概要
CV:佐藤正治(ゲーム、テレビ) / 蝶野正洋(映画) /金子はりい(ウルサマ2022 (ボイスドラマ含む))
全知全能の宇宙人。
かつて何万年にも渡って宇宙を支配していた、エンペラ星人やジュダ等と並ぶ宇宙の支配者であり、ヤプールやヒッポリト星人さえも恐れた存在である。
肉体は数百年前に既に滅んでいるが、亡霊の身でありながらも幾度となく(というよりも現在進行形で)全宇宙やウルトラ一族に大きな影響を与え続けている存在であり、その実力は現時点でも未知数な部分が多い。
加えて、どうやって宇宙を支配できたのか(レイオニクスの能力の上位互換と考えれば想像は容易いが)、何故滅び去ったのかなどは『大怪獣バトル』の展開が終了して10年以上経った現在も一切明らかにされておらず、非常に謎の多い種族と言える。
また、名前が「『レイブラッド星』人」でありながら、その出身地は不明とされている。
さらに宇宙全体を支配するレベルの大物であったにもかかわらず、判明しているその名はあくまで種族名であり、一個体としての名称が存在したかさえはっきりしていない。
(「大怪獣バトル」カード参照。これらの要素はエンペラ星人も同様)
もしかすると彼は単に「名前」の文化を持たない種族だったのか、あるいはブラックスターやグランスフィアのように、彼自身が自我を持った天体『レイブラッド星』そのものだったのかもしれない。
後述のように既に肉体は滅び去った精神体状態でも非常に多彩な能力を持つ。
必殺技は敵のエネルギーを吸い取るレイオニクスドレイン、牽引光線トラクターシュート、ゼットンをモンスロードして限界を超えて死ぬまで火球を放たせるメタレイオニクス(設定上あらゆる怪獣で同様のことが可能だと思われる)、敵を石化させて封印してしまうレイオニクスプリズン。
大怪獣バトルシリーズ
自身の後継者(=自分の新しい肉体となる者)を決めるために宇宙にレイブラッドの遺伝子を撒き、様々な惑星で怪獣使い・レイオニクスを誕生させた。
この為子孫が非常に多くなるので、子作りしまくった等とネタにされる事があるが、地球人から宇宙人まであまりに子孫が広すぎるので「遺伝子をばら撒く」とは文字通りの意味ではなく超自然的な特殊な方法を利用したと考えられる(恐らく、『ウルトラ銀河伝説』でベリアルに対して行ったのと同じような方法で自分の因子をばら撒いていったのだと考えられる)。
また、地球人のレイオニクスであるレイモンとケイトはレイブラッド星人の血を特に色濃く引き継いでいるとされる。
『ウルトラ銀河伝説』では回想シーンにてウルトラマンベリアルにレイブラッドの因子とギガバトルナイザーを授けて悪の道に墜としたことが語られている(目的は「自身の野望の邪魔者である「光の国」及びウルトラマンを滅ぼすため」)。
この為根本的な諸悪の根源として『ゼロシリーズ』『ジード』の本当の黒幕とも言える存在でもある。
- なお、最近になってギガバトルナイザーを製造したのはレイブラッド星人ではなく、人工頭脳ギルバリスに対抗するためにクシア人という別の宇宙人が製造したものであることが判明した。ただ、レイブラッド星人がどのようにしてギガバトルナイザーをクシア人から手に入れたのかは不明のままである。
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』では、第12話でケイトが語ったシーンにのみ登場。
ブルトンを操って惑星ボリスを怪獣無法惑星に変え、植民していた地球人を救いに来た初代ウルトラマンをレイオニクスプリズンで石化させて封印した。
『NEO』で遂に自ら表舞台に登場。惑星ハマーのレイオニクスバトルを制したレイを自身の後継者に指名するも拒否されたためこれに怒り、自らアーマードダークネスを装着してレイとその救援に駆け付けたグランデと対決。さらにメフィラス星人の手助けで到着したスペースペンドラゴンの攻撃で怯んだ隙にレイのゴモラはEXゴモラへ、グランデのレッドキングはEXレッドキングにそれぞれ変身、2体の同時攻撃によってアーマードダークネスは破壊される。
