イベントを起こして魔法の能力が規格外に成長しシアンの聖女となる事が運命付けられている。

実は国教枢機卿モルディール家のバックアップを受けており、枢機卿家の年若い当主であるゼールに想いを寄せている。本来は彼とは死に別れる運命だったが、ラゼの活躍によりその死亡フラグは回避された。

第2部からは聖女の使命に目覚めたのか世界を浄化する旅に出る事となる。


カーナ・フット・モーテンス

ラゼのクラスメイトで外務大臣の娘。氷魔法に適性を持っている。皇太子の許嫁で将来の皇后さま。気品と気さくさを併せ持った、人の目線に立てる穏やかな令嬢で、ラゼいわく女神

実は転生者で乙女ゲーム『ブルー・オーキッド』のヘビーユーザー。原典乙女ゲーム『ブルー・オーキッド』の悪役令嬢であり、その運命に怯えていた。しかしゲームには存在しないラゼの登場により、彼女の存在が大きな希望となる。

なおラゼが転生者である事を確認する際にはシアン皇国の言葉ではなく日本語を用いており、ラゼも同様に日本語で応じている。そして、互いにそれが通じる事を確認した事でラゼが「この広い世界で、やっと出会えた、たったひとりの同胞」であると確信し、その「たったひとり」に出会えた(転生者としての孤独から解放された)事に安堵ゆえの歓喜の涙を流している。

実は『ブルー・オーキッド』のプレイヤーとしての記憶を取り戻したことが影響したのか、皇太子との恋愛フラグはアツアツで、ラゼいわく悪役令嬢フラグなんてとっくにブチ折れている状態だが、本人は気付いてない。

なお婚約者の束縛気質(後述)は当然、承知の上で受け入れている。


攻略対象のみなさま

ルベン・アンク・ローズベリ

ラゼのクラスメイトで皇太子。将来の皇上(皇帝)でラゼにとっては将来仕えるビッグ・ファーザー。カーナの許嫁。周囲に輝きを振り撒きまくるガチの王子様。炎魔法と水魔法の双方に適性を持っているダブルホルダー。

原典の『ブルー・オーキッド』ではフォリアと惹かれ合い、嫉妬の末に魔物と化したカーナを泣く泣く倒し、弱体化した国を取り戻す正統派メインヒーロー枠。

ただし、この世界ではカーナにラブラブ。しかも女友達であるラゼやフォリアにすら嫉妬するレベルで、少し束縛気質がにじみ出ている。ちなみにカーナに花の髪飾りをプレゼントしているが、素材になった花の花言葉は「(カーナを)誰にも渡さない」であり、その真意を察したラゼは人知れずドン引きした。


アディス・ラグ・ザース

ラゼのクラスメイトで、宰相の息子。風魔法が得意。ラゼにとっては直属の上司の息子。父親によく似た容姿の持ち主で、初対面の時にはラゼの顔は(ムチャ振り上司と同じ顔ゆえにトラウマが刺激されてしまい)思わず引きつっていた。本来は騎士団(近衛騎士)を志望しており、そちらの養成所への進路を希望していたが、父親にムリヤリ学園に放り込まれ不満がある。そして、その不満を誤魔化すためナンパに勤しんでおり(実はルベン狙いの女子生徒を自分に引き付けて彼の負担を軽くする狙いもあり、その上で「行状が悪ければ、父も自分を叩き直すために、騎士団か軍に入れてくれるだろう」とか思ってた)ラゼからは第一印象で最悪に思われている。(カーナもアディスの行状に苦言を呈するレベル)また、こんな事を企むあたりにも見られるように腹黒枠でもあったりする。

一方、剣の腕は(ラゼを除けば)学年随一。ただ体育の剣術においてルベン殿下に花を持たせ、あえて負けを踏むなど宰相の息子だけはあり空気は読める方で、無駄な争いは避ける(一見は無駄に見えても必要な争いすら忌避する)傾向にある。

その一方で自身も自らになびかず、なおかつ自分より優秀なラゼに対しては壮絶な違和感を抱いており、お互いに「食えないイヤなヤツ」とか考えていた。要はラゼのケンカップルの相方。ある事が原因でラゼにコテンパンにされた後には「絶対にラゼの鼻を明かしてやる」とナンパな自分を改めて奮起する事となる。


