スリザリン
すりざりん
スリザリンではもしかして
君はまことの友を得る
どんな手段を使っても
目的遂げる狡猾さ
🟢基本情報一覧
寮名 | スリザリン(Slytherin) |
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資質 |
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色 | 🟢緑(エメラルドグリーン)・⚪️銀(シルバー) |
宝石 | 🟩エメラルド |
動物 | 🐍蛇 |
元素 | 💧水 |
スート | ♦ダイヤ |
談話室 | 湖に面する地下室(Dungeon) |
入口・認証 | 石壁・合言葉 |
創設者・性 | サラザール・スリザリン・男性 |
創設者の遺品 |
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創設者の出身 | 東の湿原 |
寮監 |
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寮憑きゴースト | 血みどろ男爵 |
🟢詳細解説
同胞を尊ぶ
自身とその仲間を尊ぶ者が集うとされる寮。スリザリン生の結束は非常に強いとされる。
そのぶん他者に対しては排他性を持っており、特にグリフィンドールとは因縁の仲。またハッフルパフやレイブンクローとの仲も微妙。
(ヴォルデモートも誕生しておらず、聖28一族も選出されていない1890年代が舞台のゲーム『ホグワーツ・レガシー』では、純血主義者こそいるが排他的ではなく、困っている他寮生を助けようとしたり、他寮生と友人付き合いするスリザリンも見受けられる。ただし原作者はゲーム制作に関与していないので、公式設定と言えるかは際どいラインである。)
サラザール・スリザリンは魔法族のみを入学させようとしたことでも有名。そのためスリザリンの多くは純血主義でマグルに対して差別的な態度を持つ。
つまりスリザリンとはとにかく身内を優先する寮であり、「魔法族」「純血」「スリザリン」という自らとその家族を守ることを第一義としている。
現実を見通す
アルバス・ダンブルドア曰く、サラザール・スリザリンは自身の寮生に「機知に富む才知(適切な状況判断)、断固たる決意(決断力)、あえて規則を無視する傾向(目的達成志向)」などの才能を求めていた。
スリザリン生の蛇のような鋭敏さは保守主義、現実主義として理解できるだろう。
損をしないように行動し、時にルールを無視する(あるいは自分のために上手く活用する)強かさがなければ生きていけないし、家族を守ることはできないのだ。
力に飢える
また、スリザリン生は野心家で、力を求める傾向も強い。
これも現実主義の延長だろう。上手く世渡りをしていくためには実力が必要だということである。
そのためかスリザリン生はカリスマとしてリーダーシップを発揮することも多いとされ、史上最も偉大な魔法使いマーリンと史上最悪の魔法使いヴォルデモートはどちらもスリザリン出身である。
ちなみに、ハリー・ポッターはスリザリンに向いている生徒と組み分け帽子に判断されている。
これはスリザリンが教え子に求めた素質のすべて、大望(自分の実力を試したい欲求)などを当時のハリー(と彼の内部にあるモノ)が抱えていたからである。
なお組み分け帽子はハリーをグリフィンドールに入寮させた後も、スリザリン適性があるという最初の判断も撤回していない。
スリザリン≠闇の魔術
作中ではスリザリンの差別主義的なエピソード、善良とは言い難い人間性が描写されてきたため、多くの読者視点ではスリザリンは犯罪者養成機関のように映り、アウトロー的なイメージが根強い。これは談話室が「ダンジョン(dungeon)」(地下室)から「地下牢」などと訳されてしまった事も影響しているだろう。
確かに同寮からは闇の魔法使いを多数輩出しており、寮内に差別意識が蔓延っていたのは事実である。ヴォルデモートやや死喰い人は殆どがスリザリン出身であった事から、この認識が誤りだと断定するのは難しいかもしれない。
