いいえ……私に嫌いなものを語る資格などない。
強いて言うなら、己自身でしょうか。この不貞の自分を、王に裁いてほしかった……
プロフィール
真名 | ランスロット |
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クラス | セイバー |
性別 | 男性 |
身長 | 191cm |
体重 | 81kg |
出典 | アーサー王伝説 |
地域 | イギリス(ゲームマテリアル)/ フランス → イギリス(書籍マテリアル) |
属性 | 秩序・善・地 |
好きなもの | 恋、剣の技 |
嫌いなもの | 己自身 |
設定担当 | 東出祐一郎、奈須きのこ |
ILLUST | しまどりる |
CV | 置鮎龍太郎 |
演 | 小野健斗 |
概要
『Fate/Grand Order』に登場するセイバークラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
第1部6章『神聖円卓領域 キャメロット』と共に実装された。
同章のメインシナリオでは、獅子王に仕える遊撃騎士。
王の真意を知り苦悩するも、「最悪の中の最善」として獣に堕ちる道を選ぶ。
同僚からは以前からよく「黒騎士」として言及されているが、当初公開された設定画では鎧が白く、ユーザーに疑問を持たれていたが、実装に当って初期状態では鎧が黒いことがわかった(正確には黒に近い紫色)。もっとも、黒騎士というのは「主従契約を交わしていない騎士」全般を指し、裏切りの末に城を出奔した彼は契約を自ら放棄したも同然なので、妥当な表現だったりする。
「剣のランスロット」だから通称「剣スロ」。
これに倣ってバーサーカーの方は「狂スロ」とか「バサスロ」とか呼ばれたりする。
真名
円卓の騎士の一人、『ランスロット』。ガウェイン卿と並び、円卓最強と謳われた武人。
かのアーサー王自身が認めた盟友であり、湖の貴婦人の一人を育て親に持つ「湖の騎士」であると同時に、そして王朝の崩壊を招いた「裏切りの騎士」。
元はフランスの一介の領主であり、アーサー王の噂を聞きつけ興味と腕試しを兼ねてブリテンに赴く。その後は戦場での共闘を経て、彼(彼女)の常に正しくあろうとする強さに感服。ブリテンはフランスとのコネクションを築く目的もあり、彼を円卓に迎え入れた。
王に心酔していたが、老いと共にその憧れを貫けなくなっていくジレンマ、そして相談から発展したギネヴィア王妃との不貞により精神的に追い詰められていく。挙句、不貞の現場を抑えられた際に、多数の騎士を殺害し逃走。そして処刑されるギネヴィアを救いに現れた際も、誤認とは言え戦う意志のなかったガレスらを殺害したことによって、盟友であったガウェインとも完全に決別。最も優れた騎士が王妃と不貞を働いていたという事実、そしてガウェインとランスロットという二大巨頭が決定的に対立してしまった事から、キャメロットは崩壊の一途を辿ることとなる。
その後、彼は自身の所業が全ての終焉を招いた事に心を痛め、出家し修道院に入った。最期は後悔のあまりに自ら食を絶ち、餓死という形で緩やかに自害したと伝えられる。
なお、元々は別の伝説の主人公であり、後世にフランス人によってアーサー王物語に組み込まれたキャラクター。世界でもトップクラスに有名なメアリー・スーと言える。
人物
一人称は「私(わたし)」。
正気のランスロット。長髪から短髪になって髪色も明るくなっており、全体的に紫。
正義を愛し、女性を敬う「理想の騎士」と称えられ、アーサー王を始め、多くの騎士の尊敬と憧れを集めた一方で、王妃との不貞により円卓の崩壊を招いた「裏切りの騎士」の烙印を背負う。
忠義と騎士道を重んじる一方、優れた見識の持ち主で、大局を見極める事に長けている。王の勅命なら己の信念すら曲げて冷酷に振る舞ってみせるが、筋が通らないと判断すれば、命令内容の隙を突いて寛容な措置を密かに執るなど、ある程度自分の意思に沿って動く柔軟さも持ち併せる。故に、王の勅命を絶対視するガウェインをはじめとするブリテンの騎士とは衝突する事もあったが、
- アグラヴェインを筆頭とする反ランスロット派と対立しながらも円卓の騎士を纏め上げる
- 内乱の際に「ランスロット卿に助けられたから」という理由でランスロットに協力した騎士たちがいる
