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編集内容:主役機でありながらかなり出遅れてしまったものの、

ナラティブガンダム

ならてぃぶがんだむ

ナラティブガンダムとは、劇場版アニメ『機動戦士ガンダムNT』に登場するモビルスーツ(ロボット)である。多目的試験MSに分類する。

カタログスペック

素体/A装備/B装備/C装備

頭頂高21.0m / 27.0m / 21.0m / 21.0m
本体重量25.1t / 88.0t / 29.4t / 26.8t
全備重量40.2t / 193.6t / 72.0t / 51.5t
ジェネレーター出力2,980kW/5,070kw/3,280kw/2,980kw
スラスター総推力104,000kg/304,000kg/108,200kg/104,200kg

概要

アナハイム・エレクトロニクス製の多目的試験用モビルスーツ。その素性は謎が多く、「アナハイム・エレクトロニクス社フォン・ブラウン工場が、同社グラナダ工場からサイコフレームの提供を受けた後にRX-93 νガンダム以前に急造したサイコフレーム試験機」、「νガンダム以前にサイコフレーム非搭載の通常機体として開発された後にサイコフレームの試験用母体として一時的に使われたことがある試作機」、「μガンダムと同世代の失敗作」など諸説ある。型式番号は通常則から外れたRX-9が与えられている。

ミネバ殿下の「ラプラス宣言」を経て、特に大きな騒乱や変化の無い“安寧”にあった宇宙世紀0097年に、ルオ商会(の財力と政治的影響力を用いたミシェル・ルオ)の命によって近代化改修を受け、「ナラティブガンダム」として再ロールアウト。サイド4(後のフロンティア・サイド)の片隅で展開されていた『不死鳥狩り』作戦の増援として、軍参謀本部の正規ルートから特殊部隊「シェザール隊」へと“捻じ込まれ”、フェネクス捕縛の切り札となるべく実戦に立った。

パイロットは、こちらもまたルオ商会の意向により子飼い軍人であるヨナ・バシュタ少尉が専属として務める。

機体解説

近代化改修を受けてはいるが、基礎設計はRX-90と同世代、すなわち宇宙世紀0090年(以前)のため、宇宙世紀0097年時点では「高性能機」とは言えないレベルである。

「多目的試験用機」をベースとした経緯から、上腕部、大腿部、更にはコクピット周辺の装甲が無く、ムーバブルフレーム及びコア・ファイターのキャノピー(クリアグリーンの部分)がむき出しとなってしまっている。武装面においてもナラティブガンダム本体が内蔵しているのは頭部バルカン砲二門のみという構成となっている。そのため、劇中では「やせっぽち」と呼ばれる場面もあった。

このハードウェア・スペックの不足をカバーするため、ルオ商会(ミシェル・ルオ)は予め想定したフェネクス捕縛作戦内容(戦術)に沿った単一機能特化のオプションパーツを調達し、随時換装、運用する手法を採った。

コクピットブロック

前述の通り、ナラティブガンダムはΖ系列機同様のバーティカル・イン・ザ・ボディ方式コア・ブロック・システムを採用しており、第一世代モビルスーツ同様の三面モニターが据えられている。シート部もリニアシートではないが、こちらは近代化改修時に後述の「サイコスーツ」に完全対応した固定具を各所に増設する事で、パイロットへのG負荷を可能な限り緩和する措置としてある。

0097年当時としては革新的な点として、コントロールスティックの代わりにコントロールシリンダーによって機体を操作する仕様が挙げられる。

ソフトウェア

経緯は不明だが、オペレーティングシステムにはNT-Dが追加インストールされている(パイロットには秘密裏に)。当該ソフトウェアによりナラティブガンダムは、一定以上の感応波を感知すると自動的に戦闘モードが変更され、パイロットさえも『システム』の一部として取り込んでニュータイプ強化人間を撃滅するためだけの戦闘稼働を開始する。なお、NT-D起動時にはシステムの特徴的機能のひとつであるサイコミュジャックもアクティブとなる。

