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「世界一の殺し屋 桃白白だじょー」

CV:大塚周夫(元祖、2000年代発売の各種ゲーム作品)→岸野幸正(DBZ第170話と174話及び同時期に発売された各種ゲーム作品での代役。大塚没後は正式な二代目として各種ゲーム作品に参加。)

解説

殺しの腕は世界一と言われる名高い殺し屋。本作品では初となる明確に人を殺したキャラクター孫悟空を打ち負かした最初の悪役でもある。

鶴仙人の実弟であり、天津飯餃子の先輩(兄弟子)に当たる。

世界最高と謳われるその暗殺術はまさに圧倒的で、格闘能力ではレッドリボン軍随一であるブルー将軍を、だけで簡単に殺してしまった程。(技名は『舌突き』。)

初登場時はレッドリボン軍に雇われ、ドラゴンボールを奪う任務とそれの邪魔をする者の抹殺を依頼される。イエロー大佐率いる部隊を壊滅させたボラ(ドラゴンボール)と手始めに対決し、ボラを空中に放り投げ、彼の武器である槍を投擲して殺害。そのまま孫悟空と戦う事になる。

その戦いで完敗を喫するも、運良く命拾いした悟空はカリン塔での修行でパワーアップ。再戦で逆に圧倒された桃白白は、手榴弾を蹴り返されて敗北する末路を辿った。その時に爆発四散したかに見えたが…。

原作の設定を変えた劇場版『摩訶不思議大冒険』においてはミーファン帝国大臣の鶴仙人と共に暗躍する殺し屋として登場。原作準拠の展開だが、アラレちゃんに翻弄される様子が描かれている。

劇場版『最強への道』では、尺の都合で未登場となっている。

初期キャラだがそれ故に色々印象深く、後述の飛行法や初めて悟空に土をつけた強敵という実績もあってファンは多数いるようだ。

Sparking!_METEOR』等一部のゲーム作品では悟空から「たおぺぇぺぇ」と呼ばれてしまっている。

容姿

名前が漢字だけ見ると『ももしろしろ』とも読めるため、ゲーム『KAKAROT』の「追加シナリオ:波乱の天下一武道会」では、亀仙人『桃のようなナイスバデエなお姉ちゃん』と、えっちい人物像をイメージしているが意外とそれとは正反対に、厳めしい表情と長い三つ編みに束ねた黒髪(弁髪)が特徴。

外見は中年程度に見えるが、実年齢は291歳と、実兄の鶴仙人と然程変わらない高齢者。

桃色を基調とした中華風の拳法着(色違いなだけでデザイン自体は鶴仙流胴着そのもの)を着用しており、左胸部分には『殺』のロゴ、背中には英文の『KILL YOU』の文字が描かれている。

人物像

現在の彼からは想像も付かないが、初登場の20年前まではサラリーマンであった脱サラ後に鶴仙人に師事し、彼を超える武術家へと変貌。裏社会へと進出した彼は殺し屋として活動し、富と名声をほしいままにしていた。

後述するようにジョークを飛ばしたりユーモアを交えたりとお茶目な一面もあるが、やはり一流のアサシンだけあって素は冷酷かつ非情。標的と定めた相手はおろか、その時の気分次第で無関係な者でも手に掛ける。実際、自身の服を新調させた仕立屋を支払いを求めたというだけで、指突きで額を突き破り殺害している。

窮地に立たされればどのような手段も辞さない卑劣さを持ち合わせており、実力も含めて極めて危険な人物である。

その評判は裏社会だけでなくカタギである一般人にも知れ渡っており、名前を聞いただけで恐れおののく者もいる様子。

DRAGONBALLフルカラー少年編6巻によると、酒場にいたところをミスター・サタンとその師匠に遭遇。師匠の方に髪型をからかわれたことで殺害し、その場にいたサタンにも重傷を負わせ、彼に正体が解らない相手や強そうな相手は決して闘わないと肝に命じる程のトラウマを与えた(鳥山明談)。

その一方で、印象に反したジョークやユーモラスな発言も多く、初登場時には周囲が彼に畏怖の念を示す中で「殺し屋さん20周年記念キャンペーンで半額セールを実施する」という話を切り出し、依頼主であるレッド総帥が呆気に取られる場面がある。そのギャップには、同席していたブラック補佐も「……本当に桃白白さん?」と思わず訊ねてしまった程。

また意外なところで絵心があるようで、悟空との初戦でボロボロになってしまった服を調達するために訪れた町にて、仕立て屋に服の注文をする際に自分で同じ服のデザイン画を描いて渡している。画風もどこか愛嬌があり、更なるギャップを醸し出している。

アニメ版では上記の「桃白白だじょー」という変な自己紹介はなかったことにされており、普通の口調で自己紹介をしている。

彼の私生活は不明だが、独立後もしばしば鶴仙人と会っていたようで、アニメ版には、少年時代の天津飯の修行に立ち会っている回想場面がある。また、宿泊したホテルで入浴中に気で風呂を沸騰させてゆで卵を作って食するなど、人間離れした面もある。

