ゼットンさん
ぜっとんさん
概要
ウルトラマン最終話で初代マンを完膚なきまでに叩きのめし、以降の作品でもその圧倒的な力でウルトラ戦士たちを苦しめ続けている、「最強の怪獣」ゼットン。
そんな怪獣界屈指の強豪が、現代イラストレーターたちの手により、美少女に生まれ変わってしまった!?
冷たい瞳のクールビューティー、妖艶な雰囲気のお姉さん、美しさと力強さを兼ね備えたミステリアスレディ……と、デザインコンセプトは様々。
さて、あなたはどのゼットンさんがお好みですか?
電撃G'sマガジンで掲載されたKADOKAWA版ゼットン。デザイン担当はニトロプラス所属の大熊猫介氏。
オレンジ色の双丘に思わず見とれてしまいがちだが、すらりと伸びたお御足と、それを引き立てる縞ニーソの絶対領域も見逃せない。というか、キャッチコピーも「その力、絶対の領域」だったし…。
意外と見落とされがちだが、ジト目も特徴であり、後述する漫画版ではより特徴的に描写されている。
そのデザインの秀逸さや、後述する漫画版での活躍、そして何より元々人気の高い怪獣がモデルになっていることなども相俟って、2015年3月に開催された原画展の人気投票では、堂々の1位にランクインした。同年9月に行われた2回目の人気投票ではやや順位を落としたものの、それでも3位にランクインしており、第1回チャンピオンとしての意地を見せている。
また、アニメ版1期放送中に行われた人気投票でも、あろうことか主人公のアギラを差し置いて1位に輝いている(ちなみに、アニメ版の中の人の演じるキャラは主役を食うことに定評があると言われているが、擬人化計画においてもそのジンクスは遺憾なく発揮されている)。劇中ではわずか4回しか登場していない上に台詞も少なく、お世辞にも活躍していたキャラクターとは言えなかったのだが、登場時にいずれも印象的な活躍をしたこと、クールでどこか謎めいた雰囲気がファンの心を鷲掴みにしたのかもしれない。
さすがはウルトラ怪獣最強候補。擬人化されても格が違った。
また、彼女のデザインされたTシャツが販売されるなど、商品面でも割と優遇されている。
現在サプライズネクスト株式会社にてフィギュア化の企画も進行している。また、これとは別に、フリーイングによるバニーバージョンも公開された。
漫画版
「家で嫌ってほど 姉さんの面倒を見ているのに
学校でもそんな 面倒くさいことをやれと?」
電撃G'z magazineに連載中の漫画版では、ゼットン星人の妹という設定で登場。
曰く、「冷たい目が特定層を喜ばせるクール美少女」。
実際、口調こそ丁寧だが、割と辛辣なことも平気で口にするため、あながち間違いでもないのかも。
ぐうたらな性格の姉に変わって家事全般を取り仕切っているため、かなりしっかりしている。姉に対しては冷たく接することが多いが、基本的には優しい性格であり、学校では友達にも恵まれている様子。ただ、元来の口の悪さが災いして辛辣な発言や余計なひと言で場の空気を乱してしまうこともしばしば。
また、しっかりしているとはいえ、やはりどこかボケているところもあり、他のクラスメートと一緒にウインダムを「委員長」呼ばわりして怒られたりもしている。自分の趣味が絡むとやや盲目的になり、周りを巻き込みたがるところもあるようで、温泉旅行の際に姉を卓球に付き合わせてうんざりさせたり、自分と同じくガマクジラのマスコットキャラを気に入ったビルガモに対して「買わない後悔より買う後悔です!」と言ってのけ、有り金を叩いてグッズを買わせたりもしている。
それでも変人・奇人揃いの同作ではかなりまともな部類であり、ボケもツッコミもできるという意味では希少な存在。
バリアやテレポートも使用できる…のだが、あまり使用する機会がないらしく(元々この漫画自体が日常系のギャグ漫画である為、戦闘描写が殆どない)、本人も使い方を忘れてしまっていたが、その後、ふとしたことがきっかけでどちらも思い出したている。一方で、1兆度の火球に関しては何故か使用方法を覚えているため自在に発射することが可能で、22話ではたった一発で前方一帯を焦土と化すという恐るべき威力を見せつけている。
小説版・アニメ版
「ゼットン……私の名だ」
「あなたは少し、私と似ているかもしれない…」