サイコフレーム

本機を解説した資料によっては「『不死鳥狩り』作戦時には、サイコフレームは非搭載」とされているが、NT-D稼働時には後述のサイコスーツ以外に、コア・ファイターそのものが赤く輝いているのが確認できる

なお、C装備時に追加したサイコフレーム発光時にはコア・ファイター部のサイコフレームの光は見られない。

サイコスーツ

搭乗者のニュータイプ能力を補うために用意された、専用のウェアラブルデバイス。パイロットスーツの上に、サイコフレームを組み込んだ大型ウェアラブルデバイスを全身に装着する。外観通りかなりの重量があり、ヨナの筋力では、ルオ商会スタッフの補助がなければ歩行すらままならない。このため、緊急時には強制排除が可能となっている。

装備

ナラティブガンダムはルオ商会の力を借りて、各種装備に換装して運用される。初期のA装備が最も重装備となっており、外観はA装備 → B装備 → C装備と移行していくにつれて、武装がシンプル化するのが特徴。

A装備

型式番号RX-9/A

ナラティブガンダムが大型兵装を装着した状態。一見するとアームドベースにナラティブが埋まっているようだが、言わば『竹馬に乗って、両手で物干し竿を持っている』状態のため、四肢の可動範囲は広く、AMBACもある程度機能する。

推力重量比そのものは低下しているが(素体2.6倍 → A装備1.6倍)、巡航形態をとって大型ブースター類全てを後方に向けることで爆発的な加速力を得られる。これによって、一分間弱の短時間であればフェネクスに“直線軌道限定で追いすがる”事が可能。

以下は、装備及び装備箇所。

複合特殊兵装「サイコ・キャプチャー」

両腕に保持して装備する特殊複合兵装。ユニット自体にジェネレーターを内蔵しており、ビーム砲、あるいは大型ビームサーベルを先端から発することもできる。

最大の特徴は、後部のクローパーツを先端まで移動、展開。そこからフェネクスの感応波に干渉するキャプチャー・フィールドを発することで、フェネクス機能停止状態に陥らせる「サイコ・キャプチャー」である。更にキャプチャー・フィールドは、フェネクスが放つ『時を巻き戻す』かのようなサイコ・フィールドを相殺、防御する事も一度は可能と、極めて優秀なサイコミュ兵器となっている。

クローパーツはキャプチャー・フィールド展開時にスリットに赤い発光が見られるが、この装備自体にサイコフレームは搭載されていないようなので詳細は不明。

劇中では片方をフェネクスのサイコ・フィールドによって分解されてしまったが、それでももう片方でキャプチャー・フィールドを形成し善戦できるほどには頑強な作りになっている。

脚部スラスターユニット

膝から下に「履く」ようにして装備する大型スラスター。股関節を中心に一定の可動域を有しているため、(パイロットが圧死しなければ)急制動のAMBAC肢として機能する。

五連装中型ミサイルポッド

サイコ・キャプチャーユニット最後部に三基ずつ、計六基を装備するが、同時発射可能なのは上部に位置している一基×二ヶ所のみである。

発射時は前面カバーが排除され、撃ち尽くしたポッドはリボルバーのように回転、次のポッドが上部に移動してアクティブとなる。

キャプチャーユニット自体に備わるため、本体を左右に向けることで射角も変えられる。

ハイメガキャノン

腰部前面に装備された、高出力メガ粒子砲

砲口が追加装甲と一体化されて増設されている。

大型ブースター

89式ベースジャバーのプロペラントタンク兼ブースター。腰部背面のコネクターに補助フレームを装備し、そのフレームに四基が接続される。可動域を持たないため純粋に直線加速用であり、推進剤を使いきった物は切り離す。

ビームサーベル

通常モデル。腰部背面のブースター接続用補助フレーム内側に、二基をマウントする。

A装備の補助(緊急事態用)武装であり、基本的に使用の機会は無い。

B装備

型式番号RX-9/B

ミシェルが『本命』として用意した装備。スペースコロニー内、しかも市街戦を想定した構成となっている。

100万人単位の非戦闘員が住まうコロニー内では、戦闘行為そのものが原則禁止のため、正規軍のMSは“敵より先に戦闘開始の挙動を見せる”(例:ビームライフルを相手に向ける)だけでも弾劾・処罰の対象となるほど繊細な配慮を要求される。