しかしスリザリンの求める資質はあくまで狡猾さや断固たる決意であり、決して暴力、差別主義ではない。ホラス・スラグホーン|のように自身が純血でも差別意識を持たないスリザリン出身者も存在する。
スリザリンの評判がここまで悪い、あるいは堕落したのは魔法界に古くから存在してきた純血主義をヴォルデモートが悪質なイデオロギーにまで高め、一部の魔法使いの箍が外れたことが一因にあるだろう。(ちなみに、魔法族を優先する思想や政策は、ヴォルデモートが閃いたアイデアではない)。
また他寮も闇の魔法使いを輩出している事を忘れてはならない。
ルビウス・ハグリッドは「悪の道へ進んだ魔法使いはみんなスリザリン出身だ」と言っているが、これは元グリフィンドール生で第一次魔法戦争を経験したハグリッドの主観である。
さらにスリザリンの重んじる狡猾さや野心というのは現実世界では社会的・経済的成功者の多くが持つ資質である。それ故に妬みや恨みを買いやすく、道徳に欠けると評価されやすい。これはスリザリン出身の成功者であろうホラス・スラグホーンの言動を見ると明白だろう。
スリザリンは(スリザリン贔屓の寮監がやたらと点を入れまくっていたのもあり)ハリー入学まで8年連続で寮杯を獲得していた。また純血の地位が未だ高いことや、魔法省はヴォルデモートに陥落する前から純血優先・魔法使い優先という保守的な気質であったことを踏まえると、スリザリンとはアウトローと言うよりむしろ、既得権益層なのである(モデルのイギリスの階級制度を踏まえて)。
🟢歓迎メッセージ
おめでとう!私は監督生のジェマ・ファーレイ、スリザリン寮に心から歓迎するわ。スリザリンの紋章は生物の中でも最も賢い蛇、寮の色はエメラルドグリーンと銀、談話室は地下室の隠された入り口の奥よ。すぐに目にすると思うけど、談話室の窓はホグワーツ湖の水中に面しているわ。よく巨大イカが水を吐きながら通りすぎていくし、ときにはもっと面白い生物を見れるわ。神秘的な沈没船といった趣でみんな気に入ってるのよ。
さて、スリザリンについて知っておくべきことがいくつかと、忘れるべきことがいくつかあります。
まず、いくつかの誤解を解いておきましょう。もしかするとスリザリン寮に関する噂を聞いたことがあるかもしれないわね。たとえば、全員闇の魔術にのめり込んでいるとか、ひいおじいさんが有名な魔法使いでないと口をきいてもらえないとか、その手のやつよ。でも、ライバルの寮が言うことを信じればいいってものでもないでしょう。確かに、スリザリンが闇の魔法使いを出したことは否定しないけど、それは他の3つの寮だって同じこと。他の寮はそれを認めないだけなの。それに、伝統的に代々魔法使いの家系の生徒を多く取ってきたのも本当だけど、最近では片親がマグルという生徒も大勢いるのよ。
他の3つの寮があまり触れたがらない、あまり知られていない事実を教えてあげる。マーリンはスリザリン生だったの。そう、かのマーリン、史上最も有名な魔法使いが! マーリンは知識のすべてをこの寮で学んだのよ! マーリンの足跡に続きたいと思わない?それとも、かの輝かしい元ハッフルパフ生、自動泡立ち布巾の発明家であるエグランティーヌ・パフェットのお古の机に座ったほうがマシかしら?
やっぱりね。
スリザリンが何でないかについてはこれで十分ね。スリザリンが何であるか、つまり学校の先端をいく素晴らしい寮だということについて話しましょう。私たちは常に勝利を目指している。なぜなら、スリザリンの名誉と伝統を重んじるから。
それに、スリザリンは他の生徒から尊敬されているわ。確かに、闇の魔法にまつわる評判のせいで尊敬の中には恐怖が混じっていることは否めない。でも知ってる? ワルっぽい評判というのもときとして楽しいものよ。ありとあらゆる呪いの呪文を知っていると思わせるような態度を取れば、誰がスリザリン生の筆箱を盗もうなんて思うかしら?