クロード・オル・レザイア

皇宮執事長の息子。影魔法に適性がある。皇太子の幼馴染で事実上の護衛役。常に手袋をしており、時折(特に苛立った時や感情を隠す際に)これを深く履き直す癖がある。心に闇を抱える影持ちイケメン枠。

実は執事長家は皇家に仇なす者を排除する事を生業とする陰の家であるためクロードも幼い頃からそうした「汚れ仕事」に手を染めており、皇太子を慕う反面で「こんな汚れた自分が何も知らない皇太子の側にいてもいいのだろうか」と(完全に杞憂な)苦悩をしている。

とある事情から魔物に襲われラゼの加勢を得た際、魔物の返り血で汚れきってしまったラゼから「汚いと殿下やカーナ様たちの側にいられないのかな? でも私は皆に拒絶されるまでは側にいたい。だって、みんなが大好きだから」と言われ、その言葉に悩みの答えを見出だし、自らの誇りを取り戻した。


イアン・マッセ・ドルーア

前騎士団長の孫。身体強化魔法が得意。天真爛漫で人好きのする脳筋おバカ枠。将来は祖父や父の後を継ぎ騎士から騎士団長になる事を目指して精進しているが、実は剣の腕は伸び悩んでおり「このままでは騎士団には入れない」として学園入学に至った過去がある。

祖父からは「お前は剣には向いておらん」(このままでは騎士として働ける強さは得られない)と突き付けられており、それを「見捨てられた」と捉えてしまい、ますます剣の腕に執着しているものの伸び悩みはますます悪化しておりヤケクソ寸前に陥っていた。

一方、ラゼは軍に入った頃、前騎士団長に「孫と同い年の娘っ子」という事で目をかけられ時に鍛えられた過去があった(あと伸び悩むイアンの姿に以前同じ悩みを抱えてヤケクソになっていた頃の部下の姿を写し見た)ため「おじいちゃん(前騎士団長)は無意味に人を突き放す人じゃない」と解っていたためイアンに前騎士団長の言葉の真意を諭した。

その結果、武器を剣から槍に持ち換えた事で才能が爆発的に開花。ラゼを「ラゼ師匠」と呼んで(やりすぎな)敬意を払い慕うようにな(ってしま)った。


ルカ・フェン・ストレインジ

財務大臣の息子。土魔法に適正を持っている。

貴族思考で平民を下に見る傾向はあるが、魔法の鍛練に真摯に向き合っておりフォリアの魔法の自主練に付き合ってくれるなど面倒見は良い。いわゆるツンデレ枠。

一方で特待生のラゼに対しては、接点こそそうは無いが、その優秀さから(アディスとは別の意味で)ライバル視しており、また魔法に詳しい事からラゼが実力を隠している事にも勘づいている。


軍人少女の保護者ーズ

ウェルライン・ラグ・ザース

シアン皇国の宰相閣下にしてラゼの直属の上司。ラゼにとってはムチャ振り上等のブラック上司。息子にも受け継がれている麗しのかんばせの輝きを振り撒きながら、にこやかに部下を死地に送る指令をバカスカ乱発する事からラゼたち部隊指揮官からは麗しの死神閣下と毒づかれている。(とはいえ死地に送った部下たちは、ほとんどが極限まで疲弊はしても問題なく生還しているので実際は「(部下の)能力の見極めが上手い上司」でもある)

上述したようにアディスの父親であり、騎士団や軍を志望して「学園で無駄に学業してるより一兵卒から経験を積みたい」と意気がる息子に対して「お前程度になど一兵卒すら務まらん」としており「学園に入って何かひとつでも学年一位になったなら、退学と入隊を許してやる」としている(もっとも同級生にルベン皇太子がいるため未熟な息子が空気を間違った形で読んで一位を踏めないであろう事を見越して言っている)。また、その上でラゼに対しては、おなじみ麗しの死神スマイルで「遠慮はいらんから天狗になってる息子をボコボコにしてくれ(本気を出しても構わん。というか出せ)」と頼んで(実質命令して)いたりする(まぁラゼと同い年である以上、ラゼほどの実力が無ければ見劣りされて軍で潰れる事は目に見えているので、あながち間違ってはいないのだが)。