- その中に親友であるトリスタンのライバルであるパロミデスがいる
- アーサー王から「自身の行いに悔いているのならばそれでいいから戻って来てほしい」とまで言われる
等々、部下や仲間から「理想の騎士」と呼ばれるだけの人望を集めていた事は確かである。
一方で、彼を語る上で外せない特徴として女性に弱いという軟派な一面がある。敵であろうとも助けたり褒めたりする事が多く、周囲からは「女性にだらしない」とさんざん呆れられている。
本人としては「女性は敬うべきもの」という感性が当たり前であり、誰であろうと無条件に好意的にした結果、相手の女性に勘違いを与えてしまうだけ……という見方もある。
ある意味それが一番厄介かもしれないが。
また、円卓崩壊を招いた最大の要因が彼とギネヴィアの不貞であった事は否定できない事実である。それ故に「理想の騎士」でありながら「裏切りの騎士」。王を始めとした多くの友を裏切った過去から自己嫌悪的で、聖杯への願いも「アーサー王に罰してほしい」である。
そんな彼だが、息子のこととなるとどうしてよいかわからず優柔不断になってしまう。
正気を失った状態で成した子である上、生後すぐに修道院に預ける形で捨ててしまったことも災いし、成長後に出会っても当然ながら反目され、自分も親としての行動の取り方が分からず……と言った具合で、父親としての自覚はあれどイマイチ踏ん切りがつかず、時に面と向かうのを恐れて素っ頓狂な行動に出ることも多い。第1部6章で予想斜め上の姿になった息子(娘?)と再会してからは、余計にどうしたらいいかわからず混乱している。
能力
戦闘では、聖剣『アロンダイト』を主武装とする。
ステータスは最優とされるセイバークラスらしく軒並み高水準で纏まっている。木の枝一本で多勢に無勢のピンチを切り抜けた逸話の通り、その武の冴えは他の追随を許さない。特に剣術においては質実剛健ながらも水のように流麗な太刀筋が持ち味で、隙のない剣捌きで並居る敵を叩き斬る。
第1部6章で敵として登場した際には獅子王からの祝福(ギフト)「凄烈」を持つ。戦闘では、防御相性をルーラーと同じにし、さらに全ての弱体効果を遮断する。
スタンや魅了も全て弾かれるので、搦め手を得意とするサーヴァントにとっては苦しい相手。
モーション中では、アロンダイトを用いたパワフルかつスピーディーな剣技を披露する他、宝具の限定開放と思しい光の斬撃(再臨状態によって色が変化する)や、エクストラアタックではアロンダイトと『騎士は徒手にて死せず』で宝具化した木の枝による二刀流も見せる。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | B | A | B | C | B+ | A++ |
※『Fate/Grand Order material Ⅳ』に記述されているステータスは、こちらに記したものと違いトリスタンのステータスと全く同じであるためおそらく誤植である。
保有スキル
対魔力(B) | セイバーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。魔除けの指輪によるもので、魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。大魔術・儀式呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。 |
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騎乗(B) | セイバーのクラススキル。乗り物を乗りこなす能力。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなすが、魔獣・聖獣ランクの獣は不可能。 |
湖の騎士(A) | 幼少の頃、湖の乙女に養育されていた事から、常に彼女の祝福を受けている。使用すると、一時的にではあるが幸運以外のステータスの内どれか一つに+を付加(実質的な倍加)する事が可能となる。 |
精霊の加護(A) | 危機的な局面において優先的に幸運を呼び寄せる、湖の精霊のギフト。その発動は、武勲を立てうる戦いのみに限定されている。 |