殺し屋として

依頼を受ければ老若男女、人種や身分を問わずに誰でも殺す。仕事料は一人につき一億ゼニーと、本人が言う通り法外かつ一般人では到底目の当たりにする事の無い金額である。

初登場時は殺し屋稼業の20周年記念という事で半額セールを実施しており、ある場面では直筆と思われる広告ポスターまで貼り出している。

技能としては暗殺拳である鶴仙流の達人であり、指先や舌先だけで人を死に至らしめる他に、三つ編みに束ねた髪でさえ強力な武器にもなるという全身凶器。切り札は同流派の気功系の技「どどん波」。

なお、鶴仙流の使い手の中では彼のみ舞空術を使用しない。

専ら拳法による暗殺が主流のようだが、体術だけでなく爆発物の扱いや剣術にも精通しており、実際にはオールマイティーな殺し屋と言える。

作中では孫悟空を「最初に打ち負かした悪役」として有名であり、初戦時においては亀仙人と互角の勝負をした悟空を瞬殺し、かめはめ波も防御して大したダメージに至らなかった実力は当時大きな衝撃を与えた。

悟空世代が生まれる前は天界の人々や封印されていたピッコロ大魔王以外では、地球で一番強かったのかもしれない。

自身の手榴弾を弾き返された時は重傷を負っていたので、単に悟空が手榴弾を跳ね返したことへの驚愕と絶望と恐怖で固まって防御が間に合わなかったのか、手榴弾自体が高威力な特別製だったと思われる(後に山を消し飛ばす威力のミサイルなどが登場したため、後者の可能性も充分ある)。

悟空の胸をどどん波で撃ち抜いて殺したかに思われたが、悟空は懐にしまっていた四星球で命拾いしていた。そのことに気づかないままレッドリボン軍本部へと帰還し(途中で街に立ち寄り服を調達)、その間に息を吹き返した悟空はカリン塔で修行を始める。

電話での報告の際にレッド総帥達から指摘されて四星球の存在に気づいた桃白白は、服を仕立て屋に新調してもらった後、聖地カリンに戻りウパを尋問。悟空の居場所を聞くが口を割らなかったため始末しようとしたところ、間一髪でカリン塔から悟空が戻ってきたため再戦となる。

カリン塔で修行した悟空には歯が立たず、完敗した。

そこでウパに謝るから許してくれと命乞いを始め、悟空がウパに振り返ったその時、手榴弾を投げつける。自身は上空まで飛翔して爆発から逃れようとしたが、悟空に手榴弾を蹴り返されたことで至近距離の爆発に巻き込まれ敗北した。皮肉にも、空中にいたところを自身の武器を投げ返されて敗北するという、ボラと同様の末路だった。

悟空に対しても効果を発揮する超能力使いであり、かつ修行によってレベルアップを果たしたチャオズを易々と倒し(この時のチャオズは動揺していたのでメンタル面で全力を出し切れてないが)、アニメ版においては同じく超能力を持つブルー将軍に金縛りを仕掛けられても平然としていた事から、超能力そのものに対し強い耐性を持っているようである。

アニメ版『ドラゴンボールZ』での再登場

第170話にて再登場。チャズケ村の顔役のバーボンの用心棒となっている。

時期的には、セルがテレビ放送を利用してセルゲームの開始を宣言した頃となる。

バーボンは村人達を強制労働させてセルから逃れるためのシェルターを作らせ、一方で村人達を「逆らうならシェルターに入れてやらないぞ」と脅して私腹を肥やしていた(村は一度セルに襲われており、都市のように生体エキスが思うように得られないため見逃された)。

殺しの依頼がなく退屈していた桃白白は、バーボンに誰か殺してほしい奴はいないかと尋ねるが、いずれたっぷり働いてもらうとしてその場では拒否される。

格の違いは明らかであり、バーボンの方が桃白白を「先生」と揉み手するような間柄であった。

そんな中、見かねたラオ老人(見た目はジャッキー・チュンそっくりで髭が短い)が反旗を翻す。バーボンの手下たちでは歯が立たず、ついに桃白白の出番となる。

最初は互角の打ち合いを見せたが、すぐさまラオを蹴りの一撃で地に伏させ、スーパーどどん波で止めを刺そうとする。

だがしかし、調味料の買い出しに来ていた孫悟飯が居合わせたため横槍を入れられ失敗。「どこかで見た気がする……」として悟飯に名前を聞いたところ「孫悟空の息子だ!」と言われたことで悟空に敗北した時の記憶がフラッシュバック

