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作者キャラの編集履歴

2022-06-13 16:05:10 バージョン

作者キャラ

さくしゃきゃら

作者を漫画などのキャラにしたもの。

概要

自分の描いている漫画作品などに登場する作者の事である。通常、作者の紹介コーナーで使われるものを流用している。

基本的にこの種のキャラクターが登場するのはギャグ漫画 エッセイ漫画であり、劇画やストーリー漫画で登場することはほとんどない。


造形は、眼鏡をかけた二足歩行のワニ(あろひろし)、直立した(永野護)や牛(荒川弘百姓貴族』)、額に「凶」の字がある(宮崎駿)タヌキのようなもの(ちょぼらうにょぽみ)など。永井豪の「炎天下冷奴」と通称されるものは、作者を指すほか、いろいろな役で使いまわされている。

 『魁!クロマティ高校』は、作者と作品の間にもう一人の「絵が下手な漫画家がいる」というメタフィクション構造のため、作者キャラ「のなーえいじ」が出る際も本編同様意図的に「雑な造形」で書かれる。また対照的に、山岸凉子は造形がいい加減な作者キャラを書くという極めて珍しい漫画家(ものすごく少ないが、エッセイ漫画を描いてる)である。


読者からもらったネタを紹介するために登場(あろひろし『ぱらのい屋劇場』)したり、謎の「芸人」に誘われたり(とり・みき『ひいびい じいびい』)、物語の進行とは全く関係なく登場し普通の楽屋オチを本編(「宝塚関係に関する愚痴」「編集者、アシスタントいじり」みたいな)でやったり、宝石に関する蘊蓄を語ったり他のキャラクターへ漫画の指南をしたり(魔夜峰央パタリロ!』)、事態を収拾するため「背景」を破壊して登場人物を通す(諸星大二郎『ど次元物語』)など。あと『パタリロ!』と『Dr スランプ』で作者がキャラクターに「食われる」というネタがある。


 乾はるかのコメディ色が強い作品『お元気クリニック』の第1話で1回だけ、作者の実名で作者と同じ性的嗜好を持つキャラクターが登場するが、彼は漫画家ではない。なお乾はこの作品の復刻版でこのようなものは「作者が作品に本気で向かっている」証拠だと言っている。また、島本和彦が自身へ取材した漫画家漫画諸作品で、主人公として登場する「炎尾燃」は、(最初の作品『燃えよペン』単行本においては、島本自身が炎尾役を演じる「実写版」が入っているものの)作者キャラは別に存在する(あとがきでそこそこ出てる)上作者との間に若干の距離がある(あとがきでは「島本と炎尾」が作品について語り合う)。


 一応自身に取材しエッセイの形をとる『監督不行届』でも、作者キャラである「ロンパース」と作者安野モヨコの間に若干の差異がある。


 「ただ単に自分たちをモデルにして声を当てただけ」のキャラクターとしては、今敏監督のアニメ版『パプリカ』で、一応監督と原作者のようなバーテンダーが登場する(ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』でアニメ監督役を演じたワタナベシンイチの作者キャラナベシンが、、アニメ版『ハヤテのごとく!』で「ナベシン執事」として登場しながらも「自身の輝かしきデビュー作」をちらっと見せてた、みたいな 自身の分身というわけではない)。


 竹熊健太郎、相原コージ作の『サルでも描けるまんが教室』(愛称「サルまん」)は、まず全編「紙に印刷された漫画である」という自己言及がなされ(るので「作者が仲たがいして原作者が作画も担当」「自身に貼ってあるスクリーントーンがすごい」というネタが出る)、主人公が若い造形の竹熊と相原で、主に「由起賢二描く『野望の王国』のパロディ」としての相原コージの絵で展開する以外に、時折作画が竹熊に代る他「実写」が登場する。なお作中に「漫画家の自画像論」がある。


手塚治虫の、いくつかの短編や、吾妻ひでお『不条理日記』、いしかわじゅん『憂国』、諸星大二郎『ブラックマジックウーマン』など、特殊なものやエッセイ漫画を除けば作者キャラは大体の漫画ではたまにしか登場せず話の中心に据えられることもなく、ツッコミ役として登場する事が多い。