無窮の武練(A+) | ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した武芸の手練。心技体の完全な合一により、如何なる精神的制約の影響下でも十全の戦闘力を発揮できる。要するに心身共にボロボロでも、全力を発揮出来る。 |
騎士は徒手にて死せず(A++) | ナイト・オブ・オーナー。後述する通り本来は宝具。 |
宝具
騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)
- ランク:A++
- 種別:対人宝具
- レンジ:1
- 最大捕捉:30人
手にしたものを自分の宝具に変えて振り回す能力。
どんな武器や兵器だろうと手に取って魔力を巡らせることでDランク相当の擬似宝具となる。
宝具を手に取った場合、元からDランク以上なら従来のランクのまま支配下に置かれる。ただし、この能力の適用範囲は原則として自身が「武器」として認識できるものに限られる。
『FGO』では戦闘システムの仕様上、アクティブスキルとして扱われている。
詳細は該当記事を参照。
己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)
- ランク:B
- 種別:対人宝具
- レンジ:0
- 最大捕捉:1人
他人に扮して数々の武勇を成した、ランスロットの故事を体現した自らのステータスと姿を隠蔽する宝具。バーサーカー時には失われる変装機能も問題なく使用可能で、第1部6章ではトリスタンとの交戦で気がそれていたとは言え、高レベルの千里眼持ちのアーラシュを欺いて重傷を与えた。
2016年ハロウィンイベントでは息子(娘)を見た瞬間に如何ともしがたい感情とともに画面外に逃亡して大急ぎで発動し、以降部下や同僚、上司の気遣いもプラスしてバーサーカー時と瓜二つの姿でシラを切ろうとした。ただし当の息子(娘)には当然のように見抜かれている。
無毀なる湖光(アロンダイト)
- ランク:A
- 種別:対人宝具
- レンジ:1〜2
- 最大捕捉:1人
「『無毀なる湖光(アロンダイト)』――加速する!!」
絶対に刃こぼれすることのない名剣。エクスカリバーと起源を同じくする神造兵装。
この剣を抜いている間、全てのパラメーターは1ランク上昇する。また、竜退治の逸話から竜属性特攻も有する。バーサーカー時とは異なり、聖剣の輝きを保っている。
縛鎖全断・過重湖光(アロンダイト・オーバーロード)
- ランク:A→A+
- 種別:対人・対軍宝具
- レンジ:1〜50
- 最大捕捉:500人
「湖の乙女と共に!」
「最果てに至れ、限界を越えよ。彼方の王よ、この光を御覧あれ!『縛鎖全断・過重湖光(アロンダイト・オーバーロード)』ッ!!」
極限まで魔力を充填したアロンダイトによる必殺の斬撃。エクスカリバーのような魔力の大砲ではなく、直撃と同時に圧縮した膨大な魔力を敵に直接流し込み、内側から爆発させる剣技。
膨大な魔力は切断面から溢れ、さながら輝く湖面を思わせる青い光を放つ。
詳細は該当記事を参照。
ゲーム上での性能
簡潔に言えば、雑に使っても強いクリティカルアタッカー。
ATKに偏ったステータスを持ち、スター運用と単体攻撃宝具を重視したアタッカー向きのセイバー。Busterのヒット数が多めで、QuickやArtsからBusterに繋げてチェインが成り立つと、素の状態でも結構な量のクリティカルスターとNPを稼ぐことができる。
加えて、スキル「湖の騎士(A)」で初っ端からNPを30、スターを10~20稼ぎ、さらに「騎士は徒手にて死せず(A++)」で毎ターン5~15のスターを獲得、加えて『無窮の武練(A+)』で星を自分に集中しながら『騎士は(ry』で威力の上がったクリティカルを叩き込む……とまぁ、一人でクリティカルに完全特化した戦いができるすごい漢。円卓最強の誉れは伊達じゃない。
カード配分も《Buster:2/Arts:2/Quick:1》と典型的なセイバー型で扱いやすく、宝具カードの属性もArtsであるため、実質Artsカードを三枚持っていることになり、必殺のクリティカルアーツブレイブチェインを狙いやすい。もはや必殺技の名前である。
