アミバ
いつわりのてんさいあみば
「ん!? 間違ったかな…」
「どうやらおれが求める北斗神拳が完成の時を迎えたようだな!!ケンシロウ、お前の体で北斗神拳究極の秘孔を試させてもらうぞ!!」
「おれはどんな拳法でも誰よりも習得できる天才だ!!」
「きさまは長く生きすぎた」(ケンシロウがアミバに言い放ったセリフ)
【流派】アミバ流北斗神拳
【技】鷹爪三角脚
我流の北斗神拳のほか、中国の象形拳の流れをくむ鷹爪拳など、さまざまな拳法を使いこなす自称・天才男。かつてはレイとともに南斗聖拳を学んでいたが、のちに秘孔の研究に没頭。トキに己の未熟さを思い知らされたことを恨み、トキになりすまして秘孔の研究と称した残虐な人体実験を続ける。しかし、トキの行方を追うケンシロウによって研究は中断。最後は残悔積歩拳を受け、死の恐怖を味わいながら高層ビルから落ちて死亡した。
トキ不在の「奇跡の村」にその名を騙って居座り、治療と称した北斗神拳の点穴の技を応用した新しい秘孔の究明、すなわち何の罪もない村人を利用した非人道的な人体実験を行っていた。
その後、トキの噂を聞きつけ村にやってきたケンシロウと交戦。当初は身も心(?)もトキに成りすましており(背中の傷も成り切る為だけに自分で付けたもの)、人体実験や模倣で会得した数々の拳法を使い、兄相手に本気になれないケンシロウを追い詰めていった。
しかし加勢に来たレイの証言により、トキの偽者であることが知られてしまう。その悪行の数々にケンシロウが怒りを爆発させたことで一転、劣勢となり、そのまま秘孔を突かれなすすべもなく葬り去られる。
「ん~?何の事かな。フフフ…」
「ケンシロウ、暴力はいいぞ!」
「もう一度言う。おれは天才だ!!」
自分を天才と信じて疑わないナルシストかつ、人の痛みや苦しみを何とも思わない根っからの悪党ではあるが、先に述べたような独特の言動から一部でカルト的人気を誇っており、作中ではジャギと並ぶ名(迷)悪役として知られている。良く言えば努力家なことに違いないのだが…。
作中の活躍
かつては南斗聖拳を学んでおり、南斗水鳥拳のレイとは顔見知りだった。アニメ版ではネバダという親衛隊長もおり、レイいわく「修行時代は2人(アミバとネバダ)でいつも悪さばかりしていた」という設定が追加された。己を「どんな拳法でも誰より早く習得できる天才」と称していたが、どこからも奥義を授けられず、様々な流派を渡り歩いていた(アニメでは、さらに「天才はなんでも許されるんだ!」とうそぶいた)。
そんな中、奇跡の村で北斗神拳の秘孔の技術を医療に応用するトキの評判を聞き、自分もそれと同じ事をしようと、道端にいた老人の足の秘孔を突き施術を行うが失敗。
その時の「ん!? まちがったかな…」 はアミバを代表するセリフである。
なお、トキ外伝では最初から木人形としか見ておらず、「ちっ、失敗か!」と吐き捨てて見捨てようとしていた。
そこへ偶然通りかかったトキが老人を助けに入り、その時運悪くトキの手がアミバの顔を直撃してしまう。顔を叩かれたと逆上し襲いかかるもあっさりと制され「誰かは知らぬが生兵法は使わぬことだ!」と咎められてしまう(アニメでは「生半可で覚えた拳法は(以下略)」)。自尊心を大いに傷つけられたアミバはトキに対し異常なまでの憎悪と恨みを抱くようになる(トキ外伝ではZEEDをけしかけて村を殲滅させようとするが、患者を守ろうとするトキ、防衛のために立ち上がった村人達、更には偶々村に滞在していたジュウザの抗戦で逆に追い返されている)。
服装、髪型、さらには顔の形まで変えてトキに成りすまし、カサンドラに幽閉された彼と入れ替わるように奇跡の村に再び侵入し(ケンシロウに語った惨劇も実際はアミバ本人が仕組んだものであり、「悪党を怒り任せに皆殺しにした」というのも単に口封じと演出の為の処刑に過ぎなかった)、その評判を落とす作戦に出る。トキの噂を聞きつけ訪れた患者を木人形(デク)と呼び、新秘孔究明のための実験体としていった。さらには「木人形狩り隊」を結成し、奇跡の村の住人たちを無理やり実験体にするために捕えるなどしていた。