それでもなお、スペースペンドラゴンで星から脱出しようとしていたレイとZAPの面々に襲い掛かるとするが、間一髪のところで駆け付けた初代ウルトラマンとウルトラセブンに阻まれて失敗し、そのまま惑星ハマーの崩壊に飲み込まれて消えていった。
しかし、それでも完全に滅びるには至らず、50年後のゲーム版のストーリーでもレイオニクスバトルは続いており、レイブラッド星人も未だ健在である。精神体として暗躍しており、レイオニクスバトルに参戦した面々のエネルギーを吸収し復活を果たそうとしていた。さらにストーリーで主人公の相棒を務めたピグモンはレイブラット星人の配下であり、優秀なレイオニクスを育てようと送り込んでいた。しかし最終的にピグモンは離反、レイブラット星人はデスフェイサーに憑依し彼らの前に立ち塞がる。
続編でもやはり復活を目論んでいた。(元々カネゴンのものだった)バトルナイザーから謎の球体が飛び出し、ストーリー後半ではそれをヴィットリオと共に過去や他の星へ追跡することになる。その正体はバトルナイザーに仕込まれていたケイトのゼットンの遺伝子から誕生したEXゼットン。自身の新たな肉体にしようと目論んでいた。しかし主人公との戦いに敗れ、更にケイトの思念体が現れてかつて使役していた繋がりでゼットンのコントロールを解いた為に憑依が維持できなくなり、精神体も完全に滅び去り遂にその野望は絶たれたのだった。
大怪獣バトルシリーズ以降
映像作品
大怪獣バトルシリーズ終了以降は登場していないが、『ウルトラファイトオーブ』では、レイオニクスの末裔(=レイブラッド星人の遠い子孫)である亡霊魔導士レイバトスが登場し、ウルトラ戦士たちに牙を剥くことになる。
レイブラッド星人本人も、ファイトオーブ第3話および『ジード』最終話の回想・イメージシーンにおいて映像作品ではかなり久々に登場している。
シードの最終回で、ウルトラマンベリアルに憑依し続けていたレイブラッド星人の精神は、精神世界にて怒りと悲しみを受け止めたシード(リク)問い掛けによってベリアルから切り離され消滅した。
また、『ウルトラマンZ』に登場するデビルスプリンター=ベリアル因子の効能である怪獣の復活や暴走はレイブラッド星人由来の能力と思われる。というのも、これらの力は彼の後継者候補であるレイオニクスがかつて発動した能力と酷似している他、デビルスプリンターの設定ができる以前にもベリアルがベリアルウィルスを注入した相手を暴走させて、配下にする能力や幽霊であるがゆえに他者に憑依する能力を見せる等、レイブラッド星人の力の片鱗のようなものを見せたことが何度かあったためである。ギガバトルナイザー無しでこんなチートじみた能力を扱えるベリアルはレイブラッド星人の遺伝子を色濃く受け継ぐレイオニクスとでもいうのだろうか…?
そして大怪獣バトルの展開から15年経った2022年、『ウルサマ2022』でまさかの復活を遂げる。既に各地で多数の怪獣宇宙人軍団を従えて暗躍しており、前日談となるボイスドラマではトライスクワッドにヘルベロス、ナイトファング、テレスドンを差し向ける。3体が倒されると姿を現し、自らの復活を告げ、ギマイラとバラバを召喚する。
『NEW GENERATION THE LIVE ウルトラマンデッカー編』ではタイガ、ゼロ、そしジード、デッカーと交戦した。この作品でレイブラッドの魔手がベリアルの息子であるジードに伸ばされた事になった。
『ウルトラマンレグロスファーストミッション』で、その復活の経緯が判明。
『ジード』の最終回でベリアルから切り離されたレイブラッド星人の精神を、アブソリュートタルタロスが密かに別の並行世界の宇宙に逃していた事が判明した(即ち、レイブラッド星人の並行同位体と言うべき存在)。
『運命の衝突』でデビルスプリンターを体内に取り込んだが耐えられず死亡したレイバトスの並行同位体の破片を密かに回収したザラブ星人が、生命力の溢れる惑星マイジーでその肉体を修復し、それを仮の器として利用する事で復活を果たした。
最終的にレグロス達の合体光線で倒されるが精神体は滅んではおらず、不敵に笑いながらどこかへと去っていってしまった。
レイブラッド星人の復活はアブソリューティアンにとっても脅威となる筈で、ゾフィーはタルタロスが何故レイブラッド星人を解き放ったのか疑問に思っているが…?