宝具カードは『縛鎖全断・過重湖光』。効果は【自身のArtsカード性能をアップ(1ターン)+敵単体に超強力な攻撃+敵単体に被ダメージが増える状態を付与(5ターン)〈オーバーチャージで効果アップ〉】。自前でアーツチェインを組めるだけでなく、これを利用したクリティカル連打による即時NPリロードも可能。場合によってはターンを開けずに宝具連続解放もできるという、他の同格以上のサーヴァントでも難しい芸当をさらりとこなして見せる。さらに2022年の『7周年記念強化クエスト』にて念願の強化が実装。基礎威力と敵単体に被ダメージが増える状態の倍率が上昇すると共に防御無視攻撃へ変化し、より強力な一撃を見舞えるようになった。
このような破格のオフェンス性能から、☆4以下のセイバーではぶっちぎりの最強格で、「実質☆4.5」と評されるほど。☆5&期間限定のセイバーに並び立つ強さともっぱらの評判。育成こそ大騎士勲章をそれなりに要求するものの、仮に安定したアーツパを組めるならば、まさに最強の騎士として存分に活躍してくれるだろう。
強いて欠点を上げるとすれば、3つのスキルに絶大な強みを持つタイプであるため、特に「騎士は徒手にて死せず(A++)」の育成がほぼ前提となること。他のサーヴァントのスキルに頼る手もあるが、より安定した運用を狙うならばある程度並行して三つのスキルを強化したほうが良い。しかしスキル強化の素材もかなり重いため、素材残量と他のメンバーと相談しながら育成しないと肝心なところで動作不良を起こしてしまう恐れも無いとは言い切れない。とはいえ、「湖の騎士(A)」は初期から使える上にNP増加はレベルに関係なく30で固定となるため、育成途上でも攻撃面では結構使い勝手が良い。もう一つは防御バフ・回避・無敵など自己防衛手段が一切ないこと。敵の宝具に対してはマスターや他のサーヴァントのスキル頼みになる。
そのNPの溜まり易さからArts性能が優れてると誤認されがちだが、実はNP効率自体はセイバークラスの中でも平均的なレベルであり(ジークフリートやラーマと同じくらい)、Artsクリティカルを安定して撃てる場合の良い見本である。
関連人物
生前
彼が戴く唯一の王にして、人生最大の友。裏切りの経緯から顔向けできずにいるが、ギネヴィアとの一件に関しては王本人の秘密もあって、むしろ有難いと思われていた節もある。
自身の敬愛する王であり友の性別の秘密は不倫後にギネヴィアから知らされ、たった一人の少女に王としての重責を背負わせていたことを悔いていた。その一方で、人間としての幸せを知らない身ながら人々の幸福を願う彼女の歪みを恐れてもいた。なお生前からアーサー王に対して他の騎士とは違い、「彼女」「貴女」とはっきりと女性として扱っている。他の円卓勢同様アーサー王を敬愛してやまないが、黒くなっちゃった王に対しては「何たる邪悪……!」と眉をひそめている。
マイルーム会話でのボイスは2種類あり、初期こそ「顔向けできない」としょぼくれているものの、絆レベルを上げてシナリオを進めると「もはや合わせる顔がないなどと言っている場合ではありません」と言うセリフが聞けるようになり、「王と共に戦い、人理を取り戻す」というスタンスに変化している。彼なりに気持ちの整理がついたのではないだろうか。
本来は互いに認めて尊敬し合える仲なのだが、それ故にランスロットの自責の念の重さが分かる。
アーサー王の后にして彼が唯一心から愛した不倫相手。
彼女との不貞が王への裏切りになった事を悔いる一方、彼女への愛には嘘偽りも後悔もない。(しかし、アニメ『Fate/Zero』のDVD特典ではアイリスフィールに悩み相談をした際にギネヴィアより我が王の方が大切と言った問題発言をしているが、その失言は彼がバーサーカークラスだったことが関係してるのかは不明である)。
犬猿の仲。お互いに蛇蝎の如く嫌っており、彼の事になると盲目的な敵意を向けてしまう。
ギネヴィアとランスロットの不貞の現場を抑えた人物こそアグラヴェインであり、この際逆上したランスロットによって殺害されている。彼もまた王の絶対の忠臣であったのだが、価値観の決定的な食い違いから歩み寄る事は出来ず、相互理解を果たすことはついぞなかった。
第六特異点では、彼こそ王を誑かしている黒幕と思い込み、生前同様に敵対。直接の戦闘では文官肌の彼に後れを取るはずもなく追い詰めるが、彼の王に対する心情の吐露を聞き動揺。結果的に実力差がありながら相討ちとなった。何の因果か、特異点での彼は別世界のマスター同様、嫌いな相手が絡んでいたことで、自ら視野を狭めてしまっていたのだ。