ちなみにラゼを学園にやるに際して「任務」という形式をとる事を進言したのは、このヒト。(でないとラゼは部隊の部下僚友の手前、学園に行くことを承知しないだろう、と踏んだ)


バネッサ・ラグ・ザース

アディスの母。つまり死神閣下の奥方さま。

もとはアリアンヌ王国の姫。うら若きうちから国を守るために戦場を駆けた「戦う姫様」であった過去を持ち、シアン皇国をはじめとする近隣各国から難攻不落の戦乙女との二つ名で現在でも畏れられる。なお息子の教育方針があからさまな脳筋であり容赦ないスパルタンバーサーカー。アディスには負けず嫌いの傾向があるが、それはこのヒトからの遺伝。

死神閣下の奥方さまである以上はラゼの正体は知っており、密かに「狼牙ちゃん」と呼んでいる。

息子の無駄な争いを避ける傾向には夫の傾向を受け継いでいく事を感じて嬉しく思う反面で、まだまだ息子は未熟ゆえに「そんな事を考えるのは百年早い」とも思って歯痒く感じており、息子を奮起させてくれたラゼには感謝している。また、ゆえに「狼牙(ラゼ)ちゃん大好き! ウチにおいで! 息子の嫁になって!!」と熱烈なラブコールを(息子を飛び越えて)発している。


ハーレンス・ロイ・ビレイン

シアン皇国の皇弟閣下で、セントリオール魔法学園の理事長

実は国への貢献著しいラゼをセントリオールに入学させて皆に訪れる二度とは無い青春時代を誰でも経験するように過ごさせてやりたい、と兄(皇上)に奏上した今回のラゼの任務の張本人。(なので実はラゼに与えられた任務はラゼを学園に通わすための後付けの理由に過ぎない。ハーレンス自身は学園に通わすためとはいえ、ラゼに「任務」を与える事に反対していた)

以前、皇弟として戦場を視察した際にラゼの事を知り、年端もいかない少女が軍の一兵卒(しかもエース)として活動している事実に衝撃を受け、以降、陰ながらラゼの事を気にかけており「『狼牙』のファン」を自称している。また、ゆえに「その人生の歪みっぷりを、なんとかしてやりたい」とも考えて今回の任務を提案。ラゼには「普通の生徒として学園生活を楽しく過ごして欲しい」と思っている。


ガイアス・レジェン・アンク・ローズベリ

シアン皇国の皇上(皇帝)。ルベンの父で、ハーレンス理事長の兄。弟の進言を受け入れ、ラゼに学園生活を送らせる段取りを整えた。ラゼが学園生活を経て、どのように成長するのかを楽しみにしている一人。


ジュリア・ハーレイ / ジュリアス・ハーレイ

シアン皇国軍の魔物討伐部に所属している少佐で、見目麗しいお姉さま。三人称も女性称(彼女、かの女性、など)を使う事を周囲の他者にあえて求めている。だが男だ

普段は「ジュリア」と名乗っており、本名の「ジュリアス」で呼ばれることを嫌う。と、いうか本名を呼ばれると「今、ワタシの本名呼んだ奴ぁ誰だゴルァぁぁぁ!!!」とキレ散らかす。軍においてはカノジョの本名はアンタッチャブル。

探知(センサー)魔法の持ち主であり、特に敵意や害意の持ち主と位置を即座に、かなり高い精度で割り出すことができる、という警護向けの能力の持ち主。

皇国軍トップクラスの物理ではない女子力の持ち主。可愛いキャラ弁もお手のもの。ラゼを妹のように可愛く思っている。常々「恋愛対象はイケメンで強い男の子」だと公言をしているものの、彼にとってはラゼは特別のようで「相手がラゼちゃんなら別に(結婚する事になっても)構わない」としている。

ラゼが婚約破棄イベントを潰すため、イベントを先取りする(偽装婚約する)ための「お相手」として当人から声がかりがあったが、他の保護者たちによって潰されてしまった。(まぁ本人たちはそれほど気にしてないが)


ヨル・カートン・フェデリック

軍附属生物研究室に所属している魔物害獣学者。女性。研究のためなら常識も倫理も踏み倒すマッドサイエンティスト。通称:白衣を着た悪魔。仕事上、貴重は魔物のサンプルを持ってきて、さらには自分の専門的な話に付き合ってくれるラゼが大好きで、彼女が研究室に来るとベッタリになり全く離さない。ラゼのお婿さんになりたいとか本気で思ってるヒト。性転換(TS)薬をガチで作ってる可能性がある。