裏を返せば、高機動・高威力武装を有するMSにとって圧倒的不利を背負わざるを得ない地形であるため、もしフェネクスを誘き寄せられれば、“人智を超える”スペックの大部分を封殺でき、捕縛成功率が大きく高まる。

以下は、装備及び装備箇所。

有線式遠隔攻撃端末

端末二基、ケーブルリール、追加スラスターをパッケージングしたユニットを、バックパックに覆い被せるようにして装備する背部追加装備。B装備の要となる。

カタログ値の通り、ユニット重量に対してスラスター推力は申し訳程度の増加のため、機動性そのものは低下する。

ヨナがインコムと呼称していた(認識していた)攻撃端末は、ケーブルを介して推進剤が供給される仕様となっており、宇宙空間は言うに及ばずコロニー地表(円周部)の疑似1G環境下でも単独飛行可能な推力と、手動でビーム出力を下げられる=高出力解放バレル式メガ粒子砲を備えた、サイズに見合うだけの高機能を誇る。この高い推力のため、軌道変更用補器……リレーインコムを必要としない(後年において、ザンスカール帝国がロールアウトした高性能第二期MSコンティオの「ショットクロー」に近い仕様である)。

ただし、大型ゆえの慣性モーメントの不利、及びスラスター配置の限定から、攻撃端末としては運動性が高くはなく、シェザール隊との模擬戦、シナンジュ・スタインとの実戦いずれにおいても、簡単にあしらわれてしまった(そもそも宇宙世紀0090年代後半は、ファンネル自体が『時代遅れ』になりつつあり、ゾルタンからは『似非(えせ)ファンネル』と蔑称された)。

  • 秘匿機能

シェザール隊はおろか、パイロットであるヨナにさえ秘匿されているが、NT-D起動時にはケーブルを切り離した上で、バレルを分割・四つ又クロー形態に変形し、キャプチャー・フィールドを展開可能な、フェネクス捕縛用無線端末モードへと移行する。発動制限こそあれど、この状態となればまさしくファンネルの如き機動力を発揮するようになる。

なお、ケーブルを切り離すと推進剤供給が途切れるため、当然ながら稼働時間が非常に短くなる。

四連装小型ミサイル

下記の小型シールド側面に一基ずつのランチャーが内蔵されており、両腕を合わせて計四基のランチャーを装備する。コロニー地表に直撃しても(ミラー付近でなければ)外壁までダメージを与える事の無い、低威力実弾武装。

小型シールド

ジェガンのシールドを切り詰めて小型化したもので、両前腕コネクターに装備する。シールド機能よりも、ミサイルポッドとしての役割の方が大きい。

ビームサーベル

腰部背面のコネクターにサーベルラックを接続、二基をマウントする。

C装備

型式番号RX-9/C

予め用意していたA、B装備を損壊させた上、サイド6・メーティスコロニーでの戦闘行為という「重犯罪」への関与によって、シェザール隊に身を寄せられなくなったミシェルが切った『奥の手』。

予め収集していた「RX-0 ユニコーンガンダム」の予備のフル・サイコフレームに、最低限の加工を施し、ナラティブガンダムの装甲未装備箇所、及びメンテナンス用の装甲スライド部を全開にして生じた“隙間”へと、増加装甲として着込ませることで、「単機に可能な限り多量のサイコフレームを積載させる」というRX-0コンセプトを踏襲させた装備である。元々の装備プランには存在しない兵装で、「C装備」という名称も便宜的なものであり、ダマスカス内で装着を行っていたルオ商会側の整備員は「サイコ・パッケージ装備」と呼称している。

様々な“機能”を発揮するとは言え、あくまでも内部フレーム用部材であるサイコフレームを、外装として用いた歪な仕様ではあるが、それ故にナラティブガンダムの高い拡張性を証明した姿と言える。