人間として暮らしている時の名前は現段階では不明(演じる加藤によると、台本にも人間態の名称に関する記述は一切なく、名称はすべて“ゼットン”で統一されていたという)で、登場人物の中で唯一、人間態も披露されていない。
普段、どこで何をしているのか、他の怪獣娘たちもまったく知らないらしく、エレキングからは「誰よりも有名だけれど、誰よりも謎に包まれている。」レッドキングからは「何かが根本的に自分たちとは違う。」と評されている。
ただ、他の隊員と全く交流がないわけではないらしく、、ゴモラからは「ゼッちゃん」と呼ばれているほか、エレキングとはソウルライザーに搭載されたLINE風のアプリでやり取りしているシーンがあった。
高い戦闘能力は健在で、大怪獣ファイトのファイターの現在のチャンピオンでもある。小説版第1話では初っ端からレッドキングと凄まじい激闘を繰り広げ、勝利を収めている(なお、このエピソードを読む限りでは、格闘戦を仕掛けてきたレッドキングにやや押されかけるシーンがあったため、総合的な戦闘力こそ上回っているものの、パワーや馬力に関してはレッドキングにやや遅れをとっているらしいことが示唆されている)。ちなみに、アニメ版でも第5話でも、(この時の試合かどうかは定かではないが、)レッドキングを相手に勝利していたことが語られており。この時、ミクが「今回こそはレッドキングに勝ってほしかったのにな~」と話していたことから、何度か試合をしたことがあるようである。
また、その強さはGIRLS内外に広く知れ渡ってるようで、ブラックスターズの首領であるブラック指令も彼女のことは非常に恐れていた。
あまり感情を表に出さない寡黙なクールビューティーだが、不愛想な人物というわけでは決してなく、怪獣娘に変身できずに落ち込んでいるアギラの悩みを聞いて、さりげなく彼女を後押しする言葉を投げかけたり、アギラの行動を陰ながらサポートしたりと、ほかの怪獣娘のことは同じ仲間として大切に思っている様子。
また、目立つことは苦手らしく、公式サイトのインタビューもそれを理由に欠席してしまい、他のGIRLSのメンバーが代わりに質問に答えなければならなくなった。しかし、エレキングとはソウルライザーでLINEらしきもので連絡し、ピースしながら自撮りまでしていた。
アニメ版一期ではバリア能力を応用し、火災を消火する(描写から、燃焼に必要な酸素をバリアで遮断していたと考えられる)、吹っ飛ばされたアギラを空中でクッション代わりに用いるという今までのシリーズ作品では見られなかった能力の活用の仕方も披露している。
最終回のシャドウとの決戦ではシャドウの巣をたった1人で壊滅させたり、(既にアギラとの戦いでダメージを受けていたとはいえ)シャドウビーストを火球の一撃で仕留めたりと最強の怪獣娘の名に恥じぬ活躍を見せた(レッドキング曰く「いいとこ取り」)。
戦いを終えた後、黙ってその場を立ち去ろうとしたが、アギラに呼び止められて「僕、ちゃんと怪獣娘になれてますか?」と問いかけられ、それに対し「その答えはもう出てると思う」と不器用ながらも彼女なりにアギラを労う言葉をかけた。
アギラに怪獣娘としての自覚がついたのはゼットンの火災時の消火活動を見て感銘を受けたのがきっかけであり、彼女にとっては怪獣娘としての自らの原点を作ってくれた人物であり、「なりたい自分」の象徴であり、憧れの人。
アニメ版一期と二期の間を描いた小説版では最終話に当たる第9話の主役になり、絶大な力を持つが故に孤独を抱えた彼女の心中が描かれた。また、一期最終話でシャドウビーストを倒した火球よりも強力な「蒼く輝く火球」を使用しており、その威力は「全てを滅ぼす終焉の力、その一端」とまで評されている(しかもこの火球ですら本気ではなかった模様)。
また、第8話では自身の能力に無力感を抱えつつあったピグモンを励ます気遣いも見せている。
アニメ2期でも相変わらず独自に行動しており、レッドキングですら音を上げるほど過酷な特訓カリキュラムを組んだこと以外、事態に積極的に介入する姿勢はあまり見せなかった。しかし、アギラのことは密かに見守り続けており、彼女が悩み抜きながらも答えを出そうとする姿を見たときは「アギラ、変わったね」と評してその成長を喜んでいる。