後述にもあるがランスロットの持つ『忠義が報われない』という点に関しての原因。
アグラヴェインと共にギネヴィアとの不貞を暴かれた怨敵。
不貞の現場を抑えられた際の騎士たちを全員殺した中、モードレッドだけ取り逃がした。
ただし最後まで彼(彼女)の出自を知らなかったため、カルデアで素顔を見た時は驚愕を隠せなかった様子(対してモードレッドはその様に呆れていた)。女性を敬うべきを信条とするランスロットは、女性だと知ったモードレッドへの接し方をどうすれば良いのか困っている。
生前ランスロットをとても慕っていた騎士でガウェイン卿の妹。
ギネヴィアを巡る最中に彼女をガヘリス共々殺した事がガウェインとの決定的な決別を生み、大きく円卓を崩壊へ傾かせた(ちなみにランスロットは、非武装の喪服姿の彼女を護衛と誤認して殺害したという、騎士以前に人間としてもアウトな事をしでかしている)。
ガレスのマイルーム会話では、生前と変わらずランスロットを尊敬している事が伺える……が、その言葉の節々は彼の心の傷をこれでもかと抉ってくるものばかり(ガレスは悪意/Zero)。
ちなみにガレスのバレンタインの贈り物はチョコカップケーキなのだが、なんとこれを涼しい顔で300個平らげていたことが彼女の口から語られている。よほど美味しかったのか、あるいは生真面目さと罪悪感故の暴走なのか。なお、その他の円卓メンバーも三桁単位で食べており、ランスロットが抜きんでてこそいるがぶっちぎりというわけでもない。あの王様にしてこの部下ありである。
2022年の『7周年記念強化クエスト』においては、ランスロットの強化クエストにガレスが敵として登場したうえ、強化の内容はよりによってガレスの防御力をないがしろにする「宝具に防御無視追加」であった。これに対して「運営は人の心が分からない」といった感想を抱いたマスターも多かったようで、Twitterでは「ランスロット」や「人の心」がトレンドとなる等の動きがあった。
誉れ高き「聖杯の騎士」にして別の相手との間に生まれた不貞の息子。
彼と依代のマシュは片目を隠した前髪と性格が似てるのに対し、実の父親である自分とは雰囲気が似ている(鎧姿はどちらとも共通)。魔法をかけられ正気を失っている内に作ってしまったとは言え、正気に戻った途端に彼の元から去ってしまったため親子仲は最悪。ただし、ランスロットも親心があったらしく、円卓参加後は父親として接しようとしているが悉く失敗している。
ギャラハッドも実父を誇りに思う気持ちは本物であり、マシュを救ったこともまた然りである。
その事実として第2部6章にてマシュを通して、第1部6章で特異点のランスロットが獅子王のやり方に疑問を抱き最終的に自軍を裏切ってでもカルデア側に回り最期まで援護してくれたその意思と行動に、実父を心の底から感謝し尊敬していることが判明した。
また、魔犬バーゲスト戦で召喚され、マシュと一緒に戦う旨を述べた際にマシュは激しく照れながらも「授業参観ですかお父さん!?」と返事しており、戦闘終了後も感謝の言葉を述べていた。
つまり、ギャラハッドの父親に対する本当の心境は『女たらしだけは絶許だが、それ以外の全てを心底から敬愛し大切な父親として、一人の騎士として尊敬し愛している』ということである。
なので『プレイヤーからギャラハッドへの悪評の大半はマシュの所為』である。さもありなん……
円卓の同僚にして、ランスロットと並び立つ実力者。
騎士としての実力を認め合った戦友であったのだが、ギネヴィアとの不貞による王への裏切り、そしてガウェインの兄弟と彼の子を全員殺害した事(特にガレス)から、その亀裂は決定的なものとなった(原典では兄弟ではなく無抵抗の騎士をランスロットが殺害した事で関係が修復不可能になった話もある)。また、生前ガウェインを仕留めたのはモードレッドだが、その際ガウェインはランスロットとの決闘で負った傷が癒えておらず押し負けたらしい。ガウェインの方は「卿を許せなかったのは自身の未熟ゆえ」と省みており、サーヴァントになった後の二人の関係は決別前に近い状態まで回復しており、根に持っている様子も見られない。ちなみに生前のランスロットはガウェインを負かしたことがあり、そのためにガウェインのスキル「聖者の数字」が効かない。