 宮崎駿『風立ちぬ』では作者がジャンバティスタ・カプローニ(漫画版では「カプロニーおじさん」)の資料を批判的に紹介し、主人公堀越二郎の活躍した時代を解説し、時代を懐かしみ、当時の設計家という仕事をわかりやすく説くためアニメ制作現場と比較したりなぞらえたりし、焼きそば手繰る。また、児童文学のいくつかで、自身が作品を解説したり故人としての作家と対談したりする漫画を上載する宮崎は、それでも『宮崎駿の雑想ノート』のシリーズでは一貫して、「この飛行機は書き甲斐がない」「これは事実だ!本当だ!!」と画面の端で控えめに登場し脇役のポジションに座ってはいる。同じようなもので、田中圭一『教えてっ 真夢子おね~さん』で、ヒロイン真夢子おね~さんへ解説するキャラクターの一人として田中自身が何回か登場している。また、吾妻ひでお新井素子とコラボレートしたエッセイ『ひでおと素子の愛の交換日記』最終巻では、吾妻が「自分はツッコミである」と言っているシーンがある。


 また、ゆうきまさみは、『究極超人あ~る』で、「背景を何ページも書く」後で反省するというツッコミ役をやっているが、『ヤマトタケルの冒険』で劇中、主人公確か紀元一桁世紀の人が、「発表当時の道路(なので国道通っててメートル法で書かれてバスとかある)」を滔々と語る際にコマの外側で弁解するとか『パタリロ!』で話を半ページで終らせた作者が主人公h殿下から叱られるなど、探せばボケ役として登場するものもある。


幕末の群雄を書く『風雲児たち』の劇中、一応ツッコミ役で一応登場するみなもと太郎は、話の進むうち作者自身が原作者として作中に頻出することになったので当初は作者キャラの流用で描いていた「高杉晋作」のデザインを改めることになった。なおみなもとの作者キャラは、分裂し劇中の(江戸時代の)人物と会話し、当時はまっていたアニメパロディをし、さらにNHKで『風雲児たち』のある一部が実写ドラマ化された際はみなもと太郎本人が脇役(原作では当時の担当編集者をモデルにした人)で出演している。


 伊藤勢夢枕獏の作品『荒野に獣慟哭す』を漫画化する際、原作ではTVクルーであったキャラクター(大変なことになって主要登場人物と遭遇する)を、担当編集者と「一応漫画の取材」目的で中南米へ行く事になった伊藤へ改変し(TV番組の方は夢枕獏の「釣り番組」として出てくる)、脇役ながら密林でガイドや担当編集者とはぐれ謎の組織などに追われ精神をやられるもテッポウムシを食いなんとか生き延びるという若干の存在感を見せる。また『死神大戦記』で知り合いの自作のキャラクターらとともに事態を処理する水木しげる(両腕がそろっていた水木の像は後のエッセイマンガなどでは左腕を欠いたものになる)、『ちびまる子ちゃん』のスピンアウト作品で、「未来へ来てしまったまる子」と遭遇するさくらももこ、マリネラ国へ居候している魔夜峰央(厳密には「ミーちゃん28歳」)、といった「劇中でわき役として存在する」者のうち、極端な例として鳥山明( 「マスクしたおっさん」と「ロボ的なもの」に「鳥っぽい」という何種類かのバリエーションが)というすごい人がいる。


 彼はさすがに『Dr.スランプ』の劇中でしかし事実上の主人公となって全編活躍したエピソードが複数回存在する(Dr.スランプはアニメ化もしてるんだよ)。

 なお鳥山はアニメ化の際声優が付いたが、アニメ化の際本人が声を当てる(劇場版『パタリロ!』で魔夜峰央大先生が、あと『2112年ドラえもん誕生』で藤子・F・不二雄大先生がナレーションだけ)場合もある。


山本弘は、こいでたく作画の漫画『RPGなんてこわくない!』において、劇中「原作者の山本弘」として登場している。また、山本のSF『去年はいい年になるだろう』や、新井素子『・・・絶句』野田昌宏『レモン月夜の宇宙船』などのように、SFでは作者が主人公として登場する作品の他、知人の小説家を主人公にした作品を書くことが多い。


 『嫌韓流』で登場した原作者山野車輪の造形は、明らかにかつての作者キャラとは別種であるらしい。

 

関連タグ

メタフィクション

しまぶー うめてんてー  鳥山明 ナベシン むさボン やなせうさぎ

アバター分身・・・これに近いかもしれない

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