以下は、装備及び装備箇所。

サイコフレーム

上述の通り全身に装備された、最低限加工済のサイコフレーム。NT-Dとの併用により、ニュータイプ専用機との戦闘ではサイコフレームが赤く発光し、ユニコーンガンダムを思わせる姿となる。

ビームライフル

手持ち武装。ジェガンビームライフルを元に急造された兵装であり、機関部の上部にサイトを備える他、バーティカル方式のEパックを採用。非使用時は、腰部背面のコネクターに懸架する。

ビームサーベル

バックパック上部両端をスライド展開させ、生じた隙間にホルダーを装着、二基をマウント。劇中より、アイドリング・リミッター機能の搭載が確認できる。

シールド

B装備で使用したシールドの1枚に武装搭載部を追加して大型化し、前面にサイコフレームを張り付ける事で、積載総量をアップさせている。しかし防御性能自体は“並”でしかなく、サイコフレーム活性化状態であっても、Ⅱネオ・ジオングとドッキングしているシナンジュ・スタインのビームライフル2丁の斉射を受け止め、吹き飛んだ。

νガンダムのシールド同様に、裏面にビームキャノン一基、小型ミサイル四発を装備。B装備時同様に表面にミサイル発射口を備えているが、追加した部品と干渉するため使用可能かは不明。

非使用時は、バックパックに懸架する。

劇中の活躍

サイド4近傍の暗礁宙域で作戦「不死鳥狩り」を行うシェザール隊の増援として、A装備でローズバッドから発艦して登場する。フェネクスに匹敵する推力で追い縋り、各種武装を駆使して追い詰めるが、ハイメガ・キャノンの威力が非常に高い事からフェネクスを無傷なまま捕獲したいヨナは使用を渋り、通信用ワイヤーで多少の呼び掛けをした程度でフェネクスには逃げられてしまう。

サイド6の18バンチ・学園都市メーティスにて、B装備に換装して出撃したナラティブガンダムは、サイコフレーム搭載機同士を戦わせてサイコフレームの共鳴現象を起こしフェネクスを誘き出すというミシェル・ルオの思惑により、サイコフレーム搭載機であるシナンジュ・スタインと激突することになる。

救援に現れたフェネクスが飛来したのに合わせて、搭乗者のヨナには知らされていなかったNT-Dシステムが発動、ケーブルから切り離され無線となったインコムがサイコ・キャプチャーでフェネクスを捕獲した上で破壊しようとする。

意に反した暴走はヨナの怒りを買い、フェネクス破壊こそ回避できたもののジオン共和国軍が持ち込んでいたハルユニットのコントロールを乗っ取る。そのまま合体してサイコ・フィールドを発生させながら両腕のメガ粒子砲を放ちコロニーを破壊しようとするが、その左アーム・ユニットにフェネクスが右の掌で接触し、リタ・ベルナルの説得を聞いたヨナが正気に戻った事で暴走が収まり、分離した。

その後、作戦失敗及びマスコミ対策の偽装としてC装備に換装される。ルオ商会に装備コンテナごと回収される手はずだったが、Ⅱネオ・ジオングとの決戦で出撃。救出したフェネクスの手を取り、伝導したかのようサイコフレームは青に発光色を変えてサイコフィールドの波動を放った。

Ⅱネオ・ジオングとの決戦で機体は完全に破壊されたが、間一髪ヨナはコアファイターで脱出後に射出座席で離脱しており、フェネクスへ移譲させると役目を終えた。

外部出演

スーパーロボット大戦シリーズ

ゲーム初出演。2018年12月にB装備で実装。最高レアリティのSSRではあるのだが、『バランス型』の構成のため、尖った性能の方が有利な本ゲームでは、ややパッとしない。サポート役としては優秀なため、メインアタッカーを他に任せれば、活躍の場は多い。