円卓の同僚にして戦友。
カルデアではお互いに道ならぬ恋をした者同士、禁断の恋について熱く語り合っていた。
しかし、ダ・ヴィンチちゃんと共謀して彼の恥ずかしいベストアルバムを作るなど、生前(今ではややマシになったが)の無神経極まる舌禍を僅かながらも根に持っているのかもしれない。
二人とも王に許されてこそいるが、当人はそれを悔やんでも悔やみ切れず自責の念に囚われている点で共通している。実装当初はトリスタンに対するマイルームボイスがなかったが、モーション改修時のアップデートで実装されたボイスでは再会を喜んでいる一方で、公衆の面前で「禁断の恋」語りを始めてしまうトリスタンに対し(恐らく娘と彼に睨まれる事を懸念して)「恋バナは別の場所でやろうか」と釘を刺している。手遅れでないといいが……
円卓の同僚にして戦友。
第六特異点においては当初こそ敵対していたものの、彼と『娘』に諭される形で共闘する。
二次創作ではトリスタンと一緒に「禁断の恋」について熱弁していたり、ガウェインが加わった三人でハメを外して馬鹿をやっている所を物理的鉄拳されるパターンがお決まりと化している。
円卓の同僚にして戦友。数々の冒険を共にしたのを称え合う仲。
清廉潔白な性格ゆえに浮気の類は許せないらしく、トリスタンや3代皇帝に対してはド直球で浮気を咎めている彼だが、ランスロットの不倫に関してはノーコメントを貫いており、恐らくギネヴィアとの複雑な関係を知っているがゆえの彼なりの配慮だと思われる。
ランスロットの養母である湖の貴婦人と呼ばれる高位の妖精の一翅。
アーサー王物語に登場する女性の名前。特にランスロットの周囲には多くのエレインが登場する。
ちなみにカーボネックのエレインは息子ギャラハッドの実母である。元ネタ(原典)ではランスロットの実母の名前もエレインであり型月の方では実母の名は不明である。
円卓の同僚にして従兄弟。
彼もまた聖杯探索に乗り出している。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
何かとネタ要素が目立つランスロットだが、意外にも彼/彼女に対してはマイルーム、イベント共に真っ当な騎士としての姿勢を貫いており、深入りしない距離感を保っている。自分のマスターなので気を引き締めているのだろうか。最終的には主君と同じ忠誠を誓う相手だと言ってくれる。
なお、女性だと並み居る女鯖同様淑女だと認めているような発言をしている。
先述した息子の霊基を譲り受けたデミ・サーヴァントの少女。精神面での感情も受け継いでるため、思春期反抗期真っ只中の「娘」に対してますます接し方がわからず混乱している。
「お父さん」と呼んでもらうのが念願だったらしいが、サーヴァントになってからついにその夢は実現。ただし急に呼ばれると精神的にクるものがあるらしい。彼女を見た瞬間に逃げ出したり、なかなか声をかけられなかったり、他人を装って接したりするなど、傍から見ると情けない父親そのものである。それでも彼女の奥底の霊基に対して慈愛の想いや視線を向けることもあるとか……
また、ギャラハッドの項でも書いたが、第2部6章にて第1部6章のランスロットの行動や魔犬バーゲスト戦でマシュの援護にランスロットが召喚された時、マシュ自身も心の底から彼に対して敬愛と感謝の旨を述べていた事から、ランスロットに対する思いやりは紛れもない本物である。
ちなみに、後のイベントで女性サーヴァントに言葉を掛けている所(ナンパ、もしくは勘違いされる行動)を見られた場合は容赦なく穀潰しとか呼ばれていたりする。 「とぅわ!?」
バーサーカーで召喚された場合のランスロット。黒歴史の象徴たる姿という事もあり、二次創作では剣呑な関係性で描かれることが多いのだが、肝心のゲーム上では特殊セリフやシナリオ上の絡みが未だにないため、当人がどう思っているのかは不明。
アロハ騎士としてディーラーを務めていたが、攻略の際に黒歴史を悪のアラフィフに酷評されたりかつて惨殺した弟子のウソ泣きで動揺するなど散々な目に遭っている。
「ランスロット」の名を源氏名として賜った妖精騎士。ただしクラスは異なる。
