インパルスガンダムSpecⅡ
いんぱるすがんだむすぺっくつー
ルナマリア・ホーク「大きなお世話!好きじゃなくてなんで付き合うのよ!」
機体データ
型式番号 | ZGMF-56E2 |
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全高 | 17.76m |
重量 | 63.54t |
装甲材質 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
動力源 | バッテリー |
所属 | モルゲンレーテ社→世界平和監視機構コンパス |
パイロット | ルナマリア・ホーク |
概要
かつてザフトが開発したセカンドステージシリーズの1機として第二次連合・プラント大戦においてシン・アスカやルナマリア・ホークが搭乗し大活躍、同大戦の最終決戦であるメサイア攻防戦にて中破し乗り捨てられたZGMF-X56S インパルスをターミナルが秘密裏に回収し、オーブ連合首長国代表首長カガリ・ユラ・アスハ経由でモルゲンレーテ社に送られ、同社により修復の上、バッテリーを最新型にするなどのアップデートが施された機体。
同列の改修機であるZGMF/A-262B ストライクフリーダム弐式およびZGMF/A-42S2 デスティニーSpecⅡは「新型融合炉および新装備の性能評価実験に使用されていた」事がエリカ・シモンズの口から判明しているが、動力がバッテリーであり武装にも変化が見られない本機が何を目的に改修されたかは明らかになっていない。ただしこの新型バッテリー、これまでのものと比べ格段に出力が上昇しているようで(詳細は後述)、こちらの試験を行っていた可能性は考えられる。
第二次大戦時も使用していたフォース・ソード・ブラストの各シルエットも用意されており、新たにシルエットフライヤーにはインパルス本体からの遠隔操作が可能になっている。また、ブラストシルエットのみ本体カラーが変更されている。
C.E.75では性能的にインパルスは既にやや旧型機扱いになっており、ブラックナイトスコードなどの最新鋭機には遅れを取っている。デスティニーSpecⅡやストライクフリーダム弐式と比べても性能は一枚劣っているが、インパルス自体の汎用性や運動性は健在である上にDESTINY本編と比較してルナマリアの操縦技術が向上したこともあって並のモビルスーツ相手なら現在でも十分戦える性能は備えており、劇中ではミレニアムの護衛役としても大きく貢献した上に、インパルスの後に開発された近接戦を得意とするギャンシュトロームにも勝利するなど、衰えぬ実力を見せている。
旧機との最大の違いは、バッテリー変更によるものかヴァリアブルフェイズシフト装甲色が変化している点。
- フォースは若干暗いトリコロールカラー(今は亡き戦友の機体の色に似た恋人の愛機とペアルックとも言えよう)に変更。
- ソードは赤をほぼ全身に配色し胴体を黒く染めたカラー(偶然かルナマリアのパーソナルカラーに近い)ものに変更。
- ブラストはオリーブグリーンを中心としたミリタリー色が強いカラーに変更。
なお本体・シルエットともに形状の変更は無い。型式番号の付番法則も各シルエットで旧インパルスと同じである(例:フォースインパルスSpecⅡならZGMF-56E2/α)。
この他、改修前と同様にシルエットシステムではバッテリーの補給はできないものの、バッテリーが切れてもデスティニーSpecⅡからのデュートリオンビーム照射によって再充電することが可能。
さらに、ミネルバ以外でのインパルスシステムの運用ができるように、最初からドッキング状態のまま使用されるようになった(分離機能は残されている)。このためか、これまでの発進時の機体名呼称が「コアスプレンダー」だったのに対し本機は初めて「インパルス」と呼ばれている。
武装
固有の装備に変化は見られないため、ここでは武装名と簡潔な解説のみとする。詳細はインパルス・フォースインパルス・ソードインパルス・ブラストインパルス各記事を参照。
インパルス本体
MMI-GAU25A 20mmCIWS
胸部に2門装備されている機関砲。
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ
サイドスカートに格納されている折り畳み式ナイフ。劇中未使用。
MA-BAR72 高エネルギービームライフル
固有のビームライフル。劇中ではビーム射撃の通用しないフェムテク装甲対策に後述の「試製35式改レールガン」を装備したため未使用。