コンシューマ・スパロボ初参戦。

A装備が基本となり、B・Cは換装扱いとなっている。

A装備は宇宙専用だが地形適応が宇宙Sで移動力も高く、基本性能も良好だが、気力が上がるまでは攻撃力の高い武器が使えない。

B装備は汎用装備扱いで、地上に降りると強制的にこちらの装備になる。貴重なMAP兵器持ちでA装備と比べると癖は少ないが、全体的に攻撃力が低めでパンチ力に欠ける。またこちらは宇宙でも出撃可能なので、宇宙ステージでは自分で換装し直さないとA装備で出撃できない(強制出撃を除く)。

終盤のキーミッション「神話のその先へ」でC装備が追加。耐久面はA・Bと比較すると落ちるが運動性が向上し、何より今までの懸念材料だった攻撃力が大きく強化される。

しかしながら、C装備が追加されるステージ中にヨナがフェネクスに乗り換えてしまうので、場合によっては全く使うことなく出番が終了ということも……。

幸いナラティブは汎用機なため、同話で仲間になるも乗機がパンチ力不足なを乗せてやると良い。

ガンダムVSガンダムシリーズ

全国大会『PREMIUM DOGFIGHT 2019』会場にて2019年11月14日に追加プレイアブル機体として参戦発表された、2000コストの万能機。

B装備で最初は出撃しC装備に換装できるものの、1度換装すると戻れない一方通行仕様となっている。(そのため、既にプレイアブルになっているユニコーン系統機で一番戦闘スタイルが近いのはフルコーン)。

B装備は、インコムやビームサーベル投げといった射撃武装を主体とする形態。

時限強化武装としてNT-Dも装備しており、発動中はインコムが足を止まらずに射出可能・ビームサーベルも一度に2本投げるといった強化がされる。

C装備は射撃シールド付き強襲を繰り出せるだけでなく、1度だけ射撃を防ぐバリアも展開可能、アシストでフェネクスを呼び出し援護してくれる(アシストを使った降りテク、通称『アメキャン』にも対応している)。

このように中コスト帯機体の中でも多彩な武装を持つ。ただし一方通行仕様なので戦局をみて的確な換装タイミングを見極める(援護が必要なのでB装備で戦う、不利なので早めに足回りの良いC装備になっておく等々)プレイヤーの的確な状況判断能力が必要になる。

EXバーストアタックはフェネクスと二機協力して特大のサイコフレームの光を敵に放つ。もちろん、当たり判定も特大である。

機動戦士ガンダムバトルオペレーション2

B、C装備が実装されている。いずれも650コストで、作中で交戦したシナンジュ・スタインやフェネクスは700コストなのでやはり1ランク下の機体として扱われている。

  • B装備

「最小出力なら…、インコム!!」

2022/12/15に実装。650コストの汎用機。

兵装はジェガンD型用バズーカ、ビームサーベル、60mmバルカン砲×2、4連装ミサイルランチャー×2[焼夷]、有線式遠隔攻撃端末×2[挟撃]、有線式遠隔攻撃端末×2[JAM]。

射撃兵装が充実しており攻撃補正も射撃・格闘でほぼ均等だが、主兵装が500コストのジェガンD型と共用で副兵装も含め低威力。代わりにビームサーベルが高威力なので豊富な射撃を布石に格闘戦を挑む機体。威力を考えなければ2種の即よろけに高蓄積で高速移動中に射出可能なインコム、インコムと併せて蓄積よろけが取れるバルカンとよろけ能力は優秀。このサイコミュ兵装とバルカンでよろけを取り格闘を叩き込むというムーブは、奇しくもフェネクスも得意とする戦法である。

また、インコムJAMは劇中のキャプチャーフィールドの再現武装で、あらゆる動作速度を低下させ、更に大量のスラスターを消費させる独自兵装。下格闘後に当てる事でダウン復帰した敵を逃がさず仕留める事が可能。なお、NT-Dは実装されていない為、ケーブルは付いたまま射出する。