当初、ランスロットに対するイメージはプレイヤーの誰もが「誰だよそれ」と思うような完璧な騎士だったのだが、トリスタンと一緒に所帯持ちにあるまじき行為を働いているところを目撃しドン引きしてしまう。更にその名をギフトとしてもらった自分も「そういう目」で見られていた、と考えて涙目になっており、本人の知らない所でまたしても罪状が増えることとなった。
……ただし、彼女は彼女で上司の夫/妻を「恋人」と呼んで懐いている辺り、「ランスロット」を着名させたのもあながち見当違いでもなかったりする。更に妖精國ではブリテンを破壊し尽くしていた為、ある意味「ブリテンを破滅に導く者」という意味でも近かったのかもしれない。
だが、1番の共通点は『忠義が報われない』という事だろうか。彼女はそもそもの前提からバッドエンド以外の結末が存在しなかった為、こちらの方がより悲惨だが……
『バトル・イン・ニューヨーク 2022』のプロローグでは、直接接触する一幕があった。
同シーンはイベント冒頭でよくあるセリフのテキストがないシーンだったが、ランスロットの方が笑顔で屈むような動作をしており、メリュジーヌの方は困惑した表情を見せていた。恐らくランスロットの動作は「女性に対する挨拶」であり、それがナンパのように映ったのかもしれない。
原作にてギャラハッド・オルタとの関わりがあるため、ギャラハッドの父親である彼に対してマイルームコメントがある。素行に関して問題視する一方でその実力には素直に脱帽しており、「とんでもない才能」「化け物」と評していた。
声のトーンの高さで見事に演じ分けている辺り、置鮎氏の高い技量がうかがえる。
余談
本来ならバーサーカーよりもセイバーの方が適性としては正しい。ただ、本来の合理主義でやや頑固な性格が表に出てくるので、バーサーカー時とはまた別のベクトルで(下手するとバーサーカー時以上に)扱いが難しいと思われる。特に何かと粗や欠点が多いマスターや、合理性を軽んじるマスターとはすこぶる相性が悪くなってしまう。多分主君が愛した彼とかもう最悪だろう。
原典での彼の行動を振り返ると「どこが清廉潔白な理想の騎士なんだよ」と疑問を呈したくなることと思われるが、この評価はあくまで原典の作中での他の騎士たちからの評価である。少なくとも不貞が公になるまでは(あるいはなってからですら)そう呼ばれるだけの実力と人格を備えていた事は確かだろう。「不忠の大罪を犯し、円卓崩壊の原因の一つを作った自分が騎士(セイバー)だなんて笑える冗談だ。自分はバーサーカーこそが最も相応しい」と容赦なく自虐してすらいる。
こちらのランスロットが短髪なのはマテリアルによると、「反省したヤンキーが髪を切る感じで」と髪型を変更するように指示されたためであり、当初はバーサーカー時と同様に長髪でデザインされていた。原典通りに解釈すると円卓入り当時はこの髪型だったものの、やがてギネヴィアとアルトリア両者それぞれとの関係で板挟み状態になり、そこへギャラハッドをわだかまりが解けないまま聖杯探索で失ってしまったのも重なり、心身共に病んだ挙句あの長髪姿になった……と考えるのが妥当だろう。実際、伝承のランスロットは全てが終わった後、教会でただひたすらに神に赦しを乞い続ける生涯を送ったらしい以上、自身の髪の長短などというくだらない事に目を向ける精神的余裕があったとは到底思えない。
円卓勢はイベントシナリオにおいてお笑い担当で出てくる事が多いが、理想の騎士である彼もその例に漏れず残念なイケメンと化す事が多い。特に水着イベントでは2018年から専用の日焼けプレイボーイな立ち絵が用意されるという謎の優遇を受けている。この姿は5年後の2023年水着イベントにガウェイン、トリスタン共々、水着霊衣「夏の最強騎士」として実装されることになった。
『Fate/Grand Carnival』では残念なイケメンぶりに拍車がかかり、OPにてアロハ三騎士総出で水着の王を推すオタ芸を披露して本人に止められたり、娘(?)との接し方について笑うバーテンダーに相談したが、ドーン!によってタガが外れ、娘の部屋にデンジャラスな衣装でモフられに行ってドン引きされたりするなど、他の2人にも劣らぬポンコツと化している。
関連イラスト
第2段階以降の白銀の鎧で描かれることが多い。
関連タグ
盾親子:マシュ、またはギャラハッドとのコンビタグ。