MMI-RG59V 機動防盾
伸縮機能を備えた対ビームコーティングシールド。
フォースシルエット
MA-M941 ヴァジュラビームサーベル
シルエットの専用ラックに計2本マウントされているビームサーベル。
ソードシルエット
MMI-710 エクスカリバーレーザー対艦刀
背部に2本マウントされている対艦刀。VPS装甲のカラー変更に伴ってか、本装備も黒を基調としたカラーに変更されている。
RQM60 フラッシュエッジビームブーメラン
背部に2基装備されているビームブーメラン。簡易ドラグーン式であることを活かしてか、一度実体ブーメラン状態で投擲し途中で2つに分離するというトリッキーな戦法を見せている(機能に変更はないため元々可能ではあったようだが、SpecⅡで初めて使用した)。ブーメランの軌道を途中で変更できるため有効な戦法だが、ブーメランのマウントラック基部を投棄してしまうため回収が不可能になる。
ブラストシルエット
M2000F ケルベロス高エネルギー長射程ビーム砲
背部に2門装備されている大型ビーム砲。
MMI-M16XE2 デリュージー超高初速レール砲
肩部に2門装備されているレール砲。
GMF39 4連装ミサイルランチャー
ケルベロスの砲門の反対側に装備されているミサイルランチャー。これまでケルベロスとの同時使用は不可能とされていたがそんなことはなかったようで、ケルベロス発射中にミサイルも同時発射している。
MA-M80 デファイアントビームジャベリン
ケルベロスの砲身内部に格納されているビームジャベリン。劇中未使用。
オプション装備
試製35式改レールガン
フェムテク装甲対策として採用された追加武装で、「MA-BAR72 高エネルギービームライフル」の代わりにゲルググメナースと同型の物を装備して出撃している。
劇中ではライトニングバスターからミーティア08号機を受け取り、使用した。ガンダムSEEDシリーズの映像作品でバッテリー機がミーティアを使用した唯一の事例となった。
なお、07号機と08号機はハイパーデュートリオンエンジン搭載MS(ストライクフリーダム・インフィニットジャスティス)、もしくは核エンジン搭載MS(デュエルブリッツ・ライトニングバスター)でそれぞれ運用を想定しているバッテリー仕様であり、バッテリー機であるインパルスでは一時的な使用こそできても長時間の戦闘は不可能と思われる。とはいえ「MA-X200 ビームソード」で陽電子リフレクターを無視できるほどの出力は捻出できるようで、新型バッテリーの瞬間出力は非常に高まっているということだろう。
ちなみに、漫画『DESTINY ASTRAY』では別個体のミーティア(05号機、06号機)がバッテリー機に運用されているが、こちらは核エンジンが搭載された『ジャンク屋組合仕様』と区別されている。
劇中の活躍
アカツキ島でストライクフリーダム弐式、デスティニーSpecⅡと共に修復・回収されていたことが明らかとなり、ミレニアムに各シルエットと共に艦載されルナマリア・ホークの乗機となる。作中前半のルナマリアの乗機であるゲルググメナースは無傷で残っていたものの、こちらはヒルダ・ハーケンが引き継いだ。
最終決戦ではシン・アスカのデスティニーSpecⅡ・ヒルダのゲルググメナースと共に出撃。最初はシルエットなし状態で発進し、次いで発進した3種のシルエットの中からブラストを選択、両機と共に前線に赴く。
ファウンデーション王国の艦隊と会敵すると、ジン-Fから放たれたミサイルをフリーダムのフルバーストを思わせる一斉射で全弾迎撃(この後、後述するシーンまで映らないもののかなりの敵軍を殲滅させていたようであり、バッテリー残量が半分を切っていたことやこの後の戦闘で量産機群が現れていないことからも見て取れる)。ブラックナイトスコード ルドラの出現を確認すると、眼前にいた大量の量産機や無人機を、ケルベロス・デリュージー・ミサイルランチャーの一斉発射で薙ぎ払って(この時点で一帯の艦隊が全滅したようである)からフェムテク装甲に対応するためソードに換装。エクスカリバーをアンビデクストラスフォームで起動し立ち向かうが、直後にファウンデーション側に寝返っていたアグネス・ギーベンラートのギャンシュトロームと邂逅。あちらからビーム機銃を撃たれたため機動防盾で防ぎつつルナマリアはこの時点で寝返ったと判断、エクスカリバーで攻撃を加えるもビームアックスに防がれる。一旦距離をとったところでスレイヤーウィップを食らってエクスカリバーを破壊されてしまうも、瞬時にフラッシュエッジを実体ブーメラン状態で投擲。さらに遠隔操作で途中で切り離しビームブーメラン状態とし、意表を突いてビームアックスとスレイヤーウィップの破壊に成功する(が、連結部を切り離したためフラッシュエッジは回収不能となった)。