  • C装備

「意外とやせっぽちだなお前」

2023/12/14に実装。650コストの強襲機。B装備からほぼ1年越しの実装となった。

兵装はビームライフル、ビームサーベル×2、60mmバルカン砲×2、シールド装着型ビームキャノン、シールド装着型ミサイル×4、打撃。

2種格闘を狙う近接機だが、B装備と比べると補正は射撃寄りで射撃兵装も高威力なので射撃戦もそれなりにこなせる。打撃は他の機体のものと異なり威力が並程度にあり、切り替えも速く下格闘補正も高い為優秀だが、キックなのでリーチが短いのが難点。

こちらはNT-Dも実装されておりHP80%以下で任意発動可能だが、全体的な性能強化に留まりかつ耐久が持続的に減少する為、この段階は我慢の時。

C装備が全力になるのはNT-D発動後30秒を耐え抜き覚醒した時。打撃がサイコフィールドを纏ったものに変化し威力が上昇、リーチも延長。特に下格闘はキックから2連続のサイコフィールド斬撃となり発生も早い。元々あった欠点が全て解決する超性能の格闘兵装となる。

また、チャージする事でサイコフィールドを飛ばす事が可能。射程がビームライフル並に長く、命中時は大よろけとなる。同コストは可変機やフライト機が飛び回っており、これらを一撃で撃墜可能だが、弾速が遅く発射モーション中はこちらも隙を晒す為扱いは難しい。

700コストのNT-D機はNT-D発動が本番でその後の覚醒は生き延びた後の多少のご褒美程度の能力だが、こちらは覚醒こそが本領発揮である為、程々にダメージを受けてNT-Dを発動し、大きなダメージを受けずにしかし味方には負担をかけない程度に戦闘に参加して覚醒する事が必要になるので、扱いは非常に難しい。その分覚醒してしまえば打撃の超性能を押し付けられる為、プレイヤー間でも評価が分かれている機体である。

2018年11月30日にHGUCで発売。A装備でのキット化となる。当該キットでは、樹脂強度の限界によりサイコ・キャプチャーの展開ギミックが、アニメとは異なる仕様となっている。

2023年07月29日にガンダムベース限定でクリアカラーが発売されている。

さらにB装備への換装パーツが、プレミアムバンダイ限定で発売。ナラティブガンダム本体は同封されていないため注意。

後にガンダムベース限定アイテムとして、ナラティブ本体にB装備への換装パーツを同梱したB装備が2019年12月20日に発売。

物語上、重要なキーとなるC装備のHGUCは、(一般的な)劇場公開期間の終了した、2019年3月に発売となった。

バリエーションとしてはガンダムベース限定で2019年04月06日にクリアカラーのC装備が、2019年11月01日に白部分はチタニウムフィニッシュでサイコフレーム部は艶消しメッキとなったチタニウムフィニッシュが発売。2023年08月05日には劇中のシーンをイメージしたラメ入りのクリアブルーのサイコフレームと青みのかかった成型色に変更した覚醒イメージカラーのC装備が発売された。

MGでは、既存キットの仕様変更として早期に発売されたフェネクスやシナンジュ・スタインに対し、主役機でありながらかなり出遅れてしまったものの、2024年4月27日に「ナラティブガンダム C装備 Ver.Ka」が発売された。こちらは、C装備を取り外せる仕様でノーマルの状態も再現可能。さらに、コア・ファイターのギミックも再現されており、コアファイター自体は初めての立体化となった。

そして、ナラティブガンダムのサイコフレームを着用できる長所を生かし、なんと未発光状態のサイコフレームのパーツまで付属する。

そしてサイコフレームのパーツはMGのユニコーンガンダム系と互換性がある。それにより、サイコフレーム未発光状態のユニコーンを再現したり、逆にフェネクスのサイコフレームを装着してフェネクス救出時の発光状態を再現したりする事も可能と、ユニコーンの予備のサイコフレームを流用した設定を活かしたギミックを持つ。