木人形狩り隊の中には、彼の秘孔究明により腕力や脚力が強化された者がおり、作中でもプロボクサーに「パンチのスピードが倍になる秘孔」を施そうとしていたことから、主に「肉体の強化」を目的とした実験を行なっていたことが窺える。
ケンシロウの目をもってしても最初はトキと信じ込ませるほどの変装ぶり・戦いぶりを見せており、少なくとも「模倣の才覚」としての天才的なセンスを持っていたことが窺える。
加えて、まともな師匠にもつかず自己流で身につけた"にせ北斗神拳"で、正式に修行を受けていたジャギすら上回る活躍を見せたことから、「本当に拳法の才能があったのでは?」という考察が挙がることも少なくない。
そしてそんな彼の天才ぶりは、本編を飛び出して意外な場所で評価されることになる…。
闘いの序盤こそ、北斗神拳や「激振孔」という新たな秘孔を見せ付けるなど、ケンシロウに対し有利に戦っていたが、次第にケンシロウが本領を発揮していくとピンチに陥り、追い詰められたアミバは女性(激振孔で殺された男の妻)を盾にして突進。ケンシロウが女性を抱き留めた隙に秘孔を突いてケンシロウの動きを封じる。
ここでトドメを刺せばいいのに、調子に乗ったアミバはケンシロウをいたぶり始める。そこへレイに乱入され、ケンシロウにアミバがトキの偽者であると明かされる。動きを封じたと思っていたケンシロウも、「秘孔封じ」によりその呪縛から逃れられてしまい、慕われていた部下たちからも「俺たちは本物のトキ様だと思っていたから従っていた。正体がわかった以上、あんたの命令は聞かん」と見捨てられ、さらに自分一人だけの都合の為にトキだけでなく北斗神拳までも傷つけたことからケンシロウにも「きさまは長く生きすぎた」と宣告される。
ここで注目すべきは、ジャギの部下は人間性や目的をすべて知ったうえで最後まで従っていたのに対し、アミバの部下は正体が露見したとたんに、手のひらをかえすように見放している点。ジャギとは対照的な日ごろの部下への扱いと根っこの部分からの人望のなさがうかがえる。
最後の手段として、自ら究明した新秘孔を使い筋肉を増強させ反撃を試みるも、直後、手の指が吹き飛び増強した筋肉も萎んでしまう。
この点については「すでにケンシロウに秘孔を突かれていた」「アミバの想定しなかった効果が出てしまった」など公認・非公認問わず様々な考察が飛び交っているが、実際のところははっきりしていない(PS版では、明確にケンシロウの攻撃によるものとして描写されている)。
最期はケンシロウの北斗神拳奥義「残悔積歩拳」を受け、両足の自由を奪われてビルの端まで歩かされる。「オレを殺したらトキの居場所がわからんぞ!」と命乞いするが「きさまらなどに殺されるトキではない」と一蹴される。逃れられない死の恐怖を味わわされた末に転落、「うわらば」と断末魔を残し爆散した。
死の間際には「天才のこのオレが、なぜ~っ!」と叫んでおり、最後の最後まで自らの過ちを認めることはなかった。
後に、アミバはジャギ共々拳王(ラオウ)の命令で動いていただけに過ぎないことがトキの口から語られている。アミバが発見した新秘孔が全てラオウに伝えられたことも(そのためなのか、アニメでは断末魔が「拳王様ー!」に変更されている)。
ただし前述の人体実験に関しては、ラオウの命令ではなくアミバが勝手にやっていたとする書籍もある。
前述の通りトキに成りすますために、彼に近い服装(白い衣装・鉢金など)をひと通り身に付けている。髪色は原作では黒、アニメでは白に脱色している(アニメでの彼の元々の髪色は金)。
目付きが悪く、目の周りに深い陰が入っている。また、本物より少しアゴがしゃくれている印象を受ける。鼻はトキに成りすますために変形させていたらしく、ケンシロウに殴られて腫れた鼻をみたレイは「昔の顔に戻った」ともらしていた。
また、トキはかつて滝で修行中のケンシロウを落下してきた巨大な流木から身を呈して守ったことがあり、その際に背中に大きな傷を付けたことをどこからか(トキ外伝においてはジャギから)聞きつけ、己の背中にも大きな傷を刻みそれを再現していた。結果的にこれは、ケンシロウとの対戦時に己が本物のトキだと信じ込ませる大きな要因となった。
