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グレムリンの編集履歴

2022-11-15 20:43:52 バージョン

グレムリン

ぐれむりん

ヨーロッパの伝承などに登場する妖精の一種。またはファンタジーものにおける架空の種族。スティーヴン・スピルバーグが監督した映画のタイトルでもある。

曖昧さ回避

  1. ヨーロッパの伝承などに登場する妖精の一種。
  2. ファンタジーものの創作に登場する架空の種族。
  3. 機械に悪戯をするとされ、特に第二次世界大戦中の航空兵の間で長らく信じられていた都市伝説。
  4. 1984年公開の映画。

そのほか登場人物の名前に多く使われている。後述の「類似キャラクター」も参照。


妖精

元々は人間サポートしてくれる優しい存在だったが、人間が感謝を忘れたので悪戯をするようになったという。


英語表記では“Gremlin”(最初に発見した空軍大尉のプルーンさんは「グリム童話」と「fremlin's elephant ale」フレムリンのエレファントエール(イギリスで有名な瓶ビール)の合成語 と主張しているが、語源説で妥当なのは中世英語のGremian(悩ませる)の方らしい。あと「グレンデル」の派生語説もある)と書き、元々は自動車やミシンなどの身の回りの機械類に悪戯をして、故障させたり動かなくさせたりする妖精の事を指す。同じ様に人間の身近に住んで悪戯をする妖精としては、「レプラコーン」や「ピクシー」などがあるが、彼らが昔話伝説に登場するのに比べて、グレムリンの場合は前述の様に人間界に「機械類が登場してからの存在」であるため。その歴史はまだ150年ちょっとの歴史の浅い妖精である。


歴史が浅いため何かの有名な歴史的文献などに記述が有る~と言う事は無い。その存在は専ら口伝によって伝えられ、少しずつ広まっていった。やがて第一次世界大戦(1914年~1918年)を契機に世間に自動車や飛行機が広まり始めると、その普及と共にグレムリンの存在も広まっていった。


よく連想される姿は先述の映画のような皮膜のある小型哺乳類レプティリアンの姿だが、赤い上着を着たウサギにそっくりな姿をしていた、あるいはツノが生えていたという伝承もある(バトルスピリッツの「グレムリー」はこの伝承に則った姿をしている)。


水木しげるの著書・作品では複数のデザインで描き起こされており、『世界の妖怪大百科』などで採用されている頭身の高いマントを付けたゴブリン風の蝙蝠人間じみた姿(別ページだとツノの生えた蝙蝠獣人として描かれている)、後述の妖怪ラリーの映像化作品では蝙蝠を極端にデフォルメしたような姿、5期鬼太郎では明らかに洋画を意識したであろう小動物型の姿で登場している。


水木しげるの『妖怪ラリー』では旧ソ連代表として登場したが、ロシアの「クレムリン宮殿」とはなんの関係もない…はず。


航空機のトラブル

当初は各家庭に1匹ずつ住み着き、夜中の内に機械を壊したり、調子を悪くしたりすると信じられていた。


やがて20世紀に入って航空機が発達し始めると、飛行機のパイロット達の間で原因不明のエンジントラブルを引き起こす原因と考えられる様になり、その姿形や所業などがパイロット達の間に広まっていった。特に第二次世界大戦中(1939年~1945年)は、戦闘中のエンジントラブルは即撃墜に繋がるため、戦闘機乗りの間では死を招き寄せる存在としてグレムリンは忌み嫌われた。


これは当時はまだ戦闘機のエンジン性能が高くなく、飛行中に突然止まってしまう事も良くあったことも一因である。しかしこの原因を仲間である整備兵に責任転嫁する事は、隊全体の士気などにも大きく影響するため、この様な“グレムリンの仕業”という方便が信じられる様になっていったと思われる。


上記の考え方は大戦後も広く信じられる様になり、元々は機械類全般に悪さをする存在だったグレムリンは、いつしか飛行機に取り憑いて墜落させる悪い妖精(小鬼)~と言う風に存在が変化していった。ちなみに、「身長15cmほどで頭に角を持ち、黒革の長靴を穿く」とか、「身長30cmで、皺くちゃの赤い上着と緑のズボン姿」とか言われるグレムリン自身には羽根や翼のような物は無く、自力では空を飛ぶ事が出来ないので、雲の上にある様な高山に住み付近を通りかかる航空機に飛び移って来るか、工場や格納庫内の航空機にこっそりと忍び込み、飛び立ってから行動すると信じられている。え?水木しげる『妖精画談』P55に、「空を飛んで」悪さするって書いてあるの?ふーん。


後者の場合、飴玉があればそれに気をとられ航空機に潜り損ねると考えられたため、当時の航空機工場には完成した航空機を納入する際、彼らの気を逸らせる為に飴玉を一緒に納入する風習があった。現在でもその名残として航空会社でのサービスで、旅客に機内サービスで飴玉などのお菓子を配る習慣が残っている。


