鈴菌
すずきん
これを持っているスズキは、実はとんでもない奴らかもしれない。
鈴菌撒いてやんよ
∧_∧
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C□ /゚。:゚s:。+゚s
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∧_∧ 彡 アッ!
( ・ω+。s:゚s 彡
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チョイノリホスィ…
<⌒/ヽ-、__
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スズキ車、特にバイクの魅力を伝える役目を持つとされる、架空のウイルス。
スズキのものづくりは昔から独自路線が強く、良くも悪くも突飛な製品を発売することが多々あった。
それらは成功すればブームを開拓したり、失敗すれば短期間で爆死したりと様々な結果を生んだ。
このようなスズキの特殊性や変態性の虜にさせるウイルス、それが「鈴菌」である。
4輪車がエジキになるまで
前述の通り元々はスズキのバイクに対して使われるネタであり、逆に4輪車は「鈴菌」に至る1980年代から2000年代(ゼロ年代)初頭まではむしろ真逆の扱いを受けていた。
というのも、バイクの方はカタナやCOBRA250に代表されるように非常に先鋭的なデザインや機能・性能・商品性を持ったものが多かったためにこのスラングが生まれたのである。
その一方で4輪車は、自ら開拓した軽ボンネットバンブームからのオーソドックスな2BOXスタイルのアルト、スバルのサンバーに端を発するこれまた冒険的とはいい難い軽ワンボックス/トラックのエブリィ/キャリイが長年主力商品であり、アルトよりは高い居住性を目指してワゴンRを発売すれば今度は他社もそれに追随してきて軽トールワゴンばかりになってしまう、という経緯から、特に登録車市場におけるトヨタに対する軽自動車市場でのシェア首位メーカーという印象が強く、スズキの4輪車のイメージは「フツーに走ってるクルマ」だったのである。
下記にある通り、しっかり4輪でもバブル前からやらかしまくっているのだが、当時は2強7中(トヨタ・日産・ホンダ・三菱・マツダ・いすゞ・スバル・スズキ・ダイハツ)と言われた時代で、どの会社も割と冒険的なクルマを作っていたため、スズキが特に浮くということはなかったのだ。
(ただしマイティボーイは除く)
だがバブル崩壊後、他社が国内市場ではATのミニバン、SUV、コンパクト、たまにステーションワゴン、というメーカーばかり、しかも特別尖ったクルマを発売しなくなり、輸出にばかり精を出す有様になった。
その中でも国内市場を決して諦めないスズキは、アルトワークス復活やスイフトスポーツなど得意分野の軽・コンパクトの枠内ながら「ナンバーワンではなくオンリーワン」を目指すようになっていく。
これにより2010年代に入ると「やっぱり4輪も変態じゃねぇか」という見方をされるようになっていくのである。
この背景には、自動車社会が「所有」から「サブスクリプション」(使った分だけ課金する)時代に移行しようとしている中で、スズキの企業規模ではトヨタや今のホンダにはどうやっても勝てないため、スズキは「スズキ車を所有することでしか得られない喜び」を提供する方向に舵を切ったというものがある。
ちなみに日産は2021年上半期に下した。日産は元CEOの逮捕とコロナ禍からの再起に出遅れたこととで販売が低迷し、電気自動車などで体裁を保っているものの現実は「すぐに」かつ「常に」売れる商品がなく、販社にはとりあえずOEMの軽自動車を確保して切り抜けることになったのだがこのOEM元がよりによってスズキである。
まぁ、最近トヨタもソッチに舵切った車販売開始したけど。
逆に同じ時期に2輪にも排ガス規制が及んだことからスズキは国内で利益率の悪い2輪のラインアップを整理するようになり、2輪はかつてのホンダポジに収まりつつある。
スズキの変態性の例
- ジムニー:唯一無二の軽クロカン。シチュエーションによっては高級SUVすら凌駕する走破性を持つ。
- アルトワークス:軽自動車64馬力自主規制値の張本人。現在でもこの規制値は生きているため、エンジンの性能がいくら進化しても越えられない壁となっている。
- アルトスライドスリム:現役時代は売れなかったが、時は流れて2013年、トヨタ・ポルテ/スペイドやプジョー・1007などのようにスライドスリムに構成の似たスライドドア車が登場している。生まれが早すぎた。
- ツイン:数少ない軽自動車のハイブリッドカー。こちらも売れなかったが、後にプリウスが大人気になったというのは何ともやるせない話である。生まれが(ry
- SW-1:高い価格と奇抜なデザインで売れなかったが、後にプレミアが付いた。生(ry