アミバ流北斗神拳
アミバが北斗神拳と己が研究によって発見した新秘孔を組み合わせて創りだした拳法。ラオウ外伝ではこれの前身と思われる「北蛇鍼拳(ほくだしんけん)」という拳法を自称している。
激振孔(げきしんこう)
アミバが新たに発見したという経絡秘孔で、心臓の活動を劇的に亢進させて動脈を破るまで血圧を上昇させる効果がある。これを止める秘孔はなく(発見されていないだけかもしれない)、ケンシロウは実験台にされたユウの父親を救うことが出来なかった(ユウ自身はアミバに秘孔を突かれて殺された。アニメでは間一髪でケンシロウに救われている)。
鷹爪三角脚(ようそうさんかくきゃく)
正体がバレたアミバがケンシロウに放った脚技。壁を利用した三角蹴りの要領で相手を襲撃する技だが、ケンシロウにあっさりと避けられ反撃を喰らう。
ちなみに、『DD北斗の拳』のED「ほくとのけん 言えちゃうかな」では、彼を代表する技としてその名が上げられている。
当初はジャギ同様にトキも悪役として描く予定があったが、
「伝承者候補をみんな悪役にするのもどうか。トキ良い人だしキャラ変えよう」
というようなやり取りが原作者と編集者の間で交わされていたらしい。ケンシロウがトキの正体を見抜けなかったり、ケンシロウをしのぐ技の切れを持っていたのもその名残だろうか。
TVアニメ版では、死後もモブキャラとして何度か背景に登場しており、『北斗の拳』『北斗の拳2』の両シリーズ最終回にはギャラリーに紛れる彼の姿が確認できる(ただし、いずれもセリフ等は無い)。
また、アニメ回想シーンでは金髪ピンク服な過去のアミバを見ることが出来る。そのシーンでトキに顔を叩かれたときにアミバの髪色が一瞬だけ白髪に変わっている。おそらくは彩色のミスと思われる。
原作でレイが駆け付けるシーンに於いて、TVアニメ版ではレイの他にマミヤ、バット、リンも駆け付けている。最もリンがケンシロウを追う⇒リンがいないので心配したマミヤ&バットがレイと同行する形となった。
サブカル誌『ファンロード』毎号の「シュミの特集」では『北斗の拳』のみならず、あらゆるジャンルの漫画やアニメ、小説の特集であっても毎回「アミバ」の項目があることが伝統となっており、名前順で項目が作られるシュミ特でアミバがトップになれない事を毎回ネタにされていた(実は何度かトップに立った事もある)。そのため「北斗の拳は知らないけどアミバは知っている」と言う、変な知名度の高さを誇る(当然、知ってると言っても「自称天才な目つきの悪いロン毛」程度の内容でしかないが)。現代のネタ系辞典に意味もなくアミバの項目が存在するのも、この影響から。
このように(無駄に)知名度が高いにもかかわらず「トキの成り済まし」と言う存在ゆえに、殆どの場合「トキフィギュア付属の交換用頭部」ぐらいでしか立体に恵まれず、単体で製品化されたのはプライズで1回だけという不遇さである。
厳密にはTV版放映当時に、100円ガシャ消しゴム人形や子供向け食玩・プラモデルなどで立体化はされているものの、現在のホビー製品とは同一線上には語れないだろう。恐らく入手も非常に困難であると思われる。
連載当初はトキと一緒に捕らえられたり北斗四兄弟に混ざってみたりとトキのそっくりさんネタ等でたまに登場するくらいでほとんど出番はなかったが、
作風が原作のパロディネタメインから独自のストーリーで進むようになると扱いが大きく変わり始める。
なぜかつきまとっているうちにトキの助手として定着していき、連載当初見せてた笑い顔や本編のナルシストじみた行動は殆ど見られなくなっていく。
トキには「使い方を間違えなければ人のためになる男」と実力を認められておりついには自身亡き後の人々の希望である『トキ』として生きろと正式に後継者となって鍛えられる程になった(まあ死にネタすら扱っていたギャグ漫画なのだが)。
本人の意識も変わりトキに上記のことを告げられた時は涙を流したほか、子供の治療でもかつてと違い秘孔を間違えてしまわないか慎重になっていた。
そして…
苦しむ者達の希望となるため…アミバ新生!