 

彼らはビール瓶が好きなので、かつては飛行機へそれを入れる習慣があったともいわれる。(上記の名の由来となったといわれる「フレムリン」はビール飲みを意味するスラングでもある)


ロアルド・ダールの児童文学

第二次世界大戦中にイギリス空軍パイロットであった、作家のロアルド・ダールが戦場で見聞きした話を元に、児童文学として『The Gremlins』を発表している。


それによるとグレムリンには様々な種類がおり、一般的なものの他にパイロットをくすぐって照準を外させる女性型のフィフィネラ(Fifinella)、男の子ウィジェット(Widget)、女の子フリバティジベット(Flibbertigibbet)などがいるとしている。


また高度3,000mより上の雲の中に住み、パイロットに冷気を吹きかけ凍えさせるスパンデュール(Spandule)や、カナダ軍婦人師団内で話題になった内輪のおしゃべりを拡声器でばらしたり、デート中に他の男の写真をバッグから落とさせるというディングベル(Dingbel)という亜種も伝わっている。


ちなみにこの『The Gremlins』だが、一発目の著者が「Pegasus」名義だったり、版権がディズニーに移ったり、挿絵を担当していたディズニーが映像化を検討していたが中止となっていたり、なにやら一悶着あったもよう。

同時期にはディズニーとは無関係のところで、別作家の書いた絵本がいくつか出版されており、機械に故障を起こすだけではなく、体に空いた風穴からの音でスピードを誤認させるものや、魅了の力を持ちパイロットの集中力を奪うクイーンと呼ばれる個体などが紹介されている。


同じタイプのグレムリン

1944年に「ワーナーブラザーズ」によってルーニー・テューンズの短編『Russian Rhapsody(ロシアの狂騒曲)』が制作された。同作にはソ連への爆撃がうまくいかないことに業を煮やした総統本人が乗る、ナチスの爆撃機をめちゃくちゃにする様々な種類のグレムリンが登場する。外見のモデルは当時の制作スタッフたちとの説がある。


文明の発達とともに成層圏、宇宙にまで生息域を広めているといわれ、ロケット打ち上げの失敗や人工衛星などの不調も彼らの仕業であるといわれる。

さらに電子的な存在に進化したものが、コンピュータバグにも関わっているとの都市伝説も現れた。


なお台湾では「乖乖(グァイグァイ)」(日本語に訳すと「よい子・おりこうさん」)というスナック菓子によって機械やサーバーをなだめるという風習がある。戦車にまで備え(供え)られるケースもあるとか。


映画

『グレムリン(Gremlins)』は1984年製作のアメリカ映画

プロデューサーはスティーヴン・スピルバーグが担当し、監督はジョー・ダンテ。1990年には続編の『グレムリン2 新・種・誕・生(Gremlins 2 The New Batch)』が制作された。

現代では同作に登場するモンスターを指すようになった。ジョー・ダンテによれば、1943年のディズニーの漫画『gremlins』に影響を蒙ったそうである。原案担当は「家の屋根裏でが走る音を聞いてびっくりした」という体験から着想を得たと語っている。


あらすじ

発明家の父親、ランダルはチャイナタウンの骨董店で見たこともない生物『モグワイ』(下記参照)を発見し、息子、ビリーにクリスマスのプレゼントとして贈ることにする。

愛嬌のあるモグワイとビリーはすぐに仲良くなるのだが、飼育、共存するためには守らなければならないルールがあり、それを破ったとき、恐ろしい事態が待ち受けていたのだった。


モグワイ

詳細は「モグワイ」を参照。


グレムリン

前述の様に元々はグレムリンは存在せず、モグワイが深夜0時を過ぎてから食べ物を摂取する事によってのみ、グレムリンは誕生する。

優しく大人しい性格のモグワイと違い、一旦グレムリン化した物は凶暴な性格となる。単に悪戯好きというレベルを超えて、明らかに人に危害を加えたり、場合によっては殺人なども平気で犯す(その場が楽しければ、仲間同士でも殺し合いのゲームなどに興じる)。

グレムリンズ!!

モグワイの時は体長30cm程度で、小型の哺乳類リスザル)の様な愛らしい外見をしているが、グレムリン化すると体長は倍の70cmにもなり、外見も鱗で覆われた爬虫類っぽい感じとなる。また爪や歯も鋭く尖り、非常に残忍な性格となって、自堕落に暴飲暴食を楽しむ生態になる。

また、変態により体が大型化するので力なども強くなるが、反面知性はやや劣るほか、ミキサーで刻まれたり、電子レンジでチンされたり、キッチンナイフを頭部に刺されると結構あっさりと死ぬため、グレムリンの数が少数であれば人間でも(それこそ、ただの主婦であっても)勝ち目が無いわけではない。