なお余談ではあるが、アブソリューティアン達も「究極生命体」を自称しており、これが偶然なのか、意図的なものなのかは現時点では不明である。
書籍関連
レイブラッド星人の影響は外伝作品においても見られ、『DARKNESSHEELS-Lili-』では、惑星テリオの上層部がかつてレイオニクスたちが使用していたバトルナイザーの模造品を作り出し、戦乱の生じている宇宙各地の惑星に売り捌くことで私腹を肥やしているらしいことが語られている。この出来事にレイブラッド星人自体は直接関与しているわけではないものの、バトルナイザーがそもそもレイブラッド星人の後継者を決めるためのレイオニクスバトルで使われていたものであったことを考えると、これもまたレイブラッド星人の存在が元で引き起こされた痛ましい出来事であると言えるだろう。
いずれにせよ、最盛期と比べて大きく弱体化した後も、直接・間接を問わず長きに渡って宇宙を混乱に陥れ続けていることが、レイブラッド星人の持つ力が極めて強大であることを(間接的にではあるが)証明する1つの要因になっていることは間違いない。
ちなみに、雑誌企画の『ウルトラマンゼロ&オールスターウルトラマン 超絶!!ウルトラリーグ』ではダークザギやエンペラ星人と結託し、ウルティメイトブレスレットを狙うという役所で登場しているが、明確にウルトラマンゼロと絡んだのはこことウルサマだけであり、正史となる映像作品では未だ一度も絡みはない。
余談
名前の由来は恐らくSF作家のレイ・ブラッドベリと冷血の捩り。
特徴的な頭部をしているが、実物のスーツではそのままだとスーツアクターの頭が出てしまうためクロマキー合成処理でアクターの頭部を消せるように、アクターの頭部を包むグリーンの丸い何かがある。
レイブラッド星人のスーツが映像作品のみの登場で、ショーなどで一度も出てきていないのはこのクロマキー処理前提の造形があるためらしい(簡単に言うと、頭部の抜けた部分にスーツアクターの頭が存在するスーツなのである)。
この頭部デザインは宇輪など成田亨氏の他の作品にも似ているが、恐らく1980年の水彩画『宇宙人の気配F』が最も近い。
『ウルトラマンジード』に登場する小説家:伏井出ケイ(ベリアルの配下にある人物)のデビュー作:「コズモクロニクル」のあらすじには武芸に秀でた戦士レブラヒムが登場するが、主人公が彼から武芸を学んだという内容とその名称を見るにレイブラッド星人がモデルになっていると思われる(本物はどちらかといえば魔導師や勇者に力を与える神様ポジションだが)。
いずれにせよ、失意のどん底にあった自分に目を付け、力を与えてくれた存在として、ベリアルもレイブラッド星人に対しては少なからず感謝や畏敬の念を抱いているのかもしれない。
本編では一切言及されていないが、ベリアルの息子(と言うよりはその遺伝子から作られた模造品)であることを踏まえると、ジード=朝倉リクからすればレイブラッド星人は遺伝学上の祖父ともいえる存在である。
ちなみにジードはレイブラッドがウルトラマンを封じたように怪獣を封じ込めた事がある。
デザイン画での名称は、「レイコック星人」という名称もあった。また、当初は、人間態も描かれていた。
本編第12話に登場する場面では、予算の都合から新規に着ぐるみが作れず、フィギュアで代用することとなった。既存のウルトラマンコスモスのフィギュアを型取りしたものがあり、それをベースに粘土を盛って電飾を入れて塗装して完成された。本編では上半身のみの登場だったが、手足に軽くモールドを付けて全身が作られ、そのままスキャンされたものがソフビ化された