希望を繋ぐ者……その名はアミバ!
(共に連載時のアオリ文)
トキの技である天翔百裂拳を使い勝利を収めた。
なお、これは本人の素質も大きいとのことだがテンションを抑制したことによる成果らしい(世紀末の死闘ではテンションを上げた者が死ぬというトキの理屈)。
このようにまさかのトキ本人から才能を認められ、アミバ自身も人間としても拳士としても大きく成長を遂げるという派生作品中もっとも救われた立場。トキ自身も医療技術としての秘孔の後継者が見つかったことになる。悪事を働いていたキャラが更生の様子を見せている本作の中でもとんでもない優遇である。
なお、その代償か何故か未だにまともな台詞がない(テンション抑制前の連載初期から笑い声以外喋ったことがなく、せいぜいジャギにテトリスのアドバイスをしたときくらいである)。
烈海王や八神庵が異世界に送られる大転生時代、『北斗の拳』から異世界に送り込まれたのは…まさかのアミバ。
基本的には性格は変わっておらず、いつものアミバである。
異世界に転生したという事実も持ち前のポジティブ思考であっさり受け入れている。
とはいえさすがに一般人を実験台にするようなことはせず、ハイテンションなお調子者ながらもある程度の常識人に落ち着いている。サバイバル生活の影響で悟りに至った際にはきれいなアミバ状態となったこともあるが、トキにそっくりな人物が力を貸して欲しいと恭しく平伏する様を見ていつものアミバに戻るなど俗物っぷりも健在である。
行き倒れていた所を村の老夫婦に拾われ、スープの味に感銘を受けてからはそのまま居着いている。ゴブリンの群れから村を護ったり秘孔術で村人を治療してみせたりと着実に活躍の場を広げている。
迷言である「うわらば」はもはや口癖と化しており、生き返った際の第一声もそれ。
リンにそっくりな魔法使いリリンから教えを乞おうとして、ケンシロウを思わせる気迫に圧倒されていいようにこき使われてしまう。死ぬほどの特訓を重ねて漸く使えるのが光の小さい球を発射するだけの初球魔法「ノクトルカ」だったのだが、本人としては出来ただけでも嬉しかった模様。
実際にこの技はしっかり活用されており、物理法則の通じない墓所の守護者に対して元が人間であるならば、秘孔自体は存在する事や魔法であればダメージは負うという性質を見抜いてノクトルカ(本人は『二指煉獄破』と命名)を鍼代わりにする事で秘孔を突き、ワンパンして見せている(この技を『新アミバ流 北斗神拳 二指怨霊破』と命名)。貧弱な見た目のノクトルカをピンポイント攻撃として昇華させた所にアミバの天才的センスが窺える。
ハート様そっくりのボストロール(ご丁寧に配下もヒャッハーなゴブリンである)との対決では小手調べに秘孔を穿つも全く効かず(モンスターだったから効かないとの事)、ならばと放った「アミバ流南斗水鳥拳」でバラバラにしたことや伝説の勇者に近い特徴を持っていた事から村人から英雄視されるようになり(勇者の才を持つ者にしか抜けない聖剣を抜けた辺り、何らかの素質を持っている事は確かだが、天才に武器はいらんという理屈から聖剣をバラバラにしてしまった)、次第にリハクやバットたちにそっくりな仲間達も集まっていた。
生前行っていた秘孔研究の積み重ねが結実したのか原作の回想時より医療技術が大きく向上しており、(一度は間違った秘孔を突いてしまったものの)長老の膝を治療することに見事成功、次々と村人の持病も治してみせるなど株を上げ続けている。
ギャグ補正故か耐久力は本編よりも上がっており、強力な火炎魔法や魔力の弾丸を浴びても死なずに吹き飛んだりのたうち回ったりするだけで済んでいる。が、さすがに魔法の飛び交う異世界の強者に拳法と貧相な光弾だけで戦うのは無理があったのか、敵対勢力である魔王軍の騎士と交戦した際は前述した弾丸の一撃でノックアウトされてしまった。