シャドウガッツ、そしてシャドウジェネラルとの最終決戦にも前線には姿を見せなかったが、実は陰から見守っており、「ボクがやらなきゃじゃなくて、みんなでやるんだ!!」と決意したアギラに対して「そう、それでいい」と応じ、彼女の突撃をバリアで援護して勝利に貢献した。そして今回もレッドキングから「ホント、いいとこ取りめ……」と評され、微笑みを返した。
Plex版
こちらはPlexによるフィギュア版のデザイン。
例の水着を思わせる大胆な衣装(ちなみに、このフィギュアがデザインされたのは件の水着が流行するより前であった。正に時代の先取りである)と、手にした長い杖が特徴。杖から一兆度の火の玉を発射する…ということなのか。
feat.POP版
ぱすてるデザインに所属するPOP氏による擬人化。
実は、これが一番最初に発表されたゼットンの公認擬人化イラストでもある。
POP氏は「今作っている世界観の中でも中心のキャラクター」と発言しており、結構重要な立ち位置のようである。
Plex版とややデザインが似ているが、こちらの方が若干露出が多めで、髪の色も銀髪or白髪である点が異なる。
デザインを担当したPOP氏曰く、「知名度がある分、色々な擬人化があるので他の擬人化にありがちな部分は外した」とのことで、逆に「ここにそのパーツ入れる!?」と思わせるようなデザインを意識することでオリジナリティを出そうとしたらしい(目(?)や発光体の配置などに特に顕著)。発表した当初は「ゼットンに見えない」という手厳しい意見が多かったが、そうなることも覚悟した上でのデザインだったようだ。
発表された当初は幼い少女のような外見だったが、その後リデザインされた際には身長が伸びて耳や触角も大きく鋭角的になり、顔つきもかなり大人っぽく精悍な印象に変わっている。これについてデザインを手がけたPOP氏は、「最初にデザインしたものと、今のデザインのイメージとの差が出て来てしまった」ためと語っている(同様の理由により、エレキング、キングジョー、レッドキングなどもリデザインされている)。
そのため、初代ゼットンよりかはハイパーゼットンに近い印象の造形になった。耳が尖っていることから、ダークエルフのような印象も受ける。
2016年7月1日にフィギュアを発売(当初は3月31日に発売を予定していたが、諸事情により幾度となく発売日が延期され、ここまでずれ込んでしまった)。
はいたい七葉
「ぜっと~ん」
沖縄県の琉球朝日放送で放送されたローカルアニメはいたい七葉の第20話に登場。
デザインは修正される前の初期版に準拠した物になっている。
テンペラー星人から対ウルトラ戦士の切り札と担ぎ上げられて調子に乗っていたイーナの目の前に突如飛来・落下する(出現時に、「さらばウルトラマン」の時と同様、体を震わせる描写があるが、容姿や効果音、喜多丘氏の声などもあってか、原作とは逆にかなりシュールなシーンになっている……というか、普通にかわいい)。
実はゼットンこそが本物の対ウルトラ戦士の切り札であり、劇中に登場したメフィラス星人とテンペラー星人(と彼女たちの取り巻き)はずっとゼットンを探し求めていたのである。
対するイーナは「宇宙最強は私のはず!」と無謀にもゼットンに勝負を挑むもののあっさり返り討ちに遭い敗北。テンペラー星人は自身の勘違いを認め、仲間と共にゼットンを連れて地球から去って行った。
ちなみに、台詞は終始「ゼット~ン…」という鳴き声(?)のみだった。
feat.POP Comic code
「オヤ…クソク?」
秋田書店刊行の雑誌ヤングチャンピオンで連載されている漫画版(作:風上旬)にも登場。
こちらは、修正後のデザインで登場している。
風上氏によると、物語の展開に深く関わってくる存在とのこと。
基本的にギャグキャラが多い本作において珍しくシリアスな性格の持ち主で、作者も「ゼットンが出てくると作品が引き締まる」と語っているほど。
単行本では第3巻の表紙を飾っている。
これは、帯の推薦文をアニソン歌手の水木一郎氏が担当することになり、ゼット繋がりで抜擢されたことを風上氏自身が明かしている。
性格・設定など
性格は極めて寡黙で機械的。相手の言葉の真意を理解できなかったり、言わなくても良いようなことを口にして相手を凍り付かせてしまったり、話し方が片言だったりと、コミュニケーションを苦手としているかのような描写がある。