余談

装備のシンプル化

「装備」の項で触れた通り、ナラティブガンダムは初期のA装備が最も重装備となっており、そこから順にシンプルな構成へと換装していく。 これは『機動戦士ガンダムNT監督吉沢俊一氏が、今までのガンダムシリーズでは時系列が進むにつれて主役ガンダムの装備がパワーアップしていたのと真逆になるような、新しい挑戦をしたいという事で考案し、取り入れた演出である。

また、「鳥」をテーマにした本作ストーリーにおいて真っ白な装甲に包まつつもフレームが剥き出しのデザインは「卵の殻を被った雛鳥」とも取れ、A装備からナラティブがどんどん小型化し、最後はコアファイターとなる展開は「卵の殻を脱ぎ捨てて飛び立つ雛鳥」をイメージしたものと思われる。コアファイターのデザインも戦闘機というより鳥をイメージしたシルエットとなっている。

さらにそのコアファイターすらも過程にすぎず、ヨナ自身が飛び出してサイコスーツをパージしてフェネクスに乗り込むまでの展開も「再び卵に戻り、不死鳥へ再誕する」という展開を意識したものか。

プロデューサーインタビュー

劇場公開前のインタビューにおいて、『機動戦士ガンダムNT』のプロデューサーである小形尚弘氏(サンライズ第一スタジオプロデューサー)は、『フェネクスとナラティブの性能差』について、単純なサイコフレームの搭載量としてはフェネクスに大きく水をあけられているが、性能的には設計思想が全く別系統の機体であるため、一概にナラティブガンダムが不利というわけではない、と語っていた。

そして劇中ではその言葉の通り、ナラティブガンダムB装備は自機に圧倒的優位となる状況を作り上げる戦術によって、事実上フェネクスの捕縛に成功している。

その他にも、フェネクスがサイコシャードを一刀両断にするなど、まさしく「モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差ではない」事を示すシーンが数多く見られた。

サイコフレーム発光色

C装備の発光色は、通常は「ナラティブガンダムはユニコーンガンダムの弟」という脚本家イメージにより赤色が採用されている。また、フェネクスとの共闘において一時的に青色に変色するのは、監督による演出アイデアで決定された。

名称

脚本を担当した福井氏はインタビューにおいて、「ナラティブ」の名称は「定義するもの」「ニュータイプというものを囲い込んで捕まえるもの」という意思を込めて、ミシェルが名付けたんだ“と思います”としている。

小説版では「神話」を意味しており、フェネクスを捕らえるということは正に人が神の領域に踏み込むのと同義であるとしてミシェル・ルオがそれに対する戒めを込めてそう名付けたとされる。

後年代との繋がり

コックピットのコントロールシリンダーは、視聴者が『機動戦士Vガンダム』への技術的系譜を想像できるよう、意図的に設定されている。外観としても、カトキハジメ氏が脚部デザインにF91のそれを取り入れている。

撃墜数0の主役機

既述の通り、フェネクス捕獲に特化した運用をされた結果、主役機でありながら敵機を1機も撃墜していないという珍しいガンダムになっている。

関連項目

機動戦士ガンダムNT ヨナ・バシュタ

アナハイム・エレクトロニクス

ヤクト・ドーガ νガンダム サイコフレーム

NT-D

フェネクス

類似コンセプト

μガンダム:設定上存在するサイコフレーム試験機。一部ファンからナラティブガンダムの正体なのではないかと噂されていた。

ガンダムTR-6:換装を前提にコアファイターに手足を付けたような機体。コアファイター部はむき出し、腕はフレームが露出した頼りないもので、脚部はジェネレータの内蔵されている大腿部以外は細身の最低限となっている。こちらの装備は最終段階においては過剰なほどに肥大化している。

オデュッセウスガンダム:(後付けではあるが)換装前提とした機体の一つで、ナラティブの運用データを基にして開発されたといわれている。こちらも素体状態ではシンプルな形状である。

F90:検証試験用の機体で、A装備など各種装備に換装して運用される。

Gセイバー:素体に外郭装甲や補助駆動ユニットなど様々な換装パーツを装備して運用される。

編集者:フリッカー
編集内容:主役機でありながらかなり出遅れてしまったものの、