しかし、前述の通りグレムリンは非常に残忍凶暴なうえ、意外と学習能力が高い(集団で相手を襲う、電線や電話線を切断して人間を不利な状況に追い込む、銃やクロスボウ、チェーンソー、除雪車といった人間の武器や車両を使う、形勢不利になると逃げて増殖しようとする…などなど)ため、大量に増殖したグレムリンは冗談抜きで人類の脅威となりうる。


この様に、グレムリンとモグワイは見た目も性格も全く別の生物と言って良いほど違うが、前段にある「3つのルール」は基本的にそのまま適用される。

即ち、光に当たれば死んでしまい、水に触れれば増殖する(この場合はグレムリンが増える。おまけに水を毛嫌いするモグワイと違い、必要とあらば自分から水場を探して自己増殖することも厭わない点も厄介)。ただし3番目の「真夜中過ぎの飲食」は、既に変身しているので変化は起きない。


しかし、グレムリン化も恐ろしいことではあるのだが、それ以外でも主人公の母親がグレムリンを倒す為にミキサーや電子レンジの使用も辞さないシーン始め、登場人物内にやたらと容赦がない武闘派な者が居る点や、対照的に本来ならば頼もしい戦力になってしかるべき警察無能しかいない(警官がグレムリンに襲われている人を発見するも、見て見ぬふりをして逃げ出す始末)点、地味に死者も発生する点(明確に死んだと判明するのが「町一番の嫌われ者のクソババア」なのが不幸中の幸い…か?)、ヒロインがクリスマスを嫌いになってしまった理由など、クリスマスの映画としても推されることがある本作は多くの者にトラウマを残している。

また、本作は本格的CG化前夜の時代の作品であるためか、特撮独特の(本作の場合、主にグレムリンの撮影用パペットの)生々しさもこの傾向に拍車をかけている。


ファンタジーの種族

前述の通り、グレムリンはファンタジー界の住人としてはまだ歴史が浅いため、それほど多くの作品にはまだ登場していない。そのため一般には多くの人が、「グレムリン」という言葉を聞いた時には、前段の映画の『グレムリン』の事を連想する場合が多い。ただしこの場合、本当の“グレムリン”の方ではなく、変身前の“モグワイ”の方をグレムリンと混同している場合も多い。


1985年以降に製作発表されたコンピュータRPGの中には、登場するモンスターの中にグレムリン、もしくはグレムリンをベースに創作されたと思われるキャラクターが登場する作品も幾つか見られるが、あまり多くは無い。ファンタジー作品では頻出のオークゴブリンと比べたら、やはりまだまだマイナーな存在と言わざるを得ない。


類似キャラクター

20000フィートの旋律センシティブな作品





  • 女神転生シリーズでは『真・女神転生』から”邪鬼グレムリン”として登場。夜魔インプと同じ姿で「東京黙示録」では自動車事故を起こさせている。『真・女神転生Ⅱ』では飛行帽をかぶりスパナを持った独自の姿。『ソウルハッカーズ』からはスパナを持った飛び回るエネルギーのような姿になった。『コドクノマレビト』では第一話に登場、醜悪な小悪魔のような外見をしており大量に合体して巨大な悪魔に変貌をしている。
    • ちなみにポケットモンスターシリーズのロトムもソウルハッカーズ版グレムリンによく似たデザインをしている。こちらもまた、電化製品に悪戯をするというグレムリンじみた生態を持つ。

  • サイバーナイトでは航空力学を無視しジェット噴射で強引に空を飛ぶ、四肢を持った機械生命体として登場した。上位種に「フィフィネラ」「スパンジュール」がいる。
  • タクティクスオウガに同名の亜人間が登場している。醜い姿をしており高腕力である代わりに非常に打たれ弱い。
  • GS美神では、MHK放送局の通信衛星を巣にしており、不具合を起こさせていた。
  • 百鬼夜翔では、機械に不具合を起こすという妖力から、幼い個体が悪の妖怪組織の実験に利用される。
  • シャドウ・イン・クラウドでは、第二次世界大戦中の爆撃機内での軋轢を描くサスペンスと思いきや、途中から映画ジャンルそのものが変わってしまい…
  • モン娘☆は~れむでは、グレムリンのモン娘であるシェパナが登場。他のモン娘と同様、ほぼ人間と変わらない姿をしているが、とがった耳に緑色の髪、赤い目と上記の映画に登場した個体を意識していると思われる部分もある。機械に悪戯をして壊しているうちに逆に機械の魅力に取りつかれていき、現在は機械を修理することに喜びを感じるようになったという風変わりなグレムリンでもある。

関連イラスト

ユナ姫のグレムリンズグレムリン

フィフィネッラ fifinella @オリジナル絵センシティブな作品


関連タグ

TRPG RPG ファンタジー 妖精 モンスター クリーチャー ギズモ

オーク ゴブリン コボルド トロール 映画 クリスマス

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