しかし足りない技は身に着けるのがアミバという男。魔王軍に対抗する力を身に着けるため、デカイバの推薦でMANALAND(マナランド)魔法学院に入学し、魔法の修行に四苦八苦することとなる。
そこで明かされたのはアミバには火・風・水・氷・雷・土などあらゆる属性を使える希少な才能を有していた事であった。
反面、これまでにショボい魔法しか使えていなかったのはそれを外界へ放出する才能に乏しいからであり、アミバの体術に着目したラスロップ教授に「魔法を内に込め、敵に直接触れて流し込めば良い」とアドバイスを受けた。つまり、先程の二指怨霊破はアミバの闘法にマッチしたアプローチだったのである。
強いことには強いが、魔法については(この世界の人々から見れば)ど素人も同然である為にアミバ一強になりすぎない絶妙なバランスに味付けされており、成長の余地が多分に残されているのが本作のアミバの魅力といっても過言ではない。
北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝
「『北斗の拳』は1980年代に制作されたアクションドラマ」という設定の本作では俳優の大石博典が演じる。ジャギに続く第3シリーズの敵として登場。
医療ドラマ『黒い巨峰』で大石が演じていた患者の命を救うエリート医師から一転、今度は世紀末の殺人医師ということで、眉毛を剃り特殊メイクで額をせり出させて目の周りに影を作るなどいかにも悪そうな容姿となっている。
残酷描写が苦手であり最初は北斗神拳による爆死シーンで失神していたが、『黒い巨峰』での手術シーンと同じく「患者を救う」「治療する」という自己暗示で乗り越えた。
そのままトキとしてケンシロウに敗れ退場することになっていたが、大石が次に出演する予定だったドラマが諸般の事情で制作中止となり、所属事務所『ヘイプロダクション』社長が番組プロデューサーの剃江にトキの続投を要請。剃江は監督の原口勝夫・脚本の武藤尊徳の両名にどうにか「今戦っているトキは偽者だった」という形に出来ないかと相談し、ケンシロウの兄弟子全員が悪党という展開に思うところがあった武藤もトキを主人公を導く先達というポジションとして仲間にすることに同意する。
ニセトキ、ドギ、トウキ、キト、アベバ、アベシ、アリババなどの候補の中から名前をアミバに決定。
主演俳優の橘優李は自身の演じるケンシロウがユリア人形に続きトキの偽者まで見抜けなかったことを嘆くが、原口はアミバは天才だから騙されるのも無理はないと橘に言い聞かせ、同意を求められた大石が咄嗟に「お…おれは天才だ~~!!」と叫んだことで、己の才を過信しひけらかすアミバのキャラクターが固まった。
アミバとトキのファーストコンタクトである「まちがったかな」のシーンは別々に撮ったトキとアミバを合成する形で1人2役を演じることになる。トキに張り飛ばされて逆上し殴りかかるアミバと指一本でそれを止めるトキを見事に演じきり、その天才的な表現力によりスタッフにはその場にいないトキとアミバの幻影が見えていた。
最期はアメリカのダンサーの後ろ向きに歩く動きを参考とした残悔積歩拳により高所恐怖症にもかかわらず自ら高所から落下。「うわああ!」という悲鳴と「(地面に激突したらバラバラになる)」という思考が合わさり、伝説の断末魔「うわらば」が生まれた。
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