でも私たちは悪人ではないわ。私たちは紋章と同じ、蛇なの。洗練されていて、強くて、そして誤解されやすい。
たとえば、スリザリンは仲間の面倒を見るけど、これはレイブンクローだったら考えられないことね。連中は信じられないようなガリ勉集団というだけでなく、自分の成績を良くするために互いを蹴落とすことで知られているわ。逆に、スリザリンでは皆兄弟よ。ホグワーツの廊下では不用心な生徒を驚かせるようなことも起きるけど、スリザリンが仲間なら安心して校内を歩き回れるわ。私たちからすれば、あなたが蛇になったということは、私たちの一員になったということ。つまりエリートの一員よ。
だってサラザール・スリザリンが、彼の選ばれし生徒に何を求めていたか知ってる? 偉大なる者の種よ。あなたがこの寮に選ばれたのは、文字どおり偉大になる可能性があるから。もしかすると、談話室にいる生徒の中には、とても特別な運命があるようには思えない人がいるかもしれない。でも、それは心の中にしまっておくべきよ。組分け帽子がこの寮に入れたということは、何かしら偉大な部分があるということなんだから、それを忘れないように。
偉大になる運命にない人たちといえば、グリフィンドールに触れていなかったわね。多くの人がスリザリンとグリフィンドールはコインの両面だって言うけど、私に言わせれば、グリフィンドールなんてスリザリンの後追いをしているだけよ。でもね、中にはサラザール・スリザリンとゴドリック・グリフィンドールは同じような生徒を大切にしたと言う人もいるから、もしかすると私たちは自分たちが思ってる以上に似ているのかもしれない。だからといって、グリフィンドールと慣れ合うわけじゃないわ。グリフィンドールは私たちをやっつけるのが好きなわけだし。もっとも、スリザリンのほうが少しだけグリフィンドールをやっつけるのが好きだけど。
もういくつか知っておいたほうがいいことがあるわ。スリザリンのゴーストは「血みどろ男爵」よ。彼に気に入ってもらえれば、たまに誰かを脅かしてくれるかもしれないわ。でも血みどろになった理由は聞かないこと。聞かれるのが好きじゃないから。
談話室に入る合言葉は2週間ごとに変わるわ。だから掲示板に気を配ること。他の寮の生徒を連れてきてはいけないし、合言葉を教えるのも禁止。談話室には、7世紀以上も部外者が立ち入っていないのよ。
まあ、こんなところかしら。私たちの部屋を気に入るはずよ。私たちが寝るのは、緑の絹の掛け布がついたアンティークの4本柱のベッド、ベッドカバーには銀色の糸で模様が入っている。有名なスリザリン生の冒険が描かれた中世のタペストリーが壁を覆い、天井からは銀のランタンが下がっている。きっとよく眠れるわ。夜、湖の水が窓に打ち寄せるのを聞いているととても落ち着くから。
🟢シンボル
いずれも優雅さや富、権力、洗練された要素である。
緑は古来より希望や調和・回復といったリラックス効果をもたらす癒しの色だが、ときに毒や魔物、破壊・腐敗・嫉妬を示す超自然的な色である。魔法族はマグルの間で活動する際に緑と紫をコーデに組み合わせ、自分の存在を同胞に示すことがある。
蛇は神や悪魔、死と再生の象徴とされ、古今東西の宗教的象徴に用いられる。
またスリザリン生や寮監には魔法薬に優れた者が多い。閉心術に長けた者も目立つ。
またサラザールが持っていた蛇語もスリザリン生の象徴とされる。これはスリザリンが血統により受け継がれる才能を重視し、さらに畏怖と洗練の象徴として蛇をリスペクトしているからであろう。しかし蛇語は後天的習得が可能であり、邪悪な術には該当しない。
🟢談話室
ホグワーツの湖に隣接する地下室で、大理石に囲まれた壮大な雰囲気。
地下にあるためか冷たく陰気な印象を受ける。
しかし緑色の優しげな光に包まれており、湖の内部を見るための窓から水族館感覚で湖内の生物を観察することも可能。
更に詳しく→スリザリン談話室