ラゼとジュリアの(偽装)婚約を知った際に本気でブチ切レたヒトその1で、ラゼのためにTS薬を使おうとして助手に実力行使で沈められ未遂に終わった。


フレイ・カンザック

ヨルの助手(教え子)…というか世話係……というかオカン。(一応)男性。ラゼに対してはいつもヨルが絡むので申し訳なく思っている次第。ヨルに脱線せずに仕事をさせるのと、ラゼをヨルから逃がすのが任務と化している。

本来おとなしいガチの理知的研究者なのだが、その分キレると恐ろしい人で特にヨルには容赦ない。必要を感じたならヨルの意識を実力行使で刈り取る事も辞さない。


セルジオ・ハーバーマス

軍付属研究所に所属する魔石道具(魔法道具)の技術者(兵装技師)にして発明家。「死神の玩具屋」の異名をとる、これまたマッドサイエンティスト。

なにゆえかこちらもラゼを気に入っており、ラゼが「あんなこといいな、できたらいいな」とお願いすると軍や王家の依頼案件を蹴ってでもラゼのお願いを優先してくれる。(逆をいえばラゼをダシにすれば、軍や王家の依頼を上機嫌で受けてくれる、とも言えるが)ラゼにとっての某青狸発明バイザーみたいなヒト。

ラゼとジュリアの(偽装)婚約を知った際に本気でブチ切レたヒトその2。直後、即座に自分の発明総動員で(酒場もろともに)ジュリアを殺ろうとした。(そして五七三特攻大隊が決死の覚悟と悲壮を浮かべた蒼い顔で止める事に)


五三七特攻大隊

シアン皇国軍の魔物討伐部に所属している大隊。人類未踏の魔物の大陸「バルーダ」への魔物討伐および環境調査と侵攻、あるいはシアン皇国の属する人間の住む大陸「オルディアナ」に住む魔物である「害獣」の討伐(本来、害獣は別組織である騎士団が対処するが、その手の足りない時やダンジョン探索などの特殊な事例では軍の出番になる)が、通常の主な任務。隊長はラゼ・シュス・オーファン中佐。(隊長に関しては上記参照)


クロス・ボナールト

ラゼの留守中に大隊の指揮運営を預かっている、ラゼの副官。階級は大尉。年若いラゼを経験にてしっかりとサポートしている。以前に妹がいたが、戦乱の果てに喪っており、ラゼに妹の面影を見る時もある模様。(もちろん上官・大隊長・多くの手柄を上げた軍人としての尊敬もしている)

学園に入学するラゼのために、大隊全員からカンパを取りまとめ「みんなからの入学祝」としてパーティー用のドレスとアクセサリー(貴族の学校であるため社交イベントがあり、それ用のドレスは必須)を贈っている。


ハルル・ディカード

クロスと同い年の同僚で中尉

一見は落ち着きのある常識人のように見えるが、実は戦うのが大好きな鬼武蔵系バトルジャンキーで沸点はかなり低い。ラゼはそれを見越した上で好き勝手戦わせてくれる(そしてガチでヤバい時には止めてくれる)ので、心から慕っている。

ラゼとしては「一人にしとくと何をやらかすか解らない」部下のひとりであるため、単独行動は許しておらず彼を出すときにはお目付け役として自分やクロスを同行させる事にしている。


ビクター・オクス・テリア

大隊に入隊したばかりの下っ端隊員。階級は伍長。下級貴族の出身でセントリオールの受験を失敗したのが軍入隊のきっかけだったとか。

ラゼを慕い、軍で最もヤベェと言われる五三七大隊を志願してきた(別の意味での)猛者&紳士。

ラゼが送ってきた学校の参観イベントの身内招待枠に入れなかった時には膝から崩れ落ち、別のイベントで招待枠を(補欠同然に)勝ち取った時には歓喜した。そして学園祭イベントでラゼの学生(イベント)姿を目撃した際には、その場で尊死しかけている。

Web版のクライマックスでは、ある出来事によって意外にも(軍務には関係ないが)「ちょっとしたナイスアシスト」をやってのけている。


外部リンク


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小説家になろう


一迅社

まんが4コマぱれっと ComicREX


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