すっかり臆病風に吹かれてしまい「用心棒はもうやめた」と言って、木を代用にした例の飛行法でさっさと逃げてしまった。

その後、シェルターは悟飯によって破壊され「僕程度で壊されるならセルには耐えられない」「8日後にセルを倒す人達が集まる」と告げて村人達を納得させた。

後に第174話で再登場。今度はウォッカ(CV:塩屋浩三)というマフィアの用心棒をしていたところ、超サイヤ人状態の孫悟空と再会。最初こそ気がつかなかったが悟空が自分で名乗ると「しまった…」と小声でぼやいた。

初めは仕込み刀で不意打ちを仕掛けようとしたが、隙が見つからず知恵の輪で一日中アジトに拘束させ、その隙にドラゴンボールを強奪。しかし、瞬間移動で現れた悟空にあっさりドラゴンボールを取り返されて唖然としていた。

サイヤ人絶滅計画の桃白白

FCRPGサイヤ人絶滅計画』を元にしたOVA版を更に元にしたプレイディア専用ソフト『真サイヤ人絶滅計画』に登場。

ゲーム作品とはいえ、新規に描き起こされたセルアニメムービーに岸野幸正が演じる桃白白が登場する。

悟飯が西のはずれの砂漠を探索するパートで「石油やぐら」を選択すると桃白白と遭遇。

既に悟飯とは互いに面識があり、悟飯から「桃白白さん」と呼ばれている。

「お前みたいに強い奴がたくさんいるから」と殺し屋をやめて土地と石油採掘所を購入して一攫千金を狙っている。

「これなら文句はないだろう。とっとと俺の土地から出て行ってくれ」と言われた悟飯は謝りながら早々に立ち去った。

最期

上記のエピソード以降は登場しないが、作者によると、何かの騒動に鶴仙人と共に巻き込まれて2人同時に死亡したかもしれないとのこと。

一般人が彼らを倒せるとは思えないが、さすがに地球人である以上、少なくとも魔人ブウの地球人絶滅光線(アサルトレイン)か、あるいは地球破壊により死亡しているはずで、ベジータにより復活対象は「極悪人を除いて」とされたため、所業から見ても生き返ってはいないと思われる。

カッコイイ飛行方法

舞空術を使用しない桃白白が用いる、特殊な飛行方法。

柱や大木などを上空へ投げ飛ばし、ジャンプして即座に追いついたそれに飛び乗って移動するというもの。

その速度はジェット機以上、計算すればマッハ7.52(秒速2555m)以上であるという(リアルなら間違いなくソニックブームが発生する)。

柱を数百キロ先に届くほど投擲するだけでもすごいのに、先に投げた柱に瞬時に追いついて飛び乗るというのだから、いかに桃白白が常軌を逸した達人か、わかろうというものである。

その見た目などのインパクトは現在でも注目されており、Pixiv内では様々なキャラクターがこの飛行方法を実践したパロディイラストが多く投稿されており、こういった作品に「桃白白」のタグが付けられる事も多い。

また、一部の個人サイトや動画サイトでは、この飛行方法を空想科学よろしく難解な物理計算や数式を用いて分かり易く解析・解説した、とんでもない方々が御座すようである。

ただしその計算結果によると、桃白白と柱の間には何の力も働いていないため、柱がなくても同じように飛ぶとのこと。

なお、ドラゴンボールゼノバース2では、これを再現した乗り物が登場する(地を走るだけで飛行はできない)。

鶴仙流でありながら舞空術を使わないことに対して疑問の声もあるが、実は初期の舞空術はただ浮遊できる程度のもので、長距離移動に用いるにはスピードが遅く気の消耗も激しかった。

天津飯も、ピッコロ大魔王との戦いに赴くときには舞空術ではなくジェット機に乗っていた。

ラディッツ戦ではピッコロから「貴様らの情けない舞空術」呼ばわりされ、実際にこの頃の悟空も長距離移動に筋斗雲を使い、蛇の道で舞空術を使った時、すぐに「余計な体力を使った」といって後悔しているほど。

第22回天下一武道会でも、天津飯とチャオズが舞空術を使ったのは場外落ち対策と爆撃の時だけで、格闘にはほとんど使っていない(せいぜい空中で静止して間合いを外した程度)。

ということで桃白白が舞空術を使わなかったのは単に使う必要がなかったため(試合ではないため場外負け対策をする必要もないし)とも考えられる。

身も蓋もないことを言ってしまえば、舞空術が登場したのは桃白白より後であり、鶴仙流との繋がりも後付設定に過ぎないからなのだが。

なお、Sparking!シリーズなど一部のゲーム作品では、桃白白が舞空術を使える場合がある。

関連イラスト

(左画像:初期、右画像:サイボーグ化後)

関連タグ

ドラゴンボール

鶴仙流 どどん波 鶴仙人 チャオズ 天津飯(ドラゴンボール) サイボーグ桃白白

マッスルインフェルノ:上述の飛行方法と似ていると言われる。

 

ヒット(ドラゴンボール):長い時を経て同作に登場した同業者。ただしこちらは公私混同せずターゲットのみを純粋に狙う正統派。

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