- RE-5:日本で唯一ロータリーエンジンを実用化したバイク。
- RG-Γ:レーサーレプリカブームの火付け役にして、80年代から起こった2ストロークの開発競争の一因。文字通り「レーサーのレプリカ」なデザインは当時の業界に衝撃を与えた。
- RGV-Γ(VJ23A):レーサーレプリカブームの終焉と2ストロークの余命が明白なことを理解しながらも完全新設計された国内最後のレーサーレプリカ。恐らく売れなかったのもスズキの計算のうちである。
- アクロス:東京モーターショーで見せた姿がほぼそのまま市販化された、メットインを抱き合わせたツアラー。レーサーレプリカGSX-R250がベース。星野架名の漫画に登場したことがある。
- カタナ:ケルンの衝撃。デザインを見れば説明はもはや不要である。
- GSX400X:デザインを見れば、カタナとは真逆の意味で説明は不要である。ちなみにデザインしたのはカタナと同じ人。
- 隼:市販状態で最高速度312km/hを誇る20世紀最速のバイク。後に300km/hでリミッターをかける規制が作られたため、この記録は恐らく永遠に破られることは無い。
このように、強烈なまでの個性を持つ車種を数多く世に出してきた。
特にバイクにおいては、ブランド力や販売網でホンダ・ヤマハに敵わない事を、社長であった鈴木修自身がよく理解しており、あえて競作を避ける方針を取ってきたことも大きく影響している。
pixiv上では
- 同社製品に関する魅力的だったりネタ度が高かったりする作品
- 同社製品のうち、魅力的だったりネタ度が高かったりする車種を描いた作品
に付けられることもあるタグでもある。
先述の通り、スズキの持つ特殊性や変態性を一言で表すときにも使われる言葉である。
同業者であるKawasakiに対しての「カワサキか…」と似たような使い方をされる、と思えばいい。
海外では「鈴菌」に相当する言葉はないが、アニメ『ばくおん!!』でその概念は紹介されており、バイクとアニメが好きな人には通じるかもしれない。
この言葉は元々2ちゃんねる発のネットスラングだったが、近年は普及し過ぎた為に、車種を問わず単にスズキ車に乗っているだけで「鈴菌です!」「鈴菌に感染しました!」「変態です!」などと自称する輩が多い。
しかし、元々「鈴菌」「変態」は、第三者がそのユーザーの無自覚な偏愛ぶりを、敬意と時には失笑を込めて評価する言葉であり、自分から名乗る時点でそれは「ネットスラングを用いた自虐風自慢で自己主張する痛い奴」でしかなく、本来の定義から逸脱している。
本当にスズキ"だけ"が「変態」なのか
バイクメーカーで言えば
- 6気筒の水平対向エンジンや、壊れない事で有名なスーパーカブ、時速240kmを叩き出す芝刈り機を作るHONDA。
- 国内唯一の3気筒エンジンや、それを搭載した三輪バイク、クロスプレーンクランクのYZF-R1を作るYAMAHA。
- スーパーチャージャー搭載エンジンやこの時代にで250ccクラス唯一の4気筒エンジンを作るKawasaki。
軽自動車メーカーで言えば
- いくらホットモデル志向のグレードとはいえ、普通の軽セダンに3連スロットルを搭載しちゃうHONDA
- ジムニーでもやらなかった20バルブツインカムターボ4WDの軽SUVやありそうでなかった軽規格の電気自動車を作っちゃった三菱自動車
- 自社生産モデルは頑なに四輪独立サスを採用し続けたSUBARU
- 今の時代に頑なに直噴を拒絶し、コペンを作り続けるダイハツ
- スズキから導入したエンジンで、変態なはずのスズキさえやらなかったミッドシップ&ガルウィングを作っちゃったMAZDA
- i-MIEVを受け継いだと言える、軽規格の電気自動車で気を吐く日産
・・・と、このように、高度経済成長~バブル期にかけて様々な冒険をした期間があり、他の国産メーカーも何かしら変態と呼べるだけの個性を持っている。
四輪でも、軽自動車の過去販売実績33年連続1位だけあって日本中スズキだらけであり、根はありふれた大衆車メーカーである。
下手したら、上述のようにスズキより変態なメーカーがいる可能性も十分ありうるのが日本車である。
そしていずれにせよ、殆どの場合"変態"はあくまで結果であり、作った本人たちは至って大真面目だったというのは忘れてはならない。
それなのに、スズキだけがさも奇抜で特別を気取っていられると思い込み、他のメーカーを"凡庸"と捉えるのは、「失礼」と「無知」の2つの意味で恥ずかしいことである。
加えて言えば、スズキは二輪四輪ともに海外でも広く認められている日本メーカーの一つであり、そのユーザーになること自体は本来恥ずかしいことでも何でもない。
鈴菌という単語はあくまでネタであり、実態を正確に表すものではない。
そのことを理解した上で、節度を守って使うのが大切である。
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