その後はレールガンで中距離戦をしていたようだが、バッテリーが危険域に達しフェイズシフトダウンを起こしてしまう。ルナマリアはデスティニーSpecⅡを呼び寄せ、到着までの時間でフォースに換装。合流したデスティニーSpecⅡの左腕を掴んで静止、デスティニーSpecⅡからデュートリオンビームを受信してバッテリーを回復、再度ギャンと交戦。ビームサーベルを持ちつつシールドを突き付け合い、パイロット同士で舌戦も展開しつつ熾烈な白兵戦を繰り広げる。距離を取ってレールガンで牽制した後、再びビームサーベルを手に接近。ビーム機銃連射を機動防盾で防ぎ、すれ違いざまのビームサーベルの一閃でギャンの右腕とバックパックのウイング部を切り飛ばす。間髪入れずに機関砲をギャンのメインスラスターに撃ち込んで破壊、月面に不時着させ戦闘不能に陥らせる。
同じ頃にルドラを撃破したデスティニーSpecⅡと再度合流、レクイエムの所在地であるダイダロス基地へ向かう。途中ディアッカ・エルスマンからミーティアを貸し出され装備、直後に合流したキャバリアーアイフリッドに乗るインフィニットジャスティス弐式と共にレクイエム砲口へ突撃するデスティニーSpecⅡを援護し、レクイエム破壊を見届けた。
戦闘終了後はミーティアと分離。不時着していたアグネスを迎えに行くために着陸、彼女へ右腕を伸ばした。奇しくもこの構図はメサイア攻防戦にてルナマリア自身がアスランのインフィニットジャスティスに救助された時と全く同じになっている。その後はアグネスを連れてデスティニーSpecⅡと共にミレニアムへ帰還した。
立体物
現状はフォース仕様のみ。
2024年2月にRGが発売。
過去に発売されたRG フォースインパルスガンダムの劇場アニメ仕様である。オリジナルのインパルスと唯一配色が異なる肩用のランナーが追加されたため価格は税抜き100円値上がりしており、ノーマルとギミックやディテールの説明は全く同じ。またパイロットフィギュアの方もルナマリアのものはなく、オリジナルのシンのもののみが付属している。
METAL ROBOT魂の販売も予定されている。
ゲーム作品での扱い
機動戦士ガンダム EXTREME VS.2 OVERBOOST
2024年2月6日のアップデートでライジングフリーダムの実装と合わせてインパルスガンダム(ルナマリア搭乗)にアップデートが行われた。機体そのものはDESTINY版のままだが、新たに「ブラストシルエットによる一斉砲撃」「ギャン撃破時の切り抜け→バルカン追撃」などのSpecⅡで行った攻撃を再現した技が追加された。
モンスターストライク
2024年2月中旬で映画公開記念でコラボし、星4,5枠のガチャ限として参戦。こちらは前述の通り星6キャラでは無いため生憎外れキャラというポジション。だが、星4,5キャラだからこその見せ場がもれなくあるのでご安心を。
性能としては、超アンチダメージウォールとアンチ魔法陣とアンチブロックの3ギミック対応で友情ブーストLとウォールブーストという強化アビリティを持つ。最大の特徴は友情ブーストLの存在であり、インパルスの持つホーミング弾で一網打尽に蹴散らすことが可能である。だが、ホーミング吸収の敵がいたら折角の自慢のホーミング弾が無効化されてしまう為連れていく際にはそこに注意したい。
因みに進化前の機体はゲルググメナース。
詳しい性能はこちら⬇
余談
- 公開前から存在が公表されていた機体であったが、実際に映画本編に登場したのは後半から。それもルナマリアの機体としての登場であり、誰もが乗ると一度は思ったであろうシンがインパルスSpecIIに乗る事は結局なかった。
- 後半からの登場機で公開前に公表されていたのはこのインパルスSpecⅡのみである。これには、「(実際にはシンが搭乗した)イモータルジャスティスに乗るのはアスランだろう」とミスリードさせる狙いがあったものと思われる。
- ライジングフリーダムらにはあった世界平和監視機構コンパスの部隊章が(情報公開時は)本機のみなかったことで、コンパスに所属しない機体と言う推察が広がっていた。
- 後に、バンダイから発売されるカードダスでコンパス所属である旨が記載された。