常に険しげな表情を浮かべているが、怪訝そうな顔をしたり、相手にものすごい剣幕で捲し立てられた際には明らかに動揺しているような素振りを見せたりしているので、無感情というわけではない。相手の問いかけに不器用ながらも律儀に返答したり、40話ではジャミラとゴモラも交えて3人で一緒に食事を取っている描写もある。また、メフィラスとテンペラーとの戦闘の際に見せた攻撃的な表情等から色々誤解されているが、彼女自身は自発的に誰かに危害を加えようとしたことは一度もない。そのため、根っからの悪人ではないのでは…という声もある。
木陰で気持ち良さそうに昼寝をするという愛らしい姿を見せたことも。
本編での活躍
第9話で初登場。
この時はシルエットのみだったが、それでも相手にただならぬ雰囲気を感じ取らせるほどの存在感を醸し出していた。戦闘力も原典同様桁違いに高く、第12話~13話では、テレポートと光線吸収能力等を駆使し、テンペラーと事態を聞いて駆けつけてきたメフィラスを撃破してしまった。
霊園で生み出されたアントラーやゴモラを洗脳(?)してどこかへ連れて行くなど謎めいた行動を取っている(このうち、アントラーは、地球への遠足が終わった後に何事もなかったかのように学園に登校してきており、無事であった)。
31話で、どうやら怪獣墓場学園の校長の配下であり、何らかの目的のために怪獣少女たちを集めているらしいことが判明した(校長からは、「計画の邪魔をする者には制裁を加えてもよい」とも言われており、テンペラーやメフィラスを容赦なく叩きのめしたのもこの命令に忠実に従った結果と考えることもできる)。
なお、学園に通学している描写はなく、霊園に佇んでいることが多いが、ゴドラ星人がゼットンに化けたり、ゴモラやイカルス星人が彼女のことを知っていたことから、一応生徒の間では存在そのものは知られている様子。
バルタン星人が部下を引き連れて怪獣墓場学園を乗っ取りに来た際には、初めてメフィラスとチームメイトとして共同戦線を張り、校長の主催する怪獣デュエルに参加、親玉であるバルタン星人と対決することになる。
その後、メフィラス星人とエレキングが謎の記憶を読み起こした際に現れ、二人の意識を奪い、意識を取り戻した彼女たちは謎の記憶についての記憶をうしなっていた。
pixivでの扱い
pixivをはじめとするイラストサイトでは、特に大熊猫介氏の手掛けた電撃版ゼットンの人気が非常に高く、今ではゴモラ、エレキングに次ぐイラスト投稿数の多さを誇っている。そのため、一般的に「ゼットンさん」というと電撃版のデザインを指すことが多い。
一番に胸が視線に飛び込んでくるようなデザインが良くも悪くも印象に残りやすく、二次創作イラストでは、(主に紳士・淑女的な意味で)あまりよろしくないことをしているイラストも散見される。
特に、アニメが放送されて以降、(主にツイッターを中心に)そうしたイラストが多数投稿されるようになってきており、現在では最強キャラ兼お色気キャラという何とも言えない立ち位置を手にしてしまっている。
派生キャラ
人気怪獣の宿命故か、元ネタになったゼットンは、ゴモラ同様、平成シリーズ以降、数多くの派生キャラが生み出されている。
そのため、それらのキャラクターをゼットンさん(電撃版)を元にリデザインしたイラストもいくつか投稿されている。
余談
『ウルトラマンオーブ』でクレナイ・ガイを演じた石黒英雄氏は、擬人化計画のキャラクターの中でもゼットン(電撃版)のことをかなり気に入ったらしく、ニコニコ動画で行われたアニメとのコラボ生放送でもやたらとゼットンをプッシュする発言を残している。
石黒「いいって、もうゼットンに任せちゃおうよ」
石黒「ゼットンもゼットンなりに抱えてることあるから。今ぐらいの強さがちょうど良いのかもしんない。」
飯田「……誰ですか(笑)」
石黒「『怪獣娘』最終回、強かったよね、ゼットン……ゼットンがすごいね……バリアがすごいな。」
ちなみに、ガイ=オーブは劇中で4回もゼットンの亜種と対決しており、しかも、このうちの一体は「本来の姿で戦えなくなる」という物語の展開に大きな影響を与えた因縁の相手だったりするのだが……
やはり「かわいいは正義」ということなのか。