- …しかしながら、作中ではコンパスの活動停止後に独断で発進したミレニアムの艦載機となって登場。部隊章がなかったこともこれに起因するものだった。
- 『DESTINY』劇中においては「インパルスはルナマリアでは乗りこなしが不十分」と揶揄されることが多かったが、本作では全てのシルエットを使いこなした上に武装以外無傷で戦い抜いた。エース級に成長したルナマリアの活躍シーンは必見である。
- 特に苦手とされていた射撃はゲルググメナース搭乗時点から改善されている描写があり、ブラストインパルスでも十分な戦果をあげている。
- 『DESTINY』ではストライクフリーダムとインフィニットジャスティスは無傷で、インパルスは右腕と左足を切り取られた以外は無事だったもののデスティニーは四肢を切断されボロボロにされてしまうというあんまりな末路を迎えてしまっていたが、今作では逆にストライクフリーダムは本体が弓折れ矢尽きる状態まで武装箇所をほぼ全損、インフィニットジャスティスも片腕を切られた一方、インパルスはデスティニー共々本体は全くの無傷というTVアニメ版とは真逆の結末を迎えている。
- シルエットフライヤーは、インパルスを開発した際に既に遠隔操作及び母艦無しでの運用も考案されており、ドラグーンシステムを用いた「ドラグーンフライヤー」も想定されていた。
- 『FREEDOM』に登場したシルエットフライヤーは外見がそのままで、遠隔操作にドラグーンシステムが使われているかは不明である。
- 第ニ世代ドラグーンシステムの実用化から、ドラグーンの適性が無いパイロットでもドラグーンフライヤーを運用可能な段階に入っているものの、インパルスの改修を行ったのがモルゲンレーテ社の秘密ドックである事を踏まえると、遠隔操作はオオトリなどに使われているオーブの技術の可能性もある。
- 劇中、フェイズシフトダウンを起こしてデスティニーからデュートリオンビームを貰った際、視聴者からはシンとルナがキスしている様に見えるという声もあった。実際、シンとルナの中の人は夫婦でもある。
- ロボット同士のキスなのでこちらの作品を連想した視聴者もいる模様。
- アカツキ島地下にて待機状態で登場するシーンだが、フリーダム・デスティニーときたらジャスティスを連想してしまうファンの根強いイメージからか、高確率でインフィニットジャスティス弐式と勘違いされている。この時点でインフィニットジャスティス弐式はオーブのドックにおらず既に稼働していることを留意されたし。
- 勿論よく見れば各部の形状でインパルスとわかる。だが上記のイメージに加え、映画本編ではほぼ一瞬であることやディアクティブモードであるため色の判別がつかないこと、デュアルアイのカラーはジャスティス系統と同じであることなどが災いしてか未だにインフィニットジャスティス弐式と思っている人は多い。このシーンはFREEDOMのMVにも映っているので、一時停止して確認してみるといいだろう(3:59付近)。
- 映画公開前の2024年1月18日にRGデスティニーインパルスの再販予約が始まり、先に公開されていたインパルスSpecⅡの存在やデスティニーが大破していた事情から、視聴者からは「シンが再び搭乗し、デスティニーインパルスとして劇場版に登場するのでは?」と予想されていたが、実際はルナマリアが改修されたインパルスに再び搭乗、シンも同じく改修されたデスティニーに搭乗し、両者揃って前作の意趣返しの如く大活躍を果たした。
- 劇中ではしっかり主役機の一つとして扱われているため目立つことはないが、本来はモルゲンレーテにおいてテストベッドとして使用されていたことになる。つまり本機からデータを採取して新型機の開発に利用されている可能性もあり…?
- 現存しているはずのガイアが一切登場していないこともあり、改修されたとはいえ純粋なセカンドステージシリーズの機体の中で、唯一劇場版に登場した機体である(デスティニーは表向きはセカンドステージシリーズの機体であるものの、実際はサードステージシリーズの機体)。
関連タグ
ZGMF-X56S インパルス インパルスシステム シルエットシステム セカンドステージシリーズ
ガンダムエクシアリペアⅡ、ガンダムX3号機:コンセプトが類似している前半主役機の改修機。
ガーベラ・テトラ:作中の中盤までゲルググ系を駆ったヒロインが乗り換えたガンダムタイプ繋がり。
Vガンダム:同じく合体機構を持っているためよく引き合いに出されていたモビルスーツ。今作ではVガンダム中盤以降と同じ「各パーツをドッキングした状態で出撃する」方式を取っている。